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千森 弘子 院長の独自取材記事

ちもりメディカルクリニック

(大阪市福島区/玉川駅)

最終更新日:2022/04/11

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JR大阪環状線・阪神電鉄各線の野田駅、地下鉄千日前線の玉川駅から歩いて数分の場所に位置する「ちもりメディカルクリニック」は、内科・産科・婦人科を標榜しており、女性のみならず家族ぐるみで通う患者も多い地元密着のクリニックだ。院長を務める千森弘子先生は、高知医科大学(現・高知大学医学部)を卒業後、大阪大学医学部附属病院など複数の病院で勤務し、国立循環器病センターの周産期科では、ハイリスクな出産を幾度となく経験。その後、大阪大学で子宮がん研究に従事した後、現在のクリニックの前身となる「三浦クリニック」を継承し、現在に至る。「開業することは考えていなかった」と話す千森院長に、これまでの経歴や、開業に至ったきっかけなど、じっくりと話を聞いた。

(取材日2017年8月9日)

父や母の苦しむ姿をみて医師の道を志す

なぜ医師の道へ、そして産婦人科に進まれたのですか?

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小さい頃は教師などいろいろなりたいものがあったんですが、決断したのは高校生のときでした。友人が医学部をめざしていて影響を受けたんです。父が心筋梗塞を患ったことや、母が生理痛がつらく、よく寝込んでいたこともあり、もともと身近な人の健康管理に興味を持っていたということもあります。病気そのものと、患者さんの気持ちを理解したいと考えるようになったんですね。産婦人科へ進むと決めたのは大学6年の時なんです。出産や生命の誕生に感動したことに加え、高知医科大学に在籍していたのですが、高知県というのは漁業が盛んで、出産や、切迫流産など緊急時なども、漁師である父親は立ち会えないことが多いんです。家族背景などを知っている医師・病院側と、妊婦さんや患者さんとが密接な関係になっていく光景をみて、やりがいを感じました。

大規模な病院で長く勤務され、研究にも従事されたそうですね。

大学卒業後は、大阪大学医学部産科学婦人科学教室に所属し、2年目で大手前病院で一般診療を経験しました。4年目で国立循環器病センターの周産期科に移ったのですが、ここではいわゆるハイリスクな出産ばかりなんですね。重い心臓病を抱えるなど、本来であれば妊娠・出産は諦めなければいけないほどリスクが高い妊婦さんや、未熟児や低体重児など、難しい出産・治療にあたってきました。その後、大阪大学の病理学研究室に所属し、がん遺伝子を使った子宮がん肉腫の発生起源の研究にのめりこんでいました。国内はもとよりアメリカの研究会でも発表し、学術誌に論文が掲載されたこともあります。大規模な研究ができたことは今となっては大きな糧になっています。

開業に至ったきっかけを聞かせてください。

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研究生活の後、市立伊丹病院で勤務していた際に、私自身が妊娠・出産を経験しました。双子だったこともあり、子育てが大変だったため、パートタイムの勤務医となり、複数の病院やクリニックをかけ持ちで勤務する生活になったんです。そのうちの一つが、当時、大阪市福島区玉川にあった「三浦クリニック」でした。三浦クリニックの院長先生がお亡くなりになられた際、院長先生のご家族から打診があり、2006年クリニックを継承し、私が院長となりました。私自身はまったく開業志向がなかったのですが、場所や患者さんが既に存在する状態で開業する状況はめったにありませんので、やってみようという気持ちになったんです。その後、2008年に「ちもりメディカルクリニック」と院名を変更し、2010年にこの場所に移転し、今に至ります。

検診担当の妊婦出産後は、新生児を抱きに病院へ

勤務医や研究の生活から開業医になって、どう変わりましたか。

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変化は大きかったですね。三浦クリニックは内科と婦人科を標榜していたため、まず、対応する疾患が幅広くなりました。これは、パートタイム勤務時代、淀川キリスト教病院の人間ドック、検診を担当したことで、産婦人科以外の生活習慣病などの内科を中心に他の科の勉強をすることができたことが非常に役立ちました。あとは、患者さんとの距離感が全然違いますね。気さくな患者さんも多く、高齢者を中心に定期的に来院する方も増えていますが、顔を見ればすぐ誰かわかりますしね。病院の外来診療とはまったく違いましたが、きめ細かな診療ができることは、とてもうれしく感じました。

医師としてやりがいを感じるのはどんなときですか。

投薬など治療方法を試行錯誤して、患者さんから喜んでいただくことが、やはり何よりうれしく感じます。特にクリニックですと、患者さんと密接な関係になりますので、患者さんの喜びもダイレクトに伝わってきて、本当に励みになるんです。医療というのは、一人ひとりの患者さんと向き合っていく、この積み重ねでしかありません。医師となって長くなるにつれ、知識や技術の習得は減っていきますが、今も日々患者さんから勉強させてもらっていると痛感しています。いろんな主訴で来院されますし、幅広い疾患にどう対応すればよくなっていくか、患者さん一人ひとりから学ばせてもらっています。

どういう患者さんがよく来られているんでしょうか。

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地元の患者さんがほとんどです。産科・婦人科に来る女性は20代から50代を中心に幅広いです。がん検診、妊婦検診、不正出血や更年期障害など主訴をもって来られる方が主となります。あとは妊婦検診ですね。クリニックで検診をし、病院で出産、という連携が一般的になりました。私は、妊婦検診を担当した方が出産された際は、近い病院であればできる限り会いにいくようにしています。生まれたばかりの赤ちゃんは本当にかわいくて、抱っこさせてもらうえるのもうれしいんですよね。内科の患者さんは40代から70代を中心に生活習慣病が多く、継承する前の三浦クリニックの頃からずっと通ってくださっている患者さんや、女性のご家族の来院をきっかけに男性もよく来られています。

同じ病気でも背景は違う「一人ひとり」を大切に

診察の際に心がけていることはどんなことでしょうか。

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患者さんと同じ目線で「一対一で診る」ということですね。同じ病気でも一人ひとり、症状や背景、生活環境などまったく違っていますので、「個性」を大事に診察していくことを常に念頭に置いています。介護をしていたり、お孫さんがいたりなどする家庭環境や、膀胱炎になりやすい患者さんなどの体調や病状の「癖」や、投薬か、注射や点滴を望むかなど治療の好みもあります。これら診察時に伺ったことや把握したことを覚えるようにしています。特に生活環境については、生活習慣病にも影響しますしね。

今後の方針や、やっていきたいことはありますか。

大学を卒業して医師になり、その後開業して12年目になりますが、ここまで突っ走り続けてきた感があります。勤務医時代から今に至るまでいろんな症例を診てきましたし、手広く研究・勉強してきたと思います。今後は、もう少しスローペースで医療を提供していきたいです。通院されている患者さんも年齢を重ねています。体調や状況の変化も診てきていますので、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合っていきたいと考えています。個人的には、子どもも高校生と中学生になり、子育てもひと段落しましたので、リフレッシュする時間をもう少し持てるようにしていきたいです。クラシック音楽を聴くのが好きで、自宅でも楽しみますし、コンサートホールにも出向くようにしています。あとは自分のメンテナンスですね。泳ぐことがとても好きなのですが、なかなか時間が取れていないんです。また挑戦したいですね。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

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「自分の体を大事に」ということです。不調が出たときにはためらわず、すぐクリニックに来てもらいたいんですが、怖がったり、我慢されたりする方も少なくありません。ご家族で通われることも多く、地域の、そして家族のかかりつけ医になれるよう、身近なクリニックでありたいです。あとは、若い世代の方にも検診をきちんと受けていただきたいです。HPV(ヒトパピローマウイルス)や子宮頸がんワクチンも知られるようになり、20歳からの子宮がん検診も推奨されていますが、受診率ははまだ低いです。妊娠・出産を経験して検診が身近になるようですが、出産年齢が上昇し、受診年齢も遅くなってしまいます。子宮がん検診により、まだ異形成の段階でがんが発見される若い患者さんもいます。「一度も婦人科に行ったことがない」という方も、早期発見・早期治療のためにも、難しく考えずにクリニックに来ていただきたいですね。

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