辻 恭子 院長、辻 太一 先生の独自取材記事
辻医院 眼科整形外科
(小牧市/味岡駅)
最終更新日:2026/09/01
のどかな地域に半世紀もの間、根づいてきた「辻医院 眼科整形外科」。現在は2代目の辻恭子院長と辻太一先生が、それぞれ眼科、整形外科の診療にあたる。両先生とも大学病院や総合病院での勤務経験が長いスペシャリスト。太一先生は現在も豊田厚生病院脊椎脊髄センター長として数多くの脊椎の手術に携わっている。顔なじみの患者も多い同院。「地域の皆さんが和やかに過ごせるアットホームな空間に、当院がなれたらうれしい」と、優しい笑みを見せる恭子院長。「これまで磨いてきた技術と先進の知識で、一人ひとりに適した治療を提供していきたい」と意欲を見せる太一先生。2人の仲の良さと、互いにリスペクトし合う雰囲気が伝わってくる和やかなインタビューとなった。
(取材日2026年7月25日)
眼科と整形外科、研鑽を積んだ2人の医師が在籍
こちらは歴史ある医院とお聞きしました。

【太一先生】当院は、私の父が約50年前に開業し、整形外科と内科の診療を行っていました。私が子どもの頃は自宅が一緒でしたので、日々、診療する父の姿を見ていましたね。父は一時期、手術も行っていて、2・3階に入院施設がありました。地域のニーズに応えてお年寄りの看取りもしていました。父が亡くなってからは、当院を頼ってくれていた患者さんを引き続き診療しようと、妻が院長として継承してくれました。ちょうど3人目の子どもが小学校に上がったタイミングでもありましたね。私は普段は豊田厚生病院脊椎脊髄センターの医師として多くの手術に携わっており、当院では金曜夕方と土曜午前に勤務しています。
どのような患者さんが来られますか?
【恭子院長】地域柄、ご高齢の方が目立つでしょうか。疾患としては白内障が一番多く、他には加齢黄斑変性や緑内障、花粉症、結膜炎などさまざまです。手術が必要と判断した場合は、春日井市民病院や小牧市民病院へ、また網膜性の疾患で困難な症例については名古屋の総合病院や眼科の専門病院にご紹介しています。
【太一先生】整形外科は、膝の痛みを訴えるご高齢の方が多いですね。生活指導や関節注射、リハビリルームでの物理療法を行っています。お子さんのけがや、中高生では部活での外傷、骨折などにも対応しています。私は脊椎疾患、中でも側弯症が専門で、背骨の病気の患者さんは当院でも多く診療しています。愛知県内だけではなく、地域をまたいだ遠方から、側弯症の治療を目的に来院される方もいらっしゃいますね。
側弯症とはどのような病気なのでしょうか?

【太一先生】後ろから見ると、本来真っすぐであるはずの脊椎がねじれて左右に曲がっている病気です。発生頻度は1~2%、50人に1人程度とされています。お子さんにも多いですね。経過観察で良い場合もありますが、ある程度以上曲がっていて成長期であれば、ギプスやコルセットといった装具を着けての治療となります。実はその装具を作っている製作所が、当院からわずか1キロほどの場所にあるんです。これはすごい地の利だなと思っています。装具を着けていてもスポーツは可能で、通常と変わらない生活を送ることが見込めます。ただ、成長期が終わっても曲がった状態が進行してしまうと、手術となるケースもあります。側弯症はできるだけ早く見つけてあげることが大事。学校での健診もありますが、成長期は親御さんも注意して見ていただきたいと思います。
患者の情報を共有し、その人に合った医療を
恭子院長が眼科を専門にされた理由を教えてください。

【恭子院長】診察から検査、診断、治療まで一通り全部自分でできることが魅力的でしたね。治療が終わったところまで確認できることがうれしく、患者さんから「ありがとうございました」と言ってもらえることにもやりがいを感じていますね。目は、ご高齢になればどんなに健康な方でも問題が出てくることが多いですから、必要な診療科だとも思いました。研修医の時に初めて眼底を見た感動は今でも忘れられません。目の中は神秘的で、美しく宇宙さえ感じさせる、そんな目の中を見た経験も眼科に惹かれた理由です。眼底では血管を見ることができ、高血圧や糖尿病、脂質異常症などに関するいろいろな情報が得られますので、そうした情報も治療に役立っています。
先生方が診療で心がけていることはありますか?
【恭子院長】専門用語を使わず、小さなお子さんでもご高齢の方でも、わかりやすいように話をすることですね。伝わっているかなと確認しながら、一方通行にならないように気をつけています。話を聞くことも大切にしています。たまに高齢の患者さんから世間話が出ることもあるのですが、そうしたちょっとした話が、診療のヒントになることもあります。患者さんは人生の大先輩ですので、教えていただくことがたくさんあり、敬意を持って話を聞いています。
【太一先生】私も恭子院長と同様、患者さんへの説明には心を砕いています。エックス線写真を見せて終わり、ではなく、なぜこうなったのか理由を含めてきちんとご説明しています。
患者さんとの対話を大切にされているのですね。

【太一先生】特に田舎で診療していると、患者さんのご家族の話や地域の話を知っていると非常に役に立つんです。眼科と整形外科、両方にかかっている患者さんも多く、恭子院長から患者さんの家族構成や生活背景を教えてもらって、整形外科の診療に生かすこともあります。恭子院長のそうしたコミュニケーション能力は素晴らしいと思っています。
【恭子院長】太一先生は、常に患者さんのためにできる限りのことをするという信念を持っているところが素晴らしいです。教科書どおりではなく、その方にとって適切な治療を、と考えて診療に取り組んでいます。それは若い頃から変わりません。信念を貫くことに命をかけていると感じており、尊敬しています。
地域の人がほっとできる憩いの場に
こちらの医院はとてもアットホームな雰囲気を感じます。

【恭子院長】継承時に、壁紙や床、ソファーも一新しました。受付の左が眼科、右が整形外科と待合室も自然に分かれています。飾ってある絵は私の実家から贈られたもので、少しでも患者さんにくつろいでいただけたらうれしいですね。待合室では患者さん同士が話をしていることもありますよ。スタッフもこの地域に住んでいるので、患者さんに明るくあいさつしたり、笑顔で話しかけたりしています。スタッフは温かい気持ちを持っている人ばかりで、患者さんの困り事を自分の悩みとして、思いやりを持って接してくれていることがわかります。当院の誇れるところです。
【太一先生】患者さんの中には、2代、3代にわたって通ってくださるご家族もいらっしゃいます。また、私の子どもの頃を知っている近所の方や小学校の先輩、友人の親御さん、さらに、父が診療していた時代の元職員さんもいらっしゃるので、患者さんには頭が下がる思いです。
改めて、これまでを振り返り、今後についてもお聞かせください。
【太一先生】整形外科の立場で考えると、側弯症の治療は保存療法、手術とも難しく、それがやりがいにつながっています。脊椎疾患の患者さんの中には、脳性麻痺など障害があるお子さんもたくさんいらっしゃいます。親御さん、介護士さん、児童相談所などと協力しており、学ぶことはとても多いです。そうした経験は日々の診療にも生かせると思っています。病気を通して患者さんの人生に長く関わることができるのも、この仕事の良いところかもしれません。郊外ののどかな地域にありますが、先進の知識と医療レベルを保ち、病気に対して選択し得る適切な治療法を提示していきたいと思っています。
恭子院長も、お考えをお聞かせください。

【恭子院長】半世紀もの間、地域の皆さんのおかげで、これまで続けてこられました。まず地域の方々を大事に、皆さんの健康を支えていくことが私たちの一番の務めだと思っています。眼科と整形外科を診療しているという強みを生かして患者さんの情報を共有し、お子さんからご高齢の方までしっかりと診療していきたいです。どなたでも気軽に来られて、体のことを相談したり、待合室で知り合いに会って話をしたり、そんな場所になったらいいなと思います。「ここに来たら何でも相談できる」「ここに来たらほっとできる」など、そんなふうに思える地域の憩いの場となれたら、うれしく思います。

