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上松 正幸 院長の独自取材記事

池下やすらぎクリニック

(名古屋市千種区/池下駅)

最終更新日:2021/12/09

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名古屋市営地下鉄東山線の池下駅の改札口真上の駅ビル4階にある「池下やすらぎクリニック」。心療内科・精神科を専門とする上松正幸院長は、穏やかでやわらかな物腰で接し、患者の緊張をほぐしながら心にアプローチしてくれる。不安障害やストレスによる症状に対し、診断・治療のためのプログラムを用意しており、薬物療法にカウンセリング、認知行動療法などの心理療法を併用し医療を提供。グリーンとベージュを基調とした待合室には絵画が飾られ、患者がリラックスして受診できるよう空間づくりにも力を注ぐ。明るく気さくな人柄と、丁寧で的確な診断を追求するベテラン医師としての両面を併せ持つ上松院長に、患者に対する思いや診療方針などについて話を聞いた。

(取材日2021年7月29日)

従来の精神科へのイメージを変え、より身近な存在に

医師をめざされたきっかけをお教えください。

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僕は中学2年生の頃から医師になると決めていました。実家は岐阜でアパレル工場を営んでいましたが、父が43歳の若さで胃がんによって亡くなり、その時に「末期がんの特効薬を開発できないものか」と思ったことが医師をめざしたきっかけですね。その後、紆余曲折あって最終的に精神科へ進むことを決めました。精神科を選んだ根底には、「もっと自分自身や他者をわかりたい」という気持ちがありました。自分の中に、自分でもわからない部分を誰でも持っていると思うんですが、そういった部分をもっと理解したかった。自分にも人にも興味があったというのが精神科に進んだ一番の理由ですね。

開業までの経緯を教えてください。

大学を卒業後、岐阜大学病院の精神科へ入局し、6年間ほど精神科臨床に従事。今思えば若気の至りなんですが、当時なぜか「臨床はいつでもできるな。今は研究が大切だ」と思い、遅まきながら31歳で大学院へ入りなおしました。そこで、統合失調症のMRI画像研究を行い、その後、岐阜の羽島市民病院に6年間勤務し、みっちり臨床を経験しました。その後、「一度都会でも患者さんを診てみたい」と思い、岐阜から名古屋へ出てきました。岐阜大学から名古屋大学精神科へ教室を移し、2年間ほど旭労災病院で勤務してから当院の開業となりました。

開業されたクリニックはたくさんの先生と一緒に診療をされていますね。

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開業以来、長年一人で診療を続けていたのですが、体力的に難しくなっていました。またさまざまな症状・年齢・バックグラウンドを持った患者さんに対応するには、多様な治療の選択肢があった方が良いのではないかという気持ちも強くなっていました。そこで2021年から女性3人、30代から50代の先生を迎えて、診療体制を構築しました。小児から思春期、成人まで、それぞれの先生が得意とする年齢層や分野の患者さんを受け持っています。患者さんにとっても、同性・異性や同年代・年上、年下の担当医を選ぶことができるので、より自分に合った医師に出会える可能性は高くなると思います。担当医との相性が悪いと感じたら、ぜひ申し出てください。カルテを共有しているので、そこまでの経緯を踏まえて治療を続けることが可能です。二診の時間帯ができたことで、待ち時間も短縮されたと思います。

幅広い心の疾患・障害に対応

クリニックではどんな診療を行っていますか。

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発達障害、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、双極性障害などの合併症が多い病気を臨床の場で見落とさないために、1つの病気に絞らず、鑑別をしながら絡み合った病気の取りこぼしがないように診ていきたいと思っています。あと、僕らの一番見落とすところで、精神領域だけではなくて、実は根底に内分泌疾患や神経疾患などの身体疾患があって精神症状が出る病気ってたくさんあるんですね。そういう身体疾患を見落とさないために、身心一如という形でなるべく心も体も診るようにしながら、血液検査をしたり、病診連携をして精度の高い診断と診療を意識しています。幅広い知識や見識を持って、病診連携を取りながら病気の見落としのないように日々の診療に対応していきたいと思います。

認知症の治療にも積極的に取り組んでいらっしゃるそうですね。

少子高齢化に基づいて認知症の方が多いことは皆さんもうご存知だと思います。しかし、認知症の特効薬はまだ何もありません。患者さんは薬を求めて来院されますが、認知症の進行を少し遅らせるような薬しかないんですね。そういう患者さんにどういう風に説明していくかということに力を注いでいます。認知症の進行予防の薬をお出ししてから、患者さん中心の介護が一番重要であること、いかに介護していくかについて説明します。認知症を家族だけで抱え込むと、老々介護で無理が出てきてしまったり、親子関係でけんかになってDVに至るケースまであるそうです。家族で共倒れになることを防ぐために、今は介護保険制度が行き届いているので、例えば月曜から金曜まではデイサービスやショートステイを利用して、土日は自宅で診るというように家族の負担を減らすために介護保険制度を利用してはどうですかという提案を当院ではさせていただいています。

コロナ禍で患者さんの変化は感じますか。

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受診控えはそれほどなく、新患が大きく増えたということもありませんが、通院を続けている患者さんの中には変化も見られます。例えばコロナ禍で手洗いや消毒、外部に触れない習慣が一般的になったことで、不潔恐怖の患者さんは周囲の目を気にすることが少なくなったように感じます。対人恐怖から引きこもっている方も、外出を控えることが推奨されたおかげで、少し気持ちが楽になった面があるようです。ただしこうした習慣が今後のスタンダードになるとは言い切れないので、患者さんたちもその反動によって苦しむ時も来るかもしれません。いずれにせよ、心の病は社会の動きとも密接に関わっていると改めて実感しました。

患者の症状・希望に合わせて柔軟な診療を

診療において、最も大切にされていることは何ですか?

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気楽に受診できるようこちらが意識していても、すごく勇気を持って精神科へいらっしゃると思うんですね。心を診るにあたって、こちらが高圧的な態度や上から目線だったり、語気が荒かったらいけないので、そういう態度は注意して避けています。そしてまず最初が肝心で、あいさつと自分から名前を名乗ることは誰に対しても行います。そうすれば、患者さんの緊張も少しは和らいでくれるかな、と。そこから「今日はどういうことでいらっしゃいましたか」と、やんわり聞くようにしています。本当はせっかちなんですけどね(笑)。患者さんに対しては心のハードルが低くなるように意識しながら接しています。最近ではクリニックの先生方のカルテからも学ぶことが多いです。最善の治療のために、いつまでも勉強が必要ですね。

カウンセリングにも力を入れていらっしゃいますね。

特にゆっくり時間をかけて面接や心理療法をする必要のある患者さんには、1回30分~1時間ほどの公認心理士による予約制のカウンセリングを行っています。ただ、すぐにカウンセリングではなく、まずは認知行動療法や薬物治療から行い、少し落ち着いて自分に向き合えるようになってきた段階でカウンセリングを受けることが望ましいと考えています。患者さんの症状や希望に合わせて柔軟な診療ができるように心がけています。

お忙しい毎日ですが、どんな気分転換をされていますか。

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ゴルフや家庭菜園、熱帯魚や錦鯉の飼育をしています。あと、メタボ予防のために20年来、毎朝20分くらいかけて筋トレを続けているんです。複数のトレーニングを組み合わせて行っていますが、スクワットは割と簡単に100回くらいやっちゃいます。20年間に5日も欠かしたことがないんですよ。標準体重もこの20年間ほとんどキープできています。それが僕、唯一の自慢かもしれません(笑)。そうした気分転換も交えながら、長く診療を続けてきましたが、都心のビル診療所の特質で、軽症の患者さんや不眠症だけで来院される方も多くいらっしゃるのが実情です。心身の不調を感じたら、緊張しないでお気軽に相談してくださいね。

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