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稲垣 公太 院長の独自取材記事

トナリノ内科・外科クリニック

(名古屋市中川区/荒子駅)

最終更新日:2025/04/10

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック main

あおなみ線荒子駅から徒歩15分。昔ながらの住宅街に立ち、50年以上の歴史を有する「浅野クリニック」は、2025年1月、「トナリノ内科・外科クリニック」として新たな一歩を踏み出した。稲垣公太院長は外科医として長年研鑽を積み、研修医時代を過ごしたこのエリアに戻って承継開業した。「地域医療の窓口としてどんな症状でも断らないことに加えて、近隣にない肛門科の治療も充実させたい」と力を込める。地域に信頼されるオールラウンドな診療と、専門性を生かした手術や検査の両立をめざす稲垣院長に、クリニックの展望について聞いた。

(取材日2025年3月11日)

ゆかりのあるエリアで、歴史ある医院を承継

医師をめざしたきっかけを教えてください。

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック1

医師をめざしていた兄の背中を追って、自分も医学の道を志しました。三重大学医学部を卒業後、名古屋医療センター、名古屋大学付属病院をはじめとする総合病院を中心に、さらに名古屋市内のクリニックでも研鑽を積みました。13年前に研修医として働いたのは名古屋掖済会病院で、実は今回開業した当院の近隣で暮らしていたこともあるんですよ。開業するにあたって、懐かしさやご縁を感じたことも後押しになり、ここに決めました。研修医時代はそれほど感じませんでしたが、実際に開業してみると近隣に暮らしている高齢者の方の多さを感じています。まずは地元で暮らしている方の支えになること、さらに遠方からも患者さんが来ていただけるように、一歩ずつやっていきたいですね。

東海各地で勤務医として経験を積まれたのですね。

私は消化器外科を専門とし、さまざまな手術を行ってきたのですが、中津川市民病院にいたときは、岐阜の奥地で近隣の病院もドクターも少なかったので、宿直などで専門を超えた診療をしなければいけない場面もありました。もちろんその後、担当の科へつなぐような体制はとられていましたが、最初の窓口として専門以外の症状を診る機会も多く、非常に緊張感を持って取り組んでいたことを思い出します。開業した今、この経験は生かされていると感じますね。まずはどんな症状であっても、患者さんに正面から向き合い、自分にできる治療や処置があれば即対応する。さらに必要に応じて適切な医療機関へ紹介する。この姿勢がつくられたと感じます。

開業の経緯を教えてください。

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック2

外科医として働き始めた頃は開業を考えていなかったのですが、家庭の状況の変化などでライフプランや働き方を見直し、開業医として地域に貢献するのも良いのではないかと思いました。その中で、なじみのあったエリアで承継のお話をいただいたのも、ご縁を感じましたね。ここで50年以上開業されていた浅野先生ともお話しし、そのカリスマ性や地域の皆さんからの深い信頼を感じることができました。先生が外科出身というのも親しみを感じたポイントです。浅野先生は90代になられていますが、今でも時折様子を見に来てくださっていて、ありがたい限りです。浅野先生の域まで達するには時間がかかりそうですが、患者さんがなんでも話せるようなクリニックにしていきたいですね。

身近な疾患である痔、治療や手術を提供したい

近隣では少ない肛門科診療に力を入れられていますね。

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック3

痔の悩みがある方は、年齢を問わずたくさんいらっしゃるんですが、治療を受けていない方も多いですよね。なんとなく恥ずかしくて病院に行かない場合と、そもそも肛門科のクリニックが少ないという2つの問題があるからです。痛みを抑えるために市販薬を使って、だましだまし暮らしている人も多いのだと思います。痔の治療としては外用薬の他に、痔の部分を縮小するための注射や、痔を切除する手術などがあります。しかし、この手術を行う場所が非常に限られているのです。例えば総合病院ではさまざまな外科的手術をしていますが、痔の外科的治療を積極的に行っている施設は決して多くはありません。ですので患者に対しての受け皿が少ない状況が続いているのが現状です。

痔の治療では、手術が必要なのですか。

出血が続いていたり、痔が外に出てしまっていたり、長く続く症状をスッキリと治療したい場合には、手術という選択肢は非常に有用だと思っています。痔は長期間にわたって繰り返しがちですから、根本的な治療をしたいと考える方もいらっしゃると思います。痔の手術を専門とした施設へも勉強にいかせていただき、痔に対する外科的治療のしきいの低さを学びました。一般病院では外科的治療は不要といわれがちな状態でも、患者さん本人にとっては苦痛である場合もあり、手術を考慮すべきと考えました。当院は、そうした患者さんの手助けになるような治療、手術ができるクリニックです。身近でQOLを下げる疾患ですから、ぜひお悩みの方により良い治療の選択肢を提供したいですね。

内視鏡検査も受けられるんですね。

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック4

地域を支えるクリニックとして、どんな症状の方もまずは受け入れる窓口になりたいと思っていますが、消化器外科としての専門性を発揮できる場面もあると思っています。特に内視鏡などの検査では、小さな病変も見落とさずに早期治療につなげていきたいです。せっかく検査を受けたのに見落としがあり、発見が遅れたなどということはあってはなりません。数多くの症例、がんを見てきていますから、自信を持って検査にあたりたいですね。ちなみに当院では経鼻内視鏡を導入しており、麻酔を使用した鎮静下での検査も可能です。また、私は麻酔科標榜医でもあり、薬剤にはこだわっています。体への負担は少なく、見落としのない精密な内視鏡検査の提供に努めていきます。

患者にとって必要な医療をすべてやり切りたい

医師としてのモットーはありますか。

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック5

患者さんに必要な処置、治療はすべてやり尽くしたいと思っています。治療を決めるのは患者さん自身ですが、医学的な知識がない中で必要な治療を判断するというのは非常に難しいことです。だからこそ、私が責任を持って必要な治療を進めていきたいと思っています。一方で、必ずしも必要としない治療もあります。症状や疾患を見るだけでなく、患者さんの全身の状態、年齢、体力、生活や経済的なことなど、総合的に判断して、治療せずに見守る、あるいは緩和医療も治療の選択肢の一つと考えます。積極的な治療が常に第一の選択肢になるわけではないと、長年の外科経験を経て思います。患者さんの生活や人生が良い形になるように手助けするということを忘れず、いつでも患者さんのためになることをしっかりと選んでいきたいです。

診療方針も教えてください。

まずは地域の窓口として、どんな症状でも受け入れることを大切にしたいですね。「ちょっとわからないから他へ行ってください」とは言わずに、私の専門外であったとしてもその先の最適な医療につなげることができるよう、手を尽くします。できる限り患者さんお顔を見ながらお話を聞き、実際にお体に触れ診察させていただくことで得られる情報も必要であり、また患者さんの安心感にもつながると考えています。近年ではインターネットを使って調べて、クリニックを探す患者さんも少なくありませんから、そうした患者さんの需要にもしっかりと応えられると良いなと思っています。

歴史を受け継いで、これからのクリニックが楽しみですね。

稲垣公太院長 トナリノ内科・外科クリニック6

受け継いだクリニックは外装以外、大きく手を入れていません。レトロな雰囲気もありますが、昔からの患者さんも違和感なく通っていただけると思います。一方で乳腺治療に対応したエコー診断装置などの設備は新たに入れ替え、肛門手術用の機材も充実させております。古きを受け継ぎ、新しいものを加えながら、地域で長く頼られるクリニックにしていこうと思っています。患者さんに合わせて親しみのある隣の医院という意味合いを込めて、「トナリノ内科・外科クリニック」と名づけているので、まずはとにかくご近所の患者さんにまっすぐに向き合っていこうと思います。

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