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永井 秀 院長の独自取材記事

永井小児クリニック

(碧南市/碧南中央駅)

最終更新日:2020/12/10

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「永井小児クリニック」は碧南中央駅から徒歩7分の場所にある。笑顔が優しい永井秀(ひでし)院長は、長年地域の子どもたちの健康を守りつつ、愛知県小児科医会の予防接種委員会の活動にも熱心に取り組み、予防医療に力を注いできたベテランドクター。診療室に飾られた子どもたちが描いた院長の似顔絵からは、子どもたちの「ありがとう」の声が聞こえてくるようだ。地域に住む子どもや親たちの頼れるかかりつけ医であり、双子の孫の「優しいおじいちゃん」でもある永井院長に、クリニックでの診療や予防接種に対する考えや、新たに併設した病児保育室について話を聞いた。
(更新日2020年12月9日)

小児の予防接種推進に尽力

先生は碧南市で育ったそうですが、昔と変わったと思うところはありますか?

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そうですね。特にこの辺りは昔と比べ随分変わりました。碧南中央駅は、昔は新須磨駅という名前で、今とは若干違う場所にありましてね、その頃は「新須磨海水浴場」という青松白砂のとてもきれいな海岸があったんですよ。伊勢湾台風もありましたし、地域のあちこちが私が子どもの頃とは違う風景になっていますけど、長年住んでいる方も多く、町の雰囲気としては穏やかで、そこは昔と変わりませんね。当院は1991年に開院し、もう27年になりますが、小さい頃に診ていた患者さんが親になり、自分の子どもを連れて来てくれるんです。昔からいるスタッフが「○○ちゃんのお子さんですよ」と教えてくれて「おお、そうか!」と。世代をつないで来てくださるのは本当にありがたいですね。

この27年で患者さんの訴える内容に変化はありましたか?

子どもの心や発達に関する悩みが昔よりも増えているように感じます。開院当時、アメリカ人の女性と話していたら「自閉症に関心がある」と言っていたのですが、日本ではまだ自閉症自体広く知られていませんでした。そういう症状の子はいたけれど、まだ当時は今のようにインターネットでなんでも調べられる時代ではなかったので、知らない人が多かったのでしょう。しかし今は、お母さんたちも事前にいろいろと調べて来院されます。私もきちんと対応できるように、常に勉強会や講演会に参加し、積極的に情報収集するよう努めています。

先生は予防接種の推進に力を注いでおられるそうですね。

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私に限らず小児科の医師は皆、予防できる病気は予防してあげたいと思っているものです。一般的に日本の予防接種というのは諸外国に比べて認可が遅れているといわれますが、この何年かで接種できるワクチンは随分増えました。予防接種は、「はしか」に関していえば日本国内ではもう絶滅宣言されましたし、「ヒブ髄膜炎」も、ワクチンが出始めてまだ数年ですが、発症者はもうほとんどいなくなりました。ワクチンには副作用の問題もありますが、その効果を考えますと、やはり予防接種は重要です。1人の子どもに予防接種をすれば、その子がその病気にかかりにくくなるだけでなく、他の子にうつすリスクも減らせます。病気を広げないことも予防接種の重要な意義だと思っています。

親の気持ちに寄り添った診療を

診察の際に心がけていることはありますか?

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一番は、お子さんのご家族の気持ちに寄り添い対応することですね。そのためにも、お母さんの話に耳を傾け、お子さんの症状やお母さんの思いをしっかり聞き出さなければなりません。それが私とスタッフの最初の仕事であり、腕の見せどころかなと思っています。あと、昔なら家におばあちゃんがいて、自分の経験をもとにアドバイスしてくれたものですが、今はそういう家庭も少なくなりました。ましてやお父さんが仕事で遅かったりすると、一人で子どもを見ているお母さんはとても不安なはず。ですから「今晩はこのようにしてください」「こういう状態になった場合はこうしてください」と、一つ一つ具体的にお伝えするように心がけています。

スタッフの皆さんの対応がこまやかな点も、クリニックの特徴ですね。

当院のスタッフは、子どもたちの名前を本当によく覚えているんですよ。スタッフとは定期的にミーティングをして、意見や情報を交換していますが、名前を言うと、パパッといろいろな情報が出てくるので私も助かっています。待合室の飾りつけも全部スタッフの手作りなんですよ。幼稚園の先生をしていたスタッフもいて、子どもの好きなアニメのキャラクターを上手に描いたり紙で作ったりしていますし、診療の間も待っている患者さんを気遣ってくれ、私がついつい診療中にお母さんとの話に夢中になって時間が延びていると声をかけてくれます。診療に生かされ、なおかつ私の癒やしでもある患者さんとの対話は、雑談も含めとても大切なものなんですね。スタッフが頃合いをきちんと見てくれている安心感もあって、こちらもつい話し込んでしまいます(笑)。

今年5月、医院の敷地内で病児保育室を開設されましたが、開設のきっかけは?

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娘が子どもを産み「働くお母さん」の一員になったのが大きなきっかけです。これまでも行政の方から、病児保育施設が不足していて、働くお母さんたちが大変な思いをしているという話は聞いていましたが、実際自分の家族がその立場になったことで「こんなに大変なのか」とあらためて実感し、困っている親御さんたちの力になれたらと開設を決めました。病児保育室には看護師や保育士という専門職が常駐し、私もそばにいますから、お子さんの容体がもし急変してもその都度しっかり対応できる安心感があります。また、限られた診察時間でお子さんを診て診断を下す外来診療と違い、お預かりすることでより長い時間様子が見ることができるんです。例えば、お母さんから「熱がある」と聞いたけど、ここで様子を見ていると「ああ咳もしてるなあ」とわかったり。お子さんの症状、状態をしっかり観察できるという良さはあります。

家族を取り巻く環境の変化に対応していく

小児科診療のやりがいや喜び、またご苦労についてお聞かせください。

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学生時代の臨床実習や研修医の頃から、病院の各科を回る中で「小児病棟は明るくて元気をもらうなあ」と思っていました。この、子どもから元気をもらうことが、今も私にとっての大きな喜びです。一方で大変なのは、これから何十年という未来ある子どもたちの健康を預かるその責任が、あまりにも重大だということ。子どもの病気が悪くなった場合など、ご両親の心痛を思うといたたまれなくなります。でもそういう中で、子どもが笑顔を見せてくれると、本当にホッとするしうれしいですよ。診療室に飾ってある似顔絵は、みんな子どもたちが描いてくれました。感激しちゃいますよね。

印象に残っているエピソードを教えてください。

岡崎市民病院にいた時、脳炎で入院した小学校1年生くらいのお子さんを担当しました。意識がない状態が1週間くらい続いたのですが、やっと意識が戻り、目覚めた瞬間のことは今でも忘れられませんね。それから十数年たって、その子が大学を卒業した時、ご両親と一緒にわざわざ私のもとを訪ねてくれたんです。医師冥利に尽きますよね。本当にうれしかったです。

クリニックの今後の展望についてはいかがでしょう。

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クリニックに来た患者さんの診療や新たに始めた病児保育はもちろん、ワクチンや乳幼児健診など、病気を起こさないための予防医学的なことも今までどおり一生懸命取り組んでいきたいですね。あとは今、重篤な病気や障害でクリニックに足を運ぶのが困難なお子さんたちに、予防接種をはじめとするサポートができないものか考えているところなんです。どこまで私にできるかわかりませんが、今まで地域の人たちに支えられてやってきました。なので、皆さんへの恩返しの気持ちといいますか、やれることがあれば少しでも助けになりたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

核家族化や女性の社会進出で、昔とは家族の環境が変わってきています。今はお母さんたちも仕事を持っている人が増えたこともあり、「○時でないと子どもをクリニックに連れていけない」とか「昼間は薬が飲ませられない」など、ご家庭によっていろんな事情を抱えておられます。当院ではそんなさまざまな事情についてもできる限り対応していきたいと考えています。私は小児科の医師として、お子さんの情報を少しでも多く知り、お母さんたちの不安を少しでも取り除いてあげたいと思っています。だから相談や質問は大歓迎。どんな小さなことでも気になることがあれば、なんでも聞いてください。

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