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磯部 智 院長の独自取材記事

磯部内科クリニック

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2019/08/28

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栄の中日ビル北側に位置する医療ビル3階にある「磯部内科クリニック」。36の医療機関が集まったエスエル医療グループ内の循環器内科、一般内科を診療科目とするクリニックだ。約30年前に先代の院長が開院し、現在は就任6年目の磯部智院長が引き継いでいる。磯部院長は、25年以上、循環器診療に携わり、今も名古屋大学循環器内科で臨床研究を続ける勉強熱心なドクターだ。一方で、幼少期から続けてきたピアノで患者へ感謝の気持ちを伝えようと演奏会を開いたり、音楽大学で医療を教えたりするなどの活動にも力を注いでいる。「二刀流どころじゃありませんよ」と言いながらも疲れを見せず患者さんを気遣う磯部院長に、これまでの経緯や医療に対する思い、そして診療以外の活動についても話を聞いた。
(取材日2017年4月6日)

新しい知識、技術を学ぶ姿勢をアメリカで再認識

このエスエル医療グループで最初に開業されたのは、お父さまだそうですね。

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父は糖尿病や甲状腺などの内分泌内科が専門で、1986年に開業しました。現在は85歳を過ぎていますが、月に2回診療しております。私自身高校生の頃は医者になるつもりはなく、勉強のほうも親が通えと言うから塾に通っていた程度でした。振り返れば父から「医者になれ」と言われたことはありませんが、20歳前頃から医師になってほしいという父の意向を少しずつ理解し、本格的に勉強したと思います。医師になってからは、名古屋大学の関連病院に勤務し、アメリカで留学、帰国後は名古屋大学で研究と好きなことをしてきましたが、父が病気になった時、「継いでみるか?」という言葉を初めて耳にし、親子継承も立派な仕事と感じ、継承開業することを決意しました。

院長となる前のアメリカ留学の経験は、先生にどんな影響を与えたのですか?

アメリカで開催された国際学会で、アメリカの有名な循環器の教授から「一緒に仕事しないか」と誘いがあり、当時勤務していた名古屋大学循環器内科の教授にその旨を報告をすると、「チャンスだからぜひ行くべきだ」と勧めていただきました。2年ほどメタボリック症候群や動脈硬化ついての良い研究ができたと思っています。またアメリカの研修医や若い専門医の勉強熱心な姿に刺激も受けました。日本のドクターは、主に臨床診療するだけで手いっぱいですが、アメリカの臨床のドクターは研究に対してもとても前向きです。もちろん、医学は学問であって、一生勉強しないとならないことは学生時代からある程度わかってはいましたが、留学してそういう意識がより一層、強くなりました。

現在の医療に満足するでなく、新たな知識を学びたいという意識も強くなったのですね。

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もちろん今はクリニックの院長ですから患者さんの診療が優先となりますが、漠然と診療するだけでなく、患者さんから得られるデータから、将来の医学に役立てられる新たな発見があればよいなと思っています。医学は日進月歩であり、たとえ臨床医であっても、患者さんを診察して検査するだけでなく、積極的に学会に参加し、新しいことを発見し、新しい医療技術、知識、および将来的展望を学んでいく必要があると思います。新しい知識を習得し、最新の医療を患者さんに提供できるようにすることが、今の私の使命と考えております。

最低でも年に2回の血液検査を勧めていきたい

どんな患者さんが多いですか?

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高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持った方がほとんどです。専門が循環器内科ですので、動悸や胸痛の症状で心臓の病気を心配して来院される方、また心不全、心筋梗塞、弁膜症、不整脈などの心臓病の方も多くみえます。生活習慣病を持つ患者さんが大病にならないような健康管理のお手伝いすることは重要と考えております。日本の死因の第2位となっている心臓病の発症をいかに予防するかにも力を入れています。

そのような患者さんに対して先生が勧めたい健康チェックは何ですか?

毎月採血をする糖尿病の方は別として、降圧剤の投薬だけで来院される方は、採血を拒否される方が多いです。しかし高血圧だけという方は少なく、その中に尿酸値やコレステロール値が高い方も多く、腎臓病や糖尿病などを合併している場合もありますから、最低でも年に2回は血液検査をして、他の潜在的な病気がないかチェックする必要があると考えます。「がん家系」という言葉を皆さんよく口にして心配をされますが、親が脳卒中や心筋梗塞であっても「親子は別だ」と考えがちな方も多く、病気の遺伝的背景を心配される方が少ない気がします。家族歴なども問診し、他の生活習慣病が潜んでいる可能性を探っていくのも、私の重要な仕事です。家族歴や既往歴などから将来なりうることが予測される病気を推測するため、血液検査を勧めています。

この医療ビルには多くのクリニックがありますが、その中でどんな役割を果たしていますか?

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この医療ビルには、内科だけでも19のクリニックがあります。1階入り口にあるパネルで、どのような症状の場合にどのクリニックを受診すればよいか、おおむねわかるようになっています。各クリニックの専門性が確立されていて、患者さんを紹介するなど連携しているのが、この医療ビルの大きな特徴となります。例えば「みぞおちの辺りが痛い」と訴えて来られた場合、まず心臓の病気を疑い心電図を取るなどして診察をした上で問題がなければ、胃潰瘍かもしれないということで消化器内科を紹介することはあります。当クリニックはこの医療ビル内で一番遅い時間まで診療していますから、他のクリニックが閉まっている時間帯に「痛風で足が痛い」と訴える患者さんが来院されれば、たとえ疾患が整形外科領域であっても、鎮痛剤を出したりします。専門性にこだわるだけでなく、少しは町の診療所的な役割もしているとは思います。

患者への感謝の気持ちを込めてピアノの演奏会を開催

クリニック主催のピアノの演奏会を開かれていると伺いました。何かきっかけがあったのですか?

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遠くからいらしてくださる患者さんに、少しでも感謝の気持ちを伝えたいと思い始めました。総合上飯田第一病院に勤務していた時、毎年患者さん向けにコンサートを開催しておりました。当時患者さんから「先生の演奏を聴いて生きる希望が湧いた」「ここまで長生きして良かった」など心温まるお言葉をたくさんいただき、音楽は患者さんの病んだ心を癒やす力があると感じました。演奏会の様子がテレビで放送され、それを見た名古屋音楽大学の学長さんから講義の依頼を受けました。昨年のクリニックピアノ会には、クリニック内でご案内しただけなのですが、約160名もの方に足を運んで拝聴していただき、中には2名の方に介助されながらいらした患者さんもみえて、その姿には心を打たれました。

今後の展望について教えてください。

当クリニックはオフィス街のビル内にあるがため閉まる時間が早く、現状仕事帰りに立ち寄るのは厳しいです。医療グループという組織の中にある個人の診療所なので、私の一存では変えられない問題なのですが、仕事帰りに立ち寄りたいという方々のためにも、もう少し長い時間診療ができればよいかと思っております。以前、患者さんから「体調が悪いから、仕事が終わった後に薬を出してもらおうと思いここのビルへ来たけど、看板の電気がすべて消えていて、どこへも受診できずがっかりした」と言われ、残念な気持ちになったことがありました。交代制などでもいいと思いますから、仕事帰りに受診を希望される方のニーズに応えられるよう改善されてもよいかもしれません。今以上に、この地域に合った医療体制になるよう、少しでも協力できればよいかと考えております。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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手前みその話にはなりますが、当クリニックのスタッフはみんな仲が良く、患者さんからも「雰囲気がいいですね」とのお言葉をいただき、安堵しています。心臓病を心配して来られる患者さんの中には、診察と検査の結果から心臓の病気でないことがわかって、安心して帰られる方も少なくありません。患者さんが気軽に来て、安心して帰っていただけるクリニックをめざしています。また当院では、患者さんの立場に立って診療させていただくことを心がけています。病気を正しく診断するよう努力し、治療に対しても患者さんに納得いただけるまで丁寧に説明させていただいております。患者さんの健康維持を考え、生活習慣病を管理するだけでなく、心筋梗塞など大病にならないよう注意を払っております。自分の健康状態が気になる方はぜひ気軽に受診してください。

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