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稲垣 均 院長の独自取材記事

いながきクリニック

(尾張旭市/三郷駅)

最終更新日:2019/08/28

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三郷駅より徒歩15分、住宅街の一角に「いながきクリニック」がある。同院は、25年以上続いた前身のつかだ医院を、3年前に現院長の稲垣均先生が継承。内科・小児科に加え、稲垣先生が専門としてきた外科と消化器内科を標榜している。スタッフは前院から継承し、古くからの患者も来院する。稲垣先生は外科出身で腹腔鏡手術を数多く手がけ、同院にはCTも導入。がんや腫瘍の発見もでき、なおかつ腹腔鏡手術で切除も可能。「医は仁術なり」を語る稲垣先生は、患者ごとに違う生活背景や性格などを考慮し、最適な医療を提案したいとする。さまざまな症状の相談窓口になるとともに、抗がん剤治療や抗がん剤による副作用軽減にも貢献したいと考える。日々の診療や診療理念など稲垣先生に話を聞いた。
(取材日2016年12月21日)

前身の塚田医院を縁あって継承し、リニューアル開業

こちらは先代の院長から継承されたそうですね。

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前院長の塚田先生夫妻が「つかだ医院」を25年以上地域に根差して続けてこられ、リタイアなさるという時期に僕と出会い、縁あって3年前に継承することになりました。2ヵ月間一緒に働き、スタッフも建物もそのままで明け渡してくださったおかげで、とてもスムーズな継承ができました。今でも上の院長室には塚田先生の残した書籍がたくさんあり、ありがたく読むものもあれば、そろそろ整理もしなければとも考えているところです。とはいえ、僕が知らずスタッフだけが知っているものもいっぱいあってね(笑)。スタッフは前院時代から長く勤務してる人ばかりなので、患者さんについても全員知っていて、継承した当初はとても助かってありがたいなと感じました。

勤務医から開業医になろうと思ったのはなぜですか? 

僕はもともと外科出身でがん治療に携わってきたので、画像診断は得意分野なんです。当院でCTを導入しているのは僕が画像診断をできるから。外科時代に培った経験を生かせば小さな病院でも大病院と同じ医療は提供できると考えました。ただ、小規模病院では術後の管理と、全身管理の1つとして慢性疾患も一緒に診るのが必然になります。ですので、血圧・呼吸器・糖尿病なども併せて勉強し、僕も年齢を重ねて、これなら開業してもやれるという自信もついてきたので、開業に踏み切りました。場所を探している最中、塚田先生に出会い、診療スペースも確保されている好条件で、ぜひ継承をという運びになったんです。友人からも、「お前も悩まずに開業しろ」と後押しされましてね。スタッフも僕も慣れてない頃は、ちょっとした行き違いもあったけれど、今は試行錯誤しながら、どうやっていこうか模索中です。

患者層や主訴などを教えてください。

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半分は先代からの患者さんで高齢者が中心です。多いのは高血圧・糖尿病・高コレステロール・骨粗しょう症、男性なら前立腺肥大、女性なら過活動膀胱といった症状が目立ちます。尾張旭市は「健康都市宣言」を提唱しているため、男女ともに健康寿命が80歳を超え、市の健診受診率も高いんです。6・7・9・10月は健康期間として、患者さんもそれを軸に健康管理がしやすいようで、市民の健康意識が高い地域です。病院を退職してもなお、8割くらいの患者さんがついて来てくれるのを見ると、頑張ってきた手応えを感じますし、80代のご夫婦を含め、4~5人の患者さんは最初の病院からずっとついて来てくれています。医師と患者とはいえ、人と人ですから、信頼してくださっているのでしょうね。

患者の人生を背負い、裏方で支える役割

診療時に大切にしていることを教えてください。

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医師という仕事は、その人の「命」だけでなく、その人とご家族のその後の人生を背負う覚悟が必要で、生活を裏方で支えているようなものだと考えています。ですので、大きな病院にお願いしなくても、ここで最大限の医療を提供できる医院にしたいという理想を持っています。いつも僕は「何でも屋だからね」と話しているんですよ。外科では根拠のある医療がすべてでした。ところが、内科はその人の性格・社会的地位・体調・家庭環境などを考慮して、ベターな方法を提案することが求められます。そこへエビデンスを加味しながら診療する。僕は「医は仁術なり」と思って診療しています。ホームドクターとして、オールマイティーかつ専門分野で取り組み、できることを最大限にやるのが理想です。

患者さんに対して思うこと、アドバイスなどあればお願いします。 

人間、歳の取り方に正解はありません。人生観や価値観、体質だってそれぞれ違いますから、薬を飲むばかりがいいことではないと思うんです。最近気になっているのは、親が病気になり、お子さんがインターネットで病院を探して親に行くように勧めるパターン。その情報が確かなものかも調べず、足を運ばずアドバイスしてしまう。これが多いんです。でも病気になった時は、情報を調べるより、近くの病院を受診して相談したほうが早い。今は医療が細分化され、この病気はこっちの病院、この病気はあっちの病院と、病院巡りをしなきゃいけない時代。歳を取るとなおさら大変で、「この薬はどこでもらったんだっけ?」とオロオロしてしまうことも。だから、僕は昔ながらの医院の在り方を大切にし、何かあったら気軽に相談してもらえるようなオールマイティーな開業医になりたいと思っているんです。

こちらならではの診療を教えてください。

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開業してまず僕がやりたかったのは、抗がん剤治療による副作用を軽減できる治療を行うことです。あと、外科での経験を生かして、CTをはじめとする画像検査にもは力を入れていきたいですね。画像診断は勤務医時代からずっとやってきて、かなりの症例を診てきました。肺がん・副腎腫瘍・悪性リンパ腫・肝臓腫瘍も発見しています。開業後も自分の武器としていきたいと思います。

外科では肝臓グループに所属。腹腔鏡手術の腕を磨く

先生が医師をめざそうと思ったきっかけは? 

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4歳のときに入院して医師という職業に憧れを抱き、小学校の卒業文集には「医師になる」と書いていましたね。その後中学生になって髄膜炎で再び入院。そのとき、「自分の体ってどうなっているんだろう?」「人体って何だ?」と、さらに深く考えるようになりました。漠然とした思いを持ったまま高校に入り、医学部をめざそうと決めたんです。浪人して、もっと上をめざそうと名古屋大学に入学。入学までは外科と決めていたわけではありません。ただ、内科はじっくり構えて診断して結果を待つ、気長に診ていく科。ところが外科は結論が早い。性格的に合っていたのでしょうね。だからこうして今まで続けられたのだと思います。あと、逆は難しいですが外科から内科に移ることができるので、迷ったら外科に来いと言われていたのも大きかったかもしれません。

外科ではどのようなことに注力されていましたか? 

抗がん剤や腹腔鏡手術、先輩がやっていた抗がん剤の治験研究に参加しました。僕の論文のほとんどは腹腔鏡関連で、特に肝切除は数をこなしてきましたね。大学では肝臓グループで、手術は数多く手がけました。携わっていくうちに、より小さな手術痕にしたいと、腹腔鏡での手術の腕を磨くようになったんです。腹腔鏡で大腸がん・胃がん・ヘルニアなど、腹部に関連するものはほとんど経験しました。外科の時は、入院患者と時間がある時にじっくり話を聞くことができました。けれど、開業した今は診療回数を重ねなければ知ることができません。だから長くお付き合いしながら、信頼関係を構築していきたいと考えています。

今後の展望などをお聞かせください。

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もともと抗がん剤治療をするために開業したので、もっとがんの治療に関わっていきたいですね。開業医で抗がん剤治療ができるところは決して多くはありません。しかし当院ではこれまで点滴など簡単なものを始め5人ほど行った実績があります。困るのはここで最期を看取れないことですが、幸いに、公立陶生病院と連携しているので、何かあったら引き受けてくれる体制は整えています。今は僕一人で目いっぱいで、在宅医療にまで手が回りませんが、今後は看取りの問題も含め、円滑に診療できる方法を見出していきたいです。開業医になって大きく方向転換しましたが、これまでの経験を生かしてやって行こうと思います。

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