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安間 哲史 院長の独自取材記事

医療法人 安間眼科

(名古屋市中区/上前津駅)

最終更新日:2023/06/06

安間哲史院長 医療法人 安間眼科 main

地下鉄名城線・鶴舞線上前津駅前、「万松寺東」交差点角のガラス張りのビルを見上げると、ブルー地の壁面に白抜き文字の「安間眼科」という表示が目に飛び込んでくる。1階から8階まですべてのフロアが同院の施設で、名古屋市内でも特に規模の大きい眼科クリニックだ。院長の安間哲史先生は、1988年に父の後を継ぎ3代目院長に就任。当初は妻と2人体制で診療にあたっていた医院を徐々に拡充し、現在の規模に。「ようやく施設の拡張も終了し、ゆったりとしたスペースで、落ち着いて診察を受けていただけるようになりました」と笑顔で語る。やわらかな物腰と温厚な人柄で患者と信頼を築いている安間院長に、開業から現在までの経緯と今後の展望、専門の研究のことなどについて、じっくりと聞いた。

(取材日2016年6月10日/更新日2023年5月29日)

2代にわたり73年間、地域の目の健康を支え続ける

開業までの経緯を教えてください。

安間哲史院長 医療法人 安間眼科1

名古屋大学医学部で助教授として教鞭をとっていた眼科2代目の父が、ちょうど私が生まれた1950年にここで眼科医院を開業しました。私も父の後を追うように名古屋大学医学部に進み、大学院修了後は大学に残って研究活動を続けていたのですが、1988年に父が病床に臥し、それを受けて当院を継承しました。私が大学にいる間、同じ眼科の医師である妻が父をサポートして安間眼科で診療しておりましたが、私自身は父と一緒に開業医として診療・治療に携わったことはなく、代替わりでバトンタッチしました。私が引き継いでから35年、父の代から数えますと、この地で73年間開業していることになります。

こちらの医院の特徴はどのような点ですか。

現在、常勤医師7人、非常勤医師7人の体制で、大部屋・個室合わせて19床の入院設備を整備し、白内障や網膜硝子体などの手術のほか、網膜剥離などの緊急手術・入院にも対応しています。勤務している医師はそれぞれ得意の分野を持っていますので、広い分野の目の疾患に対応できます。患者さんには、安心して検査・診療・治療を受けていただけるよう、丁寧でわかりやすい説明を心がけ、医療スタッフの知識・技術の向上、設備・機器の充実にも力を注いでいます。

設備を拡張してみて、患者さんの反応はいかがでしょうか。

安間哲史院長 医療法人 安間眼科2

以前は建物も手狭で、患者さんに負担や迷惑をかけることもあったのですが、2010年に拡充計画が終了し、ゆったりとしたスペースで、落ち着いて診察を受けていただけるようになりました。診察でお待たせすることのないように、現在は一部の疾患では予約制の外来も行っています。受付、待合室、検査室、診察室など、いずれも十分な空間を確保しております。手術については、常勤医師の増加に伴い手術件数も増え、手術の待ち期間も短縮されました。手術室や病棟の設備も更新し、手術後も快適に過ごしていただける環境づくりに力を入れています。

満足する治療を心がけて

診療方針を教えてください。

安間哲史院長 医療法人 安間眼科3

眼科の病気は目のかゆみから失明に至る病気までさまざまです。白内障はもちろんのこと、緑内障や網膜剥離、加齢黄斑変性症などについても、当院で可能な先進の治療を追求しつつ、目の悩み全般に対応していきたいと思っています。現代病のドライアイやアレルギーに悩まされる人も多く、年配の方では老化に伴うまぶたの下垂なども多いです。糖尿病や緑内障などの慢性の病気は、ほぼ一生治療が続きます。ご高齢の方も多いので、患者さんに丁寧に接することをモットーに、病気の症状や治療方針についてわかりやすい言葉で説明し、納得していただいた上で検査・治療・投薬などを行いたいと思っています。

安間院長のご専門分野についてお聞かせいただけますか。

大学勤務医時代から、色覚・視野などの視機能を専門にしていました。アメリカ国立衛生研究所の奨励研究員としてカリフォルニア大学バークレイ校で約1年半、基礎研究も行いました。私が大学に在籍していた当時は、色覚の研究は眼科医師の間でも関心が高かったですし、小・中学校の健康診断では色覚検査が実施されていました。しかし、色覚異常の原因が先天的な遺伝子の異常であることや、色覚による社会差別が問題となり、2002年に学校保健法の規則が変更され、小・中学校での色覚検査がほとんど行われなくなりました。色覚差別による大学入学制限も航空大学校や防衛大学校などを除いてほぼ撤廃されました。それに伴い、色覚差別による就職制限もほとんどなくなりましたが、色覚についての認知度が下がり、自分の色覚特性を知らない若い人が増えてきました。このため、色覚検査が見直され始めており、適正な検査への模索が続いています。

2016年から、愛知県でも色覚検査が見直されたとのことですが。

安間哲史院長 医療法人 安間眼科4

このような経緯がある「色覚」なのですが、色覚検査が実施されなくなった2002年以降、教育や雇用の現場では色覚異常が原因とみられるトラブルが問題になっていました。例えば、小学校の教室で緑の黒板に書かれた赤いチョークの文字が読めない児童がいるとか、美容師として就職したのにヘアカラーがわからなくて仕事に支障を来たしている例とか、自衛隊志望だった学生が色覚異常だとわかり就職を断念した例など、多数あります。いずれも、色覚検査を受けていなかったため、本人が色覚異常であることを知らなかったことや、周りの人が色覚異常についての知識をもっていなかったことが原因のトラブルです。愛知県でも色覚検査の必要性を周知徹底できるよう努力しています。2016年4月からは広く色覚検査の希望者を募るよう学校現場に依頼しており、私も県や市の啓発活動のお手伝いをしています。

色覚専門医療機関として、色覚検査にも対応

カラーコンタクトレンズが原因で来院する方も増えてらっしゃるのですか。

安間哲史院長 医療法人 安間眼科5

増えていますね。一般の量販店やインターネットでコンタクトレンズが安易に買えてしまうために、適正な取り扱いを十分に理解していない人が増えていることや、カラーコンタクトレンズをファッションと捉えて、友達同士で貸し借りをしている人たちもいると聞いています。カラーコンタクトをつけることは必ずしも悪いことではないのですが、角膜に接触する内面に色素が浮き出ているものもあり、注意が必要です。最近、カラーコンタクトレンズによる角膜の感染症が増えてきていますので、目に異常があれば、すぐに医師に診てもらうことが大切です。

今後の展望をお聞かせください。

これまで、土日の救急医療に参加したり、医院の規模を拡張したり、新しい手術に取り組んだり、さまざまなことをやってきました。父の代から数えると約70年地域の「目の健康」を守ってきたことになります。そして現在は、先ほど触れました「色覚検査」に取り組んでいます。検査自体は小・中学校や高校の学校医や養護教諭の先生方が学校内で行いますが、色覚異常が疑われると、眼科医療機関でより精密な検査を受けることになります。当院も色覚専門医療機関として色覚検査への対応に力を尽くしたいと思っています。また、眼科治療も日進月歩で、新しい薬、新しい手術、新しい考え方が出てきています。最新の治療に関わりつつ、見えなくなった方へのロービジョンケアにも力を入れたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

安間哲史院長 医療法人 安間眼科6

目は「情報の窓」ともいわれます。普段は見えていているのがあたりまえであっても、「結膜炎」や「ものもらい」などのちょっとした不具合で、生活の質が極端に落ちてしまいます。少しでも目の異変を感じたら迷わずに眼科を受診していただきたいです。「飛蚊症」は加齢に伴ってよく自覚される症状ですが、急に「飛蚊症」に気づいた時は放っておかないで、ぜひ診察を受けてください。「網膜剥離」などの失明につながる重篤な病気の可能性もあります。2つにダブって見えるのは眼筋のバランスがずれているためなのですが、脳梗塞や内科的な病気の症状である場合もあります。少しでも気になったら躊躇せず眼科の扉を叩くことです。早期受診で病気の早期発見! それが目の健康を守る最大のポイントです。何か気になったら気軽に受診していただきたいですね。

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