武内 真有 院長、武内 治郎 先生の独自取材記事
武内小児科・内科
(大阪市都島区/都島駅)
最終更新日:2025/02/12

大阪メトロ谷町線・都島駅徒歩4分とアクセスの良い場所にある「武内小児科・内科」は、都島区で開業し40年以上、現在の地に移転してから30年超の歴史を持つ。2代目の院長の武内真有医師は糖尿病内科を専門としながらも、小児科医療を実践で学び、地域の頼れる存在に。夫であり非常勤の小児科医師である武内治郎先生とともに、子どもから高齢者まで、幅広い年代の診療にあたっている。同院の歴史や真有先生が継承した経緯、真有先生と治郎先生のそれぞれの専門領域、今後特に力を入れていきたいという糖尿病診療、同院の感染症対策など、さまざまな話を聞いた。
(取材日2024年10月4日/情報更新日2025年2月7日)
小児科と内科で全世代に対応。糖尿病の専門家が在籍
クリニックの歴史を教えてください。

【治郎先生】当院は私の父が都島区にて1980年に小児科医院を開業し、1992年に現在の地に移転したという歴史を持ちます。2011年からは日本小児科学会小児科専門医である私が定期的に診療を行うようになったのですが、大学院進学を契機に学術分野に本格的に携わるようになり、研究職に従事したいという思いを強くしました。そこで日本糖尿病学会糖尿病専門医である院長の真有医師が2019年に院長に就任し、院名も「武内小児科・内科」と改称したんです。
【真有先生】2019年からは先代院長、治郎先生、私の3人で診療してきましたが、2023年1月に先代院長が勇退され、以降は2人体制で運営してきました。私が中心となって診療を行っていくにあたり、院内の全面改装を実施。入り口の段差を取り払ってスロープに、またエックス線装置を更新するなどリニューアルが完了しました。
感染症対策にも力を入れているそうですね。
【真有先生】新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、RSウイルスなどさまざまな感染症がある中、予防接種のために来院する乳児はもちろん、生活習慣病で受診に来られた方などが同じ空間で接触しないよう、入り口から動線を分けてご案内しています。先代の院長が感染症対策として入り口を2つ設けるなどの工夫をしておりましたが、今回の改装で通路をカーテンで仕切ったり、感染症対策のために整備した2階や処置室へと誘導する空間隔離も徹底し、看護師による厳密な問診を取っているのも当院の特徴の一つ。感染症の患者さんには隔離のために移動が多くご不便をおかけしておりますが、皆さんの協力も得て感染症対策を強化させてもらっていることは非常にありがたいです。
現在の診療体制、患者層を教えてください。

【真有先生】月~木曜・土曜は私、金曜は治郎先生が診療を担当しています。感染症などで重症な方や病態に応じて近隣の病院にご紹介することもできますし、治郎先生の専門の外来を予約にてご案内することもできます。ご来院される方の8割強は小児の患者さんですが、保護者の方の体調不良もクリニックを替えずに受診できるのは当院最大のメリットです。また糖尿病、高血圧症や脂質異常症など生活習慣病も専門診療が可能ですので、小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広くご来院いただけたらうれしいですね。また妊娠糖尿病については大阪市立総合医療センターで研鑽を積んでおり、当院でも産科よりご紹介された患者さんの診療を行っています。
糖尿病治療は「継続」が最重要。小児の肥満も相談を
これまでのご経歴や強みを教えてください。

【真有先生】糖尿病を専門として京都桂病院や大阪中央病院などで研鑽を積み、大阪市健康局勤務時代には大阪市立総合医療センター糖尿病内科で外来を担当する一方で、保健所の公衆衛生医師として市民の健康増進や感染症対策などにも取り組んできました。小児科に関しては当院入職後、すぐには医師として診療は行わず先代院長や治郎先生を補佐しながら学んできたんです。ただ学生時代に大学病院の臨床実習で小児外科を選択し、希少な小児の外科疾患を学んだ経験があること、保健所では感染性胃腸炎やインフルエンザなどお子さんの集団感染症に対応していたこと、また2児の母であることは、小児科診療の下地になっているのかなと考えています。
真有先生は糖尿病がご専門なのですね。
【真有先生】身内に血糖値で悩む人が複数いたことや、大学生の時に糖尿病の研究に関わった経験が糖尿病内科に進むきっかけになりました。糖尿病診療は医師に「指導」されるイメージがあると思いますが、私は医学知識を正確にご提供した上で、患者さんの病態はもちろん、生活やこだわりなどさまざまなことを話し合いながらお互い納得した上で治療方針を定めていくことを大事にしています。そして糖尿病治療は定期的に通院することがとても重要です。毎回の受診で検査結果や療養生活など前回と比較し良かった点はどこか、どのように良かったかなど具体的に伝えるようにしています。また小児の肥満など生活習慣病を診られるところも限られていますが、当院では私と治郎先生の専門がクロスする分野であり、2人の知識を生かしながら診療することもできます。
治郎先生のご経歴や専門分野についても教えてください。

【治郎先生】大学病院や地域の中核病院などで小児科医師として経験を積んだ後、公衆衛生系の大学院に進学してから、研究に進みたくなったことで学術の道に進もうと決意しました。大学院の後は当院などに勤務しながら、大学に出入りして研究に携わるなど研鑽を積みつつ、大学の保健管理センターで内科医師としての研鑽を積む機会があったんです。その経験があったからこそ、院長の真有医師は内科から小児科に、私は小児科から内科にと双方が歩み寄ることができたと考えています。2018年にはアカデミックポジションを得て母校である兵庫医科大学に勤務し、2023年からは奈良県立医科大学に勤めながら、当院でも非常勤医師として診療を行っています。
受診が安心につながり元気になれるクリニックをめざす
スタッフさんについてはいかがですか。

【真有先生】看護師4人、看護助手1人、受付2人が勤務してくれています。忙しい時は、スタッフ同士助け合って業務に取り組むなど、すごく良い雰囲気なんです。新型コロナウイルス感染症の流行下では頻繁にミーティングをして、受付から診療、検査、当時は院内処方だったため処方、お会計まで、感染症対策をしながらどのように一連の流れを完了できるかを一緒に考えたりして、結束が強まったように感じます。今後は糖尿病に精通するスタッフや管理栄養士の採用を見据えています。
【治郎先生】スタッフは都島区または近隣地域に住んでいる地元の方。ご近所同士、仲が良いのが特徴。スタッフの紹介で求人が見つかることも。
今後の展望をお聞かせください。
【治郎先生】院長の真有医師には糖尿病専門医としてより多くの方に受診いただき、糖尿病内科を専門とする医師としての力も存分に発揮してもらいたいです。今後は体組成計の導入なども視野に入れながら、患者さんのために必要な医療が提供できるクリニックでありたいと考えています。
【真有先生】糖尿病内科は、糖尿病教室や講習会、世界糖尿病デーイベントなど患者教育に力を入れている診療科です。将来的には当院でも2階フロアに集まってワイワイとおしゃべりしながら糖尿病の勉強をしたり、お互いの悩みなどを語れる会ができたらと考えています。
地域の方々へメッセージをお願いいたします。

【治郎先生】現在は非常勤医師としての勤務ですが、その枠の中でも他にないような専門性を発揮しつつ、メインに携わっている学術から得た知識を患者さんにも還元し、地域に貢献できればと考えています。この地域の方々はとてもお優しい方ばかりで、本当に患者さんに恵まれています。昔から私は「“住めば都”の都島」と言っているのですが、そのような町が続くように願っています。
【真有先生】多くの人にとって病院は行きたくないところではある一方で、特に糖尿病は定期的な通院が重要な病気です。「来て良かった」と思う場所ではないかもしれませんが、「受診が負担にならない」「少し安心できた」「ちょっと元気になった」と感じてご帰宅いただけるような場所になれたらいいなと考えています。