中川 順市 院長の独自取材記事
中川内科
(名古屋市中区/栄駅)
最終更新日:2026/09/02
名古屋市中区役所の向かい、クリニックビル内に位置する「中川内科」。1975年の開業以来、循環器疾患を中心に内科全般の診療に対応する歴史あるクリニックだ。2020年には、先代院長の息子である中川順市先生が院長に就任した。尊敬する父が長年築き上げてきた実績と、地域医療にかける思いを継承しながら、快適なクリニックづくりにも余念がない中川院長。その真摯な姿勢に信頼を寄せる患者は少なくない。より良い診療を提供するためまい進する中川院長に、クリニックの歴史や診療方針、同院が力を注ぐ病気の早期発見の大切さなどについて話を聞いた。
(取材日2016年6月6日/再取材日2026年7月28日)
半世紀以上にわたり患者を支える地域医療の担い手
クリニックの歩みを教えてください。

1975年に父が開業し、1989年に医療法人化しました。私は大学病院勤務時から週に1度父を手伝うようになり、2008年には副院長に就任。2020年に院長となりクリニックを継承し、現在に至ります。父から明確に「後を継いでほしい」と言われたことは一度もありません。ただ、私が医学部在学中に医療法人化したことや、父と私の名前から一文字ずつ取って法人名にしていることから、おそらく私を後継者に、と考えていたのでしょう(笑)。そんな父から、「本気で継ぐ気持ちがあるなら、医学博士と日本内科学会総合内科専門医と日本循環器学会循環器専門医の資格は必ず取るように」と言われたことは、よく覚えています。当院が所属するエスエル医療グループは専門性の高い先生が非常に多く、専門性を裏づけるものがあれば、グループ内の先生方はもちろん、患者さんの信頼も得やすくなると見越しての、父なりの助言だったのだと思います。
先生が医師を志し、循環器内科を専門とした理由をお聞かせください。
やはり父の影響が大きいですね。手前みそではありますが、循環器を専門としていた父は本当に立派な人で、常に新しい知識の習得と正しい医療情報の発信に努めていました。患者さんとのやりとりにおいても、持ち得る知識を生かすことで、全人的、包括的な診療につなげていたと感じます。患者さんのために一生懸命取り組む父の姿を、幼い頃から目にしていた私にとって、医師を志すのは自然な流れでした。専門領域を決める際にも、少なからず父の影響を受けていたと思います。ただ、それ以上に、私自身が心臓という臓器そのものに惹かれたのが、循環器の道に進んだ一番の理由です。心臓は本人の意思とは関係なく動き続け、悪性腫瘍ができにくいといった特徴がある、非常に不思議な臓器です。その奥深さに惹かれ、循環器内科を専門とすることを決めました。
長年のお付き合いの患者さんも多いかと思います。患者さんの傾向などを教えてください。

父の代から通われているご高齢の患者さんに加え、健康診断で高血圧や高コレステロールを指摘されたのをきっかけに受診する中高年層や、胸の痛みや違和感から病気を心配して訪れる若い世代などが多いです。栄駅から近いため、市外から訪れる方もいらっしゃいますね。また、近年増えているという印象があるのが、ストレスやメンタルヘルスに関連する症状での受診です。ストレス社会の影響の大きさを実感するとともに、専門家として適切な鑑別につなげるべく診療にあたっています。診療では循環器以外の内科全般の相談も応じており、必要とあれば専門の医師におつなぎしますので、気になることがあればご相談いただきたいですね。
工夫を凝らし、真摯な姿勢で患者の体と心に向き合う
診療時に大切にしていることを教えてください。

私がめざす診療は、患者さんに寄り添いながら一人ひとりに合った検査や治療をすることです。話をよく聞く一方で、同調しすぎないように注意し、適度な距離間を保ちながら診療するようにしています。一口に胸の症状といっても原因はさまざまですが、患者さんの悩みを聞いていると、心臓は「心」と強いつながりがあるのだと実感します。緊張すると脈拍が上がるように、心の状態が体に影響を及ぼすことがあります。動悸にお悩みの方がいたとして、心臓の病気が原因のことももちろんありますが、ストレスや不安が症状を引き起こしていることも少なくないのです。命に関わる病気だと思い、不安に思うこともあるでしょう。そんな患者さんの不安や心配事に焦点をあてて寄り添うために、患者さんの話を聞く際は、開かれた質問(open question)と、積極的傾聴(active listening)を意識するようにしています。
スムーズに診療を進める上で工夫していることなどありますか?
2022年2月に電子カルテを導入し、最近ではAIによる音声文字起こしツールを活用しています。診察時のやり取りを簡潔に要約してくれるのでカルテ入力の効率が上がり、今まで以上に患者さんの顔をしっかり見ながら診察できるようになりました。電子カルテはクラウドで管理しており、どこにいても患者さんの情報がわかるので、例えば診療時間外の電話相談でもカルテを見ながら対応したり、その場で他院への紹介状を作成したりしています。また、検査の内容や結果のひもづけが簡単な点も電子カルテのメリットです。新しいツール導入時には、スタッフが状況に応じて柔軟に対応してくれるため、立ち上げもスムーズに進みます。運用開始後も、改善点があればその都度工夫を重ねてくれており、とても助かっています。
このビルにはエスエル医療グループのクリニックが多数入っています。グループ内の連携体制はいかがですか?

一つのビルの中で紹介し合えることが強みであり、日常的に紹介し合っています。グループには当初、専属の病院があり、父の代の頃にはクリニックの医師が病院に送り届けた入院患者を回診したり、その病院の医師とディスカッションをして治療方針を決めていたといいます。その名残からか、現在も午後3時30分には診察を終えるクリニックが多く、それ以降の時間で定期的にグループの会議や勉強会が行われています。例えば循環器内科に関するクリニックは当院を含めて5つあり、先生方と定期的に勉強会を開催し、医療のアップデートに余念がありません。一人の医師として、非常に成長を実感できる環境だと思います。ほかの診療科の先生との交流も盛んで、人となりも見知った仲。紹介の際には患者さんの要望などに応じて「あの先生と相性が合うかな」と考えて紹介するようにしています。
紡がれた縁を大切に、より良い医療を追求し続ける
病気の早期発見にも力を注がれているそうですね。

循環器疾患に限らず、どのような病気でも早期発見が大事です。注意を促すために、待合室の掲示物やサイネージで各種検査や予防接種を呼びかけています。待合室で診察をただ待つだけの時間に、例えば掲示物を目にしたことで「予防注射を受けてみようかな」などと思っていただけるとうれしいです。クリニックでの待ち時間をきっかけに、病気の早期発見や治療につながることを期待しています。また、当院では循環器の専門的な検査に対応できる設備を整えるほか、オリジナルの簡易人間ドックも用意しています。興味のある方はご相談ください。
地域医療を担う立場として意識していることは?
目の前の患者さんに最善を尽くすために、自分に何ができるのかを見極めること、でしょうか。例えば循環器の慢性疾患を抱える患者さんの中には、生活習慣病などの持病や、メンタルの不調などを抱えている方もいらっしゃいます。患者さんの不調や不安に対し、自分がするべきこと、でき得ることは何かを冷静に見極めた上で診療の道筋を立て、必要に応じて専門の先生に協力を仰いでいくことが、患者さんにとってより良い治療の提供につながるといえるでしょう。幸い、グループ内には優れた専門性を持つ先生方が大勢いらっしゃいます。このような環境を生かし、患者さんのために力を尽くしていくのが私の役割だと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

通常は午後3時30分で診療受付は終了なのですが、働き盛りの方や若い世代の方が少しでも通いやすくなるよう、毎週月曜と水曜は午後5時30分まで診察しています。また、長年通院されていた方で、通院が難しくなった患者さんに対して、訪問診療を行えるように体制を整えつつあります。当院が大切にしていることは、患者さんに寄り添い、患者さんに合った診療をすること。患者さんとのご縁を大切にし、ビル内のクリニックや地域の病院と連携しながら、より良い治療を患者さんと一緒に見つけていきたいです。相談だけでも構いませんので、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック:1万2000円(詳細についてはクリニックまでお問い合わせください)
※オプション:胸部CT/1万5000円、心臓超音波検査/1万円、慢性心不全リスク検査/3500円、頸動脈エコー/5000円

