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濱口 貴彦 院長の独自取材記事

浜口整形外科

(鈴鹿市/白子駅)

最終更新日:2021/10/12

濱口貴彦院長 浜口整形外科 main

近鉄名古屋線の白子駅から歩くこと10分。アイボリーと木目調の壁に大きな窓が特徴的なのが「浜口整形外科」だ。院内には、院長である濱口貴彦先生のこまやかな気遣いが行きわたっている。トイレには、おむつ替え用のベッド、待合室の椅子は膝や腰が悪い人でも休めるように、座面の高さを変えた2種類を用意。そして、診察室のベッドが壁から離して置いてあるのは、患者に体の向きや体勢を変えてもらうのではなく、自らが診察台の向こう側に回りこめるようにしたためだという。「父が底抜けに優しい人だったので、私も優しい人になりたいなと常々思いながらやっています」と、謙遜しながら語る濱口先生。その口調はとてもやわらかく、穏やかだ。そんな濱口先生にさまざまな話を聞いた。

(取材日2019年11月26日)

くつろげる憩いの場となるクリニック

住宅街にこんなに大きなクリニックがあるのが、意外でした。

濱口貴彦院長 浜口整形外科1

このクリニックはもともと父が開院したのですが、その前は産婦人科でした。産婦人科が移転することになったので、その土地を父が買って、クリニックを建てたんです。私が小学生の頃でした。今の建物は、私がこのクリニックへ戻って診察に加わり、最終的に私が父からこのクリニックを譲り受けることになったのを機に建て替えたものです。住宅街の中なので、あまり奇抜ではなく、周りに溶け込むような外観にしてもらいました。待合い室の畳のエリアは、父が建てたクリニックの頃からあったものです。子どもの頃から、患者さんがそこで新聞を広げてくつろいだり、談笑したりしているのをよく目にしていたので、残すことにはこだわりました。小さなお子さんも、ここで遊んでいたりしますよ。

どのような年齢層の患者さんが来院しますか。

いろいろな方がいらっしゃいますね。近くの小児科から乳児の検診で引っかかったお子さんを紹介していただいているので、4ヵ月の子から、小学生や中学生、高校生もいらっしゃいます。働いていらっしゃる方は、忙しいので来院する時間を取りにくいのかなと感じます……。リハビリテーションに来てくださるのは、やはり高齢の方ですね。このあたりは農業が盛んで、リハビリテーションに来てくれているような高齢の患者さんには、農業をされている方も多いです。それから、海にも近いので、漁をされている方も、若い方から高齢の方まで幅広くいらっしゃいます。

訴えの多い症状には、どんなものがありますか。

濱口貴彦院長 浜口整形外科2

膝の痛み、腰の痛みが圧倒的に多いですね。それから、スポーツ整形や小児整形の患者さんも多いです。スポーツ整形に関しては、大学時代にラグビーをやっていた関係もあり、日々、勉強しています。近隣の小中高生やラグビーをやっている方などがよく来院されますよ。ケガをしてしまったものは仕方ないですが、お子さんの場合は特に将来に関わりますから、ケガをしないように工夫することも大切です。捻挫は予防が難しいのですが、予防ができることについては、体の使い方を説明するなど、一人ひとりの患者さんに対して、しっかりと時間を取って説明するようにしています。

できるだけ薬に頼らずに痛みを和らげてあげたい

そのほかに、得意とする治療はありますか。

濱口貴彦院長 浜口整形外科3

全般的に手広く、どんな症状でも診ていますが、患者さんに高齢の方が多いこともあって、骨粗しょう症に力を入れています。ある程度の年齢になると、骨粗しょう症の確率と骨折のリスクがぐんと跳ね上がりますからね。疑わしいと思われる方がいらっしゃったら、こちらから患者さんにお勧めして、骨密度を測らせていただいています。実際に骨密度が低かったら、治療をしたほうがいいでしょう、とお話しします。またその逆で、実際には低くなかったけれどもの骨のことを心配されている患者さんもいらっしゃいます。そんな方には、食事の内容について指導をしたり、運動や日光浴などを生活に取り入れるようにアドバイスしたりしています。

診療方針について教えてください。

診療のメインとしては、普段の生活の中での痛みとの付き合い方を患者さんに伝えています。痛み止めなどの薬はあまり使っていません。薬を処方してほしい方もおそらくいるでしょうね。けれども、私自身が薬のことをあまり好きではないんです。特に痛み止めは、症状を治すものではなく、対処療法でしかありませんので、飲み続けたときに起こる害のことを考えれば、薬を飲むよりは普段の生活の中で改善できるところに取り組むほうが良いのではないかなと考えています。もちろん、生活習慣を改めても痛みに悩まされる方には、注射を打ったり、薬を処方したりしています。生活習慣を変えて様子を見るか、薬や注射を選ぶかについては、患者さんとよく話し合った上で決めています。

患者さんと接する上で心がけていることはありますか。

濱口貴彦院長 浜口整形外科4

患者さんが理解してくださることが一番大事だと思っています。そのためには、患者さんの訴えることをしっかりと聞くことが基本ですよね。それから、できるだけ詳細にご説明して、納得していただけるようにすることを心がけています。まず診察をして、診断がついたら、「こういう理由でこのような状況になっていますよ」という説明を患者さんにしますよね。「そのためにこういうことをすれば良くなるし、その逆にこういうことは避けなければいけませんよ」というように順を追って、説明を重点的にするようにしています。

目の前にいる一人ひとりにベストを尽くす

これまでさまざまな病院で研鑽を積まれたと思いますが、一番印象に残っているエピソードを教えてください。

濱口貴彦院長 浜口整形外科5

三重県のずっと南のほうにある御浜町というところにある病院に勤めた3年間は、忘れがたいです。その病院には整形外科の医師が私ともう1人の2人だけでした。それなのに、地域には南はお隣の和歌山県新宮市まで整形外科が見当たらない、北は尾鷲市の市民病院までない、という環境で、かなり広範囲から大勢の患者さんが毎日のようにいらっしゃいました。すべて2人で対応しなければいけないので、この病院でいろいろな人を診ましたね。救急外来の当番もやっていました。内科は当直の先生がいらっしゃったので内科系は診ていませんでしたが、外科系は一通り対応しました。この時期に経験したことが今の診療に生かされていると思っています。

今後の目標はありますか。

私としてはいつも自分のベストを尽くしていると思っているので、これ以上のことはありません。強いて言えば、今やっていることをこれからも続けていくことでしょうか。常に最新の医学を患者さんに話せるように、時間をつくって、学会や三重県内で行われる勉強会へ積極的に参加するなど、学びを続けていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

濱口貴彦院長 浜口整形外科6

悩んでしまうぐらいなら、来院していただければ、納得していただけるまでご説明します。特に小さなお子さんのいるお母さんは、不安を抱えていることが多いですね。お子さんの歩き方はどうなのかなとか、姿勢はこれで大丈夫なのかなとか。同じようなことで悩まれている方は、大勢いらっしゃると思います。思いつめてしまうぐらいなら、一度、お話しさせてください。実は何でもなかったことがわかって安心していただければ、それでいいと思っています。また、当院では対応が難しいという場合も、鈴鹿市内の村瀬病院や鈴鹿回生病院、鈴鹿総合中央病院などの病院と連携していますので、患者さんの症状やケガの種類に応じて最適だと思う病院を選択してご紹介します。何かあればお気軽にいらしてください。

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