今井 寿 院長の独自取材記事
いまいクリニック
(各務原市/那加駅)
最終更新日:2026/10/06
JR高山本線・那加駅から車で10分、県道114号と稲羽本通りの交差点近くに位置する「いまいクリニック」。大学病院の消化器外科で研鑽を積んだ今井寿院長は、肝臓・胆嚢・膵臓のがん治療の経験が豊富だ。同院では、専門である消化器疾患をはじめ肛門疾患や外傷、生活習慣病など、地域のかかりつけ医として幅広い診療を行っている。患者の話にきちんと耳を傾け、これまでの経験を生かしてできる限りの対応をする今井院長。開業医となって6年目を迎える今井院長に、クリニックの診療内容や日頃の様子を聞いた。
(取材日2026年9月10日)
母の病気をきっかけに医師を志す
医師を志したのはいつ頃からでしょうか?

私は下呂市金山町で生まれ、萩原町で中学・高校時代を過ごしました。飛騨地方の自然の中での生活は、今の自分の基盤となっています。もともとエンジニアを志して大学は工学部に進もうと決めていた私が、医師という仕事を意識し始めたのは高校3年生の時です。母が病気になり、約半年という長期間の入院治療を要したのです。母が入院する高山市内の病院まで電車で1時間かけて見舞いに行ったりするなど、その間、父と男3人兄弟での生活はあらゆる面で大変でした。手術が終わってからは病院を訪問する機会も多くなり、病気に苦しむ患者さんや家族をさまざまな面からサポートしていく多くの職業があることを知りました。中でもリーダー的立場にあった医師に、自然と強く憧れるようになったのだと思います。
どのような大学時代を過ごされましたか?
福島県立医科大学に合格して6年間を学生寮で過ごしましたが、木造平屋の古い建物で、「夏は外より暑く、冬は外より寒い」と言われるようなところでした。しかし岐阜から一人で福島へ移った私にとっては、同じ屋根の下で生活する多くの友人や先輩の存在はとても温かく、心強いものでした。いろいろな性格の仲間との共同生活は、とても刺激的であり、自分の柔軟性を高めてくれた気がします。もともと運動が好きで高校まではソフトテニスをしていましたが、大学は準硬式野球部に入部。チームの勝利のためには、みんなが同じ方向を向いて協力し合い、一人ひとりが努力しなければいけません。そういった部分が、役割分担が重要な外科手術に通じており、消化器外科を志すようになっていきました。
開業されるまで、どのような病院で勤務されましたか?

大学卒業後も福島に残ることも考えましたが、家族とも相談し岐阜に帰ってきました。現在は研修医終了後から専門性に富んだ教育プログラムを受けることができますが、当時の外科医は専門領域以外にもさまざまな診療に対応しており、専門領域外を広く勉強する機会を神戸市の病院で得ることができました。消化器外科疾患だけでなく、外傷を中心とした救急医療、整形外科や脳神経外科疾患の管理・治療など広く先輩医師よりご教授いただきました。思い返すとそこでの修業は、クリニックを継承した現在、とても役立っています。その後は消化器外科、中でも肝臓、胆嚢、膵臓領域の外科手術を専門としてきました。京都大学医学部附属病院に肝移植手術の勉強に行くなど、全国各地の専門病院で経験を重ね、地元の岐阜県でも難易度の高い肝臓・胆嚢・膵臓の手術を行えるよう研鑽を積んできました。
地域のみんなが頼れるかかりつけ医として、幅広く診療
どんな患者さんが来院されていますか?

小児から高齢者まで幅広い年齢層の方が来院されています。当院は外科も診療しているので、お子さんから高齢者まで、幅広い世代の方のけがの治療にも対応しています。痔の日帰り手術にも対応していますので、肛門疾患の患者さんも多いですね。頭部のけがでも、初期治療としてCT検査も利用しながら内部に隠れた出血がないかまで、しっかりと見極めるようにしています。その経験も生かし、緊急時の判断は迅速に行っています。内科では、生活習慣病から一般的な風邪や腹痛など幅広く診療しています。高齢の患者さんの中には、通院が困難になってしまう方もいらっしゃるので、そういった方については訪問診療で対応しています。近くに地域包括支援センターもあり、連携していますので、福祉や介護の相談につなげることもしています。
開業前は、がん治療にも携わってきたと伺いました。
大学や総合病院に勤務していたときは、消化器外科の医師として消化器のがんを手術で治療することが中心でした。しかし、進行したがんでは、手術だけで太刀打ちできないこともあり、抗がん剤治療や放射線治療などを組み合わせて治療を進めていくこと、つまり集学的治療も消化器外科医の役目でした。ですので、外科が専門ではありますが、手術以外の治療方法にも広く携わってきた経験から、大きな病院でがん治療をされている患者さんの相談や緩和ケアにも役立てています。患者さんは、大きな病院での診察中には、時間の枠を気にされて聞きたいことを全部聞くことができないこともあるでしょう。抗がん剤の副作用についてや今後の見通しなど、患者さんが不安に感じていることについて時間をかけてお話ししています。病院との連携もしっかりと取って、がん治療のサポートをさせていただいている状況ですね。
設備面でのこだわりについて、お聞かせいただけますか?

おなかや肺などの診断をより精密に行うため、もともとあったCTを新型のものに入れ替えました。また、電子カルテや超音波診断装置も導入しています。外科専用処置室は、外科の処置や肛門疾患の日帰り手術などで使用しています。処置室を作る上では、防音と空調にこだわりました。処置に限らず診察の時でも、「他の患者さんに聞かれないだろうか」と気になる方は多くいらっしゃると思います。患者さんのプライバシーを守るため、特にデリケートなお悩みのご相談など処置以外の用途で使うこともあるんですよ。
頼りになるスタッフとアットホームな院内の雰囲気
スタッフさんは、ベテランの方も多いそうですね。

この地で長年医療機関に勤めてきたスタッフが在籍しているので、私も安心して任せています。整理整頓が得意なスタッフも多く、院内をいつもきれいにしてくれていますね。患者さんにも親切に接してくれていますし、いつも明るくアットホームな雰囲気です。
患者さんが知る診療中の先生以外の、日常の先生の様子も教えてください。
8時30分の診察前にも、エコー検査のために朝食を抜いて来てもらった患者さんの検査や診察前の準備があるので、毎日7時前には出勤しています。午前診療が終わると、そのままカルテの整理をして、昼食は食べないこともあります。その後少し休んで午後の診療をします。診療は19時まで行っているので、仕事帰りに受診する患者さんや終了間際に急な発熱などで来院される患者さんもいらっしゃり、帰るのは19時30分ぐらいですね。勤務医の頃は、たくさんの仲間に助けてもらっていましたが、むしろ一人で診療する開業医のほうが大変かもしれません(笑)。でも、かかりつけ医としてのやりがいがあるので、毎日楽しいです。貴重な休みの日は、家族で山登り、スポーツ観戦、ゴルフなどをして、リフレッシュして過ごすことが多いですね。
地域の方々へのメッセージをお願いします。

開業からのこの5年間で、初診の患者さんも増えていますし、近隣の先生方との連携も深めてきました。地域のかかりつけ医として少しずつ浸透してきたのかなと感じています。地域に少しでも役立っているとうれしいですね。先にお話ししたように、さまざまな年齢層の患者さんのあらゆるニーズに応えられるよう、内科疾患、けがの処置、痔の手術など、幅広く対応しております。また、ご高齢の方は、家族に送迎を依頼しているためか、遠慮して受診が遅くなりがちで、悪くなるまで我慢していることも多いです。早めの受診が、回復を早めることにつながることがあります。往診で対応することもできますので、気になる症状があれば、我慢せずにぜひ早めに相談してほしいですね。今後も末永く、地域の皆さんの健康をサポートしていきたいと思っています。

