三村 英也 院長、油井 健宏 副院長の独自取材記事
三村医院
(西尾市/西尾駅)
最終更新日:2026/04/03
名鉄西尾線・西尾駅から徒歩1分、駐車場も備えられた広い敷地に立つ「三村医院」。大正時代から続く歴史ある耳鼻咽喉科医院で、2025年に全面改装を行い、通路でつながる新棟も完成した。熱帯魚が泳ぐ水槽が置かれた待合室はより広くなり、各種検査室や処置室、検査機器もバージョンアップし、「耳・鼻・喉の総合病院」のような環境が整った。4代目院長の三村英也先生と、副院長の油井健宏(ゆい・たけひろ)先生は同じ藤田医科大学出身で、2人に共通するのは優しい笑顔と、医療に対する真摯な思い。互いに尊敬し合う両先生の「患者さんのため、地域医療に貢献できる医院でありたい」という熱意が伝わるインタビューとなった。
(取材日2026年1月8日)
新棟増築で拡充した設備と検査体制
こちらは大正時代から続く医院だそうですね。

【三村院長】当院は私の曽祖父が開業したのが始まりで、以来、100年以上になると思います。私は藤田医科大学卒業後、長く同大学病院で勤務していたのですが、2020年に先代である父から院長職を引き継ぎました。歴史がある分、ご家族2代、3代と通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。父たちが築いてきた患者さんとの信頼関係や、責任の重さ、また皆さんからの期待をひしひしと感じています。
2025年に全面改装、新棟増築が行われました。
【三村院長】もともとの建物に全面改装を行い、連絡通路を設けて隣に新棟を造りました。新棟の待合室は広く明るく、キッズルームを設置、熱帯魚が泳ぐ水槽も備えました。当院には赤ちゃんも来られるのでおむつ替えや授乳ができる部屋も用意しています。また、発熱患者さんや感染症の疑いのある患者さんのためには専用の入り口と診察室を設けて、ほかの患者さんと動線が交わらないようにしました。複数の病原体を一度に検出できる機器により、すぐに適切な治療に結びつけられます。診察室は3室あり、2階には、言語聴覚療法室3室と、全身麻酔下の手術に対応可能な手術室、外来で行う小手術のための手術室、木のぬくもりをインテリアに生かした入院室9床があります。
設備や検査体制がさらに充実したとか。

【三村院長】診察室には電子内視鏡装置とCO2レーザー装置を備え、痛みや負担の少ない処置に努めています。超音波装置やエックス線CTなどは先進の物に更新し、点滴室や処置室は広くなり、リクライニングチェアは心地良い物を選んでゆったり過ごしていただけるようになっています。めまいや聴力の検査室に加え、新たに補聴器適合検査室を設置。当院では言語聴覚士が検査を担当します。さらに私が嗅覚を専門的に学んだこともあって、愛知県のクリニックでは数少ない嗅覚、味覚の検査専用室もあり、臨床検査技師が検査をします。好酸球性副鼻腔炎という、嗅覚の回復が難しい指定難病においては術後フォローも大切にしています。当院には近隣の内科医院からの紹介患者さんも少なくありません。多くの検査が可能となったことで、病院へ行かずともまず当院での検査により確定診断し、迅速な治療開始につながればと考えています。
丁寧な診察を通して地域医療に貢献
2025年には油井先生が来られました。

【三村院長】油井先生は手術の経験が豊富で診療のスキルも高く、患者さんに丁寧に接する先生です。2人体制になったことで、緊急の場合や処置に時間がかかる場合でも外来が滞らず、また治療方針に悩んだときにもすぐ相談できるなど私にとっては安心感があります。優秀な先生とともに診療することは勉強になることが多いです。
【油井副院長】院長とは大学のラグビー部の先輩後輩という間柄で、たまに食事などをご一緒していました。院長は医師として、という前に、人としてこんなに素晴らしい人がいるのかと思うほど。何か弱点があるのではないかと思うのですが(笑)、ないのです。患者さんに優しく、スタッフにも優しい。それだけでなく、行動力もあって、診療のための準備、フォローもしっかりとされています。互いに協力し切磋琢磨して、より質の高い医療の提供をしていきたいと思います。
油井先生のご専門と、診療で心がけていることについて伺います。
【油井副院長】私はもともと頭頸部外科が専門で、甲状腺疾患や頭頸部がんの治療、手術に多く携わっていました。今も藤田医科大学岡崎医療センターに週2日手術の指導に行っています。病院では紹介患者さんを受け入れる側でしたが、今は患者さんを最初に診療する立場として、これまでの経験を生かしたしっかりした診療を行い、できるだけ早い病気の発見に努めたいと思っています。病院勤務時代も説明はわかりやすく丁寧にと心がけていましたが、病院は患者さんの数も多く、どうしても診療時間が限られてしまい心苦しいこともありました。ここに来た当初は、院長の丁寧な診察を目の当たりにして驚き、自分もより丁寧に、と思わずにいられませんでした。今は自然にそうした診察姿勢が身についてきたかなと思っています。
院長の心がけについてもお聞かせください。

【三村院長】「耳鼻咽喉科医院として地域医療に可能な限り貢献する」ということが当院のモットーです。患者さんのお話をよく聞くこと、そしてなるべく多くの治療の選択肢を提供することを心がけています。例えば、アレルギー性鼻炎の治療では、内服薬や点鼻薬だけでなく、抗体製剤の注射、重度であればレーザー治療と外科的切除術といった手術療法もあります。アレルゲンがスギ花粉、ダニであれば舌下免疫療法もご提案できます。私は日本アレルギー学会アレルギー専門医として舌下免疫療法の普及に力を入れているのですが、免疫療法で最も重要なのは、患者さん自身が治療法をしっかりと理解することだと思っています。そうすれば良い結果が期待できるからです。患者さんの症状と年齢、お仕事内容などを総合的に考え、ベストな選択ができるように、新しい治療法も取り入れながら診療しています。
「患者さんのために」を信条に、質の高い医療提供を
ほかにも注力されている治療はありますか?

【三村院長】睡眠時無呼吸症候群の患者さんは年々増えている印象で、その治療にも注力しています。寝ている時に無呼吸の状態が続くと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がり、高血圧症や糖尿病の発症要因の一つにもなり得ます。予防のためにも、適切な診断、治療を受けていただきたいですね。当院では貸し出し機器を使って家庭で行う簡易検査だけでなく、2階の専用室で1泊2日のPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査を行うことができます。診断のための精密な検査ですので、ご家族からいびきがひどいと言われている方や日中やけに眠いという方、運転を職業とされている方などで心配な方はご相談ください。
スタッフの方々についても伺います。
【油井副院長】質の高い医療を提供するためにスタッフは大切な存在で、医師と看護師、臨床検査技師、言語聴覚士、医療事務など約40人が一丸となって患者さんを支えています。私が病院から来た時に感じたのは、皆さん、仕事ができるということです。わからないことがあって質問すると的確に答えてくれてとても心強かったです。70代のスタッフも在籍するなど患者さんとは長年のお付き合いになっているスタッフもいて、患者さんに安心感を与えています。20代のスタッフは若い親御さんや小さいお子さんも親しみやすいのではないでしょうか。「地域医療に貢献する」という当院の理念をスタッフ全員が心がけていると感じます。規模が大きくなってもアットホームな雰囲気が当院の持ち味ですので、お気軽に受診していただけたらと思います。
今後の展望をお聞かせください。

【油井副院長】院長は、趣味が「地域医療に貢献」と思われるほど、「患者さんのために」といつも考えている人です。その根本は揺らぐことがありませんので、私もともに、より患者さんのためになることをめざしていきたいと思います。
【三村院長】耳鼻咽喉科は、赤ちゃんの時からご高齢になるまで、その方の人生に合わせて寄り添うことができる科だと思うのです。さらには当院が4代続いているように、その方のお子さん、お孫さんの代までつながって診させていただけたらいいですね。患者さんの中には、祖父や父の時代から通ってくださっている方もいて、昔からの人とのつながりをありがたく、うれしく思っています。新しくなった当院でしっかりした診察、検査、診断を行い、地域の皆さんに頼っていただける、質の高い、温かい医療を提供できるよう今後も努めていきたいと思っています。

