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上松 正幸 院長、上松 万里子 先生の独自取材記事

池下やすらぎクリニック

(名古屋市千種区/池下駅)

最終更新日:2024/02/09

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック main

名古屋市営地下鉄東山線の池下駅の改札口真上の駅ビル4階にある「池下やすらぎクリニック」。精神科・心療内科を標榜し、ベテラン医師の上松正幸院長と、娘の上松万里子先生をはじめとする「心の専門家」が、不安障害やストレスなどによる症状に幅広く対応している。同院では、薬物療法にカウンセリング、認知行動療法などの心理療法を併用し医療を提供。院内はグリーンとベージュを基調としたインテリアで、待合室には絵画が飾られ、患者がリラックスして受診できるよう空間づくりにも力を注ぐ。インタビューでは、明るく気さくな人柄と丁寧で的確な診断を追求する一面を併せ持つ上松院長と、物腰やわらかな万里子先生に、診療方針や患者に対する想いなどについて話を聞いた。

(取材日2021年7月29日/情報更新日2024年2月7日)

幅広い心の疾患・障害に対応

貴院ではどんな診療を行っていますか?

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック1

【上松院長】うつ病、パニック症、更年期障害、不眠症など、子どもから高齢者までの幅広い心の疾患に対応しています。中でも、発達障害、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、双極性障害といった疾患は合併症が多く、臨床の場で見落とされがちですから、1つの病気に絞らず、きちんと鑑別をしながら絡み合った病気の取りこぼしがないように診ていくことを心がけています。また、大切にしているのは身心一如という考え方でなるべく心も体も診るようにすること。根底に内分泌疾患や神経疾患などの身体疾患があって精神症状が出ているケースもたくさんあるので、血液検査などを実施して精度の高い診断と診療を意識しています。幅広い知識や見識を持ち、必要に応じて病診連携を取りながら、病気の見落としがないように日々努めています。

現在は、たくさんの先生と一緒に診療をされていますね。

【上松院長】開業以来1人で診療を続けてきましたが、さまざまな症状・年齢・背景を持つ患者さんに対応するには、多様な治療の選択肢があったほうが良いのではという気持ちが強くなりました。そこで2021年から、万里子先生や、非常勤の山本育代先生など30~50代の女性の先生を迎え、診療体制を構築しました。それぞれ一般的な診療に加え、万里子先生は小児精神科、山本先生はがん患者やその家族の精神的苦痛に対する診療経験が豊富。小児から思春期、成人まで、それぞれが得意な分野を受け持っています。患者さんも担当医を選べるようになり、より自分に合った医師に出会える可能性が高くなったのではないでしょうか。担当医との相性が今一つだと感じたら、ぜひお申し出ください。カルテを共有しているので、経緯を踏まえて治療を続けることが可能です。また、二診の時間帯ができたので待ち時間も短縮されたと思います。

万里子先生は、どのような診療をされているのでしょうか?

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック2

【万里子先生】私は大人の診療と同時に子どもを対象とした児童精神科も診療しています。主訴としては、自閉症スペクトラム、ADHDといった発達障害を診ることが多いです。他に、不登校や不眠などの相談もありますね。その場合、先に挙げたような発達障害が起因になっていることも少なくありませんから、時に成育歴なども伺いながら、さまざまな可能性を想定しながら診療にあたっています。あとは、摂食障害も専門に診てきた疾患の一つです。過食の場合は、ストレスやトラウマが隠れている可能性があるので、診療を通して、過食の引き金を患者さんと一緒に見つけ出し、行動を変えていくようなアプローチを取ります。拒食の場合は、体重があまりにも少ないと入院が必要なこともあり、病院とも連携しながら、生活や家庭環境など患者さんの背景に着目して改善を図っていきます。

専門性の高い医師や臨床心理士が丁寧に患者と向き合う

非常勤の山本育代先生はどんな先生でしょうか?

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック3

【上松院長】山本先生は、日本総合病院精神医学会一般病院連携精神医学専門医として、内科・外科に通う身体疾患がある患者さんのための精神科を中心に診療されています。例えばがん患者さんは、身体的苦痛だけでなく、精神的苦痛や心理社会的苦痛などさまざまな苦痛を抱えています。そのため多職種と連携して緩和ケアを行いますが、中でも精神的苦痛を軽減するための心の臨床を「サイコオンコロジー」といい、その分野での経験が豊富です。その知見を生かし、当院では「グリーフケア」にも対応しています。家族ケアのことで、終末期の患者さんのご家族も精神的な病気を抱えることが多く、「第二の患者」といわれている背景があるためです。いつも、患者さんの強みを大切にすることを大事にされていますね。毎週火・水曜日の午後と隔週の土曜日に来ていただいています。

貴院では、認知症の診療にも積極的に取り組まれていると聞きました。

【上松院長】少子高齢化で認知症が増えていることは皆さんご存知だと思います。患者さんは薬を求めて来院されますが、認知症の特効薬はまだありません。進行の遅延を図る薬しかないんですね。ですから、当院では患者さんにどう説明していくかに力を注いでいます。進行遅延のための薬をお出ししてから、患者さん中心の介護が一番重要であること、いかに介護していくかについて説明します。認知症を家族だけで抱え込むと、老々介護で無理が出てきたり、親子関係でけんかになったりしてDVに至るケースまであるそうです。今は介護保険制度が行き届いているので、家族で共倒れになることを防ぐために、例えば月曜から金曜まではデイサービスやショートステイを利用し、土日は自宅で診るというような提案をさせていただいています。

コロナ禍を経て、患者さんの変化は感じますか?

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック4

【上松院長】通院中の患者さんの中には変化が見られる方もいます。例えばコロナ禍で手洗いや消毒、外部に触れない習慣が一般的になったことで、不潔恐怖の患者さんは周囲の目を気にすることが少なくなったように感じます。対人恐怖から引きこもっている方も、外出を控えることが推奨されたおかげで、少し気持ちが楽になった面があるようです。ただしこうした習慣が今後のスタンダードになるとは言い切れないので、患者さんたちも反動で苦しむ時が来るかもしれません。いずれにせよ、心の病は社会の動きとも密接に関わっていると改めて実感しました。

患者の症状・希望に合わせて柔軟な診療を

診療において、最も大切にされていることは何ですか?

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック5

【上松院長】気楽に受診できるようこちらが意識していても、患者さんはすごく勇気を持って精神科へいらっしゃると思うんですね。心を診るにあたって、こちらが高圧的な態度や上から目線だったり、語気が荒かったりしてはいけないので、そういう態度は注意して避けています。そして最初が肝心で、あいさつと自分から名前を名乗ることは誰に対しても行います。そうすれば緊張も少しは和らぐかな、と。そこから「今日はどんなことでいらっしゃいましたか」と、やんわり聞くようにしています。本当はせっかちなんですけどね(笑)。患者さんに対しては心のハードルが低くなるように意識して接しています。最近ではほかの先生方のカルテからも学ぶことが多いです。最善の治療のために、いつまでも勉強が必要ですね。

カウンセリングにも力を入れていらっしゃいますね。

【上松院長】特にゆっくり時間をかけて面接や心理療法をする必要のある患者さんには、1回30分~1時間ほどの公認心理士による予約制のカウンセリングを行っています。ただ、すぐにカウンセリングではなく、まずは認知行動療法や薬物治療から行い、少し落ち着いて自分に向き合えるようになってきた段階でカウンセリングを受けることが望ましいと考えています。カウンセリングを含め、患者さんの症状や希望に合わせて柔軟な診療ができるように心がけています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

上松正幸院長、上松万里子先生 池下やすらぎクリニック6

【上松院長】受診のハードルが高いと感じるかもしれませんが、当院はアクセスしやすい都心のビルにあるので、軽症で来院される方も多くいらっしゃいます。心身の不調を感じたら、お気軽に相談してくださいね。
【万里子先生】つらいときに頼れる先は医師と同時に福祉も利用できる場合がありますから、まず窓口として私たちに相談してもらえたら。受診のタイミングは、ご本人が不安なときにはもちろん、もし人に指摘されるようなことがあれば病気のサインかもしれないので、ぜひお越しください。また、ご家族だけが周りに相談できず不安を抱えているケースもあります。場合によってはご家族に対してのアプローチができることもあるので、お一人で抱えずにご来院くださいね。

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