全国のドクター9,409人の想いを取材
クリニック・病院 160,469件の情報を掲載(2022年9月26日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市名東区
  4. 自由ヶ丘駅
  5. 藤原医院
  6. 藤原 健太郎 院長

藤原 健太郎 院長の独自取材記事

藤原医院

(名古屋市名東区/自由ヶ丘駅)

最終更新日:2021/10/12

67464 %e8%97%a4%e5%8e%9f%e5%8c%bb%e9%99%a2

名古屋市郊外の住宅街の一角にある「藤原医院」。診療科目は内科に加えて、糖尿病内科と内分泌内科を標榜し、特に糖尿病と生活習慣病の治療に力を注いでいる。院長の藤原健太郎先生は、通信機器メーカーに勤務していたが、36歳で糖尿病を専門とする医師になった異色の経歴を持つ。病院勤務を経て、父である先代院長の後を継ぎ、2010年より院長を務める。治療方針は患者と相談の上、一緒につくり上げていくことを基本とし、わかりやすい情報提供、エビデンスに沿った診療を心がけているのだそう。今、地域医療に何が求められているかを模索しているという藤原院長だが、取材を通し、医師と患者が意思疎通を図ることで、医療サービスの信頼性を向上させることができると認識を新たにした。

(取材日2019年8月21日)

一念発起し医学部へ。36歳で医師として再出発

名古屋大学工学部を卒業して設計開発の仕事に就かれていましたが、医師に転向されたのはどうしてですか?

1

代々医師の家系ではありましたが、もともと興味があった工学部をめざすこととなりました。大学卒業後は、通信機器メーカーに就職し、東京で設計開発の仕事をしていました。その頃はバブル絶頂期で、東京での時間や物に追われる生活に息が詰まる思いをしていました。そこで初めて自分の生き方を見つめ直し、東京を出て、地方で自分らしい暮らしがしたいと思うように。子どもの頃から父や祖父の姿を見てきたので、やはり人のために働ける医師になりたいと再出発を決意したんです。

会社員から医師への転身は大変ではなかったですか?

大変なこともありましたが、結果医師になってよかったこともたくさんあります。ただ、医学部に30歳で入学し、卒業したのは36歳です。大学生活を通してもう一度勉強できた、二度も経験できた、というのはとてもラッキーだったと思っています。それから一通り仕事を覚えて一人前になるには最低10年くらいかかります。私のような年齢で医師になると、外科で活躍できる期間が少ないんです。それで内科医師の道に進みました。

内科の中でも糖尿病を専門に選んだ経緯を教えてください。また、米国留学ではどのように研鑽されましたか?

2

大学在学中に、「名古屋第二赤十字病院の内分泌内科にいらっしゃる先生のもとで研修するといい」と勧められたのがきっかけで、研修医として勤務し、糖尿病を専門分野として歩み始めました。糖尿病治療は、患者さん一人ひとりに合わせた治療法や薬の処方、生活指導に関しても大きく個人差があります。また、アメリカ留学での3年間は臨床研究を行っていました。治験ボランティアの協力で、実際に薬を投与して効果を確認するなど、糖尿病の知識を深めることができたと思います。

早期発見・早期治療のケースが増えている糖尿病

お父さまのクリニックを継がれたきっかけは何でしょうか。

3

父が体調を崩し、クリニックを手伝うことになりました。着任して1ヵ月で診療の中心を担うようになり、2010年に院長を引き継ぎました。父は1979年にこの地域にクリニックを開業しましたが、私がここで生活したのは医学部に通学している6年間だけでした。それで、地域の状況もあまり詳しくなかったのですが、父の患者さんを引き継ぎ、糖尿病以外の疾患も多く診るようになりました。糖尿病の患者さんを診療するための設備、血糖値測定器やヘモグロビン量測定器などを導入するとともに、エックス線写真をデジタル画像で見るようにしました。こちらに来て2~3年はフィルムで対応していましたが、コストも手間もかかるのでデジタル化しました。

患者さんの年齢層や主訴について教えてください。

高齢の方が多く、半数は糖尿病患者さんです。私が医師になりたての頃は、「目が見えなくなって、糖尿病だとわかった」というような重症の患者さんもかなりいらっしゃいましたが、私が診察している限りでは、健康診断で引っかかったというような、ごく初期の糖尿病患者さんが多くなったように感じています。地域性やクリニックによって差異があると思いますが、糖尿病の合併症としての失明・透析・足の切断などの事例を最近あまり聞きません。職場健診もしっかり予防の意識をもって受けているという時代の流れがあり、早期に治療を開始する人が増えましたし、いい治療薬も開発されているので、糖尿病治療は良い方向に向かっているように思います。

糖尿病患者さんの治療のモチベーションを高めるために、どのように配慮されていますか? 

4

まず、患者さんに無理をさせないように気を配ります。同じ疾患を抱えていても、患者さんの中には生活改善が簡単でない方もいらっしゃいます。できる範囲を見極め、治療を進めていきます。生活改善を強要しても、続かなければ意味がありませんから、患者さんにとって負担が少ない方法を提示することも重要です。教科書的に言えば、食事療法や運動療法をしっかり行い、それでも足りない部分を薬で補うのが一般的ですが、中には運動をすることや、お食事を変えることが難しい方もいらっしゃいます。そのため、患者さん個人にあわせた治療の進め方も異なります。生活改善も、その患者さんにとってこれ以上は負担が大きいと判断すれば、薬を用いた治療に切り替えます。そのタイミングについては、患者さんと相談しながら無理なく治療を進めています。

治療方針は医師と患者がともに考え、決めていく

あらためて治療方針について、お考えを聞かせてください。

5

治療方針は医師と患者さんがともに考え、決めていこうというスタンスを大事にしています。例えば、生活習慣病の原因はさまざまで、遺伝的体質で発症が不可避なこともあります。また、食習慣は子どもの時に親から受け継ぐことも多く、食の好みが決まってしまうことも少なくありません。いろんな条件が重なって病気になるので、そのような遺伝的要素や環境的要素を悔いても仕方ありません。心に余裕を持って取り組むことで、治療に前向きになれるのではないでしょうか。好物をまったく取らないで病気を治すという考え方ではなく、食べる量や食べるタイミングを変えるだけで大きく改善することも考えられます。また、運動療法を説明する時にどの運動がどういった効果が期待できるかという話をして、その中から患者さんが自発的に実行できるものを見つけられたらいいな、と思います。

これからの地域医療にどのような展望を持たれていますか?

父が開業する数年前に、この地域は住宅地として整備され始めました。昭和50年代になると家がポツポツと建ち出し、その頃、家を建てた方も今は70~90代。父から引き継いだ患者さんの1割以上は亡くなられたと思います。また、自由に動けなくなって、近隣のクリニックに訪問診療を依頼されている方もおられます。そのような状況ですから、高齢の患者さんたちを支えたいという思いはありますが、一人で診療をしているので、24時間体制が必要な訪問診療を始めることはできません。ただ、心身の健康維持のためにも、通院できる間は頑張って来院当院は院内処方なので調剤薬局に出向く手間もありません。今後も、地域の変化をしっかり見据え、これからの地域医療について新しい方向性を見出さなくてはと思っています。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

6

クリニックを受診される時は、自分にとって、家族にとって一番いい治療とは何か。それをかかりつけ医と一緒に見つけるという気持ちでいるといいですね。もちろん、早期発見・早期治療のために定期検診を受けることも忘れないでください。ホームページに、「地域の皆さまの頼れる健康創造パートナーとして」というフレーズを載せていますが、そういった地域医療に対する思いを込めて表現しています。

Access