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服部 達哉 院長の独自取材記事

本町クリニック

(名古屋市中区/矢場町駅)

最終更新日:2021/10/12

服部達哉院長 本町クリニック main

名古屋の中心地にありながら緑が多く残る白川公園からほど近い本町通りにある「本町クリニック」を訪ねた。5階建ての建物すべての階がクリニックの施設として利用されており、MRI、レントゲン、筋電図などの検査施設も充実している。この地に開院して16年、地域の神経内科ではフロンティア的存在の院長の服部達哉先生は、基幹病院、他の専門医院との連携にも積極的に携わり、その信頼も厚い。名古屋のビジネス街栄という立地から、ビジネスパーソンから地元の高齢者、パーキンソン病の専門家として他県からの来院する患者と、幅広い患者層から支持される服部院長に、クリニックの特徴から神経内科についてわかりやすく話してもらった。

(取材日2016年3月7日)

一人ひとりの患者を長く診て行きたいとの思いから開院

名古屋の中心街「栄」に開院された経緯をお聞かせください。

服部達哉院長 本町クリニック1

順天堂大学の医学部を卒業後、順天堂大学付属病院の脳神経内科に入局しまして、その後国立精神神経センター神経研究所で研究に従事した大学院時代を含め14年間大学病院で診療にあたってきました。医局で同期生であった妻と知り合い、その後結婚をしまして、妻も同じ神経内科でしたので一緒の職場で協力していこうと、地元に戻って開院することを決めました。1999年の4月から名古屋に戻り、当時の国立名古屋病院、現在の名古屋医療センターですが、そちらの神経内科に勤務しながら開業の準備をし、その年の7月に開院しました。クリニックの建つこの場所は、実家が代々この土地で繊維問屋を営んでおりましたので、なじみのあるこの地所を引き継ぎ開院することにしました。

クリニック開院でこだわられた点などお話しください。

私の専門となるパーキンソン病をはじめ神経内科の患者さんは、治療期間が長くなるケースも多く、一人の患者さんを長く診ていきたいとの思いがありました。大学病院で病棟医長をしていた頃に診療報酬の改定で入院時医学管理料の在院日数による逓減が実施され、入院が長引くと転院させるか退院させなければならなくなりました。当時は神経内科の診療所は少なく、退院する患者さんの受け皿となろうと思い開院を決意しました。開院にあたっては、神経内科での診療に必要な検査は当院で完結できるクリニックにしたいと思い、MRI、レントゲン、筋電図、脳波等の検査機器の導入と、治療にはリハビリテーション施設が必要と考え5階建ての設計となりました。神経内科として設備を充実させたことで、他県を含め他院からの検査要請や紹介も多くありました。

神経内科とはどのような病気を診られるのですか?

服部達哉院長 本町クリニック2

神経内科はその間口がとても広く、脳外科の内科でもあり、整形外科の内科でもあります。簡単にいうと首から上は脳外科で下は整形外科なんですが、その両方の内科が神経内科となります。大脳、小脳、脊髄、末梢神経および筋肉の障害すべてが対象となり、耳鼻科、眼科、泌尿器科、そして精神科の内科も神経内科になります。具体的には、脳出血、脳梗塞などの脳血管障害、認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患、髄膜炎、脳炎などの炎症性疾患、ギランバレー症候群などの自己免疫疾患、多発性神経炎、重症筋無力症、多発性筋炎などの神経筋疾患、ビタミン不足などの代謝性疾患。他にも頭痛、めまい、てんかん、頸椎・腰椎症なども含まれます。 こうしたことから、他科の先生からの紹介も多く、他院との連携はとても重要になっています。

幅広い患者層とのつながりを大切にして

患者さんはどのような方が多いのですか?

服部達哉院長 本町クリニック3

ビジネス街という土地柄もあり、頭痛やめまいなどの症状で来院されるお勤めの方が多いですね。頭痛、腰痛の患者さんなどは、会社でゆっくり休憩できる場所もないので、休憩時間にリハビリに来られます。また、当院はパーキンソン病を専門として愛知県パーキンソン病友の会活動に参加していますので、パーキンソン病の患者さんが多いです。年齢的にはパーキンソン病は50代で発症される方が多いので、50代以降の患者さんも多くいらっしゃいますね。それと私の地元ということもあり、小学校の頃の同級生のお父さん、お母さん、それに担任の先生も来院されるので、待合室が昔のPTAの集まりみたいになったりもします。

神経内科を専門にされた理由は何ですか?

もともと高校生までは科学者になることが夢だったのですが、進路相談の先生の勧めで医学部をめざすことにしました。順天堂大学の医学部に進学しても、最初の頃は基礎の研究者になりたいと思っていましたね。神経内科をめざすきっかけとなったのは、大学で運動部に入っていたのですが、5年生になり部活動も一段落し時間の余裕が少しできたので何かボランティア活動をしたいと思い、重症心身障害者の方をみるサークルに入ったことでした。そのサークルの顧問の先生が神経内科の教授でして、そこで筋ジストロフィーやてんかん、脳性麻痺などの神経難病の子どもたちと接し、顧問の先生方の指導を受けているうちに神経に興味を持ちまして、神経内科を選択しました。

診察で心がけていることはどんなことでしょう?

服部達哉院長 本町クリニック4

学生時代にボランティアで重症心身障害者の子どもたちと接していまして、会話ができない方とどのようにしてコミュニケーションをとったらいいのかと考えたのですが、やはり一緒にいる時間が楽しいと思うことが一番大事だと感じるようになりました。ですから、クリニックを訪れる患者さんを診ている時も、できるだけ楽しい時間を過ごせるようにと意識して接しています。クリニックへ来るのが楽しいと感じていただければお互い楽しいですしね。例えばパーキンソン病の患者さんの場合ですと、日々の生活の中で症状の変動がありますので日記をつけていただいているのですが、調子の悪かったことの他に、何か良かったことや楽しかったことを報告していただいて、常に楽しい空間になるよう意識しています。

ちょっとした体調不良にも対応するのが神経内科

日々お忙しい先生ですが、趣味や休日の過ごし方などお聞かせください。

服部達哉院長 本町クリニック5

開業してからは連続した休みがとれず、けがができないので、高校の同級生仲間とゴルフに行くことを楽しみにしています。ただ月に1回が精一杯ですね。あとは時間が空けば、近くへドライブに行ったり、妻はピアノが趣味なのでコンサートを聴きに行っています。クリニックの開院5周年、10周年には自分たちで記念コンサートを開催してきました。それから、これは趣味と言っていいかわかりませんが、この本町通りというのはかつて名古屋城と熱田神宮を結ぶ一番のメインストリートになっていまして、この近くにある若宮八幡社の若宮祭は名古屋の3大祭の一つに数えられるほど有名なんです。祭りの山車巡行の当番が8年ごとにこの町内に回ってきまして、その年にはスタッフ総出で奉曳に参加してきました。年に一度の祭りになると血が騒ぎますね。

今後取り組みたいことや、伝えたいことはありませんか?

現在2人の若い先生に手伝いに来ていただいていますが、そういった次の世代の医師へ自分たちの考え方や経験を伝えていきたいと思っています。それと当院でも他の病院や専門クリニックとの連携に積極的に取り組んできました経験上、その大切さを感じておりましたので、医師や医療関係者同士が手を携えて協力してやっていけるような仕組みづくりをしていきたいと思っています。また、認知症に関してなんですが、認知症は本人が病識がない場合も多いので、本人でなくても家族の方で認知症のことで不安のある方やお悩みの方などは、早い段階でご相談ください。地域包括支援センター(名古屋市いきいき支援センター)の相談窓口もご利用ください。

読者へのメッセージをお願いします。

服部達哉院長 本町クリニック6

神経内科という科はなじみがなく敷居が高いようですが、頭痛やめまい、しびれ、物忘れなどの症状を専門する内科です。そうした症状でお困りの際は、神経内科を受診してほしいと思います。めまいがするので耳鼻科に行ったんだけど、耳には異常がないのでこちらを紹介されたとか、まぶたがけいれんするとか、ものが二重に見えるとかで眼科へ行って、神経の病気だからとこちらへ紹介される患者さんのケース、動きが悪くて整形外科からこちらへ紹介される方などが多いです。何かしら不安に思ったら気軽に受診していただきたいですね。

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