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森本 康嗣 院長の独自取材記事

森本医院

(名古屋市東区/大曽根駅)

最終更新日:2021/10/12

森本康嗣院長 森本医院 main

大曽根駅から徒歩5分ほどの「森本医院」は、親子3代にわたり地域に根差した診療を行う歴史あるクリニックだ。昔からこの地に住み長年通っている患者も多い一方で、新たなマンション建設などで子ども連れの患者も増えており、患者層は幅広い。近年リフォームした院内は、落ち着いた雰囲気ながらも、清潔感があって明るい印象を与える。2代目の森本眞樹院長から、3代目院長に継承した森本康嗣院長が勤務医を経て戻ってきてから、医療機器も新規導入し、院内はすべてバリアフリー対応となった。訪問診療にも力を入れているそうだ。森本院長は「日常の心配なことや気になることをなんでも相談できるクリニックにしていきたい」と穏やかに話す。父や祖父を見習い、地域の人々の健康を見守る院長に話を聞いた。

(取材日2016年7月28日)

父と祖父の背中を追い、命を助ける仕事に

医師をめざしたのは、やはり前院長のお父さまや先代の影響でしょうか?

森本康嗣院長 森本医院1

そうですね、とくに表立って後を継ぐように言われたことはなかったのですが、親の働いている姿を見たり、祖父がどんなふうに働いていたかという話を親から聞いたりしていたので、その影響はあると思います。僕が小さいうちに祖父はもう引退したので、あまり働いている姿は見たことはなかったんですが、父からは、休みの日も子どもの往診によく行っていたとか、町内で病気の人がいたら駆けつけたとか、そういう話をよく聞いていました。医師になった時からいずれはこの医院で働くことになるだろうという気持ちはあって、2014年に戻ってきて副院長になりました。2代目の院長である父は、以前から訪問診療をしていましたが、この辺りではほかに訪問診療をしているところが少なく、需要が大きかったので、父1人でやるには負担が大きかったんです。1人で頑張りすぎたせいで体調を崩した時期もあって、それもきっかけとなって戻ってきました。

循環器を専門に選んだ理由は何だったのでしょうか?

やっぱり医師になろうと思った時に、一番のベースとして命を助けることをめざしたいと思いました。単純に人間は心臓が止まると死んでしまうので、命の基本的なところになるのは心臓かな、と。いろいろ勉強していくと、大事なのは心臓だけじゃないとわかるんですけれどね。でも、やはり心臓が悪いと、全身の他の臓器も悪くなってしまいます。そこを治療できるようになれればいいなと思って、循環器内科を選びました。研修先の病院で出会った循環器の先生が熱心な方だったというのも大きいです。そこで心臓病の患者さんが、劇的に元気になって退院する姿を目の当たりにして、最終的に循環器に進もうと決めました。

この地域の患者層についてどのように感じていますか?

森本康嗣院長 森本医院2

昔から地域に住んでいて、ずっと通ってくれている方もいますね。それと同時に、新しいマンションなどもできて、保育園や幼稚園に通うお子さんを連れて若いお母さんにも来てもらえるようになりました。あとは近くに大きい電機会社の工場があるので、会社帰りに通っている方もいます。なので、患者さんの世代は幅広いですね。お子さんと一緒にお母さんがかかったり、お母さんから聞いてお父さんも来るようになったりして、家族全員が当院に通ってくれているということも、前に比べると増えました。

些細な不安も気兼ねなく相談してもらえる医院をめざす

診察で心がけていることは何ですか?

森本康嗣院長 森本医院3

大きい病院に勤めていた時は、患者さんが困ったことがあっても、混んでいるので気軽に尋ねられない雰囲気がありました。だからこそ、当院はちょっと気になることがあったら、遠慮なく来院できる医院にしていきたいと思います。父がそういう病院にしてきたので、僕も患者さんに話しづらいと感じさせないようにしているつもりです。患者さんが自分で気づいている症状ならば話してくれるのですが、気づいていないけれどちょっとした違和感を持っている場合もありますよね。そういうことも思い出してもらえるような聞き方を心がけています。また、診察室の大きなモニターでレントゲンとエコーの結果を見せながら説明しており、言葉だけで説明するよりも患者さんの理解も深まるんです。それで実際大きな病気が見つかったこともあります。一緒に見ることで、僕が患者さんに助けてもらっているという感覚です。

導入している機器についてこだわりはありますか?

循環器内科に勤務して以来、ずっと心臓病の患者さんを診てきましたが、心臓病の人は生活習慣病にもかかっている人が多く、糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの治療を一緒に行う人がほとんどです。そのため、当院でも生活習慣病の診察に役立つ検査機器を導入しました。例えば内臓脂肪を体の負担少なく測定できる機器を導入したことで、見た目ではわからない内臓脂肪を数値で把握できるようになりました。生活習慣病や内臓脂肪などについてちょっと調べてほしいという時に、気軽に相談していただけたらと思います。健康なうちにしっかり対策をして、病気になる前に予防することが大切なので、気になることがあれば気軽に相談に来られるような雰囲気づくりも大切ですね。

確かに生活習慣病は動脈硬化などを引き起こしやすく、循環器疾患との関わりも深いと言えますね。

森本康嗣院長 森本医院4

生活習慣病治療の鍵となるのが、動脈硬化の予防です。動脈硬化が進むと心筋梗塞や心不全などの引き金となることもあり、循環器疾患の専門的な知識・経験があることは生活習慣病治療でも大きなメリットとなります。内科としてはもちろん循環器内科としての見立てができることも、当院の特徴ですね。また、循環器疾患と耳にするとバイパス手術やカテーテル手術などをイメージされることが多いと思いますが、手術と同等に重要なのが、術後のケア。退院後も継続して適切なケアを行わなければ、高い精度の治療とは言えないほどです。薬にしても、継続しなければ意味をなさないものもあれば、中断していいものもあります。患者さん一人ひとりの状態を理解し、専門的な知識からかかりつけ医としてケアの内容を判断することがとても重要、ということですね。当たり前と思われるかもしれませんが、そのさじ加減は簡単なものではありませんので。

体だけでなく治療機器のメンテナンスでも頼れる存在

病院と連携してペースメーカーのチェックをしているそうですが、具体的にどんな取り組みなのですか?

森本康嗣院長 森本医院5

ペースメーカーは大きな病院の循環器内科で埋め込み手術をするのですが、入れた後は定期的に機器をチェックしなくてはいけません。そのために毎回大きな病院に行くのも負担ですよね。そこで、病院と連携して機器のチェックだけは当院でできればと考えました。例えば当院からの紹介で大きな病院に行ってペースメーカーを入れてもらった人が、今までどおり当院に来れば機器の調子をチェックできます。病院との連携については、患者さんが希望すれば、できるだけ早めに病院を紹介できるように力を入れていきたいと思っています。

今後のクリニックの展望についてお聞かせください。

生活習慣病の予防や治療に力を入れていきたいですね。先に挙げたとおり、生活習慣病と循環器疾患は関係が深く、心臓発作のような重篤な症状は生活習慣病が原因で起こってしまうことが多いです。そのため、生活習慣病の段階で進行を食い止められるような治療が求められると考えられますし、それでなくても、生活習慣病の予防はそのほかの疾患の予防にもつながると思いますので。あとは、地域の診療所という特性を生かして大きな病院で治療した後に、定期的な診察やケアが必要な人が気軽に通える場所をめざしたいです。父親が地域に根差してやってきたことを、引き継いでいきたいと思っています。

最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

森本康嗣院長 森本医院6

循環器疾患や生活習慣病の治療は、何よりもまず早期発見・治療が第一となります。血圧やコレステロール、中性脂肪の数値もしも定期健診などで引っかかった場合などは、早めに診察を受けていただきたいですね。もちろん、少し気になる程度でも大丈夫ですよ。コレステロールや中性脂肪などの数値を早めに気にするようになれば、その分リスクも減りますので。自分のことだけでなく、親御さんの様子で気になる場合もぜひ一緒にいらしてください。わからないから後に、ではなく、気軽に相談できる相手として、皆さんに頼っていただけたらうれしいですね。

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