全国のドクター9,103人の想いを取材
クリニック・病院 161,406件の情報を掲載(2020年4月02日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 豊橋市
  4. 豊橋駅
  5. 牟呂診療所
  6. 杢野 浩司 院長

杢野 浩司 院長の独自取材記事

牟呂診療所

(豊橋市/豊橋駅)

最終更新日:2019/12/26

67641 %e7%89%9f%e5%91%82%e8%a8%ba%e7%99%82%e6%89%80

JR東海道本線豊橋駅より車で10分、落ち着いた環境の中に位置する「牟呂診療所」。開業以来50年、地元に根づき、地域のホームドクターとしての役割を果たしてきた。開業時から変わらない外観は風景にマッチし、親密さを感じさせる。院内はリフォームされ、明るくリラックスできる雰囲気。循環器内科を専門とする杢野浩司院長は、大学院で脂質代謝、主にコレステロールについて研究し、アメリカ留学の経験を持つベテランの医師。豊富な専門知識と臨床経験を生かして患者を支えてくれる。患者の年齢層は比較的高く、約7割が後期高齢者。慢性疾患の治療から日ごろの健康管理までサポートしている。穏やかで親しみやすく、笑顔が優しい杢野院長に話を聞いた。
(取材日2019年12月9日)

持てる知識と能力で多くの人を病気から救いたい

まずは、医師を志したきっかけや今までのご経歴について教えてください。

1

医師の一族に育ったので医療の道を志すのは自然なことでした。順天堂大学医学部で循環器内科を専門に勉強し、研修後、同大の大学院に進学。脂質代謝、主にコレステロールについて勉強をしました。大学院時代は、尊敬できる良い先生に恵まれ、研究にも臨床にも力いっぱい取り組んで、いい時間を過ごすことができたと思っています。その後、浦安の市民病院で臨床を経験し、アメリカ・サンフランシスコに留学。そこでは、コレステロールの基礎研究を行いました。医師の仕事では、こうした勉強や研究した内容が直接的に成果につながるため、勉強にも熱が入りましたね。自らの知識を深め、経験を積むことで、1人でも多くの人の役に立ちたいという気持ちで今まで歩んできました。

長年地域に根差されているクリニックだとお聞きしました。

当院は50年前に父が開業しました。豊橋市の牟呂地域は農業地帯で、開業した頃には周辺は田んぼが多かった。病院や医院もほとんどなく、医療機関と言えば当院くらいだったと思います。そのため、地域の皆さんには親しんでいただき、小児から高齢の方まで幅広い患者さんが通って来てくださいました。今は高齢の方の来院が多く、7割以上が後期高齢者。最年長は104歳です。最近は、地域内にアパートなどが増えてきたので、若い世代が予防注射や風邪で来られることもありますね。地域の中に根づいたクリニックで、「杢野医師の診療所」と言えばたいていの方は知っていてくださいます。父が地域医療を誠実に頑張ってきた結果だと思い、感謝しています。

先生が大切にされてきた診療方針をお聞かせください。

2

患者さんは基本的に、私の診療を受けようと思ってきてくださっています。そういう気持ちに真摯に応え、しっかり寄り添い、少しでも患者さんの問題を解決する手助けをしていきたいと思っています。医学は、それだけですべてを解決できるほど万能のものではありません。薬だけ出せばそれで良いという考え方は避けたいです。患者さん一人ひとりが抱える悩みに一緒に取り組み考えて解決していきたいですから、必要ならば診察も時間をかけて行います。現在診ている病気だけでなく、生活全般に関してお話を伺い、わかる範囲でアドバイスもしますし、もちろん専門医療機関への紹介も迅速にして、常に最適な医療を受けていただける環境を整えたいと思っています。

高齢者とその家族にしっかりと寄り添う

患者さんを診察する上で配慮していることはどんなことですか。

3

第一に、お顔を見て、はっきりと話をすることです。特に高齢の方とは、近い距離で向かい合って話すことで、親密さも増すと思います。血圧などの数値は紙に書くなどして、分かりやすく示すように配慮しています。もっとも大切なのは、患者さんの訴えに耳を傾け、その原因を追究することです。「これは大丈夫だろう」という先入観を持たず、小さな症状であっても、患者さんが自覚し続けているときには何か原因があるはずです。もちろん、検査しても問題がなく、様子をみることになる場合もありますが、訴えを安易にスルーすることなく、患者さんの言葉にまっすぐ向き合うことをモットーにしています。

高齢の患者さんへもさまざまな配慮をしてくださっているんですね。

患者さんがお元気なうちは問題ないのですが、物忘れが始まり進行すると、今までと同じ対応では診療ができなくなってしまい、難しい点ですね。例えば薬の管理ひとつとっても、今まではきちんと内服できた方が飲み忘れるようになり、4週間おきに来院されていたのが、「薬が残っているから」と5週間、6週間も来院されなくなってしまうこともあります。そういう場合は残薬の有無を確認し、薬を分包にしたり、できるだけ1日1回飲むだけに変更するなどの工夫が必要です。また、いろいろな症状をとりとめなく訴えるようになり、本当の問題点が把握し難くなることもあります。話をじっくり聞き、検査結果と私の観察を併せて診断をしていくようにしています。

日々、家族のサポートも重要になってくるのではないでしょうか

4

家族の方が毎日の様子をさりげなく観察し、ちゃんと食べられているか、薬は飲めているか、などの状態を常に把握できると良いですね。干渉しすぎてはいけませんが、「薬は残っていないの?」「体調に変わりはない?」などと時々声掛けをしてあげるのも良いと思います。薬の飲み忘れをなくすためには、内服毎に渡してあげるのが一番なのですが、そうするとかえって「薬くらい自分で飲める」と怒る方もいらしゃるので、プライドを傷つけないよう配慮していただければと思います。血圧や体重も定期的に家庭でチェックしていくのがベストです。ご家族もお忙しく大変だとは思いますが、ご一緒に来院して話を聞いていただくのもいいと思います。家族が一緒に患者さんの健康を守っていければいいですね。

弱い存在に対しても手をさしのべていきたい

人生100年時代、日々の生活でどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。

5

生活のリズムを保ち、バランスの良い食生活をするのが、当たり前のようですが、一番重要だと思います。あとは、ちょっとした体調の変化を見逃さず、医療機関を受診して健康管理をすること。もちろん、定期的に健康診断を受けることもお勧めしたいです。時折、初診の方でも検査をすると、いくつもの病気が見つかり、ご本人がびっくりすることもあります。病気を早く見つけて対応することができるかどうかで、それ以後の健康状態は大きく左右されます。まずはかかりつけ医を持ち、問題が小さなうちに発見して解決していくこと。ご自分の健康チェックを習慣にし、病気の早期発見のため医療機関を受診し、いつまでもお元気でいていただきたいですね。

入居施設への往診も行っていらっしゃいますね。

グループホームと老人ホームの訪問診療を行っています。グループホームでの診察は、通常の診察とは異なる難しさがあります。認知症のため毎月診察していても、私のことは忘れられてしまう寂しさがありますが、問題なのは自覚症状をうまく伝えられない方がおられる点です。なので、診療を進めるのには介護職員の方からいろいろお聞きし、職員の方との連携が必要となります。ご家族とのやりとりも職員の方を介すことが多いため、コミュニケーションの取り方を工夫する必要があります。また、介護には看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど、いろいろな職種が関係してきますので、皆が情報共有できる環境づくりが必要だと感じています。

最後に、医療に携わる上で心がけていることを教えてください。

6

自分の心を常に安定に保つことですね。体調も悪く、悩みを抱え、弱い存在である患者さんと向き合うためには、自分の心が安定していてゆとりがなければなりません。そして、常に患者さんと向き合う医師は、人が好きでないとできない職業だと思います。安定した心で自分が余裕を保つことで、弱っている患者さんに優しい気持ちで真摯に向き合い、問題を解決することができるのだと思っています。日常生活の中で上手に気分転換するなどして、常に良い心身の状態で患者さんと向き合えるよう努力しています。もう一つ、新しく正しい医学の情報を常に得続けることは医師として必須です。患者さんの「生きよう、生きたい」という意欲を医師として手助けし手をさしのべていきたい。そして、人生の最後まで、誠実に患者さんに寄り添っていければいいと思っています。

Access