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熊澤 和彦 院長の独自取材記事

熊沢医院

(名古屋市熱田区/神宮西駅)

最終更新日:2019/08/28

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神宮西駅から徒歩3分。伏見通りに面した4階建てのビルが「熊沢医院」だ。大通りを挟んで正面には熱田神宮があり、緑豊かな環境が気持ちを落ち着かせてくれる。院長の熊澤和彦先生は、祖父が開業した医院を引き継いだ3代目。神経内科を専門とし、消化器内科や総合内科専門医の資格も持ち、患者の幅広い症状に対応している。高齢化に伴い、通院が困難になった患者の在宅医療や慢性頭痛の治療、認知症の早期発見、禁煙治療などにも取り組んでおり、地域包括支援センターでは相談役を務めるなど近隣住民の健康を支える熊沢院長。患者の話に真摯に耳を傾けることを信条とし、生活面での不安などにもさまざまなアドバイスを送る。患者の気持ちに寄り添う診療方針や地域医療への思いなどを話してもらった。
(取材日2016年7月14日)

幅広い症状に対応する地域のホームドクター

まずは医院の歴史を教えてください。

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1933年に祖父がこの地で開業しました。それから80年以上、祖父から父、そして私が引き継いでずっとこの場所で診療を行っています。父の代までは、内科・小児科の看板を掲げ、専門に特化せずに町のお医者さんとして、さまざまな症状を診てきました。私が院長に就任してから神経内科も標榜するようになりました。当初は、心療内科や精神科と混同する方が多く、心の悩みを相談に来られる患者さんもいましたね。そのままお帰りいただくわけにもいきませんから、診察して専門医を紹介したりしていました。神経内科は精神的な疾患ではなく、脳や神経などの病変を取り扱います。「頭痛」「もの忘れ」など、わかりやすい名前の窓口を作ったところ、患者さんの理解も深まったように思います。

どのような患者さんが来院されますか?

昨今の少子高齢化に伴い、やはりご年配の方が多いですね。症状も内科全般から日常生活での悩みまで、非常に幅広いです。例えば、疲れやすい、口が渇く、手足が冷たい、しびれるといった内容です。地域のホームドクターをめざしていますから、ありとあらゆる症状に対応できるようにしています。最近では、近隣にマンション建設が進み、この地域は子どもたちが少し増えたように感じます。父の代から近くの小学校の学校医を務めていますし、小児科も標榜していますので、子どもたちを診る機会もありますよ。内科ですから、生活習慣病である高血圧や糖尿病などで通院されている方も多く、薬の処方が主な治療となりますが、食事指導や運動を勧めることで、薬だけに頼ることがないように話をしています。

介護に関する相談も受けているそうですね。

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当院は、午前の診療が正午まで、午後は18時からとなっています。その間のお昼の時間を利用して、通院が困難になった患者さんで在宅医療のご希望の方のところへ往診に出向いたり、地域包括支援センターでの相談役などを務めています。在宅医療は、患者さんご本人だけでなく、ご家族が苦労されている場合もあります。今問題となっている老老介護など、自宅での様子を直接見ることでいろいろなアドバイスをすることもできます。介護保険の申請や入居施設の紹介、ショートステイなどのサービス利用についてなどの段取りを行うケアマネジャーさんと連携し、患者さんとそのご家族にとって最良の方法が見つかるように、橋渡し役のような存在でありたいと考えています。

代々医師の家系で育ち、自然とめざした医学の道

医師を志した理由をお聞かせください。

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祖父も父も医師でしたから、幼い頃から診療している姿を見て育ちました。何かのきっかけでというよりは、必然的にと言ったほうがしっくりきます。そして医学部時代に、神経内科の講義を担当していた先生が理路整然と脳の仕組みなどを解説してくださり、興味を持ちました。卒業後は、さまざまな診療科目を経験したいと考え、名古屋掖済会病院で2年間研修医として過ごしました。それから国立静岡病院神経内科に勤め、愛知医科大学病院で内分泌内科や消化器内科を受け持ちで診療し、いろいろなことを勉強させてもらいました。一般内科の患者さんを診察する機会もありましたので、この時期に消化器病専門医、総合内科専門医の資格も取得しました。

診療の際に心がけていることは何ですか?

診察は限られた時間ではありますが、なるべく患者さんの話をしっかりと聞くようにしています。少しでも患者さんの不安が和らぐように、悩み事はもちろん、世間話からどのような日常生活を過ごしているかまで、把握するよう努めています。自宅とは違い、病院に来ると無理に元気に振舞おうとする方もいますから、診察室での様子だけでなく、さまざまな話をすることで病気を見極めることが大切だと考えています。総合病院で検査を受けたが、詳しい説明をされなかったという不安を抱えて来院される患者さんもいます。私も勤務医の経験がありますから、一日に数えきれないほどの患者さんを診察しているとなかなか検査結果を十分に説明できない事情も理解できます。開業医として、その部分の役割を担えるように、患者さんが納得できる説明をするようにしています。

認知症の早期発見にも尽力されていますね。

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「もの忘れ」の窓口を作って、診療を行っています。認知症の場合、診察の際に話をしただけではわからない部分も大きいので、ご家族などが当院を受診された際に、最近の様子などを伺うようにしています。気になることはさまざまな角度から検証する必要がありますからね。認知症はある日突然発症するのではなく、日々の生活を送る中で少しずつ進行し、気がついたときには病状がかなり進んでしまっていることもあります。残念ながら現在の医学では、ある程度病状を遅らせる治療しかなく、元の状態に戻すことはできません。だからこそ、なるべく早い段階で診断できるように、注意深く経過を見守る必要があります。

「病は気から」、心配事や不安は早めに相談してほしい

禁煙治療も行っていますね。

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保険診療が適用となった当初から取り組んでいます。禁煙したいと考えていても、なかなか踏み出せないでいる方も多いので、喫煙習慣のある患者さんには、タバコの害について機会をみてお話するようにしています。無理に禁煙を勧めるのではなく、患者さん本人の「やってみよう」という気持ちが大切です。すぐに成果が見られる方もいますが、うまくいかない方もいます。禁煙に成功しても何かのきっかけでまた喫煙してしまうケースもあります。しかし、また受診されて喫煙してしまった事実を話してくださるのは、禁煙したいという気持ちの表れでもありますから、「失敗しても大丈夫」と声をかけるようにしています。まずは気楽に取り組んでもらい、私は医師としてその結果を常に受け止めるようにしています。どんな治療でも、こちらが一方的に進めるのではなく、患者さん本人が意欲的に取り組むことが大事ですから。

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

やはり患者さんに「ありがとう」と感謝されたときでしょうか。長年当院に通っていた患者さんが突然来院されなくなると、どうしたのかとても気になりますよね。私の診察や対応に何か嫌悪感を抱いたのではなどと考えてしまいますが、しばらくするとまた来院されて事情があって通院できなかったというお話を聞くと、私自身も安心し、また当院を頼りにしてくださっていることを改めて感じてうれしく思いますね。地域とのつながりを大切にし、またそれを継続しながら、これまでどおりに患者さんと向き合い、気持ちに寄り添った診療を続けていきたいと思っています。父の代から勤務している頼りになるスタッフもいますので、医院全体で患者さんの生活をサポートしていきたいと考えています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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情報があふれている時代ですから、体調の変化や不安を自己判断で済ませてしまわないようにしてほしいと思います。取り返しがつかないことになる前に、気になることや困ったことがあれば、ぜひ一度相談してほしいですね。「病は気から」という言葉があります。気の持ちようによって、病気は良くも悪くもなるという意味ですが、心配事が増えると本当に病気になってしまうこともあるんですよ。重篤な疾患なのではないかと一人で抱え込まずに、また思い込まずに、まずは専門医の診断を受けるようにしてください。何もなければ安心して普段通りの生活を送れますし、何か病変が見つかったとしても早期発見できれば治療の選択肢も広がるはずです。まずは医師の診察を受ける勇気を持ってもらいたいですね。

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