今尾 泰之 副院長の独自取材記事
新加納内科
(各務原市/新加納駅)
最終更新日:2025/10/01
歴史的な景観の残る新加納町で、50年にわたり地域住民の健康を支えている「新加納内科」。クリニックのデザインは白を基調とした清潔感のある雰囲気だ。広い駐車場があるので車でも来院しやすいだろう。岐阜で生まれ育った副院長の今尾泰之先生は、地元での開業をめざしながら大学時代は東京で過ごし、消化器内科を専門に研鑽を積んできた。救急の内視鏡治療や糖尿病の治療など、内科全般の診療に携わってきたという。現在は日本内科学会総合内科専門医として、院長である父と妻とともに、内科と消化器内科を中心に診ている。「多様な診療に携わってきましたので、内科領域なら何でも対応できます」と話す今尾副院長に、力を入れている分野や地域医療に対する思いなどを聞いた。
(取材日2022年2月17日/情報更新日2025年9月25日)
地元の開業医として長きにわたり地域の健康をサポート
50年の歴史があるクリニックだそうですね。

はい。現在院長を務める父が50年前に開業しました。移転はせず、この場所でずっと診療しています。ただ10年ほど前に増築を、最近は外壁を塗り替えましたので、50年たつ建物には見えないと思います。そんな長い歴史を持つ当院には親子3世代で受診されているご家庭や、昔から通っていただき私の幼い頃を知る方など、お子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方が受診されています。近隣にお住まいの患者さんの受診が多いですが、遠方からお越しの方もいらっしゃいますね。駐車場が広いので、お車でお越しの方が多いです。
診療内容について教えてください。
内科全般の症状に広く対応しています。風邪や腹痛をはじめ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療も行っています。発熱の症状のある方は、感染症対策として別室で診察し、時間を指定して駐車場でお待ちいただき、車内で診察することもあります。また、職場の健康診断や胃がん検診の結果を受けて受診される方にも対応しています。当院で力を入れているのは、胃の内視鏡検査と腹部超音波検査です。先進の機器を導入し、毎日検査を行っています。検査は予約制ですが診察は予約不要ですので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
診療の際に心がけていることは何ですか?

治療に不安を抱えている方や緊張されている方もいらっしゃいますので、リラックスしてもらえるよう丁寧に話を聞くようにしています。院内は清潔感と落ち着きのある白色を基調にしていますので、ゆったりとした雰囲気の中でお過ごしいただけると思います。待合室のソファーも壁の白色に合わせて、淡い色合いにしています。
豊富な経験を生かし、内視鏡検査と脂肪肝の診療に尽力
幼い頃から医師であるお父さまの姿をご覧になっていたそうですね。

私が物心ついたときにはすでに父が開業していましたので、父が働く姿を見て成長しました。自然と父と同じ医師の道に進んでいましたね。大学卒業後は内視鏡に注力している東京都内の病院に勤務し、その後再び大学に戻って消化器病、内分泌・糖尿病などを中心とした診療に携わりました。救急医療に力を入れていた大学だったので、毎日多くの救急患者さんを受け入れており、臨床の現場で多くの経験を積ませていただきました。この頃に、別の大学で研鑽を積んでいた妻と出会ったんです。その後一緒に岐阜に戻り、2人そろって地元の大学に入局し、地域の総合病院にも勤務しました。これまでお世話になった近隣の病院とは現在も連携体制が取れていますので、スムーズに紹介ができます。
なぜ消化器内科をご専門にされたのでしょうか?
父と同じ「循環器を専門に」と初めは考えていましたが、大学6年生の頃、消化器内科を専門とする先輩たちからこんな話を聞きました。当時の消化器内科には肝硬変などの慢性的な疾患を患っている患者さんがとても多く、さらに複数の慢性疾患を併発されている方も少なくありませんでした。患者さんは複数の診療科を受診する場合、患者さんの状態を総合的に把握する診療科がどこになるのか判断が難しくなります。そんな状況に対して先輩たちは、われわれが専門領域の疾患のみではなく、患者さんの状態をトータルでしっかりと把握し、主治医として総合的に責任を持ってケアしていかなくてはならないと話していました。いずれはかかりつけ医として地域医療に貢献したいと考えていましたので、先輩たちの患者さんへの思いや主治医としての使命感に強く感銘を受けたのです。そして私も同じ環境で一緒に自己研鑽に励みたいと思い、消化器内科への入局を決めました。
先生は内視鏡のご経験が豊富であると伺いました。

大学では内視鏡治療を専門としたグループに所属し、新しい知識や技術の習得に仲間たちと切磋琢磨していましたね。毎日多くの救急患者さんを受け入れていましたので、救命救急の現場でも消化管出血に対する緊急内視鏡を多く担当していました。出血が続けば、血圧や意識レベルが低下し、急変する危険性もある中での検査です。内視鏡操作で嘔吐反射などを誘発すれば観察条件は一層悪くなってしまいます。迅速な判断、丁寧な操作ですばやく出血部位を見つけ、正確な止血処置が必要です。検査中は内視鏡モニター画面だけでなく、患者さんの呼吸や意識状態も同時に観察しなければなりません。そのような環境の中研鑽を積んでおりましたので、通常の内視鏡検査でもより負担・苦痛が少なくなるように心がけています。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医も取得していますので、お気軽にご相談いただければと思います。
脂肪肝の診療にも尽力されているとお伺いしました。
飲酒による脂肪肝と、特に飲酒歴がないのに肝臓に脂肪がたまりすぎてしまう代謝異常に関連する脂肪肝(MASLD)が日本でも近年増加しています。それらの中には、放置するとやがて肝硬変や肝がんへ進展する危険なものも含まれています。しかし肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状はほとんどなく、重篤な状態へ進行してから発見に至ることも少なくありません。当院では肝臓の脂肪の量や硬さを計測できる先進の超音波診断装置を導入しており、日本肝臓学会肝臓専門医としてその専門的な見地からそれぞれの肝臓の状態を把握し適切な指導を行っています。健康診断などで肝機能異常や脂肪肝を指摘された方、肥満や糖尿病などの代謝異常がある方は一度ご相談ください。
気軽に相談・診療・検査ができるクリニックをめざす
これまでの経験を生かして、現在診療されているのですね。

開業医として尽力する父の姿、救急の現場に携わりたいという思い、大学時代に出会った先輩たちから受けた薫陶が、私の医師人生に大きな影響を与えました。これらの経験は「開業医として地域の方たちの診療を行う」という今のモットーにつながっています。もともと地元の医療に貢献したいという思いも強かったんです。今後さらに地域の医療に貢献していくために、今も勉強会やセミナーへ積極的に参加し、新しい知識や技術の習得に励んでいます。また内視鏡検査は少しでも苦痛を取り除けるように工夫しています。検査が初めての方は心配で緊張されると思いますが、リラックスできるようお声をかけながら検査を行っております。検査後に来年もまた検査を受けてみようと思っていただけるとうれしいです。
診療体制とスタッフの皆さんについて教えてください。
診察は私と父、妻の3人体制で行っており、妻は私と同じく、日本消化器病学会消化器病専門医と消化器内視鏡専門医でもあり、一緒に研鑽を積んだ頼れるパートナーです。他に、スタッフは受付担当が5人、看護師が3人在籍。長年通院されている方や親子で通われている方も多いので、名前だけではなく家族構成なども把握した状態で接するようにスタッフ一同心がけています。「あの患者さんは〇〇さんのお子さん」などと覚えておけば、ご家族の健康も気にかけられますからね。こういったこまやかな対応ができるのは、地元の開業医ならではの強みだと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

内科全般の診療、超音波検査や胃の内視鏡検査にも対応しているので、気になることがあれば何でもご相談ください。また症状が出る前の健康診断や検査も大切です。職場や地域が行っている検査を積極的に受けていただき、その結果については当院にご相談いただければと思います。これまで「開業医として地域の方たちの診療を行う」という思いを胸に医師の道を歩んできました。これからも地域の皆さまの健康を支えていきたいと考えています。長年お付き合いのある患者さんはもちろん、新規の方もお気軽にお越しください。

