全国のドクター13,756人の想いを取材
クリニック・病院 156,842件の情報を掲載(2025年5月16日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 三重県
  3. 桑名市
  4. 西別所駅
  5. 松岡こどもクリニック
  6. 早期の治療開始が重症化予防の要小児のアレルギーと舌下免疫療法

早期の治療開始が重症化予防の要
小児のアレルギーと舌下免疫療法

松岡こどもクリニック

(桑名市/西別所駅)

最終更新日:2024/07/23

松岡こどもクリニック 早期の治療開始が重症化予防の要 小児のアレルギーと舌下免疫療法 松岡こどもクリニック 早期の治療開始が重症化予防の要 小児のアレルギーと舌下免疫療法
  • 保険診療

現在、日本人の3人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患しているといわれる。さらに近年はアレルギー発症の低年齢化が進んでいるようだ。三重県桑名市にある「松岡こどもクリニック」の松岡文弥院長は日本小児科学会小児科専門医。小児の一般的な診療に加え、アレルギー疾患を多く診療してきた経験を持つ。「小児のアレルギー疾患は早期に診断し治療を開始することで、成長後の多岐にわたるアレルギー疾患の発症予防につながります」と松岡院長。薬物治療や生活習慣改善のアドバイスに加え、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを微量ずつ摂取することで体質改善を図る舌下免疫療法も取り入れ、患者の父母と二人三脚で子どものアレルギー治療に尽力する。そこで今回は松岡院長に小児のアレルギー疾患の特徴、舌下免疫療法について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年7月21日/情報更新日2024年2月1日)

5歳になったら治療可能に。舌下免疫療法で、スギ・ダニアレルギーの症状改善をめざす

Q小児のアレルギー疾患にはどんなものがありますか?
A
松岡こどもクリニック アレルギー発症の低年齢化が進んでいる

▲アレルギー発症の低年齢化が進んでいる

乳幼児は食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息を発症するケースが多く、成長とともに、アレルギー性鼻炎の患者数が増加します。これらを複数併せ持っていることも少なくなく、順を追ってさまざまな疾患が発症することを行進に例えて「アレルギーマーチ」と言います。近年では1、2歳で花粉症の診断が下りるケースもあり、アレルギー発症の低年齢化が進んでいます。検査方法は血液検査、プリック検査などがあります。血液検査では血液から免疫に関わる抗体の一つであるIgEの値などを調べます。プリック検査はプリック針と呼ばれる針で対象のアレルゲンを皮膚に少量入れ、反応を確認します。

Q小児のアレルギー疾患の原因は?
A
松岡こどもクリニック アレルギーの原因はさまざま

▲アレルギーの原因はさまざま

食ベ物、ダニやペットの毛、花粉、カビなどアレルギーの原因は多岐にわたります。食物アレルギーでは卵、小麦、牛乳が子どもの3大アレルギーとして多くを占めていましたが、食生活の変化に伴い、近年ではくるみなどのナッツ類や、ピーナッツなどのアレルギーを発症するお子さんの数が増加しています。お父さんやお母さんがアレルギー体質のお子さんは、同じくアレルギーを発症しやすい傾向にありますので、家族歴も一因と言えます。アレルギー症状悪化の要素としては、喘息患者さんでいえば、風邪が引き金となったり、祖父母の家など普段生活していない場所に行くことなども考えられます。

Qアレルギーの治療法にはどんな方法がありますか?
A
松岡こどもクリニック 薬物療法と対症療法、減感作療法がある

▲薬物療法と対症療法、減感作療法がある

アレルギー治療の基本は、内服薬や外用薬を使った薬物療法に加えて、アレルギーの原因の回避や除去といった方法で、対症療法と呼ばれています。一方で、少量のアレルゲンを摂取することで体質改善を図る方法を減感作療法と言います。以前は皮下注射が主流でしたがアナフィラキシーショックなど副反応のリスクが高いこともあり、専門的な施設でしか行われずなかなか普及しませんでした。近年では、スギとダニのアレルギーに限ってですが患者さんにとって負担が少ない舌下免疫療法が広まりつつあります。舌下免疫療法とはアレルギー症状を引き起こす抗原を少量から摂取し、体を慣らしながら体質改善をめざしていく治療法です。

Q舌下免疫療法について詳しく教えてください。
A
松岡こどもクリニック 治療の目安は3~5年

▲治療の目安は3~5年

抗原が含まれたタブレットを1日1回、舌の下に投与します。初回は副作用を診るため院内で服用し、2回目以降は自宅で服用を続けます。途中で抗原量を増量するタイミングがありますので、その時にも院内で服用し、様子を見ます。安定期には1ヵ月に1回の通院となります。治療期間の目安は3~5年となります。スギアレルギーの場合、花粉の飛散期には治療を開始できないので、5月から12月の間に受診していただくことをお勧めしています。現在、薬剤の供給不足によりスギ花粉の舌下免疫療法の開始が困難となっております。患者さんにはご迷惑をおかけいたしますが治療開始希望の方は一度当院へご連絡いただきますようお願いいたします。

Q舌下免疫療法はどんな人が受けられますか?
A
松岡こどもクリニック 継続することで症状の改善がめざせる

▲継続することで症状の改善がめざせる

治療の希望があればまずは検査を行い、スギやダニに対する反応の有無を確認してから治療開始となります。年齢は5歳以上であれば処方が可能となりますが、医師の指示どおりに、毎日欠かさず内服できるようになるのがいつなのかは個人差もありますので、お子さんの成長を待って治療を開始する場合もあります。副作用としては、喉の違和感、かゆみなどが出ることがありますが、体が慣れてくると徐々に落ち着きます。治療開始後副作用が強く出る方、悪性腫瘍など治療中の方、65歳以上や妊娠中は治療の対象外となります。スギとダニ、両方の治療を行うことも可能ですが、どちらで副作用が出たのか見極めるため、開始時期をずらす必要があります。

ドクターからのメッセージ

松岡 文弥院長

ダニアレルギーの治療では、舌下免疫療法に加えて寝具を清潔に保つことも重要です。高温になるとダニが死滅しますので、布団乾燥機を使用した後、掃除機をかけることをお勧めしています。「生活習慣を整えて」と口で言うのは簡単ですが、日々の家事や子育てと並行して行うことは容易ではないですよね。できる範囲で取り組んでいただければ十分です。また、アレルギーに関する情報は玉石混交で、中には信ぴょう性の疑わしいものもあります。不安なこと、わからないことがありましたら、気軽に相談してください。実は私自身もアレルギー体質なんです。患者さんや親御さんのお気持ちに寄り添った診療をこれからも続けていきたいと思っています。

Access