全国のドクター9,257人の想いを取材
クリニック・病院 158,643件の情報を掲載(2024年4月23日現在)

  1. TOP
  2. 岐阜県
  3. 可児市
  4. 日本ライン今渡駅
  5. 武市クリニック
  6. 武市 康志 院長

武市 康志 院長の独自取材記事

武市クリニック

(可児市/日本ライン今渡駅)

最終更新日:2024/02/14

武市康志院長 武市クリニック main

日本ライン今渡駅から徒歩7分。国道21号線住吉南の交差点近くに「武市クリニック」がある。院長の武市康志先生は曽祖父から約130年続く医師家系の4代目。1991年に名古屋大学医学部卒業後、約30年間にわたりさまざまな総合病院で研鑽を積んだベテラン医師。「クリニックの院長としては遅咲きです」と笑顔を見せる武市院長は、「培った経験すべてが、かかりつけ医としての自信になっています」と胸を張る。重篤患者の診療にあたってきた経験から、病気の早期発見・早期治療の大切さを訴える武市院長に、地域医療におけるかかりつけ医の役割、診療に対する思いを聞いた。

(取材日2023年2月14日/情報更新日2024年2月9日)

「何でも診る」を信条に迅速かつ適切な診療を追求

約130年にわたって診療を続けてこられた家系とお聞きました。

武市康志院長 武市クリニック1

私の曽祖父が1887年に当時の医術開業試験に合格、以来隣町の加茂郡川辺町で産科として武市医院を開業しました。祖父は今でいう呼吸器内科の医師として、当時はとても患者さんが多かった結核の診療にあたりました。現在地で、消化器外科を専門とする父と婦人科の医師である母が、1977年に武市病院を開業しました。長年第一線で診療にあたってきた父も2021年8月に引退し、2021年9月に私が院長に就任しました。

現在はどのような患者さんが受診されているのですか?

患者さんの多くが、父の代から通ってくださっています。高血圧、脂質異常症、糖尿病、尿酸値が高いなど生活習慣病の継続的な治療をしっかり行っています。それだけではなく、緊急性の高い病状や重大な合併症にも適切に対応します。最近では私自身が学校医を務めていることもあり、小さなお子さんやそのお母さんお父さんなど、若い世代の患者さんも増えましたね。風邪、おなかの不調、頭痛、肩凝り、縫合が必要な切り傷などのケガ、花粉症などさまざまな病気や症状に対処します。CT検査やMRI検査が必要な場合や、緊急性が高く入院適応があれば可児とうのう病院や中部国際医療センター、岐阜県立多治見病院、総合犬山中央病院に連絡し専門医に紹介します。また、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンターなどとも連携をしています。

診療ではどのようなことを心がけていますか?

武市康志院長 武市クリニック2

当たり前のことですが、まずは患者さんやご家族がお話しされることによくよく耳を傾けていますね。患者さんのお話を整理し、こちらからも質問して総合的に判断して診断を進めていきます。耳を傾けるというのは、単に診断に役立つ情報を集めるという意味だけでなく、患者さんやご家族の不安を軽くするのにもとても大切な姿勢だと思っています。体の不調があればそれだけで不安でしょうし、患者さんの中には「冷たくあしらわれた」「どれだけ訴えても聞き入れてもらえなかった」など悲しい体験をされた方もいらっしゃいます。そういった方の心をほぐすためにも、じっくりと対話し信頼関係を築くことを心がけています。自然と心を開けるように手助けするといったイメージでしょうか。必要と思ったらじっくり向き合う時間を設けるようにしています。

循環器内科や救急科医の経験が現在の診療に生きている

院長就任までのご経歴をお聞かせください。

武市康志院長 武市クリニック3

医師となってから、まずは循環器内科を専門に研鑽を積んできました。急性心筋梗塞や狭心症などの患者さんに対してカテーテル治療を行うなどして、症状の改善に努めることに魅力とやりがいを感じていました。最後に勤めた愛知県のトヨタ記念病院では救命救急センター長を10年間務めました。病院としても、救急医療の充実や研修医教育の強化にかじを切るタイミングで、私としても培った経験を生かして救急医療に携わりたいと、救急の道に進みました。在籍時は軽症や重症患者の治療はもちろん、被災地での災害医療活動や、新型コロナウイルス感染拡大の初期対応も経験し、研修医の指導も行っていました。診たことのない症例はほとんどないんじゃないかと思うくらいですね。長年経験を積んだおかげで、クリニックの院長としては遅咲きとなりましたが(笑)。

培ってきた経験が、現在の診療に生かされることも多いのではないでしょうか?

そうですね、内科疾患は幅広く診てきましたし、救急では外科、整形外科、小児科、泌尿器科、耳鼻科、眼科、皮膚科、精神科までも対応してきました。妊婦さんの分娩まで対応することもありましたよ。交通事故も軽症から致命的な重症まで対応していました。考え得る可能性を検討した上で適切な医療につなげるためのノウハウは、救急科医の経験がなければ身につけられなかったでしょう。また、当時を振り返ると病院に運ばれてきた患者さんを前に「どうしてもっと早く来てくれなかったのか」と苦い思いをすることも少なくなく、重病になる手前の段階で食い止めることが大事だと痛感してきました。

重篤な病気を防ぐために、どんなことに力を入れていかないといけないとお考えですか?

武市康志院長 武市クリニック4

病気の前段階にあたる生活習慣病の進行を防ぐことがとても大事です。当院でも多くの生活習慣病患者さんを診ており、診察でまず私が心がけているのが「受け入れて、伸ばす」こと。実践できていることを褒めたり、改善に役立つアドバイスをしたりと、患者さん一人ひとりの実状を受け止めながら、治療に前向きに取り組んでいただけるよう努めています。時には、私が過去に対応した重症患者さんのエピソードなどもお話しして「5年後、10年後も今と変わらず過ごせるようにしていこう」と励ますこともありますね。誰だって「もっと頑張らないと」と言われたり「どうしてできないの!」と怒られたりするのは嫌じゃないですか。できていないことをとがめるのではなく、患者さんと一緒にできる方法を模索することを大事にしたいんです。

自分らしく暮らし続けるためのかかりつけ医をめざす

院長の考える、かかりつけ医の役割とはどんなものでしょうか?

武市康志院長 武市クリニック5

患者さんの生活背景を考慮しながら、いくつもの可能性を踏まえて診ていくことが、地域のかかりつけ医の役割だと思っています。特に病気の早期発見については、日常的によくある症状が実は重篤な疾患につながる兆候だった、というケースも少なくありません。胃痛だと思ったら実は急性心筋梗塞だった、肩凝りで受診したら胸部大動脈瘤が見つかった、顔が腫れてアレルギーかと受診したら肺がんが見つかったなど、患者さん自身が思ってもみない疾患が発見されることもあります。かかりつけ医として患者さんにとって身近な存在でありながら、常に重い責任を担っていると感じますね。

かかりつけ医を持たない人は、どんなきっかけからクリニックを利用したら良いでしょうか?

まずは症状があれば我慢せず、遠慮せず何でもご相談ください。私はこれまで「なんで来たの?」は言ったことがありませんが、受診をためらった患者さんには「なんで来なかったの!」と言ったことがあります(笑)。たとえ診療時間の終了間際でも電話連絡をしてみてください。目立った自覚症状などがなく、しばらく病院を受診してこなかったという人も、年に1回の健康診断で要観察や要検査の判定が出た場合でも一度ご相談ください。要観察がどの程度心配するべき状況かどうかは、患者さん本人ではなかなか判断しきれないと思います。健診結果を見ながら医学的なアドバイスをもらおう、くらいな気持ちで相談してもらえると良いかと思います。

今後の意気込みをお聞かせください。

武市康志院長 武市クリニック6

これまでを振り返り改めて自分の経験のすべてがかかりつけ医として欠かせないものだったと感じ、自信を持って診療にあたる日々です。一方で、患者さんの家族構成やお人柄などの情報の多さは、まだまだ父にはかないません。代々続いていた歴史と、育まれてきたご縁を私も引き継ぎ、地域に暮らす人たちの生活を守っていくことに力を尽くしていきたいです。そして、年齢を重ねても、例えば病気を抱えていたり家族の介助が必要だったりしたとしても、自分らしさを感じながら暮らしていける。そんな「変わらない毎日」を支える存在でありたいと思っています。どうぞ気軽に、何でもご相談ください。

Access