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中川 喬市 院長、中川 順市 副院長の独自取材記事

中川内科

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2019/08/28

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地下鉄栄駅5番出口から徒歩3分、「エスエル医療グループ」のビルは、35のクリニックが集まり、その連携力が強みだ。そんなビルの中、5階に「中川内科」はある。中川喬市院長は循環器が専門で、狭心症、不整脈、高血圧、心臓弁膜症などの治療、長期管理を中心に、内科一般の診療を行っている。毎週月・水曜には院長の次男である順市副院長が心エコー検査を予約制で行う。院長は今年で86歳、「患者さんの健康を考えていると自分の健康を忘れます」とにっこり笑う。患者本位の姿勢と、豊富な知識・経験が長く患者に信頼されているようだ。医院のこと、そして変わらぬ信念についてなど、副院長とともに語ってもらった。
(取材日2016年6月6日)

循環器が専門。グループ連携で他院ともつながり

開業までの経緯と、先生のご専門を教えてください。

【院長】私はエスエル医療グループができた3年後の1975年にお誘いをうけ、国立名古屋病院を退職して参加しました。グループ設立の理念は、アメリカ流のドクターズビルディングを名古屋にもつくろうということです。グループ開業では、自分の専門性を生かしつつ、専門外のことはすぐに別の先生にお願いできるメリットを感じましたね。私の専門は循環器で特に心電図。当院では主に狭心症、不整脈、高血圧、心臓弁膜症などの治療にあたっています。当初は勤務医時代からの患者さん400人ぐらいを引き続き診ていましたね。昔の診療は超音波診断もなく、聴診器が頼り。私の診断は、専門の違う先生たちから信頼されていたようです。

どんな患者さんがいらっしゃいますか。

【院長】昔は幼少時にリウマチ熱にかかった後遺症である僧房弁狭窄症という病気が多かったのですが、今はリウマチ性の弁膜疾患は減り、弁膜の異常としては、動脈硬化に伴う大動脈弁狭窄症が主体です。長命になり、加齢による病気が多くなったわけです。高齢になると新しい病気が加わってくる可能性があるので、血液検査や心電図、胸のレントゲンなど、ずっとやっていない方にはしていただくよう声がけしています。特にがんは早期発見が大事です。注意を促すため、待合室には「胃透視を1年に1回やりましょう」などいくつか貼り紙がしてあります。「採血は6ヵ月に1回」、これは私のポリシーで1年では長すぎるから半年に1回です。ほかに腹部エコー、婦人科の検査なども呼びかけており、1つのビルの中で紹介しあえることは、グループ医療ならではです。

内科は、さまざまな科への入口のようですね。

【院長】昔、肩が痛いと言って整形外科へ行ったらどうもおかしいので、内科の私のところへまわされて、心筋梗塞とわかった患者さんがいました。だから、どこか体が痛いときなどは、まず、内科に来られたほうがいいとは思いますね。もう1つのケースでは、数年間診ている患者さんですが、鼠径部に腫れを訴えたとき、ご家族がすぐ大きい病院へ連れて行かれたんですね。詳細は省きますが、よくある鼠径ヘルニアでしたが、治療方針が決まるまでに、余計な回り道をする結果になったことがありました。私が循環器専門医だから、それ以外の事は相談できないと思われたようです。でも、かかりつけ医としてなんでも相談して頂いていいんですよ。必要な場合はすぐに専門医へ紹介します。

患者と40年以上、人生をともに歩む

副院長は週2回、院長とともに診察をされているのですね。

【副院長】はい、そうです。父は今でも講習会や学会に参加し積極的に勉強していますから治療が古いということはなく、逆に私のほうが追い付かないこともあるぐらいです。新しい論文にも目を通していて「知っているか」と聞かれて戸惑うことも(笑)。父を見て思うのは、患者さんの体はもちろん、心も魂も診ているのだなということです。父は昔から非常に多くの本を読んでいます。小説から哲学、宗教、宇宙、いろいろな知識がベースにあるので、患者さんを全人的に、包括的に診ることが自然にできるのでしょう。心がけは父のようにしたいと思っています。父は患者さんが入院したり亡くなったりしたときも出かけていくんですよ。それも自然にです。基本的に患者さんのことを思う気持ちが強いのだと感じます。

そんな院長を信頼され長く通う方も多いのでしょうね。

【院長】心臓弁膜症で当時26歳の女性が来ました。幼少の頃にリウマチにかかり長生きできないと言われたそうです。心臓の手術をして人工弁を入れ、術後からずっと診ています。42年たち、私は86歳、その女性は68歳になりました。ともに人生の年を重ねてきましたね。そういう患者さんは何人もいます。実は先週夜にその女性から不調だということで自宅に電話があり、大急ぎで名城病院に勤務している三男に連絡したらたまたま当直で、すぐに入院することができました。親子2代にわたってその患者さんを診ているわけです。昔はいい薬がなかったけれど、今は医学が進歩したので、心臓に病気があっても適切な診療と薬で長生きできます。私はほとんどの患者さんに電話番号を書いた名刺をお渡ししていますから、緊急時に相談できるようにしてあります。

ほかにも印象深い出来事があれば。

【院長】神道の信仰の篤い患者さんで、病院で薬をもらうと、自宅の神棚へ供えて薬に感謝してからそれを頂戴する、という方がいました。薬をありがたい気持ちでいただくというのは大事だなと思いましたね。
【副院長】西洋薬は、誰にでもある一定の効果が出るようにつくってあるのですが、やはりこの薬で自分が生かされているのだという気持ちで飲むのと、「医者が言うからしょうがない」と思って飲むのとでは効果が違う気がします。自分が健康になるんだという前向きな気持ちであれば、免疫力が働いて力もわきますが、薬の力を信じずにいやいや飲むと半分も力が出ないのではないでしょうか。そういう意味で患者さんと医師の信頼関係は大切ですね。信頼している先生が出した薬なら飲もうかと患者さんは思います。手術をしない内科医にとって薬は生命ともいえます。いかにその人にふさわしい薬を飲んでいただくか、常に心を砕いて処方しています。

モットーは「心のこもったぬかりのない処方」

院長は座右の銘にしておられる言葉があるとか。

【院長】アメリカの現代思想家の言葉で「科学は、宇宙の基本的な事実<真理>を解明して、その説明を提供するかもしれないが、その<真理>を賢明に使う方法については、(人間に)何も教えてくれない」です。先だって、アメリカの大統領が広島の演説で同じことをおっしゃっていたんです。新聞の日本語訳では「技術の進歩は、人間社会が同様に進歩しなければ、われわれを破滅に追い込む可能性がある。(中略)科学の革命は、人間の道徳的な革命も求めている」。かなり哲学を勉強しておられるなと思ってびっくりしました。科学ばかり進歩しても、人間はモラルも向上させなければいけないということです。すごい大統領です。医師はいろいろな職業の中でもモラルを一番大事にしていると思いますよ。真面目な先生が多いです。

何か健康法があれば教えてください。

【院長】数年前に腰を痛めたので運動はしません。写真が好きなので妻と公園に花を撮りに行ったりします。コレステロールを下げることによって心筋梗塞が減り、血圧を下げる薬ができたことによって脳卒中が減りました。だから私も両方を下げる薬を飲んでいて、突然倒れたりすることはないだろうと思っています。ビタミン剤なども含めて朝10種類、夜9種類、長生きにいい薬です(笑)。毎日患者さんのことを心配していると自分の健康の心配は忘れます。でも不摂生はしないようにしています。
【副院長】合気道を35年続けています。体を動かすのにちょうどいいんです。それと院長もそうですが、血圧は毎日測り、気を付けています。

これからのことなど、お聞かせください。

【院長】毎日一生懸命やるだけです。モットーは、「心のこもったぬかりのない処方」と「患者さんの言葉を受け止める上での柔軟な姿勢と対応」。「ぬかりのない処方」というのはなかなか難しいのです。体調や症状は変わるものであり、必要に応じで注意深く、薬を手直しすることが非常に大事。「ぬかりのない」ことは本当に大事です。
【副院長】患者さんにとって大事なことは、自分に合う、いいかかりつけ医を持って、その先生と二人三脚で治療をしていくことかなと思います。これからも循環器というある程度専門性を保ちながら、かかりつけ医として信頼していただけるようになれればと思っています。

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