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村元 秀行 院長の独自取材記事

むらもとクリニック

(名古屋市千種区/今池駅)

最終更新日:2019/08/28

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地下鉄今池駅より徒歩10分ほどの場所にある「むらもとクリニック」。白い壁にオレンジ色の院名が映える外観が目印だ。待合室の天井は高く開放感にあふれており、また、誰もが通いやすいようにバリアフリー対応。現在の院長である村元秀行医師の父の代から「村元医院」として開業しており、町のかかりつけ医として地域の人達に長年頼られてきた医院だ。同院は糖尿病や高血圧などの生活習慣病に力を入れており、患者のライフスタイルに合わせた治療を提供している。「患者さんにはどんなことでもいいので、本音で話してもらいたいですね。」と笑顔で話す村元院長。そんな患者思いの村元院長に同院を開業した理由や診療ポリシーなどたっぷりと話を聞いた。
(取材日2016年4月28日)

患者さんと真摯に向き合い続けたい

医師を志したきっかけ、開業の経緯をお聞かせください。

私が1歳の時から父が「村元医院」という名で開業していました。その姿に憧れて自然に医師になりたいと思っていました。他の道を考えたことはありませんでした。父はとても穏やかで、口数は少ないけれど心に残るような事を言う人でして。私もそうありたいと日々努力しています。医院を継いだのは、父が80歳を迎えたことがきっかけです。その際に院内も全面改装しています。バリアフリーにして、車いすでもゆったりと動いていただけるよう扉や廊下の幅も広くし、開放感が出るように待合室の屋根も抜いて天井を高くしました。あとは、すぐに入って来ていただけるようスリッパをやめて土足に。お子さん連れの方やご高齢の方は、靴を脱いだり履いたりするのも大変ですからね。

医師になってから、特に印象に残る出来事などはありますか?

開業前は病院勤務をしておりました。当時はがん治療に多く携わっていたので、病名の告知や残された時間を伝える予後告知をどのようにしていけばいいのか、とても悩んだ時期がありました。インフォームドコンセントという言葉自体は取り上げられつつありましたが、当時はまだ、病名は伝えるものの予後告知については口を閉ざす風潮が強かったんです。しかしある時、一人の患者さんに「主治医の先生は答えてくれなかったから、余命を教えて欲しい」と言われましてね。どのように伝えるべきかとても悩みましたが僕はその方に、「これからはご自分の時間をしっかり楽しんで生きて欲しい」とだけお伝えしました。その方は、落ち着き、納得した様子で「ありがとうございました」と言って診察室を出て行かれました。この時に患者さんと本気で向き合う上で「言葉での伝え方」がいかに大切なのか学びましたね。

患者さんはどのような訴えで来院されるのですか?

血圧が高いことを心配している方が多いです。軽症の高血圧の場合、なるべく降圧剤を使わないように心がけて治療をしていますので、それを聞いて来て下さる方が多いのだと思います。患者さんの状態に応じ、まずは食事療法や運動療法を勧めるのが本来あるべき姿だと思うのですが、最初から薬を出されるケースが多いです。実は、まだ薬に頼る段階ではない人もたくさんいます。ストレスで血圧が高くなっていることも多く、その場合はストレスがなくなると正常値に戻ることも。ただ、当院でも必要に応じて薬は使いますので、絶対に薬を服用しないクリニックではないことは理解していただければと思います。また、高血圧治療はとにかく家庭血圧を測ることが基本です。当院では、ほぼすべての患者さんに家庭血圧帳を付けてもらっており、それを見て、どの程度まで下がったら薬を減らせるのか、やめることができるか、など、具体的に説明をしながら治療を進めています。

患者の性格やライフスタイルに合わせた指導を行う

「家庭血圧帳」についてもう少し詳しく教えていただけますか?

私は家庭血圧帳のことを、患者さんと私を結ぶ「通信簿」のようなものだと思っています。通信簿とは言っても、数値が悪いからと言って患者さんを叱るようなことは絶対にありません。数値が悪いのは治療内容が適切でないのであって、改めるべきは私の方です。中には何回か測って一番良い数値を書いてこられる患者さんもありますが、そういう時は、普段のあなたのすべてを見せて下さいとお話ししています。正確に測定して頂くことが大切ですので、最初に正しい血圧の測り方をしっかりとレクチャーしています。また、お酒の習慣の有無や入浴から眠るまでの時間など、生活習慣によって測るべきタイミングが異なりますので、患者さん一人ひとりの生活サイクルを細かく伺うようにしています。

食事療法や運動療法の指導をされる際、工夫していることは?

例えば減塩食の指導についてですと、積極的に尿検査を行って食塩の摂取量を測っています。数字を目で見る事で患者さんに実感がわきやすくなりますし、当院の平均値なども取っているので比較して説明もしやすいんです。塩分は控えているつもりでも知らず知らずのうちに摂取している事が多いですからね。運動療法に関しては「短くていいから」と一言付けるようにしています。しかし、ゆっくりとした運動ですと1時間ほど行わないと意味がない場合が多いので、15分間の速歩や、仕事が忙しい方には帰り道に1駅前で降りて歩いてみることなどをお勧めしています。実際に出来そうもないことを言っても意味がないので、軽い気持ちで習慣に出来そうなことを提案するようにしていますね。

糖尿病治療にも力を入れているそうですね。

そうですね。その中でも特に、糖質制限食の指導に力を入れています。昔ながらのカロリー制限食に比べ、糖質だけを減らせば良いのでこちらの方が実行しやすいんです。まずは、糖質、つまり炭水化物が体にどういう作用があるものなのかを説明し、患者さんの食生活の中で何が多いのか、何をどれくらい削ればいいのかをお話しします。制限というより規定といった方がしっくり来るかもしれませんね。例えば、ご飯をどんぶりに一杯ずつ毎食食べていたという人には、お茶碗一杯ずつにして、夜はお米抜きにしましょう。そしてその一杯というのは横から見ても見えない程度の盛りですよ。といった感じで具体的にアドバイスします。守れない時があっても決して責めたりはしません。そのような場面があった時には、患者さんの気が病まないように「人間だから仕方ないですよ。」とお話ししていますね。

患者の一生に寄り添い、彩りある人生のサポートを

診察の際に心がけていることはありますか。

まずは、厳しすぎないこと。それに、画一的な治療を押し付けないことですね。病態に応じて、ということもありますが、患者さんの性格やライフスタイルに応じて話し方や説明の仕方も変えるようにしています。表面上の会話だけじゃなく患者さんには何でも打ち明けて欲しいですから。あとは言葉の語尾に気を付けています。語尾がきついと精神的に負担を感じてしまいますよね?例えば、私は高度の肥満でなければ「痩せましょう」とは言いません。メタボリック症候群という考え方に疑問も感じていますし、見た目がふっくらとしているからといって必ずしも痩せなければならないというわけではないからです。また、禁煙治療にも取り組んでいますが、患者さんご自身が「やめたい」と思う気持ちが大切なので、私から治療を押し付けることはしません。少しでもご自身のからだのことで気になることがございましたら一度ご相談いただければと思います。

ところで、お休みの日は何をされている事が多いのでしょうか?

最近は休みもあってないようなものですが、ゴルフと将棋は長年ずっと続けています。ゴルフは大学生の頃から、将棋は中学生の頃からですね。将棋に関しては、今は指す相手がいませんので、新聞で将棋欄を見たり、インターネットでプロの対局を見て楽しんでいます。2つとも体力維持と頭の刺激のためにも続けていきたいですね(笑)。

最後に、今後、取り組んで行きたいことなどはありますか?

現代の食事の欠点なども含め、どういうものが本当の意味の健康食なのかということを伝えていければいいですね。私自身もっと栄養学を勉強して、医師の視点からそういった情報を発信し、自然に長寿につながる生活を送れるようアドバイスをしていきたいと思っています。そして、患者さんの一生に最期まで寄り添えるような医療を提供して行きたいですね。どういった人生を送りたいかというのは一人ひとりそれぞれですが、その人にとって少しでも彩りのある人生のお手伝いが出来ればうれしいです。

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