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千原 太 院長の独自取材記事

千原皮ふ科クリニック

(名古屋市熱田区/金山駅)

最終更新日:2021/10/12

千原太院長 千原皮ふ科クリニック main

金山駅から徒歩6分。新尾頭交差点から1本路地に入ったところに「千原皮ふ科クリニック」はある。皮膚科を中心に、形成外科、アレルギー科の診療もしてくれる同院。千原太院長はもともと脳神経外科の医師という異色の経歴をもち、その経験から得た全身を管理する知識と技術から、診療科目以外でも全身についてアドバイスをしてくれる。診療スタイルも独特で、雑談しながら患者の異変をチェック。重篤な病気が疑われる場合には、すぐに専門の病院を紹介してもらえる。「信頼には信頼を、礼には礼を尽くす、気持ちで接する」ことを大切にしている千原院長に話を聞いた。

(取材日2016年12月6日)

ありふれた病気をきちんと治すのがモットー

クリニックの紹介をお願いします。

千原太院長 千原皮ふ科クリニック1

当院は1995年に金山総合駅南口のビルに開院し、2015年に元の場所から徒歩6分の現在の場所に移転し、6台分の駐車スペースが確保できたので、車で通院していただけるようになりました。移転するにあたり、暑くなく、寒くなく、快適に過ごしていただけるよう空調にもこだわりました。院内はバリアフリー設計にし、車いすでも自由に動くことができます。細かいところでは、患者さんにはなるべく動かず診察を受けていただきたいと思い、スムーズに動けるよう設計から自分で考えました。そのため、以前よりも効率よく仕事ができるようになりましたね。院内薬局があるので、たとえば痒み止めと保湿成分を患者さんの状態に合わせて調合してオーダーメイドの薬を作ることを基本にしています。

どんな患者さんが来院しますか。

皮膚科の患者さんが多いですね。年齢層は、お年寄りも来院されますけれど比較的若い女性が多いです。地域住民の方や、金山周辺で働いている他の地域にお住まいの方、通勤途中で金山を通られる方や、静岡や長野、滋賀など遠路わざわざ来られる方もおられます。皮膚科の疾患としてはアトピー性皮膚炎、ニキビ、じんましんなどの肌トラブルの方が多いです。当院は保険診療の枠内での治療を基本にしています。自費診療で使用するレーザー機器なども導入していますが、あくまで皮膚疾患を治すのが医師だという職業上のプライドがありますので、どうしても必要な方に限り使用しています。美容目的のみの患者さんは基本的にお受けしていません。

診療の特徴を教えてください。

千原太院長 千原皮ふ科クリニック2

当院の役割は地域医療で、かかりつけ医に近い形だと思っています。皮膚疾患の診療を基本にし、付随する他の疾患も私のできる範囲で治療にあたりますが、当院では何でもないありふれた皮膚疾患をきちんと治療することを一番大切にしています。たとえばニキビなどもそういった病気の一つですが、患者さんにとっては深刻です。私はそういう、ありふれているけれど患者さんにとってはすぐにでも治したい病気に興味があるのです。もっと精査が必要な症状や、より高度な治療が必要だと判断した場合には、適切な提携病院を紹介しています。提携病院は名古屋大学医学部附属病院、藤田保健衛生大学坂文種報德會病院、名古屋市立大学病院、国立病院機構名古屋医療センター、名古屋掖済会病院などたくさんあります。患者さんの悩みをお聴きして、これは何科、これは精査が必要と、判断して専門の病院に橋渡しするのも町医者の大切な役割だと思っています。

雑談から隠れた病気を見抜き、専門病院を紹介

もともと脳神経外科がご専門だと聞きました。

千原太院長 千原皮ふ科クリニック3

名古屋大学医学部を卒業後、現・豊田厚生病院の脳神経外科に勤務しました。尊敬できる先生や先輩に恵まれ、忙しくも充実した日々でしたが、家庭の事情もあって皮膚科に転向しました。この脳神経外科時代の経験が今でもとても役立っていると感じます。重篤な患者さんをたくさん診てきましたから、どんな処置でも冷静に対応できますし、薬の副作用について論理的に考えられるのも脳神経外科時代の尊敬できる先輩諸先生の影響をとても強く受けました。当時の加茂病院には神経内科がなかったので、脳神経外科医が脳外科と神経内科の両方の治療にあたっていましたし、当然全身管理もしていましたので幅広い経験と知識が得られました。この経験から、トータルに全身を診ることができるのです。

良き先輩医師に恵まれたということですが。

脳神経外科で勤務医をしていた頃は、当直が多く、手術も大変で家に帰れないこともよくありました。とてもしんどかったのですが、その頃に学んだことは多いです。当時の脳神経外科の部長は仕事にとても厳しい先生でした。脳外科の最先端の米国の月刊英文雑誌の抄読会が毎週行われましたし、薬の副作用が疑われる時、その都度、分厚い薬の専門書をめくってきちんと調べるんです。そうした影響を受け今でも私は、その本を改訂版が出るごとに購入しています。当時の脳神経外科の部長も先輩もとても外来の上手な人気のある先生だったんですが、どうしてだろうと自分なりに分析しました。どちらの先生もコミュニケーションをとても重視していて、特にお年寄りとの雑談の中から必要な情報を拾い出していたんです。良き先輩医師の診察から、医師としての基本姿勢を学びました。

診療で大切にしていることは何ですか?

千原太院長 千原皮ふ科クリニック4

どんな治療でも手を抜かず最善を尽くすことと、患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。患者さんとは雑談もたくさんしますよ。まじめな話ばかりしていたら、患者さんは飽きます。でも雑談だと患者さんの緊張が解けて本音が出ますから、その中から必要な情報をピックアップし「あれ、おかしいぞ」と気が付くわけです。つい先日も患者さんの話を伺っていて、脳疾患が疑われたので国立病院機構名古屋医療センターに紹介したら、早速脳MRIを撮って対応していただけました。こういうことが結構あるんです。患者さん本人も気が付かない病気を見つけてさしあげるためにも、何でもない雑談をとても大切にしています。何より、私がいろんな方とお話するのが好きなんです。

不確かな情報に惑わされず医師の知識と経験を信頼して

医師を志したきっかけと、休日の過ごし方を教えてください。

千原太院長 千原皮ふ科クリニック5

自分で言うのもおかしいんですが、子どもの頃から私は何事も早く片付けたい、テキパキやらないと気が済まないタイプなんです。でも、人によって仕事のスピードは違いますから、会社の歯車の一つとして働く仕事はつとまらないと思っていたんです。それで高校時代には、医師か弁護士になろうと思っていました。家族とも相談し、結局医師と決めたのは、自分に理系の才能しかないからです。古文・漢文の授業が大嫌いだったので、文系の仕事である弁護士は難しいと思ったのです。休日は30年以上続けている趣味のゴルフに出かけることが多いですね。高校時代の友人、大学の同級生、勤務医時代の先輩や後輩、皮膚科の医師仲間などと2週間に1度は打ちに出かけます。

印象に残る患者さんのエピソードは?

先ほどお話しした厚生連加茂病院脳神経外科に勤務していたときの患者さんで、その後に勤めた岐阜県立多治見病院の皮膚科にも来てくださって、さらに名古屋で開業したこちらのクリニックにも来てくださっているという方がおられます。私は自分のペースで雑談しながら診察しているだけなんですが、それだけ信頼してくださっているのかと思うと本当にうれしいですね。信頼には信頼でお返ししたいし、礼には礼をもってお返ししたい。来て良かったと思っていただけるような治療をしたいと思いますね。ここ金山地域は私の生まれ育った地元です。今でこそ開発が進んでいますが、もともとは下町でした。下町育ちの私も本音で付き合える下町人情を大切にしています。医療の場でも人情を大切にしていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

千原太院長 千原皮ふ科クリニック6

当院はありふれた病気をきちんと治療するのが専門だと思っています。また、それが町医者の仕事だと思っています。まず、初めにご相談いただくのが地域のクリニックの役目ですので、これは当院で治療できます、これは専門の病院を紹介しますと振り分けますので、少しでも普段と違うなと感じたら気軽に受診していただきたいですね。私は、信頼していただければより力を発揮しようとがんばります。最近ネット情報だけで自己診断をし、処方薬まで指定してくる方がみえます。あまりインターネットや雑誌などの不確かな医療情報に惑わされないで、医師の知識と経験を信頼していただきたいと思っています。また、未だにステロイド恐怖症の方が大勢います。これは大きな社会問題です。当院に限らず、専門家である担当医のアドバイスに耳を傾ける姿勢が重要です。

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