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八田 告 院長の独自取材記事

八田内科医院

(京都市左京区/修学院駅)

最終更新日:2020/08/07

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修学院駅から徒歩6分。風情ある住宅街にある「八田内科医院」は、1969年の開業以来、地域住民に親しまれてきた歴史あるクリニックだ。父の代から引き継ぎ2013年より院長を務めるのは、専門の腎臓内科で豊富な診療経験を持つ八田告(はった・つぐる)先生。予防医学に注力し、患者とともに治療を進めていく参加型の診療スタイルが信条だ。定期的に院内セミナーを行うほか、ホームページ上で院内通信を発行するなど、医療を身近に感じられるよう工夫を凝らす。エネルギッシュで魅力あふれる八田院長に、地域医療にかける思いを聞いた。
(取材日2020年7月7日)

参加型診療で患者の意識を高める

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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内科の医師である父の姿を見て、自然と医師を志すようになりました。その一方で、「父とは違うことをしたい」という思いも抱えていました。父の専門である腎臓以外の勉強をしようと、大学卒業後は京都府立医科大学の循環器内科の医局に入局。循環器に限らず、血液内科、膠原病内科、消化器内科、呼吸器内科などあらゆる診療を経験しました。5年目を迎え、高血圧を専門とする研究室に入ったのですが、私が入ったタイミングでその研究室が腎臓の研究も行うことに。ずっと避けていたはずなのに、「これはもう運命だな」と思いましたね(笑)。ちょうど自分の専門を決める時期でもあったので、父と同じ腎臓内科の道に進むことを決めました。

勤務医時代には腎臓内科の発展に貢献されたと伺っています。

2000年より近江八幡市民病院で透析センター長を務めていましたが、当時、腎臓の分野はメジャーとは言えず、後輩もなかなか育っていない印象がありました。「私の知識と経験を生かし、この現状をどうにかできないだろうか」との思いから、腎臓内科の基礎づくりに奔走。2002年には京都府立医科大学に移り、腎臓高血圧内科の立ち上げ、2006年には近江八幡市立総合医療センターと改称した旧・近江八幡市立病院に戻り腎臓センターの立ち上げに関わりました。たくさんの優秀な後輩が育ちましたし、大きな仕事に貢献できてうれしく思いますね。高度医療を経験できる一般病院に後ろ髪を引かれつつも、父の後を継ぎ、八田内科医院の新しい歴史を築きたいという思いが強く、2013年、院長に就任しました。

医院の特徴をお聞かせください。

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腎臓病や高血圧、循環器医療はもちろん内科全般、幅広い疾患に対応しています。特に力を入れているのは、脳梗塞などの血管の病気と骨粗しょう症などの骨の病気。先進の機械を導入し、治療を行っていますが、その際にこだわっているのは、検査の数値や画像を患者さんにも見ていただくこと。昔はすべて医師任せで、患者さんは受け身というのが一般的だったと思いますが、私がめざすのは「患者参加型」の診療。患者さんと一緒にデータを見ながら、一緒に治療方針を考えていきます。実際にご自身の目で見ることは、患者さんの治療へのモチベーションに大きく影響しますしね。診療以外にも定期的に院内セミナーを開催するなど、患者さんに参加していただけるような取り組みも行っています。

予防に注力。ITを使った健康管理も

予防医学を重視されていると伺いました。

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勤務医時代、当直をするたびに、救急搬送されてくる患者さんが何名か命を落とすのを目の当たりにしてきました。中には、もう少し早く治療を受けていれば、助かった命も……。悲しい現実を前に、「こうなる前にどうにかできないものか」と心を痛めていました。そういった経緯から、当院の院長になった時、地域の皆さんの健康を守るため、予防医学を徹底しようと心に決めました。小さな異常を見逃さないよう精度の高い検査機械をそろえるとともに、患者さん自身に体の状態を把握してもらうため、ITを使った健康管理を取り入れました。例えば、スマートフォンアプリによる血圧データ管理や、センサー機器を使った血糖値測定です。異常値が出ると、私にメールが届くので、すぐに対応ができますし、患者さんも「先生が見てくれている」という安心感があるようです。ITと聞くと、難しく感じるかもしれませんが、90歳の患者さんも上手に使いこなしていますよ。

診療で心がけていることは?

健康指導の時は、指摘事項があっても、まずは良い点を見つけて褒めるようにしています。次に気になる部分を指摘して、最後にはまたフォローを入れる。ただ注意だけしてくる人より、ポジティブな面も見てくれている人の話のほうが聞く気になりませんか? 褒めてもらうと、モチベーションも上がりますよね。もう1つは、簡潔でわかりやすい説明。今では講演会にも数多く呼んでいただく身ですが、実は、以前は説明が苦手だったんです。「これは克服しないと」と、本を読んだり、ラジオを聞いたりして、話し方を勉強しました。医師の説明がわかりにくかったら、患者さんの不安はさらに大きくなってしまいますからね。コミュニケーションを大切に、安心できる診療を心がけています。

スタッフの皆さんもホスピタリティーが高く、雰囲気がいいですね。

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患者さんファーストで心遣いのできる自慢のスタッフです。「患者さんのためになることはなんでもしよう」が合言葉。当院には、急性心筋梗塞や脳出血といった一刻を争う病気の患者さんが、重症化する間際の状態で来院されることがあります。実際にいらっしゃった患者さんであったのが、受付スタッフが異変に気づき、それを聞いた看護師がすぐに心電図をとって、私に知らせました。緊急で診察後、救急要請して、来院から搬送までかかった時間はわずか15分ほど。頼もしいスタッフに囲まれていると感じた瞬間でした。患者さんにとって町のクリニックは、最も身近な医療機関なので、重大な病気を見逃さず、大きな医療機関へ速やかに送り届けることも、私たちの大切な役割の一つです。これからもスタッフ一同、患者さんの命と健康を守るため、レベルアップしていきたいです。

地域医療充実をめざし業界全体のボトムアップに貢献

ご自身の健康管理はどのようにされていますか?

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年1回の健康診断とスポーツですね。中学校時代からテニスに打ち込み、島根大学在籍中には県代表として国体強化選手に選ばれました。しかし、当時、国家試験を控えた医学部6年生。「強化合宿に参加したら試験に落ちる」と泣く泣く辞退しました(笑)。勤務医時代は忙しく、ラケットを握る機会も減っていましたが、開業医になってからは少し時間に余裕ができたので、今は週1~2回、テニスコートに通っています。あとはダイビングも趣味。海に潜って魚たちに癒やされています。

今後の展望をお聞かせください。

オンライン診療を導入していく予定です。新型コロナウイルス感染拡大により注目されているオンライン診療は、生活習慣病の治療継続にも大きな効果があると考えています。生活習慣病の治療が長続きしない理由は、会社勤めをしている患者さんにとって、定期的に仕事を休んで診察を受けることはハードルが高いからです。待ち時間のわりに診察時間が短い点も、診察から足が遠ざかる一因でしょう。気軽に適切な医療を受けていただくために、オンラインは非常に有効だと考えています。「実際の来院は3ヵ月に1回、残りの1~2ヵ月はオンラインで」というように選択肢が広がります。新型コロナウイルスの影響で再開のめどが立っていない院内企画「健康いきいきセミナー」についても、オンライン配信を視野に入れるなど、新しい形での再開を検討中です。従来の枠にとらわれず、患者さんのためになることは、どんどん取り入れていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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ご家族をお持ちの女性の方は、ご主人やお子さんの健康には気を配るのに、ご自身のメディカルチェックを怠っている方が多いと感じます。異変を感じて来院した時には、すでに症状が進んでしまっていることも。まずは定期的な健康診断を受けていただくこと。そしてもう1つ大切なのは、些細なことでも相談に乗ってくれるかかりつけ医を見つけること。私を頼って遠方から来てくださる患者さんもいますが、ありがたい一方で、本当はご自身の地域で良いドクターに巡り会うのが一番だとも思っています。2018年、私は京都府医師会内の腎臓を専門とする医師で構成される京都腎臓医会というものを設立したのですが、各エリアの医師たちが勉強を重ね、地域医療の充実をめざしています。患者さんの生活圏で医療が完結するのが私の理想。これからも業界全体のボトムアップのため力を尽くします。

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