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今田 朗 院長の独自取材記事

長久手内科胃腸科

(長久手市/長久手古戦場駅)

最終更新日:2024/04/10

今田朗院長 長久手内科胃腸科 main

1958年から地域医療を支えてきた歴史あるクリニックの後を継ぎ、2002年に院長に就任した「長久手内科胃腸科」の今田朗(いまだあきら)先生。内視鏡検査については、9年間大学病院で経験を積み、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医かつ日本消化器病学会消化器病専門医であるスペシャリスト。技術面もさることながら、患者の訴えにひたすら耳を傾け、ときには冗談も口にして不安な心をほぐす、今田先生の誠実で朗らかな人柄には厚い信頼が寄せられている。夕診の前には、通院が困難な高齢者の訪問診療に駆け回っているそう。終始笑いの絶えなかった取材では、開業医のやりがいについても語ってくれた。

(取材日2017年2月14日/情報更新日2024年3月15日)

義父の代から築いてきた地域住民の信頼を受け継ぐ

開業までのいきさつを教えていただけますか?

今田朗院長 長久手内科胃腸科1

私がこの診療所で仕事をするようになってから、今年で16年目になります。私は岐阜県の出身ですが、おかげさまで今ではすっかりこの地になじんで過ごさせてもらっています。義理の父が1958年にこの診療所の院長になったとき、長久手村じゅうの患者さんを診なければならず大変だったそうです。患者さんの中には先代の頃から50年以上にわたってお付き合いのある方も見えます。地域の方と深く、長く関われる幸せを日々感じています。

やわらかな雰囲気の内装ですが、こちらは今田先生の趣向ですか?

義父の後を継いだとき、築20年余りだった建物を増改築工事したのですが、建築士さんにこんなにすてきなデザインに仕上げていただけたんです。待合室を外へ向かって半円形に増築したので、すごく広々と感じられるようになりましたし、日当たりも良くなりました。半円形の待合の外壁に沿って、駐車場から入り口に続くなだらかなスロープを設けましたので、車いすの方にも優しいのではと思います。受付のカウンターも丸みを帯びた優しいデザインにしました。ブラインドは木製、待合床はフローリングで、どちらも明るい色を選びました。

先生のご経歴や消化器内科を専門にされたきっかけを教えていただけますか?

今田朗院長 長久手内科胃腸科2

名古屋大学医学部を卒業してから、岡崎市民病院やトヨタ記念病院などでしばらく勉強させていただきました。その後に、母校である名古屋大学の附属病院で9年間お世話になりました。大学病院では診療、研究ともに非常に忙しく、とても勉強になりました。人間関係も視野も大きく広がりましたし、それは私の何よりの財産になったと感謝しています。大学病院勤務の後、今は西知多総合病院に統合された知多市民病院を経て、この診療所にまいりました。消化器内科を専門にしたのは、人と話すのが大好きなのでまずは内科かなあと思い、手を動かして検査や治療を行うことに魅力を感じたので消化器かなあと思ったことでしょうか。

患者を笑顔にする外来診療と職人技の内視鏡検査

主な患者層を教えていただけますか?

今田朗院長 長久手内科胃腸科3

この近隣は、長久手市の中でも最も古い地区ですので、ご高齢の方の割合が高いです。私がこのクリニックを引き継いでからは、徐々に若い患者さんが増えてきて、患者さんの層が広がっているのを実感します。長久手市にたくさんのクリニックがありますが、ありがたいことに多くの先生方から、内視鏡検査が必要な患者さんをご紹介いただいています。当院にいらっしゃった患者さんが循環器、呼吸器、血液などの専門の医師の受診が必要な場合には、愛知医科大学病院などにご紹介することも多いですが、近隣の先生方にもしばしばご紹介しています。近隣のクリニックと互いに足りない部分を補い合うことを「診診連携」と呼びますが、クリニックであっても専門領域の機器はある程度そろっていますし、夕方や土曜日でも専門の医師に対応してもらえること、予約なしでもすぐに診てもらえることなど、患者さんにもメリットがあると思います。

診療ではどのようなことを心がけていますか?

私やスタッフが、患者さんがお話ししやすい環境や雰囲気を整えること、患者さんのお話に真剣に耳を傾けることが大切と考えています。その中で患者さんの不安が和らぎ、患者さんと私たちとの間に共感や信頼が生まれてくれればと思います。深刻なケースもあるので一概には言えませんが、患者さんと私たちが声を上げて一緒に笑う瞬間が持てれば、それが癒やしにつながり、良い関係につながるのではないかと思っています。幸い当院のスタッフには朗らかな方が多く、院内は笑い声が絶えません。私も年々歳を重ね、若い頃に比べるとリラックスして外来診療に臨めるようになったと感じます。また別軸の話にはなりますが、可能な限り、負担の少ない良質な医療を提供したいという思いも持っています。“朗”という私の名前に負けないよう、朗らかな空気に満ちた診療所であり続けたいですね。

勤務医時代は毎日のように内視鏡検査に携わったそうですね。

今田朗院長 長久手内科胃腸科4

内視鏡検査に携わるのが純粋に好きなんです。この感覚は手術が好きな外科医、物作り好きな職人と同じではないでしょうか。内視鏡を扱う医師として30年内視鏡検査を行ってきても、まだ日々新たな気づきがあります。自分やスタッフが研鑽し進歩すれば、より患者さんの役に立つことができる、そんな奥深いやりがいがあります。内視鏡検査では患者さんに優しいことと、診断治療のレベルが高いことの両立を常に意識しており、「安心、安全、つらくない」検査がモットーです。例えば大腸内視鏡検査では「大腸すべてをくまなく見ること、リスクのある鎮静剤・鎮痛剤を用いないこと、苦痛のない検査を行うこと」をめざし、ほぼ実現できていると自負しています。内視鏡は、鼻からの内視鏡も含め先進の機種をそろえています。検査を終えた患者さんに笑顔で帰ってもらえるのが、私の喜びです。

ご専門領域の病気について、一般の方々へのメッセージがあればお願いします。

胃がんは、ヘリコバクター・ピロリ菌が関連していますので、ご自分の胃にピロリ菌がいないかどうかをぜひチェックしてください。市町村の胃がん検診でもバリウム検査以外に内視鏡検査も選択できるケースが増えてきましたので、お住まいの市町村の窓口にお尋ねいただくと良いと思います。大腸がんは、検診で便に血液が混ざっていると言われた場合には、必ず医療機関でご相談いただきたいですね。特に女性の方は、大腸内視鏡検査が恥ずかしいというお気持ちが強いと思いますが、早期発見・早期治療という言葉を思い起こしていただきたいです。

患者と最後までしっかり関わる開業医としての喜び

先生にとって開業医の魅力とは何でしょうか?

今田朗院長 長久手内科胃腸科5

地域の多くの方々と深く、長く関われることが、“町医者”の喜びでしょうか。子どもの頃からお節介焼きというのか、何か頼まれるとつい引き受けてしまう性格なので、患者さんやご家族から込み入ったご相談を受けても、あまり苦にならないんですよね。地域の行事に参加したり、地域の方々と食事をしたり子どもや趣味のことでつながったり、スタッフや私に野菜やらお菓子やらを頂いたり、診察室にどうぞと鉢植えを頂いたり、そんなお付き合いもあります。ありがたいですね。

患者さんからはどういった相談が多いのでしょうか?

最近は往診や訪問診療のニーズが増えてきました。長年外来に通っていらした方々が歳を重ね、通院が困難になってきているからです。そうした方々から「最後まで診てほしい」という求めがあれば、それは町医者冥利に尽きますし、可能な限りお引き受けしています。ご自宅での介護は本当に大変ですが、最後に患者さんには「私の人生もまんざらではなかったな」と思っていただけるよう、ご家族には「一生懸命にお世話ができて良かった」と思っていただけるよう、できる限りお手伝いをしていきたいと思っています。訪問診療には自転車で行くこともありますよ。自転車で走るのは気持ちが良いですし、道路が渋滞していても関係ないですから便利ですね。

最後になりましたが、日頃、接している患者さんや周りの方へ何かメッセージをお願いします。

今田朗院長 長久手内科胃腸科6

私の毎日は、家族やスタッフ、医療や介護に携わる地域の方々に助けられ、支えられて成り立っています。おかげさまでクリニック全体が明るい雰囲気に包まれ、患者さんやそのご家族にもたくさんの笑顔が見られます。そして現在、私の子どもが医学部に進みました。医師の道を選んでくれたことにうれしく思いますね。そうしたことへの感謝の気持ちを忘れず、これからもご縁のあったすべての方々としっかり関わっていけたらうれしいです。

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