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安井 直 院長の独自取材記事

やすい内科

(大府市/南加木屋駅)

最終更新日:2024/12/20

安井直院長 やすい内科 main

三角屋根に時計台が目印の「やすい内科」。愛知県大府市や東海市などを中心とした地域に住む人たちの健康を見守るクリニックとして、20年以上信頼を重ねてきた。安井直院長は循環器内科が専門で、心筋梗塞や狭心症、心不全などのほか、高血圧症などの生活習慣病や風邪といった幅広い病気に対応。訪問診療や訪問リハビリテーションも行っている。さらに同院では「医療と介護の連携を強くして、在宅医療の充実化を図りたい」と法人を同じくする有料老人ホームなどとの連携体制を強化している。「身近にあるクリニックとして、患者さんの人生の最期まで寄り添いたい」と話す安井院長。訪問診療への思いや普段の心がけなどについて、穏やかな口調で丁寧に話してくれた。

(取材日2024年11月13日)

改装した明るい医院で温かく患者を迎える

明るくすてきな院内ですね。

安井直院長 やすい内科1

私のモットーと言うと大げさかもしれませんが、患者さんがクリニックに来やすくなることをモットーとしているので、そのためには、医師だけではなくスタッフの存在、そして建物も大きいと思うのです。クリニックは好んで来るところではなく、体調不良で不安な時に来る場所です。ホスピタリティーの精神を大切に、温かみや親しみを感じていただける場所にしたいと、札幌市の時計台のようなモチーフを採用することを思いつきました。さらに、2024年に院内をリフォームして白い木目調の床に変更し、壁紙も張り替え、電球もLED照明に変えたため、明るく清潔感のある雰囲気になりました。待合室には畳のスペースを設けていますので、足を伸ばしてリラックスできます。発熱専用の外来の診察室は、私がDIYで造りました。手作りですから大したものではないですが、暑さ寒さをシャットアウトできて、快適に過ごせるようにしたかったのです。

在宅医療で使用する検査機器を一新されたと伺いました。

ポータブルの超音波検査機器と、エックス線検査機器を導入しました。エックス線検査機器は2.5kg程度で、撮影した画像はクラウドサーバーを通して、患者さんの電子カルテに保存可能なんです。患者さんのご自宅で撮影した画像は、クリニックのパソコンでも確認できます。これまでの在宅医療では、肺炎と診断されても画像がないため納得しづらい患者さんもいたでしょう。しかし画像診断ができれば、私が確認できるだけでなく、患者さんにも説明しやすくなるのです。看護師と病状の共有もしやすくなり、適切に説明することも可能になりました。また、在宅医療の機器と併せて、AIで画像診断ができる機械も導入しました。疾患の要因の度合いによって画像の色が強くなるため、患者さんもわかりやすいのではないでしょうか。AIによる画像診断は、疾患を見落とさないためにも重要だと思います。

これまでのご経験や、来院される患者さんについて教えてください。

安井直院長 やすい内科2

私は、大府市のすぐ隣の東海市の出身です。藤田医科大学を卒業後、同大学病院の高度救命救急センターに勤務しました。経験を重ねる中で心臓や冠動脈に関わる循環器を専門とすることに決め、生まれ育った近くのこの場所で開業したのです。患者さんは、開業以来20年以上通ってくださる方も多く、小さかった子が親になり、ご自身の子どもを連れて来てくれることもありますね。患者さんは年々高齢の方が増えてきていて、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や、心不全や狭心症、心筋梗塞などの循環器のリスクのある方も多いですね。認知症を患う方も増えてきています。

患者を生涯支えるために医療と介護の連携にも注力

こちらでは医療と介護の連携に力を入れられているそうですね。

安井直院長 やすい内科3

高齢化が進み、患者さんが通院できなくなったり、介護施設に入ったりして、通院できないケースも増えてきました。もともと「患者さんの人生を最期まで支えたい」というのが私のスタンスです。患者さんをずっと診たいと思い、開業以来取り組んできた訪問診療に加えて、介護施設も当院でつくろうと考えました。現在は、有料老人ホームやデイサービス施設、グループホーム、医療依存度の高い方が暮らせるナーシングホームも運営しています。急性期であれば入院が必須ですが、慢性疾患の患者さんの急性増悪であれば、病院の先生と情報共有しながら、介護施設に入ってもらって訪問診療で診るケースがあります。こういった部分でも、医療と介護の連携が重要だと考えています。

訪問リハビリテーションではどのようなサポートを行っていますか?

私の息子も加えて、理学療法士は3人在籍しています。ご自宅へ伺って生活の様子を見るため、その方に適したアドバイスやリハビリテーションが行えます。具体的には「歩く」「着替える」などの生活動作の練習や、関節や筋肉の機能を回復させるための運動などですね。自宅での転倒やケガが多いため、住宅改修の相談にも乗ります。理学療法士たちの訪問を楽しみにしてくださっている方も多く、患者さんの活力源にもなっているのではないでしょうか。中には話をするだけでも、びっくりするほど表情が明るくなっていく方もいらっしゃいますからね。息子はたまに患者さんと一緒に喫茶店にも行くことがあるようで、セラピストのような一面もあるのかもしれません。介護予防として訪問リハビリテーションの重要性は高いでしょう。併せて、管理栄養士による栄養指導も行っています。

治療後もリハビリテーション、在宅医療と長くサポートが続くのですね。

安井直院長 やすい内科4

高齢化が進む社会にあって、住み慣れた地域で最期まで暮らし続けたいと思う方は多くいらっしゃるので、医師はその望みをどのように実現していくかを考えていかなければいけません。治療後は体力が落ちてしまう方が多いので、訪問リハビリテーションなどでサポートを続け、寝たきりや要介護にならないように、早めの対応をしていくことが大切だと思っています。そのために、当院はスタッフ一丸となって、支えていきます。当院は患者さんに対しても優しいスタッフばかりなんです。私が常に「患者さんに寄り添ってほしい」と言っているので、きちんとサポートしてくれますよ。

「町のかかりつけ医」として、常に進化を続けたい

日々の診察では、どのようなことを大切にしていますか?

安井直院長 やすい内科5

高齢の方は複数の病気がある場合が多いので、全身を診ることをとても大切にしています。高血圧症や糖尿病から心不全を起こすこともあり、食生活や運動など生活習慣のアドバイスにも力を入れています。生活習慣の改善をめざすことによって、患者さんが「暮らしが良くなった」と感じて、前向きに治療に取り組んでくださるようになればうれしいですね。基本的に治療はオーダーメイドです。一人ひとり違うので難しいのですが、自分にできることで症状を改善に導いていけたらと思います。また私は訪問診療で看取りも行っています。人生の最期を迎える時にはご家族の心にも寄り添うことを心がけ、温かい気持ちで接するようにしています。

治療が必要な方に継続して来てもらうために、実践していることはありますか?

時間はかかりますが、患者さんの話をよく聞いて話すことです。生活習慣病の患者さんは継続して通ってもらわなくてはならないのですが、自覚症状がないので通院が必要な理由をしっかりとお話ししています。病気を川に例えると、上流では問題がなくても下流で問題が出てきている状態なら、下流の問題を解決してあげれば良いのです。しかし健康診断で引っかかったのに放っておくと、上流でも問題がある状態になって、下流はとんでもないことになってしまい、多くのお薬を飲まなくてはいけなくなるかもしれません。そうならないためにも、検査データを見ながら今の患者さんの状態を説明して、治療する必要性を理解してもらえるように努めています。

今後についてお考えをお聞かせください。

安井直院長 やすい内科6

昨今は、医療機関からの紹介で認知症の患者さんも来られるようになりました。さまざまな症状の方の受け皿として、当院の役割は大きいでしょう。「町のかかりつけ医」として窓口を広くし、どのような方も迎え入れ、より専門的な治療が必要な場合は医療機関へ紹介します。急性期の治療が終わればまた受け入れ、通院できなくなれば訪問も行います。常にこの繰り返しですが、継続していきたいですね。今後は対面だけでなく、オンラインでの診療も必要だと思い、検査データをスマートフォンのアプリで確認できるようにしました。脂質異常症や高血圧症の方に数値を共有し、自宅で診察を受ける選択肢を用意したいです。今後も地域の皆さんにとって、身近で安心できるクリニックとなれるよう尽力いたします。

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