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田中 英之 院長の独自取材記事

田中医院

(豊橋市/南栄駅)

最終更新日:2021/10/12

田中英之院長 田中医院 main

南栄駅から車で10分ほどの、閑静な住宅街に位置する「田中医院」。1988年の開業以来、長年にわたり地域に根差した医療を提供してきた。院内の随所に患者が描いた絵画が飾られていることからも、地域の人々に愛されるクリニックであることがうかがえる。院長の田中英之先生は、三重大学医学部を卒業後、第一内科に入局。循環器内科の医師として三重県内のいくつかの病院に勤務した後、1997年父の後を継いで院長に就任した。特に生活習慣病の予防に力を入れる田中先生。「普段の診療の際から、一つの病気だけでなく、患者さんの全身を診るよう心がけています」と穏やかに語る。地域の医療活動にも精力的に携わる田中先生に、院長に就任した経緯や診療の際の心がけ、医師をめざしたきっかけなど、幅広く聞いた。

(取材日2017年6月27日)

開業以来30年近く、地域に根差した医療を提供する

まずは、院長に就任されるまでの経緯をお聞かせください。

田中英之院長 田中医院1

三重大学を卒業後、第一内科に入局し、循環器内科の医師として三重県内のいくつかの病院で勤務していました。その頃、先代である父が病を患ったため、1997年に急きょこちらへ戻ってきたんです。父は脳外科の医師として、ここから5分ぐらいの所にあった国立病院に長年勤務し、1988年に当院を開業しました。父が始めてもう30年近くになりますので、長く通ってくださる患者さんも多くいらっしゃるんです。院長に就任した頃は、急だったことや父と専門が異なっていたこともあり、大変な面もありましたね。

クリニックの患者層について教えていただけますか?

私が循環器内科を専門としているため、高血圧など生活習慣病を患う方が多くいらっしゃいます。また、そうした疾患の性質上、比較的ご高齢の方が多いという特徴もありますね。父の頃から通っている患者さんがお年を召してこられたことも関係しているのかもしれません。近隣の地域にお住まいの方がほとんどですが、ブラジルやペルー、中国など、外国人の方もよく来られますね。外国の方々はお互いの結びつきが強いためか、お一人が来院されると、親族や知り合いも来られるようになるんです。コミュニケーションを図るため、スマートフォンの通訳アプリを使ったり、彼らの言語を覚えたりするよう一生懸命努力しています。こちらが少しでも母国語で話しかけると、皆さん安心されるんです。

生活習慣病を患う患者さんが多く来られるのですね。

田中英之院長 田中医院2

生活習慣病は自覚症状があまりなく、突然発症するといった特徴があります。また、一度発症すると、麻痺などの後遺症が残ってしまいかねません。もし体がダメージを受けると元には戻らなくなりますので、予防することが大切です。それで、患者さんには、塩分のとり過ぎや食事の量に注意するようお伝えしていますね。例えば、どの食品にどれぐらいの塩分が入っているかを示したパンフレットを差し上げて、ご自宅で確認してもらうようにしています。また、料理する途中で塩を入れるのではなく、最後に足すようにアドバイスすることもあります。さらに、食べる量自体を減らすようにお勧めすることもありますね。食べる量そのものを8割にすれば、塩分も8割になるからです。

生活習慣病の予防のため、リスクの早期発見に努める

診療の際には、どんなことを心がけていますか?

田中英之院長 田中医院3

生活習慣病は高齢の方の病気のように考えられがちですが、若い方が患うこともあります。若くても、遺伝的にコレステロール値が高い、血圧が上がりやすい、といった方もおられるんです。普段の診療で、そうした傾向のある方を見極めるように努めていますね。例えば、若い方が風邪をひいて来院された際などに、血圧を測ったりお腹を診せてもらったりして、生活習慣病のリスクがないかを調べるようにしているんです。また、喫煙しているかどうか、ご家族に高血圧を患う方や心筋梗塞を起こされた方がいないか、といった点をお尋ねすることもあります。そのようにして、普段の診療の際から、一つの病気だけでなく、患者さんの全身を診るよう心がけていますね。

訪問診療にも取り組んでおられるのですね。

当初は医院に通うことが難しくなった方を訪問することが多かったのですが、最近はケアマネジャーさんなどからの紹介という形も増えてきました。近隣にある特別養護老人ホームやケアハウス、グループホームなどに入所されている方を訪問することも多いですね。現在、お一人の患者さんを月に1回ぐらいのペースで訪問させていただいています。当院は12時から15時半までが昼休みですので、水曜日や金曜日の昼の時間帯に1日3軒ぐらい伺うようにしているんです。今後、高齢化に伴い認知症の方などが一層増えてくることが考えられます。自治体の地域包括ケアシステムなどの取り組みと調和し、そうした方々を訪問診療を通してサポートしていくことは本当に大切だと思うんです。

地域の医療活動にも精力的に携わっていらっしゃるようですね。

田中英之院長 田中医院4

現在、豊橋市の医師会の理事を務めており、臨床検査センターや検診部を担当しています。検診部では、特定健診や学校健診、企業健診などの普及に努めているんです。実のところ、豊橋市ではそうした健診の受診率はまだまだ高いとはいえません。それで、若い方を含めて受診率を向上させるため、自治体の方々と話し合ってさまざまな努力を傾けているところなんです。生活習慣病の予防のためにも、まずはメタボ健診とも呼ばれる特定健診を受けていただきたいですね。当院では、必要な方には通常の心電図検査の他、24時間ホルダー心電図検査なども行っています。さらに、より詳しい検査や入院が必要な際は、市民病院や医療センターなど大きな病院と連携して対応いたしますので、ご安心ください。

何でも相談できる、地域のかかりつけ医でありたい

医師をめざしたきっかけについて教えていただけますか?

田中英之院長 田中医院5

やはり父の影響は大きいですね。父が医師でなかったなら、医師を志していなかったかもしれません。父は地域でよく知られた脳外科の医師だったんです。自宅に病院から電話がかかってきて、夜中に呼び出されることもしばしばでしたね。交通事故に遭われた方や脳腫瘍の方などを診ていたようですが、当時の新聞に父の治療が取り上げられたこともあるんです。父と一緒に散歩していると、地域の皆さんが父に挨拶してきます。子ども心に「すごいなあ」と感じたことを覚えていますね。母方の親戚の中にも医師がいましたので、自然と医師になることを考えるようになりました。私自身子どもの頃から生き物が好きだったことも、医師をめざす一つのきっかけとなったのではないかと思いますね。

趣味や休日の過ごし方についてもお聞かせください。

待合室に置いている水槽は、私の趣味なんです。私がこちらに戻って来た頃から、海水魚の飼育を始めました。患者さんに少しでもリラックスして過ごしていただきたいという思いも強いですね。皆さんが鑑賞して喜んでくださるとうれしいんです。飼うことも好きなのですが、魚釣りに行くのも好きです。三河湾にある神島に行ったり、太平洋岸の赤羽根から船で沖へ出て釣りをします。また、医院の昼休みにスポーツジムに行って、プールで20分ぐらい泳いでくることもありますよ。中学、大学時代はバレー部に入っていたのですが、最近、校区のバレーボール大会や運動会にも参加しています。そうした交流を通して、町医者として地域の皆さんとの結びつきを強めるようにも努めているんです。

最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

田中英之院長 田中医院6

生活習慣病の予防のためにも、健診を定期的に受けていただきたいですね。また、毎日の食生活にしっかり注意を払うことも大切です。気になる症状があったら、すぐに病院にかかるようにしておくのも良いかもしれませんね。かかりつけ医を持っていれば、いざというとき、病院にかかりやすくなるからです。もし親御さんと離れて暮らしているなら、その状況をよく見守ってあげてください。例えば、定期的に電話をかけたり、年に数回訪問されると良いのではないでしょうか。そうすれば、病気の兆候などを早めに見つけられるかもしれません。私は勤務医の頃、何でも診られる医師となるよう教えられました。地域のかかりつけ医として、専門にとらわれず幅広く対応いたしますので、何でもお気軽にご相談ください。

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