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鳥居 良彦 理事長、鳥居 晴彦 院長の独自取材記事

鳥居歯科眼科

(名古屋市守山区/小幡駅)

最終更新日:2022/11/14

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科 main

小幡駅より徒歩9分、眼科と歯科が併設された「医療法人 鳥居歯科眼科」。同院は、1階にある眼科院長で理事長の鳥居良彦先生と、2階にある歯科院長の鳥居晴彦先生の兄弟がまとめている。眼科医師の母親と外科医師の父という家庭で育ち、同院は母親の開業した眼科を引き継いだもの。この地域は高齢者が多く、眼科は加齢による緑内障や白内障の患者が多く、歯科は歯周病治療や口腔ケアを行う患者が来院する。両院に共通するのは、患者自身が病気や治療を理解した上で臨むことを重視している点だ。どちらもよく患者の話を聞き、しっかり説明することを心がけ、診療にあたる。良彦先生と晴彦先生に、診療について話を聞いた。

(取材日2016年6月14日)

医師だった両親の影響を受けて兄弟で医学の道へ

先生方が医学の道へ入られたのはご両親の影響ですか?

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科1

【眼科・良彦先生】もう両親は亡くなりましたが、父は外科医で母は眼科医でした。小さい頃、休日に父の勤務していた病院について行き、どんな仕事なのかは身近に感じていました。実は父の影響もあって、大学卒業後10年間は外科に携わっていたんです。その後、母がここで眼科医として開業していたのもあり、外科から眼科へ。これも自然の流れでしたね。
【歯科・晴彦先生】僕も両親の影響を受けたこともありますが、器用で手先を動かすのも得意だったので、歯科へ進みました。誰でも時間をかけて慣れればできる仕事ですが、いかにスピーディーに手がけるかは手先の器用さがポイントなんですよ。

子どもの頃のお二人について教えてください。

【眼科・良彦先生】僕たちは7歳違いで、年を取るごとに年齢差は感じなくなっています。幼い頃は一緒に遊んだ記憶がないですが、お互いの考え方については似ている部分があると思います。
【歯科・晴彦先生】兄は僕が起きるといないし、寝る時に帰ってくるという生活パターンでした。年も離れていますから、親代わりみたいなものですよ。僕が九州で大学生活をしていた時は、親に代わって会いに来てくれましたしね。今でもそうですが、昔から頼りになる兄貴でした。

こちらの院の患者層を教えてください。

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科2

【眼科・良彦先生】守山区は高齢者が多く、加齢により見えにくくなったという訴えが多いですね。有病率の高い緑内障は自覚症状がなく、40歳以上で5%が発症する病気ですし、年齢が上がるほどリスクも高くなる。成人が視力を失う中途失明の原因、第1位の病気なんです。健康診断やほかの病気で受診した際に、視神経のチェックをしてわかることもあります。
【歯科・晴彦先生】やはり高齢者が中心ですが、ご家族で通われたり、お子さんが来院することもあります。お子さんの場合、泣かずに1人でできるようになるまで治療しません。慣れてもらえるまでは、きれいに掃除しようねと来院するたびに声かけして、大事な患者さんの1人だという認識でいますね。

眼科・歯科ともに病気や治療への理解が大切だと考える

眼科では緑内障や白内障の患者さんが多いのでしょうか。

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科3

【眼科・良彦先生】緑内障は早期発見すればコントロールできる病気ですが、多くは検査しないと見つかりません。視野が狭くなり、見えにくくなった時点でかなり進行しています。毎年健康診断で眼底写真を撮っていると、視神経の様子がわかりますよ。放っておくと失明に至ることもあるため、心配な方は一度受診しておいたほうが安心です。一方、白内障は誰でもかかる圧倒的に多い病気です。運転免許が更新できなくなる事例もあるんですよ。40歳を過ぎた頃から少しずつ目のにごりが始まりますが、進行具合は個人差がある病気ですから、見にくさを感じたらやはり検査にいらしていただきたいですね。

こちらの眼科ではどのような治療を行っていますか? 

【眼科・良彦先生】主だった疾患は当院で治療が可能です。白内障、緑内障、結膜炎、ドライアイ、網膜剥離、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症など一般眼科疾患の早期発見と治療。眼鏡、コンタクトレンズの処方。斜視、弱視など小児眼科の診断治療。緑内障や網膜疾患へのレーザー治療。外来手術にも対応しています。入院を要する治療や手術の場合は名古屋医療センターにて行っています。医師は治癒に向けて医学的補助を行っているのであり、長く投薬治療を要するような場合、患者さんご本人が病気について理解を深めていただくことが、治療を継続する上で大切ですね。緑内障など自覚症状が乏しい病気ではなぜ点眼薬が必要なのかを患者さんご自身に理解してもらわなければ、続けてもらうこと自体難しいんです。

では、歯科ではどのような症状が多いですか? 

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科4

【歯科・晴彦先生】歯周病は近年低年齢化が進んでいると感じます。歯周病は抑制することが大切ですので、当院では歯ブラシの指導を重視しています。親御さんが歯周病だと、お子さんからも独特の口臭が発生し、当院を受診されるケースもあります。また、日本では健康補助食品扱いなのですが、スウェーデンで開発された、口内細菌層にアプローチするサプリメントもあります。しかし、こちらを使うとしても、やはり歯ブラシをきちんとしてこそ、正しい効果が得られるものだと思っています。他にも、当院では口内炎の痛みを一度で緩和がめざせるレーザー機器を導入しており、こういった治療も患者さんの意欲向上につながっているようです。

使っている歯ブラシを見て適切な歯磨き指導に

口腔ケアの指導方法を教えてください。

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科5

【歯科・晴彦先生】今お使いの歯ブラシを持って来ていただき、患者さんに合っているかどうかを確認します。歯ブラシを見ると、力の入り具合などその人の癖が見えるんですよ。それを踏まえて、患者さん一人ひとりに合ったアドバイスを行っています。歯ブラシは、磨きすぎてもダメ、磨かなくてもダメ。正しい圧力で正しい動かし方をし、取れないところはデンタルフロスや歯間ブラシを使うといいですね。何にせよ、“自分に合うもの”を使うことが大切なんです。歯周病は口腔ケアの繰り返し。歯科医師ができるのは自分では取れない歯石を除去することだけで、普段のケアは患者さんしかできないことなんです。きちんと説明し、生涯自分の歯で噛んでいけるよう、一緒に頑張っていきましょう、というのが僕の基本的な考え方ですね。

インプラントについてはどのように考えていらっしゃいますか?

【歯科・晴彦先生】インプラントは、歯周病を管理できないならやらないほうが良いと思います。人工関節やチタンプレートにあるチタンは、ひとたび手術で体内に密閉されてしまえば細菌感染しません。しかし、現在インプラントに採用されているのも同じチタンですが、口の中は露出しているため、歯周病に弱いのです。急性炎症が起これば、骨まで炎症が広がってしまうこともあります。やはり自分の歯に勝るものはないですし、インプラントに期待しすぎずしっかり考えていただきたいと思います。

晴彦先生が歯科診療についてこだわっていることがあれば教えてください。

【歯科・晴彦先生】何事も人任せはダメだと思うんです。お子さんを押さえつけて治療するより、時間はかかっても自分から磨かなくちゃと思ってもらうことのほうが大切。僕の基本は押さえつけないこと。歯科医師は健康になる手助けをしているだけですから、患者さん自身で気づいてもらわなくては意味がありません。一番困るのは、すべてこちらに任せて良いようにしてくださいと言われることですね。治療には自費になることもありますから、得られるメリットとデメリットを伝え、患者さん自身に納得してもらうことが大切です。とにかくよく訴えを聞き、何を困っているかを十分聞き取るようにしています。

お二人の今後の展望についてお聞かせください。

鳥居良彦理事長、鳥居晴彦院長 鳥居歯科眼科6

【眼科・良彦先生】眼科は、糖尿病などの合併症を持つ患者さんが多く、それなのに内科治療も眼科治療も途中で止めてしまうケースも目立ちます。患者さんご自身が症状を把握し、病気について理解してもらうことで、治療を続けていかなくちゃと思ってもらうことが大事だと思います。治療を中断してしまう患者さんが少しでも減るように、患者さんの意欲向上に貢献したいです。
【歯科・晴彦先生】心筋梗塞や糖尿病になりやすいかどうかは、歯周病が深く関連しています。正しい歯磨きを指導し、歯周病にかからないことが一番良いですね。僕の最終目標は、メンテナンスだけで終えられる患者さんを増やしていくことです。かかりつけ医として、患者さんの健康維持の手助けをしていきたいと思います。

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