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前田 一之 院長の独自取材記事

前田医院

(知多郡美浜町/美浜緑苑駅)

最終更新日:2019/08/28

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名鉄知多新線・美浜緑苑駅より徒歩5分の「前田医院」。同院は、院長の前田一之先生が2016年4月に先代院長の父より継承し、移転と同時に建て直した。広々とした院内は木目調で落ち着いた印象で、緑も豊かでリラックスできる。駐車場スペースも広く確保し、患者にとって来院しやすい環境を意識している。前田先生は日本循環器学会認定の循環器専門医でありながら、町のかかりつけ医としてさまざまな症状に対応できる。高齢者の一人暮らしが多いこの地域では、話し相手や相談に乗ることもあり、それだけで安心して帰る患者もいるそうだ。施設より自宅を希望する高齢者には、夜間でも電話対応し、必要に応じて前田先生自ら往診も行う。地域医療に深く貢献する前田先生に、日々の診療や思いについて話を聞いた。
(取材日2017年4月17日)

かかりつけ医として地域住民の健康を支える

昨年、継承された時に建て直したそうですね。

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以前は、もう少し奥まったところにあったのですが、患者さんが来院しやすい環境をと考え、こちらに移転しました。この地域は高齢化が進んでいるため、車椅子でも入れるよう広くし、駐車場も出し入れしやすいよう1台ずつ広めになっています。建て直しの際にお願いしたのが、シンプルでモダンな雰囲気です。緑も取り入れたいと思っていました。僕は3代目の院長で、昨年継承したばかりです。5〜6年前から、ここで週2回勤務していましたので、ずっと診ている患者さんもいます。父は心臓外科の医師ですが、もともとどんな症状でも対応するというスタンスだったので、僕も見習ってできる限りの対応を心がけています。夜に電話があっても携帯電話に転送されますから、必要であれば往診にも伺うようにしています。

院長に就任されてから変化などは感じましたか?

一人暮らしの高齢者が多く暮らす地域なので、病気ではない方も来院します。「調子が悪い」と言って来られても、実際は話すだけで不安が解消され、安心して帰られるんですね。中には毎日来られる方もいます。やはり話し相手が少ないので、僕が相談を受けて、家族には言えない話をされる方もいるんです。小児内科も診ていますよ。この地域は高齢化が進んでいる一方で、まだ子どももたくさんいるんだなと実感しています。子どもは好きですね。待合室でも、高齢者の方が子どもと交流する様子を目にしますし、一人暮らしだとどうしても普段話す機会が少ないでしょう。スタッフにも、手が空いている時は声かけしてもらうように伝えています。

循環器を専門にされていますが、主訴を教えてください。

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この地域は農家や漁師の方が多く、濃い味付けを好まれるせいか、血圧が高い方が目立ちます。主訴としては、糖尿病や高血圧といった生活習慣病・狭心症・不整脈などです。当院では、超音波機器や心電図もそろえており、循環器疾患の大部分は診療できるようにしています。急性期に限っては、知多厚生病院や半田市民病院と連携して紹介をしています。一方で、町のかかりつけ医として、何でも診るという父のスタンスを受け継ぎ、多少の傷なら縫うこともありますし、イボ取りも可能です。高齢者の方は手が届かないこともあるため、爪切りをして差し上げることもありますよ。

住み慣れた家を希望する人のため、在宅診療も手がける

診療時に心がけていることはありますか?

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なるべく時間をかけて話を聞こうと思っています。高齢者は話すだけで気分が楽になることもありますし、時間をかけないと思い出せないこともあるんです。調子が悪かったことなど、症状を紙に書いて持って来てくださいと頼むこともあります。その方が診察もスムーズです。塩分を控えるよう伝えていますが、食事や生活習慣が分かっていなければ、薬の飲み方も工夫が必要になります。昼に飲めるかどうかで、処方の仕方も変わるものです。長くお付き合いしているからこそ、一人ひとりの生活習慣が見える部分があります。夜飲み忘れることが多いから、朝の処方にしようなど、患者さんごとに合う飲み方ができるようにしているつもりです。

小児科も標榜していますね。子どもと接する上で心かけていることはありますか?

大人と違って、自分から表現ができないのが子どもですから、診察室に入ってきたときの活気や顔色を必ず見るようにしています。また、親御さんからの情報が非常に重要になりますので、しっかりとお話を聞き診察しています。当院では、一通りの予防接種も用意しています。子どもから高齢者までどんなことでも相談いただけたらと思います。

すぐに受診すべき症状など、具体的な症状について教えてください。

慌てて階段を登った時、重たいものを持ち上げた時、胸の痛み・動悸・ギューっと締め詰められる感覚を抱いた時は、狭心症の恐れがあります。糖尿病では、血糖値が上がることで喉がものすごく渇きますから、おかしいなと感じたら受診してください。高血圧でも血圧を測らない方が多いのですが、のぼせた感じがある、頭痛を感じる方は、一度血圧を測った方がいいでしょう。健康診断を受けない方も多いので、特に普段病院にかからない方は受けていただき、病気の早期発見や予防にも役立ててもらいたいです。

在宅診療もされているそうですね。

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在宅診療は、当院に通院されていた方や在宅診療をやっていると聞いて要望があった方を対象に行っています。現在6〜7人です。施設に入ってしまうと動かない生活になってしまうので、途端に寝たきりになってしまうケースもあります。患者さんご本人がご希望されるなら、なるべく自宅で過ごす方がいいでしょう。在宅診療は、午前と午後の間を利用して、僕一人で往診しています。この時間は、ほかにも母校の小学校での健康診断や町の集団予防接種に出向くこともあるんですよ。一人暮らしで交通の足がなくて困っている方がいれば、往診に伺いますよ。

町のかかりつけ医として、病気の早期発見と予防が役割

子どもの頃はどんなお子さんでしたか。また医師を志したきっかけを教えてください。

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昔はこの辺りに公園があって、学年に関係なく野球やサッカーをやって、活発に遊ぶ子どもでした。海が近いので、泳ぎに行くこともありましたね。ずっと父の姿を見て尊敬していて、高校に入ってから医師になろうと思うようになったんです。実際に働き始めてから患者さんに、父の話を聞くこともあります。僕の子どもの頃を知っている患者さんもいますから、医師になって喜んでくれているようです。医院を引き継ぎ、地域の集まりにも参加するようになって、医療だけではなくいろいろな話をします。今後はさらに地域に根付いてやっていけたらと思っています。

循環器という分野を選んだ理由を教えてください。

大学では、主に急性期のカテーテル治療をやっていました。心臓は、時間との勝負です。止まりそうな心臓を助けられるし、治したという実感が湧きます。治療のスピード感も魅力で、何十分かで治療が完結することも、やりがいで楽しいと感じました。「ありがとう」と患者さんに言われた時は、いいことをしたなと思えますね。

早期発見、早期治療のために健康診断に力を入れているようですね。

実は美浜町は健康診断の受診率が低いんです。会社や町から健康診断の通知を出しているのですが、受診していない方や受診してはいるが結果を放置してしまっている方が多いように思います。ここを何とかしたいと思っています。やはり、健康な状態を維持するためにも、病気になってからではなくて、健康な時に検査をし自分の体を把握することが大切です。40歳を過ぎたら案内に関わらず、1年に1回の受診をおすすめします。病気は自覚症状がないまま進行していくことが多いんです。是非、自分は元気だから大丈夫と思わず、今の健康を維持していくためにも定期的に健康診断を受診してください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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常々、患者さんにお伝えしているのが、塩分を控えることです。それでも好き放題される方もいますが、血圧はきちんとコントロールすることが、突然死などを防ぐために重要だと思います。町のかかりつけ医として、病気の早期発見と予防が役割だと思っていますし、僕は話好きな方なので、何でも我慢せずに話してほしいです。早めに来て、何でもなかったという方がいいのですから。悩んでいたら、電話でもいいので、気軽に相談してください。

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