水野 健雄 院長、石川 智啓 副院長の独自取材記事
水野内科クリニック
(知立市/知立駅)
最終更新日:2025/07/30

1996年の開院から20年以上、地域に根差した「身近な街のお医者さん」として医療を提供してきた「水野内科クリニック」。三河線の知立駅から徒歩3分、広い駐車場も完備されたアクセスの良いクリニックだ。院長の水野健雄先生は、内分泌内科を専門とするベテランドクター。患者が理解できるように説明やアドバイスをすることに注力し、治療へのモチベーションを高める診療を心がけているという。来年春には泌尿器科を専門とする石川智啓副院長へ継承を予定している。患者に寄り添い続ける水野院長と患者に満足してもらえる医療の提供をめざし、地域貢献にも意欲的な石川副院長に、今後のクリニックについて詳しく聞いた。
(取材日2025年5月26日)
内科としてオールラウンドに対応
来年春には院長を継承予定ということですが、副院長は泌尿器科がご専門なのですね。

【石川副院長】はい。臨床実習で各科を回ってみて、手術に興味があったので外科か泌尿器科かで迷いましたね。最終的には泌尿器科で担当についてくださった先生からいろいろお話を伺ったことがきっかけで決めました。泌尿器科は、診断をするところから最後の治療まで一つの科で完結しているところに面白さを感じました。治療も内科的なお薬という方法もあれば、外科的な手術もあり、手術もバリエーションが多いのです。ただ、今はもう引き継いでいく段階なので、外科的な知識も生かしつつ内科的な治療に目を向けています。
泌尿器科は受診のハードルが高いと感じる人も多いとは思いますが、どのような症状に注意すべきですか?
【石川副院長】頻尿や残尿感、数は比較的少ないですが血尿が出たであるとか、そういった症状があれば相談に来てほしいです。ずっと我慢されてかなり病状が進行されてから来られると、がんというケースもありますし、つらい経験をすることになりかねません。無症状でも、例えば、健康診断や内科などで受けた尿検査で異常が見つかった場合は受診が必要だと思います。特に最近、健康診断で早く見つかるようになった病気の一つが腎臓のがんですが、あまり症状が出ない病気なので、特に早期の場合は採血検査でも尿検査でも見つからず、おなかの超音波の検査でなければわかりません。ただ、一般的な健康診断では腹部の超音波検査は基本セットに含まれていないことが多いので、可能であれば追加で受けていただきたいですね。
院長が副院長に期待されているのはどのようなことでしょうか?

【水野院長】石川先生は目標を立て実行していくプロセスがしっかりしておられるなと思って、ある程度お任せしています。私は、聞かれたら答えるよという心構えでいますね。徐々に自分の持っている外来の枠の数を減らしていくつもりでいますので、石川先生のメインは泌尿器科ですけれども、スペシャリストというよりも内科全体を診られるオールラウンダーになっていただきたいと思っています。
【石川副院長】尊重していただいていて非常にありがたく感じています。院長のご専門である糖尿病と内分泌内科に関してはたくさん教えを乞いたいと思っています。当たり前だと言われる方もいらっしゃると思いますが、院長は随時更新されていく新しい知識をきちんと更新されています。自信を持って患者さんに医療を提供するためには必要不可欠なことなので、その姿勢をしっかり見習っていきたいですね。
高齢化が進む社会で地域医療にも力を尽くす
在宅医療にも注力されていらっしゃいますね。

【水野院長】私が行ってきた在宅医療というのは限られた範囲になるのですが、自分が外来で診てきた患者さんをそのまま家で看取るまで診るという形です。例えば長年通院されていた方が寝たきりになって来院できなくなったときに、「往診できないのでどこか施設に入ってください」というようなことはできないと思いました。ですから、数はそんなに多くないのですが、そういうスタンスで在宅医療を行っています。
【石川副院長】慣れている医師に最後まで診てもらえるのは安心するという声を、患者さんからも実際に聞いておりますので、それは私も続けていきたいと思っています。そこはもう絶対に変えません。
これからの在宅医療について、展望をお聞かせください。
【石川副院長】どんどん高齢化が進んでいく中で、その受け皿が非常に足りない状態です。ご自宅で老老介護で過ごされていた方々が施設に入ったり、他のご家族の助けを借りながら生活したりするとなったとき、病院やクリニックを受診できるかというとなかなか難しいですよね。そういったところに在宅医療の需要が高まっていると思います。院長がこれまでやってきた在宅医療を引き継ぎながら、さらに強化していくことで、地域に貢献できるのではないかと考えています。私は現在、岡崎にある在宅クリニックでも診療に携わっています。そこはかなり多くの患者さんを診られているので、診療の仕組みや体制、もちろん診療の内容も勉強させてもらっているところです。吸収させてもらいながら自分なりの在宅医療をつくりあげていきたいですね。
高齢化が進む中、地域包括ケアシステムもますます重要になりますね。

【水野院長】住み慣れた地域で医療や介護、生活のサポートなどを受けられる地域包括ケアは、医療や介護に関わる業種の連携が取れてこそ成り立つシステムです。病状が悪くなったら病院へ、そこから家に帰れなければ施設へ、施設からまた家に帰るなど、そういったときにクリニック、病院、施設などがお互いに連携を持つべき時代になってきています。今後さらに必要性は高くなってきますし、そのためのICT(情報通信技術)も重要になってきますね。
【石川副院長】現在、複数の医療機関や介護施設にごあいさつに伺っています。しっかり関係性を築き、いつでも患者さんを受け入れられるような状態にしていきたいですね。ICTについても、例えば、患者さんの紹介方法も、従来は電話やファックスでしたが、最近ではオンライン上で患者さんの情報をやりとりするシステムができています。しっかり情報共有をし連携を取っていきたいと思っています。
患者に満足してもらえる、風通しのいいクリニックに
糖尿病などの生活習慣病は今なお増え続けていますか?

【水野院長】相変わらず糖尿病や高血圧、高脂血症はたいへん多いですね。糖尿病には、現代の食事内容や食習慣が非常に関係しているのではないかと感じています。昔ほどあまり動くことがなくなった上、野菜を多く取らない傾向にあり、摂取するカロリーは増えていますからね。生活習慣を意識しないで生活するとやはり悪い結果になりますし、どうやって患者さんに意識を変えてもらうか、そのための説得力が医師にも必要だと思っています。会社員の方などは健康診断などを定期的に受けていると思いますが、結果を見ない方もいらっしゃると思います。検診をないがしろにせず、再検査の結果が出たら、やはりきちんと受診していただきたいですね。
副院長がめざす今後の診療方針を教えてください。
【石川副院長】院長がずっとやってこられたことですが、やはり「患者さんをきちんと診る」ですね。それは病気や訴えを聞くことだけでなく、これまでの病歴や生活背景なども含め患者さんの全体を把握するということです。患者さんは、いろいろな思いでクリニックに来られているので、診てもらえて良かったなと思ってもらいたいですね。そのためには、私たちが思う最高の医療を提供しなければなりません。その手前には、私たち医師をはじめ、スタッフ全員が満足して普段の診療に携わるということも不可欠です。患者さんも従業員も、もっと範囲を広げれば、私たちと関わる施設や関連病院なども含め、関わる範囲すべてを満足させたいという思いでやっていきます。
読者へのメッセージをお願いします。

【水野院長】私自身も医者にかかったことがありますが、検査しても何も教えてくれないと寂しいと感じたことがあります。ですので、検査結果については質問がなくても説明しますし、質問があればさらに説明いたします。それは徹底していきたいですね。医師と患者さんとの風通しがいい医療機関をめざしています。
【石川副院長】患者さんに「ちゃんと診てもらえた」と思ってもらうことを一番大事にしながら、正しい医療を提供できるよう日々勉強しています。当院は、最近新しくできたクリニックに比べると外観や内装は古いという点はありますが、その中で行っている医療に関しては自信を持っています。何か困ったことがあれば、ぜひ信じて安心して受診していただけたらなと思います。