児島 康浩 院長の独自取材記事
こじま内科小児科クリニック
(名古屋市瑞穂区/桜山駅)
最終更新日:2026/09/09
桜山駅から徒歩5分、ファミリー層の多い住宅街に立つ「こじま内科小児科クリニック」。ピンク色のかわいらしい建物が目を引く。児島康浩院長は日本大学医学部を卒業後、地元の愛知県の大学病院などに勤務し、呼吸器疾患を専門に診療を重ねた。「時間の許す限り、患者さんの訴えをよく聞くこと」をモットーとし、丁寧な問診から得た情報をもとに適切な診断につなげていく。小児科の診療では、子どもの「怖い」に配慮し、「医療機関が嫌いにならないように、できる限り優しく接すること」をスタッフとともに徹底。「お子さんが私に会いに来たいって言ってくれることもあるんですよ」とほほ笑む自然体で優しい雰囲気の児島院長に、患者の負担が少ない検査や診療への思いなどを聞いた。
(取材日2026年6月24日)
呼吸器疾患の診療経験を生かして開業
まずは桜山に開業された理由からお伺いします。

桜山が地元なんです。当院の裏に3階建ての建物がありますが、父が以前、そこでクリニックを運営していました。当時は自宅を兼ねていて、私が生まれたのも自宅。助産師さんに手伝ってもらって産声を上げました。私が小さな頃は桜山は栄えていて、路面電車が走り、市場もありました。近くの滝子町にはなんと映画館が2つもあったんですよ。最近は住宅地の趣が強くなってきましたね。お年寄りが減り、マンションがたくさん建った分、若い人が増えてきました。小さな子どものいるファミリー層が目立ちます。
医師をめざしたのは、ご両親の影響でしょうか。
結果的にはそうですね。実は子どもの頃は医師になりたいとは思っていなかったんです、長男でもないですし。「医者の子ども」と言われるのも何だか嫌な感じがしたものです。直接のきっかけは、大学受験が迫った時に両親から「医者にならないか」と勧められたことです。いろいろと考えましたが、自分にとって一番身近な職業はやはり医師だったので、医学部を受験し、日本大学医学部に進学しました。実際に医師になってみると、患者さんに喜ばれ、感謝されることがうれしくて、いい仕事だなと感じています。
呼吸器疾患を専門にされてきたそうですね。

大学卒業後は地元に戻り、名古屋市立大学病院を皮切りに県内の病院に勤めました。病院で主に診ていたのは呼吸器の疾患。肺炎や結核、肺がんなどに詳しくなり、呼吸器感染症に関する診断や治療など、現在の診療にも生きています。診断しづらい病気をうまく発見できたケースでは、勤務医時代に診たエコノミークラス症候群が挙げられます。これは長時間同じ姿勢を取っていることで静脈の流れが悪くなり、脚に血栓ができ、それが肺の血管に詰まる病気です。胸のエックス線を撮ってもあまり問題ないので診断がしづらく、患者さんへの問診や検査結果などから病気の特定につなげられた時はうれしかったですね。放置しておくと命に危険が及びますし、適切に診断して早期治療をめざすという医師の使命を果たせた実感もありました。当院でも専門性を生かし、睡眠時無呼吸症候群の診断や、呼気NO測定を用いた喘息の診断と治療管理も行っています。
体への負担が少なく、かつ精密な検査を導入
新しく導入された検査についてお聞かせください。

多項目PCR検査装置を導入しました。鼻の奥に綿棒を入れて検体を取り、機械で判定させるだけで、1度に14種類の細菌やウイルスをしっかりと検査できます。主に、インフルエンザや風邪の症状が長引いたときなどに用います。原因がわかると早期治療につながり、重症化を防げますからね。例えば、マイコプラズマ肺炎や、乳幼児の感染症に多いヒトメタニューモウイルスなどの発見が期待できます。ただし保険診療の対象は、5歳未満の乳幼児と65歳以上の高齢者、特別な基礎疾患のある人と限定されています。それから、スギ花粉とダニのアレルギー性鼻炎を対象に舌下免疫療法も始めました。アレルギーの原因物質を含んだ薬を舌の下に毎日投与し、徐々に原因物質への免疫を高めて体質を改善することを目的としています。
子どもの負担にも配慮されて検査の工夫をされていますよね。
アレルギーの検査は指先からの少量の採血で可能です。41項目のアレルギー反応を調べることができ、30分ほどで結果が出るのが特徴です。これまでは腕から採血していましたので、お子さんや注射が苦手な方には負担が大きかったと思います。指先から採血をする検査は乳児も受けられますので、アレルギーが心配な方は気軽にご相談いただきたいですね。ほかには、点鼻型のインフルエンザワクチンも用意しています。注射の必要はなく、ワクチンを鼻の中に噴射します。2歳から18歳が対象です。これまでにお子さんへのワクチン接種の注射で苦労された親御さんも多いと思います。また、子どもの頃に注射で怖い思いをすると、トラウマになる可能性もありますので、お子さんと親御さんの負担軽減につながればと考えています。
小児科にかかる患者さんは多いのでしょうか。

そうですね、内科と小児科の患者さんがちょうど半々くらい。内科の患者さんは風邪や腹痛などの身近な症状を中心に主訴は幅広く、小児科の患者さんはインフルエンザなどの感染症が多いです。小学校の高学年になると病気にかかりにくくなるので、免疫力の弱い幼稚園児ぐらいのお子さんがよく来院されます。小さなお子さんは自分の体のことをうまく話せないことが多いので、頼りになるのはご両親からの情報になります。お父さん、お母さんにはお子さんの状態を細かく把握してもらえると助かりますね。例えばインフルエンザだといつから熱が出たか、咳に痰が絡んでいるか、鼻が詰まるかなど。症状をメモしたものを医師に手渡していただくのも有用ですよ。
患者と目を合わせてしっかり話を聞く
診療する上で大切にしていることを教えてください。

時間の許す限り患者さんの訴えをしっかり聞くことです。内科、小児科では患者さんのお話から病気を絞り込んでいくので問診が大切。糖尿病や高血圧症といった生活習慣病の疑いがあれば、普段食べているものは何か、喫煙などの生活習慣はどうかといったことまで踏み込んで聞いていきます。特に生活習慣病は患者さんが主体的に生活習慣を改善しないと良くなりません。もどかしいこともありますが、治療にあたり怒ったりはしません。じっくりと患者さんに向き合って関係を築き、改善していただければうれしいですね。それから、お子さんに関しては、クリニックや医師のことを嫌いにならないよう、お子さんが怖がらない医療を提供したいと考えています。トラウマになってその後の人生で医療機関を避けることがないようにと考えています。子どもの目線に立って、なるべく優しく接することに尽きると思います。
ウェブ問診と電子カルテを使い始めたとのことですが、どんなメリットがありますか。
予約システムにウェブ問診票を導入したことで、事前に入力いただいた問診内容を診察前に確認できるようになりました。電子カルテには患者さんが話したことを文字に起こしてくれる機能があります。これがただの文字起こしではなく、AI技術が使われているので、ウェブ問診の内容とも連携し、主訴や診察所見などをカルテにまとめてくれるんですよ。私はパソコンの入力が得意ではないので、本当に助かっています。おかげで、患者さんと目を合わせながら会話することができています。ウェブ問診はまだまだカスタマイズできるようなので、これからもっと便利にしていきたいと思っています。使い慣れるとともに、待ち時間の短縮にもつなげていけると思います。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

ウェブ問診と電子カルテとAI入力を活用し、患者さんの希望などお話にしっかり耳を傾け、患者さんのためになるような治療を心がけたいと思います。なるべく待ち時間が少なくなるような治療もめざしていきます。感染症で来院される方も多いので、いろいろと新しい検査方法を取り入れるなどして精度の高い診断を心がけます。できるだけ先端の技術を医療に導入しながら、町のかかりつけ医として身近な悩みに応えていきたいです。

