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甕 久人 院長の独自取材記事

もたい耳鼻咽喉科

(東海市/太田川駅)

最終更新日:2019/08/28

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「患者をむやみに安心させるのではない。確かな安心感を与えるのが医師の仕事だ」。医師の在り方についてそう答えてくれた「もたい耳鼻咽喉科」院長の甕久人(もたいひさと)先生。そのために、判断に迷ったり手に余ったりした時は迷わず他院を頼るのだそうだ。誰かに聞いて恥ずかしいことなど何もない、それで助かる患者がいるのなら。院長はそう続けてほほ笑んだ。院長の周りには独特の温かい雰囲気が漂い、時折ふと見せる優しい表情が印象的。患者が得る「安心感」は、こういうところからももたらされるのかもしれない。この地に開業して20年を過ぎた今、医師をめざしたきっかけから患者に対する思い、今後の展望などを幅広く聞いた。
(取材日2017年1月24日)

がん専門の医師から開業医へ

医師をめざしたきっかけを教えてください。

1

祖父の代から耳鼻科の医師で、名古屋で開業していました。自分も耳鼻科の道を進み、その後を継ぐのは自然な流れでしたね。僕が家を継ごうと思った時父はまだ現役の医師でしたので、一緒に経営するという形はとらず、自分はこの地に開業を決めました。ここはもともと、僕の先輩が経営していた医院で、その方がお辞めになるときにこの場所を譲り受けたんです。東海市は開業して初めて来ましたが、名古屋に比べて穏やかな人が多く、ゆったりしていていいところですね。大学時代から勤務医時代にかけてはがんを専攻していたこともあり、患者さんは大人の方が多かったのですが、開業後はお子さんの患者さんが多くいらっしゃるため、触れ合う機会が増えました。活発で、診ていて元気をもらえますよ。

これまでがんが専門でいらっしゃったとのことですが、なぜ開業医になろうと思ったのですか?

勤務医時代は、頭頸部(首より上の部分)のがんを専門にしていました。約15年ほどでしたが、やはり病気の性質上、人の死に直面することも少なくありませんでした。肉体的にも精神的にもとてもハードで、少し気持ちが落ち込んでしまった時期があったんですね。そんな時、先ほどの話にもありましたが、先輩の医院を引き継ぐという話を頂いたので、そのタイミングもあってという感じです。現在でも勤務医の頃の経験を生かして、診察の時は絶対にがんを見落とさないよう心がけています。

これまでのご経験が現在の診察にも生かされているのですね。

2

そうですね。それに、がんを専門としていたからこそ見落とせないという責任感もあります。僕は、自分で判断に困ったり、当院では治療が難しいと感じたら、すぐに大きな病院に送るようにしています。それで十分な検査や診察をしてもらい、その結果患者さんが良くなるのならそれでいいですからね。誰かを頼ったり人に聞いたりすることは、何も恥ずかしいことだとは思いません。それで助かる命があるのなら、僕は喜んで頭を下げてお願いしますよ。大切なのは、患者さんをむやみに安心させるのではなく、確かな安心感を与えること。診断に不安があるのに「大丈夫大丈夫」と安心させても、それは患者さんのためにはなりません。「この人に任せていればきっと良くなる」と安心感を持ってもらうことが大切だと思うんです。そのために人の力を借りるのは、悪いことではありません。自分が笑われても、患者さんが助かればそれでいい、と思いますね。

親身にコミュニケーションを取り患者の不安を取り除く

がんを専門とされていたからこそできる診療スタイルですね。

3

正直なところを言うと、自分が病院の勤務医で、今と逆の立場だった頃は、すぐ病院を頼ってくる開業医に疑問を持っていました。あの頃は、僕も若かったからかな(笑)。ですが、今となっては違います。「何が何でも自分で診る!」と抱えてしまって、取り返しのつかないことになってしまっては大変ですからね。そのためには患者さんと親身になってコミュニケーションを取り、主訴を聞き出したり、何が不安なのかをうまく聞き出すことも大切です。患者さんには、遠慮なく何でもお話していただきたいですね。医者を前にすると緊張されるのか、あまりご自分のことをお話にならない患者さんもいらっしゃいます。僕自身は話好きなので、「こうしてほしい」「これが心配」など、どんなことでも気軽に相談してほしいですね。

心に残る患者さんとのエピソードはありますか?

これは長く開業医をやっていて思うのですが、幼稚園くらいの時に診ていた子が久しぶりに来てくれて、大きくなったなあと話をしていると、とても感慨深いものがありますね。その人の人生の一部に関われているんだなとしみじみと感じます。何年かぶりにお会いする患者さんが、「いろいろ通ったけどやっぱり先生のところで」と言ってくださるのもとてもうれしいです。これは勤務医時代にはあまりなかったことなので、そういう患者さんとの結びつきができるのが楽しいですね。

先生がスタッフの方に日頃ご指導していることはありますか?

4

指導だなんて、とんでもない(笑)。当院のスタッフはとても優秀で、僕のほうが気づかされることも多いくらいです。患者さんへの接し方もとても丁寧ですし、診療時に僕がやりたいことをくみ取って準備をしてくれてとても助かっています。そんなスタッフのおかげで、当院は物持ちがとてもいいんです。診療に使う大きな機械から患者さんが履くスリッパまで、毎日丁寧にお手入れをしてくれているんですよ。これも僕からお願いしたわけではなく、自発的にやってくれています。小さなことでも「このくらいでいいか」といい加減にしてしまうと、ほかの業務でも手を抜いてしまうことになりかねません。彼女たちの何事も徹底する前向きな姿勢は、僕が学んだことの一つでもありますね。自分一人では診察はできません。優秀で気が利くスタッフがいてくれてこそ、当院はうまくいっているのだなと思います。

「今と同じ」を続ける努力。信頼される医師でい続ける

多忙な先生ですが、健康を維持する方法は何かありますか?

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きちんと毎日朝ご飯を食べることと、週2回ジムに通って汗を流すことですね。朝ご飯は必ず、ご飯・みそ汁・魚と決めています。勤務医時代は喫茶店のモーニングで済ませてしまうことも多かったのですが、開業してからはバランスのいい朝食をしっかり摂るようになったので、健康的に過ごせていますよ。朝にたくさん食べると、お昼と夜の食事も少なくて済むんです。ジムには、勤務が終わって名古屋の自宅に帰った後に行っています。名古屋の中心部に住んでいるので、夜遅くまで空いているジムがたくさんあって便利ですね。ジムでは主にウエートトレーニングをして体力が衰えないようにしています。医師という仕事は、意外と体力勝負なところがあるんですよ。

先生のご趣味は何ですか?

趣味といいますか、お酒は好きですね。スコッチウイスキーという、スコットランドで作られた古いウイスキーを嗜んでいます。友達が経営しているバーに行って話をしながら飲むのが最近のちょっとした息抜きですね。若い頃はバックカントリースキーが好きでした。山を上っては滑り、滑ってはまた上り……。こんなこと体力がないとできませんよ(笑)。もともとアウトドアが好きなので、昔はアクティブに過ごしていましたね。今でも体を動かすのは好きですよ。

今後の展望をお聞かせください。

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いい意味で「今と同じ」をずっと続けていくことですね。先ほども話しましたが、この仕事は体力も必要ですので、エネルギッシュにこれから先も患者さんをたくさん受け入れて診ていきたいです。耳鼻科は他の科に比べて、一日に診る患者の数が多いんです。体力がないからという理由でそこを減らしたくはないですね。大きな変化を求めるというよりは現状を維持していくことが今後の目標ですね。変化がほしいと思ったとき、何かが必要だから変えていくという場合と、現状に飽きたから仕方なく変えようという場合があると思うんですね。後者であってはいけないと思うんです。派手なことはしなくてもいい、ただ毎日コンスタントに同じことをする。ずっと患者さんに信頼してもらえるような医院でありたいと思います。

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