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雨皿 亮 院長の独自取材記事

あめさら耳鼻咽喉科

(津市/津駅)

最終更新日:2021/10/12

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科 main

津駅から車で数分の住宅街に「あめさら耳鼻咽喉科」はある。2000年2月に雨皿亮院長が開業した同クリニックには、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が来院する。待合室には曲線でデザインされたソファが並び、一角にはキッズスペースも設置されていて、アットホームな雰囲気のクリニックだ。「患者さん一人ひとりによってさまざまなニーズがあるので、できるだけそれに応えられるような治療ができるクリニックでありたい」という雨皿院長の思いをもとに、20年以上にわたって地域の人々とともに歩んできた同クリニック。穏やかで親しみやすい印象の雨皿院長に、クリニックのこだわりから診療で心がけていること、専門とするアレルギー性鼻炎に対する治療などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2020年3月12日)

患者が通いやすいクリニックづくり

まず、こちらで開業された経緯をお聞かせください。

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科1

私自身は名張市出身で、親が放射線技師と薬剤師をしており、幼い頃から医療が身近にある環境で育ちました。その影響で進路を決める際に自然と医師をめざすようになり、三重大学の医学部に進学しました。そこからの縁でこの地域に住みつき、ここで開業するに至りました。当クリニックがあるビルは、他にも内科や皮膚科のクリニックが入っている医療モールで、広い駐車場もあるので患者さんにとっては便利かなと思います。開業した2000年の2月には、このビルも建てられてからまだ5年ほどで新しかったので、施設がきれいなのもあってこの場所に決めました。この地域は昔ながらの住宅地ではありますが、住民の入れ替わりがあって若い人たちも多く住むようになってきているので、来院される患者さんは子どもからお年寄りまで幅広いですね。

クリニックの中でこだわった点はありますか?

クリニックの入口と出口を分けて、患者さんの動線を一方通行にする点にはこだわりました。クリニックが混みあうと、今来てくれた患者さんとこれから帰る患者さんが出入口でかち合ってしまうことがあると思うのですが、それを避けられたらいいなと思ったからです。あとは、車いすがそのまま通れるように通路を広くしたことと、子どもが通うことも考えて、少しでもキッズスペースを作りたいと思って作ったことですかね。実は、当クリニックに通ってくれる患者さんの半分以上は子どもです。そのため、手に入る子ども用グッズは集めて診察室にも置いたりしています。少しでも子どもの気が紛れるのに役立っていたらいいかなと思っています。

さまざまな患者さんのことを考えた作りになっているのですね。

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科2

開業したときから、施設でも治療でも患者さんの多様なニーズに沿えるクリニックにしたいという思いがあります。来院される患者さんは、検査をしてほしいであったり、薬だけ処方してほしいであったり、治療に対するニーズもさまざまです。ですから、クリニックの治療方針を押しつけるのではなく、患者さんそれぞれの希望を大切にしていきたいと思っています。勤務医をしていた頃は、難しい症例で徹底的に検査するようなケースが多かったのですが、開業してからは患者さんが訴える症状も治療に関する希望も幅広く、本当に千差万別だなと実感しています。

一人ひとりの要望に合わせた治療を選択

診療で心がけていることはどのようなことでしょう。

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科3

診察の中で、患者さん一人ひとりの要望を聞くことを重視しています。何をしてほしいのか、初めは具体的に言ってくれない患者さんもいるので、探りながらそこを引き出すのも医師として必要なことだと思っています。ただ、コミュニケーションを大切にするあまり世間話などをし始めると診察が滞ってしまうので、治療に向けて必要なことを聞くようにと心がけていますね。それから、患者さんの言っていることが必ずしも本質ではないということも心に留めています。「耳が悪い」と言ってきた人も、実は鼻が悪かったり、部位が違うことがあるからです。そのような場合は患者さんが認識している耳のことだけ聞いてもだめなので、「鼻の症状はないですか」などと声をかけて症状の原因を探します。患者さんが症状を訴えている部分以外も診るようにしています。

子どもの診察において特に気をつけていることはありますか?

子どもは痛がらせるともう来なくなってしまうので、とにかく痛がらせないようにすることですね。治療中に嫌がって暴れてしまった場合は危ないので押さえつけないといけないのですが、慣れてくると3歳くらいでもおとなしく治療を受けてくれるようになります。やはり子ども自身が「これは怖くないな」と認識してくれることが重要だと感じます。これまで子どもの患者さんを多く診察してきたので、顔を見るだけでもその子が怖がっているな、ちょっと痛がっているなというのはわかるようになってきました。同じ場所で20年クリニックをやっているので、赤ちゃんの頃に来てくれていた子が大人になって来てくれたり、子どもができて連れてきてくれたりして、久しぶりの再会を果たすこともあります。

力を入れている治療について教えてください。

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科4

アレルギー性鼻炎を専門としているので、花粉症の治療には今後も力を入れていきたいと考えています。最近は子どもの花粉症も増えています。花粉症の治療というと内服薬や点鼻薬によるものが一般的ですが、他にも手術などの治療法があります。当クリニックでは薬以外での治療も積極的に提案していきます。もちろん、通院が必要だったりするのですべての患者さんができるわけではありませんが、方法の一つとして提案しています。花粉症の治療に興味をもっていても、手術であったり、治療期間が長かったりすることでなかなか踏み切れないという人もいる印象です。実際にも手軽ではないので、かなり重症な人は薬以外の治療を考えるのもいいと思います。

治療のことなら何でも気軽に相談を

医師としてやりがいを感じるのはどのようなときですか。

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科5

患者さんに合う薬が一発で見つかったり、治療が上手くいって患者さんが喜んでくれたりすると一番うれしいです。例えば、花粉症の薬については、眠気を訴えたりする患者さんもいますが、薬の効能など兼ね合いもあるのでよく考えて選択していく必要があります。そういう意味では、薬の選択肢が多いのも難しいなと感じています。どの薬を使うか、薬を変えるかなどは患者さんの要望も合わせて決めていきます。患者さんによっては薬が合わないのを言わない人もいるので、「点鼻薬はどうでしたか」と聞いたときに初めて「鼻が痛いです」と伝えてくれることもあります。医師に言いづらいこともあるのかもしれませんが、そういったことはぜひ気軽に言ってほしいです。

患者とのコミュニケーションがスムーズな治療につながるのですね。

そうですね。初めて来院される患者さんには、特に自分の症状や経過をはっきりと教えてほしいと思います。症状が出たのは1週間前なのか、1年前なのか、ある程度具体的な数値を示してもらえるとそれで診断も変わってくることがあるからです。もちろん何か症状があったらすぐに診察に来てもらうのが一番なのですが、時間がたってしまった場合は経過を知ることが重要になります。経過によって対処も変わってきます。また、前に別の病院にかかっていたという人は、そこで処方されていた薬がわからないケースが多いです。薬と一緒にもらった紙でもあれば、どのような治療をしていたのかわかりやすくなり、当クリニックでの治療方法を決めていくのにも役立ちます。他の病院のことであっても気にせずできるだけ伝えてほしいと思います。

ところで、休日はどのように過ごされるのでしょうか。

雨皿亮院長 あめさら耳鼻咽喉科6

余暇は写真を撮りに出かけたりしています。昔から写真は好きだったのですが、最近は知り合いに教えてもらって鳥などの写真を撮ったりするようになりました。たまたま上手く撮れた写真はクリニック内にも飾っています。自然が相手なので失敗も多いのですが、写真は撮り続けていきたいと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

耳鼻科は耳や鼻の症状、たとえば中耳炎や蓄膿症の際に受診する科だと思われていますが、実は首から上のことは頭以外みんな診ています。首にできる腫瘍も耳鼻科の分野なので、外科から患者さんを紹介されることもあります。そういった場合に最初から耳鼻科に相談してもらえれば、患者さんは手間なく治療に入ることができます。もし耳鼻科の部位に関して何か困ったことがあれば、ぜひ耳鼻科に相談してください。

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