誰もがかかり得る白内障
負担に配慮した日帰り手術で快適な日常を
眼科山田クリニック
(春日井市/高蔵寺駅)
最終更新日:2022/08/23
- 保険診療
「物が見づらい」「視界がぼやける」など、目の水晶体が濁ることによって、視力が低下する白内障。主に加齢が原因で、高齢者世代の誰もがかかり得る身近な病気だ。しかし、手術をするとなると、不安感から二の足を踏む人も多い。手術以外に治療法はないのか。手術の痛みはどのようなものか……。日本眼科学会の眼科専門医で、父の代から現地で35年開業を続ける「眼科山田クリニック」の山田潔院長に、白内障手術に関する素朴な疑問に答えてもらった。
(取材日2021年2月9日)
目次
日帰り白内障手術で、ライフスタイルに合った視力と快適な生活を取り戻していこう
- Q白内障とはどのような病気ですか?
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A
目の水晶体が濁ることによって視力が下がり、物が見づらくなる病気です。主に加齢が原因で70代以降の患者さんが多く、病気というより加齢現象と言ってよいかと思いますが、まれに糖尿病や薬剤、外的な刺激の原因でかかる場合もあります。白内障は徐々に進行し、初期ですと本人にはほぼ自覚症状がありません。そのため運転免許証の更新時に気づいたり、周囲からの指摘や眼鏡屋さんで視力が出ずに眼科に行くことを勧められて来院される方が多いです。ご家族の方も、高齢者の方が見づらそうにしていないか気をつけてみてください。そのまま放置すると合併症を起こし手術の難易度も上がってしまいますので、早めに検査されることをお勧めします。
- Qやはり手術しないといけませんか?
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A
眼鏡をかけることで視力がある程度確保でき、かつ本人の自覚症状がひどくなければ、すぐに手術をせずに、点眼薬を使って進行を抑制させるという選択肢もあります。その場合は、定期的な通院で経過を観察させていただきます。ただし白内障そのものが治ることはありませんので、視力が下がり続けるなら、やはり手術をしたほうが良いでしょう。手術では、濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入しますが、医療技術の進歩により現在では短時間で済みますし、日帰り手術も可能です。日常生活に支障を来すようなら、我慢して暮らすよりも、手術をしたほうが、その後の生活を快適に暮らせることにつながると思います。
- Q手術することに不安があります。どのような流れで行われますか?
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A
手術前には精密な目の検査や採血検査をし、ほかに通院されている医院と薬や情報の連携をとります。手術自体は、麻酔の点眼薬をさした上で、2.4ミリほどの切開口からも麻酔薬を入れて行うので、痛みはほとんど感じません。麻酔が効いたところで濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入します。眼球には直接注射も縫合もしませんので安心してください。また手術中はまぶしい光をあてるので、手や器具の動きなどもほぼ見えない状態になりますし、手術そのものは10分弱で終わります。術後には静養室でお休みいただいた後に診察をし、問題がなければ付添人の運転かタクシーでご帰宅いただきます。
- Q術後の生活は、どのようなことに気をつければいいですか?
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A
手術翌日には半身浴はできますが、洗顔や洗髪は4、5日控えてください。仕事は、デスクワークなら1、2週間後には可能ですが、肉体を使う作業やスポーツで汗をかいたり、力を入れたりする行為は、傷口が安定するまで1ヵ月ほどお休みいただきたいです。また目に物があたったり、ゴミが入ったりしないように人混みも避けてください。術後は、日によって容体が変わることがありますので、当院では万全を期して、1週間ほど毎日、通院していただき、その後は、徐々に間隔をあけて、定期的に経過を診させていただきます。まれに人工レンズを挿入した膜が白く濁る「後発白内障」になることもあるので、その場合はレーザー治療を行います。
- Q手術をしたら、見え方はどう変わりますか?
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A
見え方は主観的なもので、個人差があります。当院では、挿入する人工レンズに保険適用の単焦点眼内レンズを使用していて、手術前に人工レンズの度数を選びます。仕事をされる方、主に家で過ごされる方、運転される方、近視・遠視・乱視など、患者さんのライフスタイルや目の特性に合わせて人工レンズの度を調整します。ただし白内障手術後には、基本的には眼鏡が必要となることを知っておいてください。また術後に視力が出たとしても、見え方の質が満足できないという方は、ドライアイやほかの病気の可能性もありますので、それに応じた治療が必要となります。