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山元 宏介 院長の独自取材記事

山元整形外科

(豊田市/三河豊田駅)

最終更新日:2023/11/20

山元宏介院長 山元整形外科 main

愛知環状鉄道線・三河豊田駅から徒歩5分。商業施設や公園もある住宅エリアに位置する「山元整形外科」。創業は今からおよそ50年前、院長の山元宏介先生の父・山元貞彦先生が産婦人科として開業した後、婦人科・皮膚科として診療を続け地域に根差してきた。現院長が引き継いだ2003年に、院内の内装や医療設備なども改築し、リニューアル開業。「写真を撮られることや宣伝活動が苦手で」と終始、謙遜しながらインタビューに応える山元院長。言葉は控えめながらも、診療については想いを熱心に語るその姿勢から、患者への誠実さと医療人としての実直さを深く感じた。

(取材日2022年10月5日/情報更新日2023年11月13日)

地域に根差し50年、親子2代で新たな歴史を刻む

クリニックの歴史についてお聞かせください。

山元宏介院長 山元整形外科1

この建物は50年ぐらい前に僕の父が「山元産婦人科病院」として建てました。以前は2階から上は入院病棟だったんです。途中で産科をやめ、父はもともと病理を専門としていたので皮膚科を始めました。そこで、しばらく婦人科と皮膚科を診療していたのですが、僕が戻った時に整形外科を専門としていたので、「山元整形外科皮膚科」という名前にリニューアルし、開院したのが2003年のことです。建物の外観は父が建てた時と同じですが、内装など外来のフロアはすべて改築をして、リハビリ棟なども新たに造り、現在の形となりました。2023年からは、「山元整形外科」としてリニューアルしています。

先生のご出身は豊田市なのですか?

はい。実家はクリニックから少し離れているエリアですが、豊田市は僕が生まれ育った街です。ですので、地元の豊田市で働きたいという思いはずっとあり、開業するのであれば当然豊田市で、と考えていました。僕は大学を卒業後、藤田保健衛生大学病院(現・藤田医科大学病院)や長野県の下伊那赤十字病院にて整形外科を専門に勤務していました。開業を考えた時に、ちょうど父も高齢になっており、今まで地域に根づいている歴史も建物もありました。ですので、自分自身で豊田市で別の場所で開業するのではなく、診療科は違いますが、クリニックを継承するために退職して長野から実家のある豊田市に戻ってきました。

現在の診療内容についてお聞かせください。

山元宏介院長 山元整形外科2

整形外科とリハビリテーション科、そしてリウマチ科は院長の僕が担当しています。リハビリでは理学療法士が2人在籍しています。当院のリハビリの特徴は、物理療法と運動療法を組み合わせ、基本的動作のトレーニングを通して、日常生活活動の自立あるいは介助の軽減を図っていることです。トヨタ記念病院など総合病院で手術を受けた患者さんが、紹介でリハビリ通院されているケースも多くあります。当院の患者層としては全体的には高齢の方が多く、午前中は高齢の方、午後は若い層の方が多い印象ですね。

整形外科では、どのような主訴が多いのですか?

主訴で多いのは、膝、首、肩、腰などの痛みです。また、痛みのほかにはしびれを訴えていらっしゃる患者さんも多いですね。首や腰のヘルニアの方は痛み以外にもしびれが出る方もいらっしゃいますし、高齢になると脊柱管の狭窄症の方が増えてくるので、それもしびれが出てくる傾向があります。背中の圧迫骨折や四肢の骨折の患者さんもいらっしゃいます。僕自身は総合病院に勤めていた時に、外傷の診療・治療も数多く行ってきたのですが、開業後は手指、足趾、手、足関節の骨折で来院される方が多いです。当院の患者層はご高齢の方が多いので、変形性関節症や変形性脊椎症など一般的に整形外科で多い疾患が一番メインではないでしょうか。

丁寧に話を聞き、生活状況に合わせた治療法を提案

診療モットーや、普段心がけていることをお聞かせください。

山元宏介院長 山元整形外科3

月並みな表現にはなりますが、やはり丁寧な診療です。きれい事かもしれませんが、患者さんの話をよく聞きたいという思いは強くあります。僕は、自分のことを優秀とは思っていません。「診て即、判断」という診察は僕にはできないので、できる限り患者さんのお話を聞きたいと思っています。患者さんの本当に訴えたいことを見つけるのは結構大変ですが、それを知るためには、やはり時間をかける必要があり、患者さんの訴えや要望をしっかり理解した上で、その方の生活状況に合った治療をしていきたいと考えています。

先生が得意な治療は何でしょうか。

一般的な整形外科疾患に幅広く対応する考えなので、特にこれを診るということはありません。地域のかかりつけ医として包括的に診ることが大切だと思っています。必要な場合であれば近隣の総合病院や大学病院に紹介したり、逆にリハビリなど術後の予後管理などで紹介を受けたりと、病診連携にも力を入れています。

骨粗しょう症の治療にも注力されていらっしゃるそうですね。

山元宏介院長 山元整形外科4

骨粗しょう症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨折に関わる病気ですので、骨粗しょう症は整形外科が専門とする疾患の一つです。当院ではエックス線検査及び骨密度測定装置や骨代謝状態を調べて診断、治療を行います。高齢化とともに患者数も増えている病気ですが、現在は骨粗しょう症の治療薬や注射製剤も新しく開発され、当院でも積極的に導入しています。患者さんの生活状況や同居家族がいるかいないかでも提案できる治療が異なり、例えば注射治療の場合、ご自宅で打つものもあるのですが、一人暮らしのご高齢者の方では、扱いが簡単なものを選定するなどの工夫が必要です。まずは治療方法や薬についてなどのご説明をしっかりした後、実際に何を使っていくのかを患者さんと相談しながら決めていきます。

来やすく、相談しやすい地域のかかりつけ医でありたい

医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

山元宏介院長 山元整形外科5

父が医師だった影響が大きいのだと思います。小学校の卒業文集では「将来医者になる」と書いていたくらいですから。とはいえ、実際のところは、なかなか進路が定まらずに、最終的に医学部へ進むことを決めたのは高校3年の10月なんですよ。父から特に「医者になれ」と言われたことはありませんでしたが、自分で考えて決めたのでしょうね。医師になってからは父とは離れている期間も長かったので、僕が戻ってきて一緒にクリニックを経営することになった最初の1~2年はけんかばっかりでしたよ(笑)。時代が違うので、スタッフへの接し方なども父とは考え方がまったく異なりますし。だからけんかになると僕はスタッフ側の意見を主張して、父は反対側になってと、ぶつかり合いもしょっちゅうでしたよ。しかし、97歳の今も現役で診察を続ける父のことは、やはりすごいと感じていますし、学びも多いです。

お父さまは婦人科や皮膚科がご専門だったということですが、先生が整形外科の分野を選んだ理由は?

運動が好きだったからです。学生時代は中学で剣道、高校はハンドボール、大学ではバドミントンをやっていました。ほかにも趣味で登山をしたりと、とにかく体を動かすのが好きで、地震や自然などを調査するフィールドワークにも興味があり、そういった関係の仕事もしたいと実は思っていたほどなんです。最終的に進路は医学部を選んだわけですが、整形外科は運動器に関わることを専門にしますので、運動が好きだったことが一番大きな理由ですね。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

山元宏介院長 山元整形外科6

患者さんが来やすく、相談しやすいクリニックだと思っていただけるようにしたいですね。ただ時々、患者さんとお話しした後に「ちょっと言い方がきつかったかな」と落ち込むことがあります。何年もこの仕事をやっていますが、これまで何回反省したかわかりません。これからはできる限り反省をしなくて済むように(笑)。診療をしたいなと思っています。

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