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小塚 良哲 院長の独自取材記事

小塚産婦人科

(桑名市/益生駅)

最終更新日:2026/07/01

小塚良哲院長 小塚産婦人科 main

近鉄名古屋線の益生駅から大通り沿いに10分ほど歩くと、「小塚産婦人科」の看板が見えてくる。先代院長が治療のため、一時休診を経て、2019年に新たにリニューアル開院した。同院で院長を務める小塚良哲先生は勤務医時代、妊娠22週から生後7日未満までの期間を指す「周産期」において母児を守り、新しい命の誕生を支えてきた。現在はこれまでの研鑽を存分に生かし、地元である桑名にてさまざまな年代で起こる女性ならではの体の悩みの改善と、妊娠・出産・育児における妊産婦の心身のサポートに力を注いでいる。産科・婦人科診療のやりがいや、診療に対する思いを小塚院長にたっぷりと語ってもらった。

(取材日2019年6月20日/情報更新日2026年6月24日)

産科は“家族を育む診療科”

開業までのご研鑽についてお聞かせください。

小塚良哲院長 小塚産婦人科1

川崎医科大学卒業後は、川崎医科大学附属病院や鹿児島市立病院での研修を経て、愛媛県立中央病院に勤めていました。勤務医時代に特に研鑽を積んだのは周産期医療の分野です。勤務先が周産期医療に力を注ぐ病院でもあったので、非常に多くの経験ができ、忙しいながらも充実した毎日でした。ただ、父が院長を務めていた当院のこともありましたから、いずれは地元である桑名に帰ろうと考えていました。その後、三重大学医学部附属病院での勤務を経て桑名市総合医療センターの産婦人科に籍を置いていました。医院継承のタイミングは明確に決めていなかったのですが、父の治療による休診をきっかけに、準備を整えて新たに開院しました。

産婦人科の医師となったきっかけについて教えてください。

父だけでなく祖父も産科の医師でしたから、少なからず影響を受けていたのだと思います。それに子どもも好きでしたから、新しい命が産まれる瞬間に立ち会える産科には惹かれていたんです。ただ、産科の医師としてやるべきことがはっきりと見えてきたのは、命が産まれる“喜び”や“幸せ”について考え始めてからでした。乳児遺棄や乳幼児の虐待といった報道を目にすると、命の誕生は「誰にとっても等しく幸せなこと」ではないのだと、深く思い知らされます。どうしてそんな痛ましい結末につながってしまうのだろうか。医師として考えを巡らす中で気づいたのが「親子の愛着形成」の大切さでした。「子どもが産まれたら人はそのまま親になれるわけではなく、親になる準備が必要だ」と気づいた時、赤ちゃんの成長を見守るだけでなくご夫婦が父母となれるようにサポートできるのは、ほかならぬ産科の医師だと思うようになったんです。

来院する患者さんは、周辺地域の方が多いのでしょうか?

小塚良哲院長 小塚産婦人科2

お子さんや若い方もいますが、古くからある町なのでご高齢の方も多いですね。ただ、新興住宅地や新築マンションの開発が進んでいることもあって、桑名市全体としては若いファミリー世帯が増えている印象です。患者さんも、ご近所の方だけでなく市内遠方から通われる方も少なくありません。年齢層もさまざまで、父の代から通われる患者さんもいらっしゃいますよ。ただ、父はずいぶん前に分娩をやめてしまっていたので、継承を機に院内の内装や外観だけでなく、検査・治療機器を一新し分娩に対応できるように環境を整えました。妊婦健診で使う超音波診断装置にはこだわって、先進の物を導入しましたので、4Dエコーでお子さんの様子もかなり鮮明に確認できますよ。手術室も備えていますから、今後は緊急時の手術にも対応していけたらと考えています。

わが子を迎える準備期間に深く寄り添う

先生が診療で大切にされていることは何ですか?

小塚良哲院長 小塚産婦人科3

患者さんが抱える悩みをできるだけお話しいただきたいですから、じっくり耳を傾けるように心がけています。あとは、スタッフにもなるべく患者さんとコミュニケーションを図ってほしいとお願いしています。クリニックの誰もが見知った顔になれば安心感が増すと思いますからね。何でも気軽に話せるのは、本当に大事だと思うんです。特に女性特有のお悩みや妊娠・育児に関する相談は、なかなか打ち明けにくいものですから、抱え込んでしまうこともしばしばあります。だからこそ、話しやすい雰囲気をつくるのはとても大切だと思っています。

母親教室や家族教室、親子教室の開催や、母乳や育児に関する相談などにも応じられているそうですね。

教室や相談窓口では、助産師さんが中心となって、お母さんの悩みに応対してもらっています。お母さんになったら誰でもすぐに母乳が出るわけでも、本に書いてあるとおりに事が進むわけでもありません。しかも今の時代、お母さんと赤ちゃんが日中のほとんどを一対一で過ごすのも珍しくありません。想像すると、ちょっと息が詰まってしまいそうですよね。思うようにならないとき、一人で解決しようとさらに根詰めてしまうのではなく、悩みを打ち明けて発散できる場所をご提供したいと考えました。もちろん、一般診療の中で相談いただければとも思いますが「こんなことで受診するなんて」と考えてしまう方もいらっしゃるでしょうから、もっと気軽に相談できる場所を、と思って立ち上げたんです。

考えてみれば、初産であれば赤ちゃんやお母さんも“1年生”ですものね。

小塚良哲院長 小塚産婦人科4

そのとおりです。赤ちゃんだけでなくお母さんも、もちろんお父さんも“1年生”。勝手がわからなくて当然なんですよ。だからこそ、妊娠期間に家族となる“準備”をしっかりしておくのが大切なのです。特にパートナーの男性は、女性と違ってどうしても実感が湧きにくいもの。私も自分の子どもを取り上げましたが、父親だと実感できたわけではありませんでした。ではどうしたら実感できるのかといえば、やはり時間をかけて子どもの成長を見守り、ともに歩んでいくことに尽きるのだと思います。ですからパートナーの方にはできる範囲でいいので健診にご同席いただきたいと思っていますし、立ち合い出産もお勧めしています。第二子、第三子の妊娠であれば、上のお子さんに診察を同席してもらうのも歓迎しています。

新しい医療も取り入れながらより良い診療を追求

婦人科の診療についてはいかがでしょうか。

小塚良哲院長 小塚産婦人科5

年代によって悩みの原因となる疾患なども異なりますし、月経に関する悩みや更年期障害などは、気分の落ち込みやいらいらなど気持ちの面にも症状が表れますから、診療を通して困り事の核を探すことに力を注いでいます。また学校や職場、家庭など生活環境の影響やライフステージの変化から不調となるケースも少なくありませんから、症状だけでなく日々の生活にも目を向けるのも大切ですね。つらい月経トラブルが続く場合、子宮内膜症など不妊につながる病気に進展することもありますから、予防の意味でも悩み事はすぐに相談していただきたいです。治療では西洋薬だけでなく漢方薬も用いていますし、ご希望に沿えるよう複数の選択肢を用意するようにしています。痛みや不快感を我慢するのは、本当につらいことと思います。どうぞ我慢せず、気軽にご相談くださいね。

心に残る患者さんとのエピソードなどございますか?

一つには絞り切れませんね。うれしいことも、医師として無力さを感じることもたくさんありました。悲喜こもごもありましたが、今も無事にお産を終えて、喜び合うご夫婦の姿を目にすると、本当に心から「良かった」と感じます。私のやりがいそのものですね。それに、お子さんって不思議なもので、どんな時も「“今”が一番かわいい瞬間」なんです。産まれた瞬間もかわいかった、でも1ヵ月たったらもっとかわいくなった。今が一番かわいいと思えるのは、つまりは毎日が楽しく過ごせているからこそだと思いますから、そんな日々を紡いでもらいたいです。改めて、人生に寄り添える医療なんだなと感じますね。

今後の展望についてお聞かせください。

小塚良哲院長 小塚産婦人科6

医療は日々進歩していますから、新しい見解や検査・治療などもどんどん登場しています。その中から有益なものを診療に取り入れて、診療の刷新を図っていきたいです。その一環として、2024年頃からはNIPTを導入するなど、新しい知見や技術も積極的に取り入れています。そうすれば、今は“新しい医療”といわれるものが、将来的に産婦人科の診療において“スタンダード”となった時、深い知見を持って診療を行えるようになりますから。医師として学び続ける姿勢を大事にしていきたいですね。多くの方にとって「家族のスタートの場」となれるよう診療に励んでいきたいと思っています。そして、当院でスタートを切ったご家族が、幸せな家庭を築ける一助となれたら幸いです。