吉田 修 院長の独自取材記事
吉田内科
(名古屋市中区/栄駅)
最終更新日:2025/02/14

栄駅から徒歩3分、エスエル医療グループのクリニックが入る医療ビルの3階に「吉田内科」はある。白を基調としたインテリアや院内を彩るグリーンに陽光が降り注ぐ、明るく穏やかな雰囲気の内科医院だ。院長の吉田修先生は循環器内科のエキスパートであり、医院には生活習慣病や心疾患を抱える患者をはじめ、健診で循環器系の問題を指摘された患者も数多く相談に訪れる。誠実で頼りがいのあるたたずまいが印象的な吉田院長。循環器内科としての強みやグループ診療、注力している治療などを語る言葉の節々からは、医療、そして患者に対する使命感が伝わってきた。
(取材日2024年12月23日)
循環器を中心に内科診療を提供
開院当初から、このエスエル医療グループに属していたのですか?

この医療グループは40年以上の歴史があるグループで、私の父が「吉田内科」として参加したのは1978年のことです。もともと私は名古屋市立大学医学部卒業後、心筋梗塞の方を集中治療室で治療するなど主に循環器の救急医療に携わっていたのですが、「急性期になってしまう前の心臓の病気の予防、そして進行の抑制が大切ではないか」と徐々に考えるようになりました。そこで名古屋大学大学院の循環器内科学研究室で数年間研鑽を積み、父から医院を継承したのが2008年。開業から一貫して、循環器内科の専門性を生かしながら一般内科診療や各種健診などに対応するという方針のもとに診療を提供しています。
どんな患者さんが多いのですか?
循環器が専門なので、高血圧や糖尿病など生活習慣病の方が多いです。また、状態の落ち着いた心不全の方や心臓疾患の経過観察の方も少なくありません。初診ではいろいろな症状の患者さんがいらっしゃいます。特に胸痛や動悸など胸の症状がある方や、健診で血圧や心電図が引っかかった方もみえますし、病院で心臓の手術を受けた後の継続治療を希望される患者さんも受診されます。「かかりつけ医の専門が循環器内科ではないから」と来院される人もいますね。この近くにお住まいの方やお勤めの会社員の方はもちろん、交通の便が良いので遠方からいらっしゃる方も多く、年齢層はさまざまですね。
さまざまな主訴に柔軟に対応される上で、特に心がけていることは何ですか。

当院は、父の代から一貫して医学の進歩を患者さんに少しでも多く提供していくことを診療方針にしてきました。私も常に意識しています。父は勤務医時代に海外に留学して心臓カテーテル検査を学び、すぐに診療に取り入れたような医師で、私も常に情報を収集し、先端の治療方法で症状に適していると判断したものを患者さんに提案しているんです。例えば、1日の血圧変化を計測する24時間計測計や、不整脈などの検出率向上につながる1週間のホルター心電図を用いることにより、検査の幅を広げています。新しい治療法を検討するときは、患者さんに丁寧に説明して納得してもらう必要があるので、普段から良い人間関係を築くことが大切です。患者さんの痛みやつらさを少しでも和らげられるような方法を模索し、医学や治療の進歩に合わせて診療内容を進化させていきたいですね。
患者とまっすぐ向き合った診療を
先生が患者さんとの関わりで意識していることを教えてください。

まずは患者さんと真っすぐ向き合って、お話やお気持ちをしっかり受け止めたいと思っています。限られた診療時間ですが、患者さんの症状をきちんと把握して、それに応じて当院でできることを提供していきます。こちらで治療するか、ほかのクリニックや病院を紹介するか、すぐに救急車を呼ぶ必要がある場合もあります。ご自分で苦しいといって来院する方もあれば、比較的症状は軽く見えても検査すると、これは放っておけないという方もいます。そういった緊急性のある方に対しては、最大限迅速に対応していきます。また通院中の患者さんで、急に体調が悪くなったり、すぐに当院へ来られないという方には、電話で対応することもあります。途切れてしまうことなく対応したいので、診療時間外の電話は私の携帯電話に転送しています。
こちらのクリニックの特徴は何でしょう?
循環器系の検査に注力しているところだと思います。心臓のエコー検査、運動負荷心電図検査、24時間の心電図検査・血圧測定検査、足や手の血圧で動脈硬化を評価する検査など、病院の循環器科の外来でやるような生理検査はほぼできるようにしています。一口に心臓の病気といっても、いろいろな病気があります。心臓の血管が狭くなったり、脈が乱れたり、心臓の動きが悪くなるなど、それぞれ病気によって必要な検査が違ってくるわけです。例えば「なぜか胸が苦しい」「ドキドキする」といった症状があれば、心臓のどういう病気の可能性があるのかを考えた上で、診断に必要な検査を組みます。また、健康診断で心電図の異常や心雑音があった方にも、同様に検査を受けていただきます。すべては的確な診療を行うため。きちんとご説明し、ご理解いただいた上で進めていきます。
検査をこちらで受けるメリットは?

私も総合病院の循環器内科に勤務していましたが、総合病院だと外来の担当医が毎日同じ医師とは限りません。また検査を行う医師も外来とは異なることがあります。検査日や予約の枠も病院で決められていますので、患者さんのご都合によっては、予約した検査を全部受けて、結果を聞くまでに時間がかかってしまうこともあります。当院ですと、毎日私が外来をしていますので、いつ来てもらっても同じ医師の診察を受けられます。心臓の検査も私が行いますので、患者さんの病状や予定に合わせて柔軟に予約を組むことができます。必要に応じて早く検査を行い、その日に結果をお話ししています。検査の結果、すぐに専門病院にご紹介して治療を受けていただくこともあります。循環器の病気について身近なクリニックで相談して、検査を受けられるのは大きなメリットだと思います。
何科へ行けば良いか迷ったら、まず内科へ
生活習慣病はどのように対処されていますか?

高血圧、高コレステロール、糖尿病などの生活習慣病は、きちんと管理しないと動脈硬化が進行し、将来的に心筋梗塞や脳卒中などの病気につながります。問題は、本当に病状が悪化するまで、自覚症状が出ないことです。当院では、まずご自分で現状を把握していただくことから始めます。血圧の高い方は、血圧を適切に評価します。病院に来ただけで緊張して血圧が上がってしまうこともありますので、家庭でも血圧を計測するようにお勧めしています。生活習慣に改善できる点がないかも、ご本人と一緒に考えます。塩分やカロリーの取りすぎ、運動不足など、その原因となる日常習慣から見直すことが大切です。そして内服薬が必要かどうか、ご本人に納得していただいてから治療を始めています。また禁煙も重要なので、ご希望の方には禁煙治療を行っています。
先生ご自身のご経歴についてお教えください。
1996年に名古屋市立大学医学部を卒業してから、名古屋第二赤十字病院と名古屋医療センターの循環器内科に勤務し、救急医療を中心に診療を行っていました。心筋梗塞の方に緊急でカテーテル検査をして詰まった血管を広げたり、重症な心不全の方を心臓の集中治療室で治療していました。昼夜問わず急性期の患者さんの治療を続け、大変でしたが非常にやりがいもありました。しかし本当に大切なのは、心臓の病気になる前に予防すること、心臓の病状が悪化しないよう管理することだと考えるようになりました。異なることも学ぶべきかと考え、2004年から名古屋大学の循環器内科の大学院に4年間所属し、室原豊明教授のもとで血管の再生医療や内皮機能について学ばせていただきました。その後、循環器の診療を長年続けてきた父の後を引き継ぎ、当院で診療を始めたのです。
改めてご専門の深さを知れました。最後に読者へ一言お願いします。

当院は循環器が得意な「内科」ですので、ご心配なことは何でも気軽に相談していただければと思っています。決して、来院されたから当院で治療しなければならないというわけではなく、必要に応じて名古屋市内のさまざまな病院や、グループ内の医院をご紹介できます。それぞれ専門に特化した医師が集まって連携するこの医療グループは、何十と医院があり、何十年も続いていて、しかも、みんなで仲良く協力してやっているところが強みだと思います。その中で、例えば心臓のことや生活習慣病などで心配のある方は、当院できちんと対応させていただきます。ご相談いただける場所として知っておいていただけるとうれしいですね。