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小野 直洋 院長の独自取材記事

小野整形外科

(半田市/住吉町駅)

最終更新日:2021/10/12

小野直洋院長 小野整形外科 main

スタイリッシュながらもシックで落ち着いた空間の「小野整形外科」。待合室は吹き抜けで、天井までガラス張りなので開放的だ。診療室から庭が見えるのも特徴で、随所に患者を癒やす空間にしようとする心遣いを感じる。院長は、親しみやすく優しい雰囲気の小野直洋先生。地元に根付いた医院の2代目として、患者への良質な医療提供に努めるのはもちろん、あらゆる人々の健康を支えたいという熱意が感じられる。今後は未病の改善にもより注力していきたいという院長に話を聞いた。

(取材日2017年8月17日)

開放感と癒やしに包まれた整形外科をめざして

医師を志されたきっかけからお聞かせください。

小野直洋院長 小野整形外科1

当院は1976年開業の整形外科医院で、父が初代、私が2代目です。医師を志したのはある意味自然な流れで、周囲からの期待もあってというところでしょうか。一方で、美術や技術が得意で建築にも非常に興味がありましたが、最終的な進路を医学部に決めました。個人的に、整形外科の医師は特に手術においてはセンスも必要だと考えており、美術や技術が得意だったことが生かされていると感じています。

院長就任までの経緯も教えてください。

大学卒業後、日本整形外科学会認定の整形外科専門医の資格を取得し、さまざまな病院で臨床経験を重ねました。また病院だけでなく、医療設備が整っていないスキー場ゲレンデにある診療所での診療や、鈴鹿でサーキットドクターを務めた経験もあります。特にサーキットドクターは緊急時の初動が非常に重要です。救命や外傷などの診断・処置においてとても貴重な経験で、日々の診療にも生きています。私の専門は膝で、勤務医時代は手術を数多く担当しました。父が体を壊したこともあり、2005年頃からこちらを手伝い始め、2007年に院長となりました。

デザインがおしゃれですね。

ありがとうございます。建物は代替わりの際に建て替え、開放感と緑の癒やしがほしかったので、吹き抜けを造り、周囲には木を植えました。やはり患者さんもきれいなクリニックのほうが安心されるでしょうから。また”病は気から”と言うように、精神面から痛みが出ることもあるので、ほっとする空間をつくりたいとアロマも焚いています。診療室から緑が見えることもこだわりで、患者さんにもご好評いただいています。

設備やリハビリテーション室も充実しています。

小野直洋院長 小野整形外科2

設備では骨密度の測定機器にはこだわりました。かかとで測定する機械もありますが、正式には腰と大腿骨で測定し診断することが基準ですから。また整形外科におけるリハビリは非常に重要ですから、広いスペースは必須です。現在、理学療法士は6人在籍しており、皆優しい子たちです。まだ若く将来のある者たちですので、これから患者さんのためにもっと勉強してほしいと期待しています。診療後にはミーティングをして各患者さんについて確認し、カルテにも必ず記録しています。リハビリには理学療法士と患者さんとの相性も大切ですから、理学療法士の存在は非常に大きく、とても感謝しています。

無駄な検査や薬を出さぬよう問診で情報を多く引き出す

どのような患者さんが多いですか?

小野直洋院長 小野整形外科3

当院はいわゆる「町のかかりつけ医」ですので、患者さんは小さなお子さんからご高齢者まで来院されます。特に長期休暇になるとお子さんが増えますね。患者さんの主訴もさまざまで、けがや腰痛、膝痛、しびれや違和感など、あらゆる症状の方にお越しいただいています。

診察ではどのようなことを心がけていますか?

患者さんのお話をよく聞くことです。診断を確定するための情報をいかに引き出すかが大切ですので、問診がすべてだという思いで行います。なぜ痛いのか、どのようなときに痛いのかなどを事細かに質問します。その情報をもとに診断の当たりをつけて、触ってみた反応なども含めて診断します。もちろん必要な場合は検査をしますが、大半は問診・触診で診断がつくため、なるべく無駄な検査や不要な薬を出さないようにも心がけています。また、「なぜそうなったのか」という原因もご説明しています。治療を受け、薬を飲んで終わりではありません。なぜ腰が痛いのか、四十肩になるのかをわかっていないとまた繰り返してしまいます。医師として、患者さんがもう病院に来なくて済む状態をめざして日々診療に向き合っています。

子どもの診察で気を付けていることはありますか?

小野直洋院長 小野整形外科4

お子さんの問診は特に難しいですね。痛みや症状をうまく話せない場合もありますので、より注意深く聞くことを心がけています。お話ができる年齢であれば、自分の状態を理解できるように説明します。例えば、けがの処置で縫う必要がある場合にも、切迫した状況でない限りは嫌がる子を押さえつけたりはしません。「このままだと、ばい菌が入って痛くなっちゃうよ?どうする?」などと声をかけて考えさせながら進めます。多くの子は怖くて泣いたり暴れたりしますが、危険ではない怖くないと理解すれば話を聞いてくれるようになり、子どもたちに医療に対する恐怖心を植え付けなくて済みますので。

最近のお子さんの症状などで目立つことはありますか?

最近のお子さんはよろけて手をついただけで骨にひびが入ってしまうこともあります。そのような場合はレントゲンにも写りづらく、触っても腫れが少ないため、エコーで細かく調べて診断する場合もあります。また過度な運動によるスポーツ障害も多いですね。「目立った腫れはないけど痛い」と来院されて疲労骨折だったケースも増えていると思います。ほぼ運動をしないのと、過剰な運動をしているのと極端化しているのではないでしょうか。なぜけがにつながったのかといったことも追求し、2度目を防ぐために正しい習慣を身に付けることが大切です。

未病の人に目を向け、整形外科疾患を減らしたい

どのような治療に力を入れておられますか?

小野直洋院長 小野整形外科5

「足育(あしいく)」の啓発活動です。足育の目的は足に関する正しい知識を持ち、トラブルのない足を育てることです。足に合わない靴が原因で症状が出ている方もおられますので、そういう場合は正しい靴の選び方からアドバイスします。足育で大切なのは、子どもの健やかな成長を促す環境を整えてあげること。靴が良くても、歩かなくては体が育ちません。歩かないと土踏まずがない扁平足になりますし、最近ではハイハイをしない子も多いです。ハイハイをすることで、こけるときに手を出すことを学びますが、それがないと頭から転んだりすることもあるんです。私は開業前から、十数年にわたって近隣の幼稚園と園児の足についてのデータをとり分析して、保護者に対しての足育の啓発活動を行っています。また、靴メーカーのメディカルアドバイザーを務め、子ども靴をはじめとした様々な靴開発に携わっています。

今後の展望はいかがでしょう?

保育園や幼稚園で足育のカリキュラムを組み、子どもの心身ともに健やかな成長を促すことができればと考えています。公立の園ではこうした活動は難しく、私立の園で協力いただける所があればすぐにでも取り組みたいです。また、悪くなった人だけを診るのではなく、未病の人にも目を向けなければなりません。悪くならないようにすることこそ医師の役目。体の使い方など日頃の習慣を見直せば、半数ほどの整形外科疾患は改善すると思います。その第一歩として、当院の前に靴店を開設しました。診察の結果から実際に合う靴を体験していただける場所です。また情報発信も大切だと考えています。ブログや『アサヒコーポレーション式一生痛みに悩まない超!ひざ健康法』(ワニブックス)では、私が今まで診療経験で感じたことをすべて記しました。今後は子どもの足育に関する情報も提供していければと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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よく接骨院と整形外科の違いについて聞かれますが、整形外科は医師免許を持つ医師が、接骨院は原則として柔道整復師が開業しています。医療行為を行えるのは医師のみで、脱臼などでも柔道整復師が行えるのは応急処置までなので、正しい診断と治療を受けるためにも、きちんと整形外科に受診していただきたいです。また、当院に来られるお子さんの約半数は「扁平足」「内股」「よく転ぶ」などが気になる親御さんが連れて来られています。大人の方でも外反母趾や巻き爪などは整形外科領域ですのでお気軽にご相談ください。診察で話をしただけで痛みが楽になったという方、原因がわかってすっきりしたという方も多くおられます。気になったら迷わず整形外科を受診し、きちんと診断してもらうことをお勧めします。

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