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藤本 岳志 院長の独自取材記事

藤本耳鼻咽喉科医院

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2019/08/28

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尾張の国の「一の宮」である真清田神社の門前町として発展した歴史と文化を持つ一宮市。名古屋駅から電車で最速10分の立地にあり、名古屋市のベッドタウンとしての顔も持つ。繊維の街一宮のシンボル、織物の糸の網目をモチーフにした真新しい駅ビルの東口から歩くこと10分。静かな街並みに「藤本耳鼻咽喉科医院」はある。生まれ育った一宮を「いちみや」と愛着を込めて呼ぶ藤本岳志院長は穏やかな笑顔を絶やさない。地域に根付いた医療をめざし、祖父の代から地域の患者をサポートし続けている。患者それぞれに合った治療を提案することに重きを置き、患者との関係を何よりも大切にする院長に診療方針や理念について詳しく聞いた。
(取材日2017年7月11日)

老舗の看板を守り地域の患者の声に耳を傾ける

先生は3代目だそうですね。

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1933年に祖父が現在の当院の近所に開院し、その後父、私と続いています。幼い頃から父の仕事ぶりをすぐそばで見ており、自然とこの道を選びました。私には兄がいるのですが、兄が一足先に医師の道を進んでいきました。兄は名古屋大学の准教授として日々最先端医療の研究に取り組んでいます。一方、自分自身は医師としてどうありたいかを考えたときに、祖父や父が育んできた「老舗」の看板を受け継ぎ、これからも地域医療に貢献していきたいと考えました。そこでまず卒業後は地元に戻り、瀬戸市の陶生病院に研修医として勤務。それから名古屋大学医学部附属病院や津島市民病院、名古屋第一赤十字病院を経て、生まれ育った一宮で医院を引き継ぐこととなりました。

診療にあたって心がけていることは?

風邪をひいて鼻水が出ると、何科の病院に行けばいいか迷う患者さんもいるでしょう。そこで「治らなければおいで」と気軽に言える存在でありたい。「耳、鼻、喉は見ることが難しいから私たちが診るよ」と。例えば内科は、ほしいものがそろっているデパートのような部分があります。さまざまな症状の人が訪れて、そこで用が足りることも多いでしょう。一方耳鼻咽喉科は上気道の専門店で、そこでなければ手に入らないものをそろえています。「おなかが痛い」「腰が痛い」と言って来院される方もいますが、そういう場合でも自分の限界を考えつつ、診られる範囲で診たい。全体像を把握し、他の病院を紹介することも含めて患者さんが相談しやすいようにしたいと考えます。まだまだ試行錯誤して判断をする部分も多いのですが。

患者さんとの記憶に残るエピソードはありますか?

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木曜に名古屋第一赤十字病院で手術をし、後進の指導にあたっています。同院と連携して治療する機会も多いです。当院の患者さんが「遠い病院でも、ぜひ先生に手術をお願いしたい」と言ってくれることもありますので、その場合は、名古屋第一赤十字病院で私が担当させていただいております。診てもらっていた医師と手術をする医師が違えば、新しい医師と最初からコミュニケーションを取る必要があり、不安要素も大きいでしょう。私にとっても自ら執刀し、術後も頻繁に患者さんの経過を診ることができる利点は大きいです。また、患者さんの「ありがとう」は心に響きます。治療は仕事ですが、人間同士のお付き合いだからお互いの「ありがとう」の気持ちはやはり大事だと思うのです。簡単なようでいて「ありがとう」の気持ちを素直に表すのは難しいことですから。

丁寧に説明し、納得してもらうことを信条に

予約システムを取り入れていますね。

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話をじっくり聞いて診察をしたいので一人にかける時間が長くなってしまいます。3分診療で終わらせたくないのです。父の時代は時間内に何人かの患者さんを診る時間予約を採用していましたが、それでは難しい部分も出てきました。そこで現システムを取り入れたのですが、アレルギー性の疾患が増える4、5月から10月は診察が夜遅くになることも。ただ予約を受け付けた方は最後まで診ます。会社帰りの方にとっては立ち寄りやすいようですし、パジャマ姿のまま受診するお子さんもいるくらいです(笑)。お年寄りの中には戸惑う声もありましたが、ゆっくりでもきちんと診てくれると浸透してきました。「まだですか」と言われることもありますが診察すれば納得してくれます。一緒に働いてくれるスタッフにも感謝です。

アレルギー性疾患の患者は増えていますか?

アレルギーの低年齢化が言われていますし、花粉症シーズンには多くの患者さんが来院します。治療は症状や人によってケースバイケースです。簡単に治療できるわけではなく、ずっと付き合っていく部分もあります。仕事など事情があって薬を飲めない人もいます。アレルギーの原因を避け、原因物質が入らなければ起こらない仕組みだと理解してもらう。その上で「こういう症状だからこういう薬を使いましょう」とお伝えすることもあれば、アルゴンプラズマ凝固法などの手術を提案することもあります。同じ鼻炎の症状でも治療は変わるし、薬も種類があるのできちんと説明をします。この患者さんには何が合うのか、オーダーメイド的な治療法を探すことが目標です。お子さんの場合は親御さんに納得してもらえるように努めています。

睡眠時無呼吸症候群の治療も受けられるそうですね。

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就寝時に何度も呼吸が止まり、日常生活に支障を来す睡眠時無呼吸症候群は大きな合併症を引き起こすこともあります。その有効性の高い治療法が、CPAP(シーパップ)という装置からホースやマスクを通して空気を送り込むCPAP療法です。当院では100人以上の方を治療しており、専門医院以外でこれだけ手がけている病院は、尾張地方でもそう多くはないのではないでしょうか。CPAPを使うと朝の眠気や頭痛が取れてすっきりするといわれます。実は私自身が治療を経験しておりお勧めもしやすいです。睡眠時無呼吸症候群の治療は耳鼻咽喉科や呼吸器科、口腔外科も関わってきます。歯並びや顎の調節、マウスピースなどは口腔外科の先生にお願いすることもありますから、地域の医師で連携は取れるようにしています。

情報に踊らされずにどんなことでも聞いてほしい

治療のモットーとしていることはありますか?

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患者さんの不安を解消することが第一です。笑顔はもちろん、患者さんと向き合う際にボディランゲージを交えて説明しています。あとは目で見せるということ。耳や鼻の中をファイバーで見せたり、模型を使ったりしてビジュアルに訴えかけることを心がけています。時間をかけて話をし、納得してもらうことがこだわりですね。「得意分野を生かしてこの治療法を積極的に勧めたい」と考える病院もありますが、私は患者さんにとって何がいいかを優先したい。アルゴンプラズマ凝固法や舌下免疫療法が合うのか薬や漢方が合うのか。極論すれば市販薬を買えばいい人だっている。人によってゴールが違います。その人にとってのゴールはどこで、医師はそれにどういう形で関わっていくのかをさらに突き詰めていきたいです。

手術の時間を設けていますね。

はい。大きな病院でないと対応できない手術は、連携病院に紹介しておりますが、その他日帰りで対応できるアレルギー性鼻炎に対するアルゴンプラズマ療法や鼓膜穿孔閉鎖術、ポリープ切除などの手術については、火曜日の午前中に特殊外来を設けて、当院で行っております。やはり、患者さんにとって病院に行かなければいけないというのは負担も大きいですし、不安にもなると思います。ですので、なるべく当院で完結できることは完結してあげたいと思っています。そのほうが患者さんの負担も少ないですし安心かと思います。

今後の展望をお聞かせください。

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患者さんの中には考えすぎてナイーブになる方が増えたように感じます。心配性になっている。SNSや検索エンジンで数多くクチコミや情報が入ってくる現代、仕方のないことなのかもしれません。患者さんには一方の意見や偏った情報に踊らされないでほしい。薬一つとっても物事には必ず裏表があり、副作用もあります。それをきちんと説明しますから、疑問があったらまず聞いてほしいのです。診察に時間がかかっても何でも話し合える地域の医師でありたい。一方通行の意見に左右されず、コミュニケーションを取り合ってよりよい関係性を築いていきたいです。

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