患者と家族の安心と日常を支える
在宅医療という選択肢
さくらのき米山ファミリークリニック
(向日市/西向日駅)
最終更新日:2026/01/14
- 保険診療
継続的な医療的ケアが必要であるにもかかわらず、通院が難しくなった患者にとって頼みの綱となる「在宅医療」。高齢化が進む中、その必要性は年々高まっているが、「終末期の医療ではないか」「まだ自分には早いのでは」と、利用をためらう人も少なくない。在宅医療に注力する「さくらのき米山ファミリークリニック」の米山知寿院長も、「実際には相談する前の段階で悩んでいる方がとても多い」と話す。しかし、実際の在宅医療は、住み慣れた場所で患者やその家族が安心して日常を続けるための選択肢の一つ。早い段階から取り入れることで、暮らしの質を守ることにもつながるのだそうだ。そこで、今回は米山院長に、訪問診療の対象や特徴、家族が知っておきたいポイントについて聞かせてもらった。
(取材日2025年12月25日)
目次
訪問診療は、特別ではなく「日常の延長としての医療」。家族だけで悩む前に気軽に相談を
- Q訪問診療は、どのような方が対象となるのでしょうか?
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A
▲通院がつらい場合から終末期の治療まで幅広い患者が対応となる
訪問診療というと、どうしても「終末期の医療」「寝たきりの人のための医療」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実際にはもっと幅広い方が対象になります。年齢や病気の種類に関わらず、通院がつらくなってきた方、体力に不安が出てきた方、「少し歩くのがつらくなった」「車の移動で体調が不安」といった方も利用可能です。「まだ訪問診療は早いのでは」と迷われることもありますが、早めにご相談いただくことで、必要なタイミングに無理なく切り替えることができます。通院は健康づくりの一つでもありますが、訪問診療を上手に取り入れながら健康を維持し、QOLを保ちながら治療に取り組んでいただければと思います。
- Q貴院の訪問診療の特徴を教えてください。
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A
▲さまざまな検査機器とともに医師や看護師が患者宅を訪問する
当院の訪問診療の特徴は、可能な限り「患者さんの生活に寄り添うこと」です。訪問診療では、ご自宅での過ごし方や生活リズム、ご家族との関わり方を実際に見ることができます。そのため、外来では見えにくい背景や、日常の中で感じている困り事にも気づきやすくなるもの。地域や介護など必要なサポートにつながるためのお手伝いもしながら、「これからどんな生活を送りたいのか」を患者さんとよく話し合うようにしています。私は常に「地域を明るくしたい」という思いを持って診療に向き合っています。困ったこと、迷ったことがあれば、遠慮なく声をかけてもらえるような、温かく身近な存在をめざしています。
- Q実際の訪問診療の流れについて教えてください。
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A
▲患者の状態を細かくヒアリングしながら治療方針を決めていく
訪問診療は、まずご家族や支援者の方、患者さんからの相談から始まります。「まだ早いかな?」と思うようなタイミングでも構いません。患者さんやご家族の状況を伺い、訪問診療が適しているかを一緒に考えていきますのでご安心ください。初回訪問では、普段の生活の様子や既往歴、服薬状況、家族のサポート環境などを詳しく伺い、お一人お一人に合わせた訪問スケジュールを設定し、医師がご自宅を訪問して診察や処方、体調管理を行います。急な体調変化があった場合も、まずは電話で相談いただければ、必要に応じて臨時訪問や連携医療機関への対応も行います。状況に応じてリハビリテーションや栄養指導、生活環境の調整提案も可能です。
- Q患者さんやご家族と接するときに心がけていることは何ですか?
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A
▲患者やその家族が前向きな気持ちで過ごせるよう、親身に寄り添う
訪問診療では、患者さんご本人だけでなくご家族の不安や迷いにふれる場面も少なくありません。私はその気持ちを受け止めることも大切な医療の一部だと考えていますので、まずは時間をかけて丁寧にお話を伺い、日々の小さな変化や心の揺れに寄り添うよう心がけています。どんな状況でも後悔が残らないよう、患者さんとご家族が少しでも安心して前向きな気持ちで過ごせる道を一緒に考えていきたいと考えています。また治療内容や今後の見通しについては、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすい言葉でお伝えするようにしています。訪問診療は一度きりではなく、長く続く関係。信頼関係を大切にしながら、ご家族とチームになっていきたいです。
- Qご家族に知っておいてほしいことはありますか?
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A
▲いつでも気軽に相談をしてきてほしいと笑顔で語る米山院長
ご家族の皆さんには、訪問診療が「日常の延長としての医療」であることを知り、もっと気軽に利用してもらえればと思います。「このくらいで訪問なんて」と考える必要はありません。また、訪問診療は、患者さんだけでなくご家族を支える医療でもあります。「自分がしっかりしなければ」と一人で抱え込んでしまうご家族は少なくありませんが、決して無理をする必要はありません。不安や迷いがあれば、どんなことでも私たちに相談して良いのです。実は、そうすることが患者さんにとって「より良い療養環境を作り上げていく」ための一番の方法でもあります。ご家族が少し肩の力を抜けることは、患者さんにとっても大きな安心につながります。

