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佐藤 禎 先生の独自取材記事

佐藤是医院

(名古屋市中川区/中島駅)

最終更新日:2019/08/28

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中川区で古くから地域の人の信頼を集めてきた「佐藤是(さとうよし)医院」。初代開業から一世紀の時が過ぎた今でも、患者を家族のように思い、医療に貢献する医師の気持ちは変わらない。やがて4代目となる佐藤禎(さとう・ただし)先生は「時間をかけて患者さまと向き合って、小さな相談も聞かせてもらい、少しでも楽に生活ができるように手助けしていきたい」と話す。相手の目を見つめて、優しくうなずきながら話を聞くその姿勢に、安心感を抱く患者もきっと少なくないだろう。佐藤先生の妻である佐々木ひと美先生が、週に1度の泌尿器科を担当。腎臓移植、小児泌尿器科、女性泌尿器疾患を専門とする女性医師だ。佐藤先生の患者に寄り添う優しい思いと、患者への向き合い方など詳しく聞いた。(取材日2017年12月1日)

明治の開業から受け継がれる地域医療への想い

開業から115年という長い歴史を持つ医院ですね。

初代院長、佐藤浅次郎が日露戦争終戦後、地域医療を志して、1906年に開院したのが始まりです。当時は、ここから少し離れた蜆橋の辺りに医院がありましたが、3代目院長である私の父の時代に今の医院を建てました。当時は救急施設も少ない時代でしたから、毎日のように救急患者が運び込まれ、父たちが寝食を惜しんで医療にあたっている姿を、幼い頃から目の当たりにしてきました。以前は22床の入院設備がありましたが、現在では個室の点滴室として活用しています。やがて私が院長を継ぐことになりますが、私で4代目となる長い歴史を持つ医院です。

先生が医師の道を選ばれたのは、家族の影響が大きいですか?

祖父や父が医師として活躍する姿を見てきましたから、私も医師にならない理由はないと思えるほど必然に医師の道を選びました。医学部卒業後には藤田保健衛生大学病院に勤務し、一般外科、消化器外科を専門として学びました。その当時は一般外科と消化器外科で、ほぼ大半の患者さまを診察できるような時代でしたから、内科診療から、ケガや救急患者にも対応してきました。これは、医療についてあらゆる知識と技術を学ぶよい機会でしたね。現在のように、地域の方のさまざまな症状や相談に対応して診療を行っていくためにも、私にとってこの経験は最善の道だったと思います。

医院の診療はどのような担当で進められていますか?

診療は私が主に担当することが多くなっていますが、院長と副院長も週に2日、診察を行っています。患者さまとの長年のお付き合いの中で、院長や副院長に診察してもらいたいという方もいらっしゃり、頼りにされているという気持ちが医師としてのやりがいにつながっているのではないかと思います。また、毎週金曜の午後診療には、私の妻である佐々木ひと美医師が担当する泌尿器科の診療時間も設けています。女性の泌尿器科医師は、全国でもかなり少ないため遠方から来てくださる患者さまも多くいらっしゃいますね。

女性の尿トラブルを気軽に相談できる女性医師

泌尿器科を担当している佐々木ひと美先生について教えてください。

妻と私は、藤田保健衛生大学医学部で出席番号が2つ違いの同級生だったんです(笑)。現在は大学病院の腎臓泌尿器外科で教授を務る傍ら、金曜午後に当院で診療にあたっています。医学部を卒業する際に、当時の教授から「女性医師が少ない泌尿器科を専門としてはどうだろうか」という勧めが彼女にありました。当時の泌尿器科は他の診療科目に比べると新しい分野で断然男性医師が多く、また疾患についても伝染病を診察するというイメージがあった時代ですから、女性が専門とすることは珍しかったと思います。今では女性の泌尿器科医師も増えつつありますから、彼女はまさに泌尿器科の女性医師のパイオニア的存在とも言えるのではないでしょうか。

こちらで泌尿器科の診療を行うに至った経緯について教えてください。

大学病院など大きな病院の泌尿器科ですと受診するのをためらう患者さまがいらっしゃいますよね。小さな悩み、例えば頻尿や尿失禁の相談は、大学病院で長い待ち時間を使って受診するほどのことでもないと思い、我慢する女性も多いのではないでしょうか。しかし当院のような身近な町の診療所で、毎日ではないにせよ、毎週金曜の午後に診療していれば、家事を済ませた主婦や仕事帰りの女性に、「ちょっと相談に行ってみようかな」という気軽さを感じていただけると思うのです。トイレが近いから旅行に行けない、夜もゆっくり眠れないなどの悩みでも、泌尿器科に相談すれば解決することも多いです。治療することで生活が楽になるのですから、我慢せずに相談に来てほしいと思います。

女性の泌尿器科医師という点も、女性の患者にとっては安心材料となっているのでは?

女性の中には、恥ずかしくて泌尿器科には行けないと思っている方も多いと思います。それは、男性医師には話しづらい症状であったり、診察の際には問診以外の診療もあるのではないかという不安があるからです。また、女性の体のことは男性では理解してもらいにくいという気持ちもあるかもしれませんね。私が診察する患者さまに対しても、困っていることはないかと声をかけていますが、時には頻尿で旅行に行きたくても行けないと言われる女性がいると、「金曜の午後においでよ、女の先生だし気軽に相談に乗ってくれるよ」とお伝えしています。そんな悩みで医師に相談してもいいんだと喜ばれる方も多いですね。

診療方針は「患者と濃い関わりを持つこと」

先生が患者さまと接するときに大切に考えていることを教えてください。

患者さまの家族のような気持ちになることですね。どうやって親しくなるかということをよく考えます。高齢の患者さまが多いので、主訴以外でもさまざまな悩みを持っていることが多いですから、それを聞き出すことが大切だと思います。以前、高血圧で受診されている方との世間話の中で、手が震えてしまい字が書きにくくて困るという話を聞いたことがありました。患者さんが医者に相談して治ることじゃないと思っていても、実際は医師が治せることもたくさんあるんです。この患者さまには血圧の薬を工夫して処方したところ、手の震えが減り、次に来院した時にたいへん喜んでおられました。些細なことと思われるような症状でも、それを知ることで治療の近道にもつながることがありますから、診察時には「何か困ってることはない? 言い忘れたことはない?」としつこいほど聞きますね。

困っていることはないかと何度も聞く理由は、ほかにもありますか?

やはり、患者さまの笑顔が見たいからですね。次に来院されたとき、この前話したことが良くなったよと笑顔で話してくださることはうれしいですから。「患者さまからのありがとうの言葉は、医師にとって最大のモチベーションだ」と妻とよく話しています。ただ、病気を治すのは医師ではなく患者さま本人であるということは、忘れてはいけないと思っています。患者さまに自分の状態を話してもらい、認識してもらう。そして、治療に対して前向きになれるようなお手伝いをすることが医師の役割だと思います。

先生が医療について新しい知識を得るのは、どんな機会からですか?

セミナーや勉強会に参加することもありますが、今はインターネットを利用して、動画で講演会を見ることができるので、時間を見つけて勉強していますね。また、新しい薬がどんどん開発されているので、医薬品に精通している方に、できる限り話を聞くように心がけています。新しい薬について質問したりして知識を増やすことで、治療に役立てることができますからね。今後も、知識のアップデートをおろそかにせず学び続けていきたいと思います。

長い歴史を持つ医院の、これからについての展望をお聞かせください。

患者さまから、しっかりと話を聞いて、小さな悩みも解決できるように工夫し、生活を少しでも楽にできるような手助けをこれからも続けていきたいですね。町の医者としてできる最善のことをしていくという、今の現状を続けていきたいと思います。地域の方から求められる医師としての自分の役割を全うし、地域の方とつながっていきたいと思っています。それには、時間をかけてしっかりと患者さまと向き合っていくことが大切です。100年以上続く佐藤是医院の伝統をつないでいけるということは、患者さまからの信頼を受け継いでいるからこそなのだと感じながら、地域診療を続けていきたいと思います。

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