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猪子 哲朗 院長の独自取材記事

猪子内科クリニック

(名古屋市北区/黒川駅)

最終更新日:2021/10/12

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック main

名古屋市営地下鉄名城線の黒川駅から徒歩10分。北区を流れる黒川沿いに「猪子内科クリニック」はある。院長を務める猪子哲朗先生は、この地で生まれ育った地域住民の一人だ。「人が温かく、アットホームな雰囲気の町です」と朗らかな笑顔で話す姿からは、地域に対する深い愛情が感じられる。クリニックの診療以外にも、週3回は13時から16時までの昼休みを利用して訪問診療に取り組むなど、地域住民に尽くし貢献してきた姿勢が垣間見える。そんな猪子院長に、日々の診療に対する姿勢や、訪問診療、看取りについて、患者への思いなどじっくり語ってもらった。

(取材日2019年3月12日)

患者とじっくりと向き合う医療をめざし内科の道へ

お父さまの代から続くクリニックだそうですね。

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック1

はい、もともとは僕の父がこの場所に外科の医院を開業して、50年ほど診療しておりました。その頃は4階建てで、入院患者が常時50人前後いるような医院でしたね。2007年に父が亡くなり、僕が後を継ぐことになったのをきっかけに建物を全面的に建て替え、現在のような平屋造りになりました。僕はこの地域で育ったので、小さい頃からクリニックの前にある黒川を見て大きくなりました。昔はお世辞にもきれいとは言えませんでしたが、今は整備されてとてもきれいになりましたね。春になると川沿いに桜が咲くので、それを楽しみにしている患者さんも多いんですよ。

大学卒業からクリニック継承までのご経歴を教えてください。

1992年に愛知医科大学卒業後、大学の医局に1年半程在籍していました。その後、港区名港にある臨港病院での研修を経て、岐阜の垂井町の博愛会病院に勤務していました。父が亡くなったのは、ちょうど勤務し始めて1年半した頃。クリニック継承に伴って、私の専門である内科のクリニックに生まれ変わりました。大学病院では、糖尿病や消化器疾患の診療が中心でしたが、人工透析などをはじめとした腎臓疾患を診る機会も多かったですね。臨港病院では、地域的なものもあると思いますが、多くのご高齢の患者さんを診療してきました。今でも1ヵ月に一度、臨港病院で当直をしているんですよ。

医師をめざされたのは、お父さまの影響が大きいのでしょうか?

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック2

身近にいましたから、その影響は当然大きなものだったと思います。子どもの頃は、父が医師として働く姿を「忙しくて大変そうだな」と、ただ漠然と感じていただけでした。でも高校に入って進路を決断するときには「自分も父と同じ医師になりたい」と思うようになっていましたね。「父の後を継いでほしい」という母の強い希望も影響していたかもしれません。医学部に進学して専門分野を決めるときは、父のように細かな手技を磨いて手術を行う外科よりも、お話しをしながらゆっくり患者さんと向き合う方が自分に合っていると思い、内科を選びました。

外来診療に加えて院外にも活動のフィールドを広げる

どのような患者さんが多いですか?

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック3

地域柄高齢者が多いため、この近くにお住まいの60~80代の患者さんが中心となっていますね。今でも父が診ていた時代の患者さんが来院してくださることも。この近くで育っていますので、ほとんどの患者さんがご近所の顔なじみや、知り合いなんですよ。症状としては風邪をはじめ、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病が多いですね。生活習慣病の場合は、患者さんの生活状況をしっかりヒアリングし、運動や食事のアドバイスをしています。それでも改善が見られない場合は、症状に合わせてお薬を処方して治療を行います。また、毎週火曜と木曜の午前に、針とマッサージの施術をしてくださる方をお呼びしているので、その日に合わせて来院される患者さんもいらっしゃいます。

最近は認知症の患者さんも多く診られていると伺いました。

同じ患者さんと長く接していると、小さな変化に気付くことがあります。高齢の患者さんが多いということもありますが、最近は認知症の患者さんを診る機会が増えているなと感じます。本人がなかなか自覚しにくいだけでなく、認めたくないというケースが多いので、家族に来てもらってお話しするようにしています。テストをして認知症の兆候があった場合は、家族に介護保険についてお話しして利用を勧めることもあります。高齢の親御さんを抱える方は、よく親御さんを観察して、普段と違う行動や異変があった場合は、早めに相談にいらしていただきたいですね。

訪問診療にも携われているとか。

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック4

特別養護老人ホームや、患者さんの個人宅に伺って診療を行っています。また2014年頃からは、緩和医療と看取りにも応じるようになりました。延命を目的とした処置は行わず、あくまでも苦痛や不快感を少しでも和らげて、残された生活の充実を優先させるための治療と言ったら良いでしょうか。自宅や病院、施設など、亡くなる場所はさまざまですが、多くの患者さんがご自身の苦痛、家族への負担を考え、胃ろうや経管栄養をして寿命を延ばすより、自然に看取ってもらうことを希望されるケースが多い印象があります。現在は120人くらいの患者さんを診ていて、時代の流れとともにニーズが増えてきていると感じますね。ほかにも、母校の清水小学校や八王子中学校の学校医などもしています。お昼の時間を使って活動しているので、休憩はあってないようなもので大忙しです(笑)。

父が育んできた地域医療の土壌を生かしさらなる発展を

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック5

僕が一番大切にしているのは、患者さん一人ひとりの話をしっかりヒアリングすることです。そして、その時一番適していると考えられる治療法を提案するようにしています。中には、いつもは安定しているのに、来院すると緊張から血圧が上がってしまうという患者さんもいらっしゃいます。不安を抱えている患者さんに、少しでも安心感を持ってもらえるように、しっかり話を聞いてリラックスした状態で受診してもらえるように心がけています。

休みの日の過ごし方や、先生自身の健康法を教えてください。

ずっと仕事ばかりだと体が鈍ってしまうので、時間があればゴルフをすることが多いですね。あとは、家でじっとしているよりも動く方が好きなので、買い物や食事に出かけたりします。また年に数回ですが、新年会や柳原商店街が主催する夏祭りに際して、同級生と集まることもあります。気心の知れた相手と楽しい時間を過ごすことは良い気分転換になりますね。日々の健康法としては、疲れを残さないために毎日6時間以上は睡眠を取るようにしています。犬を飼っているので、軽い散歩もしています。ただ、忙しさから遅い時間に食事を取ることが少なくないので、そろそろダイエットをしないといけないなと思っています(笑)。

今後の展望や、読者へのメッセージをお願いします。

猪子哲朗院長 猪子内科クリニック6

クリニックへ来院してくださる患者さんへの親切・丁寧な診療は、当然ながら今後も引き続きめざしていきたいと思っています。さらに、この地域は高齢の患者さんが多いので、今まで以上にニーズが高まっていくであろう訪問診療にも力を入れて、地域に密着した診療を行っていきたいです。患者さんだけではなく、患者さんのご家族ともコミュニケーションをしっかり取って、一緒にフォローしていけると一番良いですね。患者さんの話を親身になって聞く姿勢を忘れることなく、この地域のかかりつけ医になりたいと思っています。

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