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水野 晋一 院長の独自取材記事

水野眼科

(名古屋市瑞穂区/新瑞橋駅)

最終更新日:2021/10/12

水野晋一院長 水野眼科 main

新瑞橋駅から徒歩すぐの立地にある「水野眼科」。半世紀以上にわたり、地域住民の目の健康を支えてきた同院で2代目院長を務めるのは、水野晋一先生だ。大阪医科大学を卒業後、名古屋市立大学病院にて勤務し、その後は津島市民病院にて眼科医長を務めた水野院長。2003年に副院長として同院での診療を開始し、2018年に父である初代院長から継承し現職となった。その後建て替えを行ったという院内は、白色を基調としたシンプルな内装で、患者が落ち着いて受診できるように、という水野院長の思いが反映されている。診察では検査画像も使いながら丁寧でわかりやすい説明を心がける。「町の開業医としてベストを尽くしたい」という水野院長に同院の歴史、新しく導入した機器、患者への思いなど話を聞いた。

(取材日2021年8月16日)

OCTを導入し、緑内障・黄斑部の異常を精査

こちらの歴史と先生が医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

水野晋一院長 水野眼科1

当院は私の父が1970年頃に開院しました。当時は全体的に眼科のクリニックが少なく、患者さんが困っていると思い、親しみのあるこの地で開院したそうです。今でこそ眼科のクリニックが増えてきましたが、当時はかなり遠方から患者さんが通っていたと聞いています。そのため、父は毎日遅くまで患者さんを診ており、診療時間が夜の7時までとなっていても、最後の患者さんが帰るのが夜の8時や9時過ぎということが普通でした。そのように患者さんと向き合う父の姿を子どもの頃から見てきたため、いつか自分も父のような医師になりたいと思うようになりました。

院内は白を基調としていて、落ち着いた雰囲気ですね。

私は、2003年から父のクリニックで勤務し始めたのですがそのタイミングで白内障手術にも対応できるよう、2002年に建物の建て替えを行いました。当時勤務していた津島市民病院で外来棟の建て替えがあったのですが、その時の経験が当院の建て替えの際にも役に立ったと思います。白を基調とした内装にしたのは、患者さんに落ち着いて受診してほしいとの思いからです。また、患者さんの動線にもこだわりました。視力検査などの検査を受ける患者さんが診察室と待合室の間を移動しやすいように設計しました。加えて、車いすの方がそのまま診察できるようバリアフリーにして入り口のスペースにもゆとりを持たせました。以前は、手術が必要な患者さんは他院をご紹介していたのですが、2階に手術室を新設したことで、白内障の日帰り手術を当クリニックで行えるようになったのも大きな変化ですね。

新しく機器を導入されたと伺いました。

水野晋一院長 水野眼科2

はい、2019年にOCT(光干渉断層計)を導入しました。緑内障や加齢黄斑変性症など黄斑部の疾患の疑いがある方の検査に使用します。視野に異常が出る前の視神経乳頭の形状変化を検出することができます。網膜や視神経をより詳細に精査することができるため、さまざまな目の疾患の早期発見や精密な検査が可能です。当クリニックでこの検査を受ける方の多くは中高年で、人間ドックで異常を指摘されて受診されたケースや、診察中に私が何らかの違和感に気づいて検査に進むこともあります。

患者に寄り添い、白内障手術にも対応

患者さんはどんな方が来られるのでしょうか。

水野晋一院長 水野眼科3

この辺りは住宅街ですので、小さなお子さんから高齢の方まで幅広く来院されます。ほとんどが近隣にお住まいの方ですが、周辺にお勤めの方は帰宅前に受診されています。地下鉄の駅からすぐですし、午後7時まで診療しているため、仕事帰りに受診しやすいと喜んでいただいています。症例別で多いのは、お子さんの場合ではアレルギー性結膜炎や視力の不良、若い方の場合ではコンタクトレンズのトラブルや目に何かが入ったといったトラブル、ご年配の方では白内障や緑内障、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症などです。コンタクトレンズについては適切な処方や使い方のアドバイスもしていますし、白内障については日帰り手術も対応していて、さまざまな症状に対応できるように常に準備しています。私ができる治療は全力で行い、それ以上の治療が必要、となった場合には、連携する大学病院をご紹介しています。

白内障手術について教えてください。

診察で白内障が判明し、できるだけ早急に手術が必要だという場合、手術を急かしては患者さんも不安になってしまいます。ですので、手術するまでに何度か診察をして患者さんとの信頼関係をつくり、患者さんの気持ちに整理がついてから手術に進むようにしています。手術に関しては、月曜と木曜の週2回、午前診と午後診の間の時間に行っています。当クリニックの2階には、手術室のほかに休憩室もご用意していますので、手術後は2時間ほどゆっくりしていただいて、その後に診察を行って異常がなければお帰りいただく、という流れです。

先生が診療で心がけていることはどんなことですか?

水野晋一院長 水野眼科4

一番は患者さんにわかりやすく説明することで、専門用語を並べるのではなく、わかりやすいようにかみ砕いて説明するように心がけています。その時には検査後の画像を使い、患者さんの目がどのような状態になっているのか、どこをどのように治療していくのかなど、丁寧に説明するようにしています。小児の患者さんの場合は、眼科に行くこと自体が緊張すると思いますので、まずは治療とは関係のない話をしたりして、なるべく恐怖心を与えないように工夫しています。視力検査をするときも、遊びの一環のような感じで進めて、楽しい雰囲気づくりを心がけています。

先生が眼科医師としてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

患者さんから「ありがとうございました」とお礼の言葉をいただけた時はやりがいを感じます。例えば、目の病気には完治が難しいケースもあるのですが、白内障は手術を行えば今までよりも見えるようになることをめざせます。しかし、目の手術に恐怖心を持つ患者さんは多く、手術前にはかなり不安になるものです。そのような時には、手術の方法をわかりやすく説明して、痛みがほとんどないことを理解してもらうよう心がけています。患者さんの笑顔を見ると、この仕事をやっていて本当に良かったと思います。

自覚症状がなくても、定期的に検診を受けることが大切

最近はコンタクトレンズによる疾患なども増えていますよね。

水野晋一院長 水野眼科5

コンタクトレンズをご利用の方は「目の不調を感じたらすぐに使用を中止して、早めに眼科医師に診てもらうことが非常に大切」ということを知っていただきたいです。若い方に多いですが、無茶なコンタクトレンズの使い方をして目に傷がついてしまい、かなりひどくなってから受診される方がいます。過去には、傷が悪化して合併症を発症してしまい、その検査写真を見せて症状をご説明すると、患者さんご本人に自覚がなく驚かれていたというケースがありました。そもそもコンタクトレンズは目の中に異物を入れているということなので、目の調子が良くない時に使えば症状が悪化します。その点をよく理解いただき、眼鏡を併用するなどして使用時間などを守っていただきたいと思います。

お忙しい毎日だと思いますが、先生ご自身の健康法について教えてください。

ウォーキングをしています。趣味のゴルフに出かけたときもカートには乗らず、18ホールすべて自分の足で歩いています。目の健康のために特別していることはないのですが、私はもともとパソコンやスマホを長時間見ることはしないので、結果的に目に良い生活につながっているかもしれないですね。最近は若い方でも「スマホ老眼」といわれるような、目の焦点が合いにくい症状を訴える方が増えているんですよ。仕事から帰ったら、目を休ませることが大切です。

最後に読者へメッセージをお願いします。

水野晋一院長 水野眼科6

とりわけご高齢の患者さんは、定期的に目の検査を受けていただきたいと思います。会社勤めの時は定期的に人間ドックや健康診断を受けているため、悪いところが早めに見つかり、多くは悪化する前に治療を受けることができます。しかし、定年退職をすると目の検査を受ける機会が減り、目が見えなくなるまで放置されてしまうことがあるのです。片目の状態だけがひどくなる場合もあり、目が悪くなっていることに気づくのが遅くなってしまうこともあります。また、目が見えにくくなったのが年のせいだと思い込んでしまうことも多いので、かなり見えなくなってから、周りの人に勧められて、初めて来院される方も多いです。緑内障のように完治が難しい病気もあるので、手遅れになってしまわないよう、定期的に目の検診を受けることをお勧めします。

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