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大森 浩二 院長、大森 敦子 副院長の独自取材記事

大森医院

(京都市南区/西大路駅)

最終更新日:2020/03/12

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京都・西大路で65年にわたり地域の健康をサポートしてきた「大森医院」。大森浩二院長は消化器外科の医師としてキャリアを積んだ後、24年前に医院を継承。地域のかかりつけ医として風邪や下痢、腰痛など幅広い悩みに応じている。妻で耳鼻咽喉科を専門とする大森敦子副院長は、中でもめまいの治療に力を入れ、時間をかけた緻密な検査と丁寧な診察に努める。やわらかな表情で患者の話に耳を傾ける浩二先生と、子ども好きで患者に会うことが楽しみだという敦子先生。穏やかな雰囲気の2人だが、往診や医療機関の連携など地域医療にかける思いは熱い。その情熱の源からプライベートに至るまで幅広く話を聞いた。
(取材日2020年2月17日)

薬だけに頼らず生活習慣の改善を

継承された経緯をお聞かせください。

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【大森院長】当院はもともと入院ができる病院でしたが、父の病気がきっかけで継ぐことになりました。当時は京都府立医科大学の関連病院で、大学の先生が手伝いに来てくださっていました。私も大学病院で働いていた時にはその一員として、週に1回はこちらで診察をしていました。父と一緒に手術をしたこともありますよ。小さい頃は、父は厳しく怖い存在。患者さんにも厳しく言うので、そんなに厳しくして大丈夫かなと心配していたのですが、患者さんに聞いてみると、「愛情を持って診てくれている」と喜んでいただいていることがわかりました。患者さんとの関わり方だけではなく、手術方法にしても、長年の経験から独自の工夫をして、名人芸的な面があり、先輩医師として見習うところがたくさんありました。

敦子先生が一緒に働くようになったきっかけを教えてください。

【敦子副院長】大学病院や総合病院で仕事をしてきましたが、妊娠・出産を経て、子育てをしながらできる働き方を考えて、こちらで働くようになりました。開業当初の患者さんも主人がすでに信頼関係を築いてきた方が多かったので、すっと受け入れていただけたことがうれしかったです。花粉症、中耳炎、副鼻腔炎など一般的な耳鼻科疾患の他、私がめまいについても専門的に学んできたこともあり、めまいに悩んで来られる方が多いです。耳鼻科は、診ればすぐに診断がつく疾患が多い中、めまいの原因は目に見えない所にあることが多く、診断に時間がかかるのが特徴。時間をかけて問診や検査をしますが、まるで推理をしているようで、解明できたときは大きな喜びがあります。

診療の方針をお聞かせください。

2

【大森院長】地域のかかりつけ医なので、一般的な病気の多くをカバーしています。家族の構成や家庭の状況を知っているホームドクターとして、医療だけでなく介護の面でもアドバイスしています。また、私はもともと外科出身ということもあり、薬ばかりに頼るのが嫌で、患者さんにも自分でできる養生はしっかりしてもらうようにしています。特に食べ物への意識は高く持ってほしいと思います。例えば、朝ご飯に菓子パンを食べる方が結構いらっしゃいますが、内臓に脂肪がたまってコレステロール値が上がり、将来的に生活習慣病になる可能性が高まってしまいます。「できる範囲で変えていかないといけないよ」というようなアドバイスはよくします。また、何時に寝て、夜中に何回トイレに行くのか、といった一日の生活リズムや行動パターンまでお尋ねするなど、問診にも時間をかけるようにしています。

周辺医療機関と連携で、地域医療を提供

かかりつけ医の診療の質の向上にも取り組まれているそうですね。

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【大森院長】患者さんと長い付き合いをしていると、いろんな相談を受けるようになりました。できるだけ良い情報を伝えたいと思い、プライマリケアの勉強もしています。また地区の医師会では、有志のメンバーで定期的にトップレベルの知識を共有できるよう教育の会をつくりました。例えば、風邪で受診された場合でもクリニックによって診療内容にはばらつきがあります。本来、風邪の原因はウイルスであり、抗生物質は効きませんが、以前は二次感染を防ぐという意味で抗生物質を投与されることがよくありました。しかし、多剤耐性菌が発生するリスクがあり、最近は不必要に抗生物質を出さないという方針が広がってきています。そういったことを学び合う他、日頃の診療の中で判断が難しいケースをどう考えるかなど、学会ではあまり取り上げないような内容について、勉強しています。病院の先生や研修医、開業医も若手からベテランまで、いろんな意見が出ますよ。

医療機関の連携にも取り組まれていますね。

【大森院長】この地域は、世界的に見ても人口当たりの医師と病院の数が非常に多い地域なんです。そのため患者さんは複数の医療機関にかかられ、他院でどんな治療をしたのかという情報が、医師にはなかなか伝わらないという問題がありました。そこで地区の医師会で、診療連携カードという医療情報を共有するシステムをつくりました。セキュリティーの高いシステムを使って、他院でどんな病気を治療したのか、薬は何か、血液検査の結果がどうだったのかなどの情報が見られるようになっています。南区、下京区を中心に診療所で20ヵ所、病院は10ヵ所以上参加しています。東日本大震災の時、ある先生が急遽、被災地に派遣されることになり、そちらの患者さんがカードを持ってうちに来られ、いつもと同じ薬を出して継続診療ができたということがありました。災害時にこそ、役に立つのではないかと考えています。

往診に力を入れられるようになったのはなぜですか?

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【大森院長】開業初期の頃、小さい頃から知っている近所のお年寄りのところへ往診に行っていました。最期は老衰で亡くなったのですが、ご家族は「浩ちゃんが家で看取ってくれた」と喜んでいただいたのです。自分としては「大したことはできなかった」という思いでしたが、患者さんやそのご家族に喜んでいただけるなら、と力を入れるようになりました。また、一人暮らしの患者さんを診ていた時には、離れて住む娘さんに看取る際の心の準備について話をしました。その方は一人でいるのが好きで娘さんにも構わないでほしいと仰っていたのですが、娘さんはやはり心配。そこで「べったりついていないと親不孝というわけではありませんよ」と話し、患者さんご本人の意向を優先してもらいました。亡くなる前日、その方はホワイトボードに「先生ありがとう」と書いてくださいました。人が亡くなるのは自然なことで、みんなが納得する最期を迎えてほしいと願っています。

夫婦で刺激し合い、生涯、勉強を

お互いに尊敬しているところはどんなところですか?

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【大森院長】妻は常に冷静沈着。どんな時も感情的にならないというのは見習う点です。常に冷静なので、私が感情の起伏がある分、一緒にいて気持ちが安定します。
【敦子副院長】夫はものすごく努力家です。研修医時代から「主治医の熱意が患者を救う」と言って熱心に勉強していました。消化器外科で手術をしていた時は、少しでも手術が上手になるため鍛錬し、開業してからは地域のかかりつけ医として何でも診られるようになりたいとすごく勉強しています。私も引っ張られて、勉強しなくては、という気持ちになりますね。

ご家庭でのリフレッシュの方法は?

【大森院長】家庭菜園が楽しみですね。先日は小松菜を収穫しました。そのほかには最近、VR(バーチャルリアリティー)ゴーグルを買って、シャドーボクシングをしています。VRの活用は今後、医療にもかなり大事なことになってくると思う……というのは表向きの理由で(笑)、以前から気になっていたので挑戦してみました。若い頃はサッカーやスキーをしていたのですが、仕事をしてからは診療にのめり込んだものですから、いい運動になっています。
【敦子副院長】私は料理が好きで、夫が家庭菜園で収穫してくれたものを使うこともよくあります。たまに面白いレシピを考えると、料理レシピのウェブサイトに投稿して楽しんでいます。家族が喜んで食べてくれる姿を見るとうれしいですね。

今後の目標をお聞かせください。

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【大森院長】日々、かかりつけ医として自己研鑽し、得た知識を地域の方に還元したいという思いが一番です。人間は年齢を重ね、肉体は衰えても、勉強していれば進歩していくと考えています。いつも研修医のようなつもりで勉強しないといけないと思っています。
【敦子副院長】夫は症例研究をして学会発表をする、ということを続けています。私もめまいの症例が集まれば症例研究をしていければと思っています。年をとっても、勉強は続けていきたいですね。

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