全国のドクター9,287人の想いを取材
クリニック・病院 158,646件の情報を掲載(2024年4月19日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 知多郡阿久比町
  4. 白沢駅
  5. 高津耳鼻咽喉科
  6. 高津 暢尚 院長

高津 暢尚 院長の独自取材記事

高津耳鼻咽喉科

(知多郡阿久比町/白沢駅)

最終更新日:2021/10/12

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科 main

愛知県西部、知多半島のほぼ中央部に位置する知多郡阿久比町にある「高津耳鼻咽喉科」。1998年の開業以来20年近くにわたって地域のかかりつけ医として信頼を集めるクリニックだ。院内は人気アニメキャラクターのジグソーパズルがたくさん飾られたほのぼのとした雰囲気。取材開始予定時刻の12時ちょうどに、さっそうと笑顔で現れたのが院長の高津暢尚(たかつ・のぶひさ)先生。花粉症などのアレルギー性鼻炎をはじめ、インフルエンザや風邪などでも気軽に相談できる頼りになる存在だ。インタビューでは、これまでの道のりや医院の診療について話を聞き、その親しみやすい高津先生の素顔に迫った。

(取材日2017年6月5日)

患者、医師、スタッフ、「三方よし」の待ち時間なし

日々たくさんの患者さんを診ていらっしゃいますね。

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科1

ありがたいことですね。特にインフルエンザが流行する年末ごろから花粉症のシーズンになる春頃までが、耳鼻咽喉科の繁忙期ですから、その時期にはより多くの患者さんを診察します。一方で、夏は比較的空いています。ですからスタッフの時間にも余裕ができるので、院内の装飾などを彼女たちが作ってくれています。壁に飾ってあるジグソーパズルなどは子どもだけじゃなく大人にも人気がありますね。

診療上、大事にしていることは何ですか?

とにかく「お待たせしないこと」。1時間当たり診察する患者数には限界がありますが、多くなればなるほど、患者さんは1時間待ちとなるケースも珍しくないと思います。しかし当院ではピーク時でも待ち時間は10分程度で診察室へ入っていただきます。まず僕がお話を聞いて診察し、その後により詳しい説明や相談などが必要な場合は、処置室で看護師がじっくりお話しているのです。患者さんは、医師と話しても緊張してしまうことや気を遣ってしまうことが多いと思います。でも、きちんと知識を持った看護師がゆっくり説明すれば、リラックスして質問もできるし、納得するまで話ができる。その間、僕のほうはより多くの患者さんの疾患を診察することができますので。

医師と話したい、という患者さんもいらっしゃいませんか?

僕も以前は、医師が全部説明したほうがいいものだと思っていました。ところが、自分が眼科でレーシック手術を受けたときに考えが変わりました。事前にコーディネーターの看護師さんが1時間くらい丁寧に説明してくれ、充分に納得したうえで、医師とは簡潔な話をする程度だったのです。医師が患者さんを診る効率もアップしますし、患者側の満足度も高いのですね。もちろん、僕と話したいという患者さんにはきちんとお応えします。ただ、僕の代わりに話せる人をつくっていくことがすごく大事だと気づいたのです。

スタッフへの信頼があってこそですね。やりがいも持てると思いますが、どのように指導されているのですか?

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科2

現在、当院には看護師が4人、事務が6人おり、月1回、全員参加の勉強会を開いて病気やその治療について勉強しています。例えば突発性難聴とはどんな病気か、アレルギー性鼻炎の治療法にはどんなものがあるか、舌下免疫療法とは何かなどさまざまなテーマですね。症状や治療のプロセス、実際の症例などを話し、誰もが患者さんに説明できるようにしています。長く働いてくれているスタッフが多く、ほとんどがお子さんもいて、家庭と仕事を両立しています。そんな彼女たちは、お昼の診療が終わればすぐにここを出ていきます。家に帰って食事の支度もできるし、お友だちとランチやディナーの約束もできる。患者さんの待ち時間がほとんどないため、働きやすいのだと思います。そうして慣れたスタッフが知識を身に付け、患者さんの対応にもより磨きがかかる。本当に「患者よし、医師よし、スタッフよし」の三方よしです。

「映画をつくりたい」という夢が転じて医師に

ところで、先生はなぜ医師になったのですか?

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科3

実は昔、映画のプロデューサーになるのが夢だったんです。僕が中学・高校生の頃、日本映画が急成長していて。そのなかの、ある映画会社の社長兼プロデューサーに憧れ、自分も将来、映画を製作したいと思っていました。そして映画の製作費を用立てることを考えたときに思い当たったのが、ひとまず医師という仕事に就くことだったのです(笑)。当時は本気でそう考え、一生懸命勉強して、医学部に入学しました。動機は映画製作でしたが、結局医師の仕事が楽しくて続けてきましたね。

診療科の中で耳鼻咽喉科を選択したのはどうしてですか?

僕自身、アレルギー性鼻炎を持病に持っており、小さいときからクリニックに通い、苦労した経験があります。だから、同じように悩む患者さんたちの病気を治したいと思ったのが一番ですね。三重大学医学部を卒業後、そのまま大学院に進み、アレルギーについて研究しました。勤務医として三重県内の病院に勤めながら、耳鼻咽喉科の医師として研鑽を積み、卒後10年経ったところで開業しました。

この地を選んだ理由は?

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科4

もともと東海市の出身で、その地元もしくは近隣に戻りたいという希望がありました。当時、耳鼻咽喉科がまったくない地域でした。また半田街道(県道55号線)沿いで、車でのアクセスもよく、患者さんにも便利だと思いましたね。ですから阿久比町だけでなく、半田市、知多市、東海市などから来ていただいています。この辺りは自動車、製鉄などの大手製造業やその関連会社にお勤めの方が多く、家族構成も多様で、お子さんも多い。開業後は予想以上に患者さんがいらっしゃって、やはり求められていたのだと実感しましたね。

98%の患者に満足してもらえる診療を

今ではインターネットでも診療予約ができるそうですね。

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科5

はい、1年くらい前に導入しました。ホームページ自体、実は作るつもりがなかったのですが、病院・医院のクチコミ情報サイトが増え、自分たちでも発信していく必要があると考えました。クチコミだけですと、必ずしもこちらが伝えたい情報が提供されるとは限りません。初めて来院する患者さんに簡単なアンケートを取ってみると、やはり「インターネットで見て」という方が一番多い時代です。予約システムについては、当院の場合、予約をしてもしなくても待ち時間は5分程度なので、あまり必要ないのですが、初診の際は安心されますね。インターネットで情報を見て「じゃあ行ってみよう」となったとき、その場で予約できれば利用しやすいかな、と思います。

プライベートの時間は何をして過ごされますか?

だいたいはゴルフかジムですね。僕も診療時間が読めるので、トレーニングも個人レッスンの予約を入れることができます。体を鍛えて、あと10年は頑張るつもりですし、その後も元気で楽しく過ごしていきたいですね。映画製作の夢も、まったく捨ててしまったわけではありませんから(笑)。

これから取り組んでいきたいことはありますか?

100人の患者さんがいて、100人全員が満足することはどうしてもむずかしい。だとしても、僕としてはせめて98人の方に満足していただけるオペレーションをめざしています。それを職員全員で実現したいですね。これが当院のやり方であると理解して一緒にめざしてくれるよう、スタッフにも意識づけしています。院内でよく話しているのは、例えば行列ができるほど人気のラーメン屋さんが「行列ができること」自体を自慢するとしたら、それは間違いだということ。オペレーションをうまくやれば、長い行列はできずにせいぜい5〜10分の待ち時間で済むはず、という考えです。

これからも強みをさらに生かしていくのですね。

高津暢尚院長 高津耳鼻咽喉科6

そうですね。患者さんとしては1~2時間待って、診療は3分だとなんとなく理解できない。でも、3分待って3分の診療なら不満が少なく理解できると思います。しかも、その後に看護師さんが丁寧に話をしてくれるのです。当院での待ち時間は、花粉症の季節でも、どんなに長くても10〜15分です。でも、それは患者さんが少ないからではなくて、患者さんがたくさんいても、仕組みをつくり、スタッフも頑張ってくれることによって、待ち時間を減らしているわけです。同時に3分しか診てくれないという不満を残すのではなく、納得するまで看護師が話を聞いてくれるから、満足して帰られる患者さんが多い。当院に通ってくださる患者さんを、これからもお待たせせず、大切に診ていきたいと思っています。

Access