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嶋 康子 院長、嶋 芳成 先生の独自取材記事

横井医院

(名古屋市瑞穂区/瑞穂運動場東駅)

最終更新日:2020/11/10

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落ち着いた外観がしっくりと周囲になじむ「横井医院」。昭和の半ばに横井敦子先生が開業した医院で、半世紀以上にわたり地域の健康を見守りつづけてきた。長女で2代目院長、嶋康子先生は小児科が専門で、夫の嶋芳成先生は内科が専門。2人で連携し、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者の診療にあたっている。「長く通ってくださる方も多く、ありがたく思います」と康子先生。診察では、子どもの病状のみならず親の気持ちまでくみ取ることを大切にする。芳成先生も「病気は精神的なことからくることも多いんですよ」と患者のバックグラウンドにも心を寄せている。高校の同級生で互いに「尊敬しています」と穏やかに語る両先生。同院の診療姿勢や患者に対する思いについて聞かせてもらった。(取材日2020年10月30日)

地域に根づいて半世紀以上の身近な医院

こちらの医院の歴史や康子院長のご経歴について教えてください。

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【康子院長】当院は1963年、私が小学生の時、もともと小児科の医師だった母が開業したのが始まりです。場所はここより少し西に行ったところで、数年後、勤務医だった父と一緒に新たにこの地に移転、新築しました。私はそんな両親の影響もあったと思いますが、自然と同じ道に進み、大学卒業後は病院の小児科に勤務しました。結婚し、3人目の子が生まれた後から当院を手伝うように。2016年に夫が内科担当として当院に加わり、2020年8月に私が母を継いで院長に就任しました。

芳成先生のこれまでのご経験についてもお聞かせください。

【芳成先生】私は学生時代から、周囲に「医学部の情報処理学科」といわれるくらいコンピューターのことばかり勉強していました。ちょうど「パソコン」という言葉が出てきた頃ですね。岐阜県高山市の病院勤務時代にはコンピューターシステムの導入に携わりました。その後、藤田医科大学衛生学教室で疫学の研究をする傍ら、コンピューターの勉強は続けていたんです。ご縁を得てアメリカ・ボストンの病院で利用される先進的なコンピューターシステムを知る機会があり、1990年それを日本で販売する会社を立ち上げました。仕事に一区切りついた頃東日本大震災が起こり、私と同年代で米国の大学に勤め臨床から離れていた医師が、福島の医療に貢献したいと医療現場に復帰されたことを知ったのです。それをきっかけに私も母校である名古屋大学の総合診療科で臨床に関する勉強をし直し、内科の医師として再出発した次第です。同大では今も週1回診療を行っています。

患者はどのような方々が来られていますか?

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【康子院長】生後間もない赤ちゃんから小中学生、中高年の方、90代のお年寄りまで幅広いです。おじいさん、おばあさんから、子、孫、ひ孫と3~4世代にわたる患者さんや、小児科にお子さんがいらして、そのお父さん、お母さんが受診するパターンもあります。

体だけでなく心の状態も一緒に確認する

診療で大切にされていることを教えてください。

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【康子先生】小児科が診るのは子どもの体ですが、私は親御さんの心にも配慮するようにしています。子どもには親の心の状態が影響すると思うからです。親御さんの不安が大きいと子どもにも不安が伝わり症状を悪化させるし、親御さんが大らかにしていれば子どもも落ち着くでしょう。当院ヘは病気や困り事があって来られるわけですので、診察後にはそれらの不安や心配が少しでも軽くなっていればと思います。たまに子どもが騒いだり薬を飲まなかったりで「ごめんなさい」と謝られるお母さんがおられるのですが、そんなことはいいんですよ。その方の立場に立てば、仕方がなかったということもありますよね。こちらの物差しだけで考えを押しつけないように気をつけています。当院に来てくださったお母さんに安心感を得て帰っていただき、最終的にはお子さんが幸せになってくれるといいなと思っています。

安心して帰ってもらうため、どのようにお話をされているのでしょうか?

【康子院長】私は3人の子育てを経験しました。ですから子育ての面ではプロといっていいですよね(笑)。私がこの地域でお役に立てるとしたら、それは「子育て支援」ではないかと考えたんです。私自身、子育て中はとても悩みましたから、できるだけお母さんの力になりたいと思いました。そんな時に出会ったのが現在も学び続けているNLP(神経言語プログラミング)です。これは、コミュニケーションや物の考え方などを重視するプログラムです。おかげで、かつては初診の患者さんには緊張していたのが、今ではどんな方でも昔からのお友達のようにフランクにお迎えできるようになりました。私がそうした姿勢でいると患者さんもリラックスしていろいろ話してくださり、良い関係を築くことができます。

芳成先生のお心がけもお聞かせください。

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【芳成先生】病気だけでなく、その方の生活や習慣などバックグラウンドも含めて全般的に診ることを心がけています。大学病院の総合診療科では、痛みや熱があるのに検査では異常がないという方が少なくありません。そうした方々とお話ししていると、体の不具合には精神的・心理的なことが大きく影響していると実感するのです。明らかな精神疾患であれば精神科に紹介できますが、発熱、腹痛など身体的な異常を示す方には内科的な診療が必要です。また以前、病気の治療中に伴侶を失い、それまで効いていた薬が効かなくなって2ヵ月後に亡くなった方もおられました。その時、これまで薬が治していたと思っていたけれどそうではなくて、治ろうという気持ちを持ったその方の自然治癒力を薬が後押ししていたんだと強く感じたのです。ですから今も、患者さんの生活パターンやお悩み、物の考え方にも時には踏み込み、アドバイスを行うようにしています。

何でも話せて安心できる医院に

先生は漢方薬も処方されているそうですね。

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【芳成先生】はい。人間の体にはもともと病気を治そうという力がありますから、それをどのように引き出していくかが重要です。その力を引き出し、治そうという前向きな気持ちがあれば薬は必要ないのではないかと思えるほどです。漢方薬は特に風邪の治療にお勧めしています。例えば、葛根湯は体を温めるのに有用で、免疫力を高めることが期待できます。
【康子院長】漢方薬は小児科でも使用します。子どもが「おなかが痛い」と訴えている時、その根底には不安や怒りがあることも。そうした場合、免疫力も下がってしまいますので、不安や怒りを抑えるのに役立つ漢方薬を処方します。

こちらはスタッフの方々が気持ち良く笑顔で対応されていますね。

【康子院長】はい、そうなんです。患者さんはもちろん製薬会社の方など訪れた皆さんから「雰囲気が良いですね」とお褒めの言葉をいただいています。スタッフは40~50代のベテランばかりで、子育てを終えて孫がいる人も。みんなとても優しいんですよ。年齢を重ねて落ち着いているので、お互いに気配りでき、働きやすい環境づくりにもつながっているようです。何か問題が起きたときには「誰が悪いのか」と“犯人捜し”をするのではなく、「今後は問題が起きないようにどうしたらよいか」という考え方をしてくれます。私が患者さんとのコミュニケーションの仕方を勉強する中で身につけた方法が、徐々にスタッフに浸透していったのかもしれません。

今後についてお考えをお聞かせください。

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【康子院長】現代は効率の良さが求められて、子どもも大人も生きにくい世の中になっているのではないでしょうか。自分に自信のない人が多いと感じます。地域にいる医師として、自己肯定感を高められるように、そして子どもも親御さんも笑って生きられるように、お手伝いをしていきたいですね。小さい頃から診ていると本人の心や体のこともある程度把握でき、親御さんとも話がしやすく、問題が大きくなる前に当院が何かしらできることがあるのではないかと思っています。
【芳成先生】心と体は一体です。高血圧や高脂血症、リウマチなども、もしかしたら精神的な緊張や不安を解決することで改善への道が見えてくるかもしれません。そのために、ここは安心して何でも話せる場でありたいと思います。

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