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永井 秀 院長の独自取材記事

永井小児クリニック

(碧南市/碧南中央駅)

最終更新日:2022/03/25

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碧南中央駅から徒歩7分、1991年の開院以来およそ30年にわたり地域の子どもたちの健康を守り続けている「永井小児クリニック」。優しい笑顔が印象的な永井秀(ひでし)院長のもとへは、子から母となり世代を超えて通い続ける患者も多いのだそう。「子どもたちが元気に育ってくれることがやりがいであり、生きがいですね」と目を細める永井院長だが、病に倒れ1年間の闘病を余儀なくされた経験が。闘病中の心の支えはスタッフや家族、そして子どもたちから届いた励ましの手紙や千羽鶴だったとか。闘病を経て復帰した永井院長に、新たになったクリニックの診療体制とその考え方、近年増えつつある子どもの不調の相談についてなど、クリニックの30年間の歩みとともに語ってもらった。

(取材日2021年11月9日)

患者からの励ましを心の支えに、新たな一歩を踏み出す

開院から30年を迎えられ、これまでを振り返ったご心境はいかがですか?

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そうですね、心境と言いますか、実は2019年1月に私自身が病気をしまして、1年間ほとんど仕事ができなかったんですよ。今もその後遺症で右手が不自由なんですが、闘病とリハビリをして2020年秋くらいからやっと診察に出て来れるようになりました。不在中は、大学病院から先生方が応援に来てくださり、娘の遠藤医師も入り、クリニックは休診せずに済みました。闘病中は患者さんである子どもたちから千羽鶴やお手紙をたくさん頂戴しました。それを励みに治療を頑張ることができたので、私の病気は患者さんが治してくれたと思っています。30年ここで小児科をしていると、小さな頃から診ていた子どもたちがお母さんになり、世代が変わっても来院してくれることも多くあります。苗字が変わっていてもお顔を見たらわかりますよ。こういった成長を見させてもらえることがとても有難くて、小児科の医師になって良かったと思います。

現在の診療体制はどのようになさっているのですか?

院長の私と娘の遠藤先生が午前中に入り、午後は大学病院から交代で先生に来てもらっていますが、私が以前から診ている患者さんは私が引き続き診療を担当しています。医師2人体制で診療することもありますね。患者さんの症状をディスカッションすることもできますので、お互いにいい勉強にもなっていると感じています。

院内のかわいらしい飾りつけはスタッフさんがされているのですね。

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そうなんです、待合室の飾りつけも全部スタッフの手作りなんですよ。幼稚園の先生をしていたスタッフもいて、子どもたちが楽しんでクリニックで過ごせるように考えてくれています。中には、30年前の開院当初から勤めているスタッフもいるんです。私が病で倒れた時も、スタッフたちがいてくれたから何とか乗り切れたと娘や妻から聞いています。彼女たちが受付で患者さんを迎えてくれ、看護師たちが医師を支えてくれているから、当院は成り立っているのではないでしょうか。当院の魅力はスタッフたちが素晴らしいことだと思っています。30年間一緒にやってきてくれて本当に感謝しています。

子を想う親の気持ちに寄り添い、ともにサポートしたい

この30年で患者さんの訴える内容に変化はありましたか?

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はしかや水痘などは予防接種の普及によりめったに診ることがなくなり、最近では子どもの心の発達や精神的なことに関する悩みが増えてきたような印象がありますね。食べられない、逆に食べ過ぎてしまう肥満の問題、不登校などに加えて、いわゆる発達障害に関する相談ですね。本来であれば専門の医師に紹介状を出しすぐに診ていただきたいところですが、この地域では発達障害を専門とする医療機関は半年から1年を待たないと初診を受けることができないのが現状です。親御さんはとても心配されていますし、日々の子育てもとても大変に感じるときもあるでしょう。そのような状況にあるお子さんやお母さんをサポートできればと考えています。それは、勉強会などでの専門の先生からの情報収集であったり、気持ちを落ち着かせるための漢方の処方であったり、このクリニックで私たちにできることを親御さんと一緒に悩みながらやっていっているというのが現状です。

漢方を取り入れた診療もされているのですね。

名古屋大学附属病院で私と同じ感染症グループの女性医師と娘が漢方の効果に着目しており、始めました。2人とも母親ですので、お子さんを心配されるお母さん方のお気持ちに共感することも多いようです。子どもたちの心の問題の相談が増えてくる中「当院で何かできないか」と考え、そのアプローチの一つとして漢方を取り入れました。さらに、お話をしていくとお子さんだけではなく、お母さんも冷えや不眠でお悩みのこともあります。この頃は親御さんだけの相談も増えてきました。気軽に相談してください。

医院の敷地内で病児保育室がございますが、開設のきっかけは?

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2018年5月より碧南市から委託され始めました。きっかけは娘が双子を産み「働くお母さん」の一員になったことでしょうか。これまでも行政の方から、病児保育施設が不足し、働くお母さんたちが大変な思いをしているという話は聞いていましたが、実際自分の家族がその立場になったことで「こんなに大変なのか」とあらためて実感し、困っている方の力になれたらと開設を決めました。病児保育室には看護師や保育士という専門職が常駐し、医師もそばにいますから、容体がもし急変してもその都度しっかり対応可能な安心感があります。また、限られた診察時間でお子さんを診て診断を下す外来診療と違い、お預かりすることでより長い時間様子が見れますので、お帰りの際には病状説明もしています。また、子どもたちの違う一面にも触れることができるのもいいですね。妻も病児におりますので、私たちのことは「じーじとばーば」と言ってくれていますよ。

クリニックが一丸となり、チーム医療で頑張りたい

先生が特に力を入れている診療はございますか?

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私の専門は感染症でして、ワクチンの普及や予防医療に力を注いできました。地域の園・小中学校保健、愛知県小児科医会の予防接種委員会などでの活動を行っていました。近年では、副反応の問題などで普及が減速してしまった子宮頸がんワクチンについて注目しています。海外では有効性や安全性の見込めるデータも上がってきていますので、改めて子宮頸がんワクチンの必要性を患者さんにお話ししています。その他には、ご相談が多い子どもの心の問題、また、引き続きアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、気管支喘息についても力を入れていきたいと思っています。

診療方針についてお聞かせください。

今までは自分一人で頑張っていれば良いと思っていたのですが、私自身も病気を経験し、これまでのようにはできません。これからは娘や若い先生方に力をもらい、そして当院のスタッフたちとともにチームでやっていきたい思っています。私もスタッフの一員として、チーム医療で患者さんを診ていきたいですね。闘病中は家族やスタッフたちに支えられ、そして子どもたちや親御さんから励ましのお手紙をいただき、それが本当に力になりました。そのご恩をお返しするという意味合いでも、私にできることをまだまだ頑張っていきたいです。

今後のクリニックの展望はどのようにお考えですか?

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いわゆる発達障害のお子さんや、発達障害に限らず行く場所に困っている方はいらっしゃると思いますので、相談に乗れるような環境をつくりたいと考えています。それは、私一人の力でできるわけでは決してなく、娘や他の先生方、スタッフたち皆の力を借りて、皆で悩みながら、お困りの方を受け入れていけるような環境をつくっていきたいですね。子どもたちはこれからの日本を支えてくれる大切な宝です。子どもたちの病気や心の悩みなどを相談できる場として、当院はこれからもあり続けたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

悩み事があれば、小児科でもいいですし他の誰かでもいいので、話してください。治療と思わずに相談だけでの来院でも大丈夫です。とにかく一人で抱え込まないでいただきたいですね。子育てをされていると悩まれることもたくさんあると思います。私も病気をしましたが、こうやって再び診療に戻ってくることができました。病気に悩む子どもたちや親御さんに、この姿を見せながら頑張っていきたいと思います。子どもたちも病気に負けないでほしいですね。

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