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水野 智一 院長の独自取材記事

水野生々堂医院

(土岐市/土岐市駅)

最終更新日:2021/10/12

水野智一院長 水野生々堂医院 main

岐阜県土岐市の「水野生々堂医院」は明治時代からこの地域の健康を見守ってきた歴史ある医院だ。4代目院長の水野智一先生は消化器内科の医師として県内外の基幹病院で研鑽。2008年に地域医療に貢献するべく地元に戻って医院を継承した。内科・消化器科・小児科を診療し、得意とする大腸内視鏡での検査と治療をはじめ、子どもから高齢者までの幅広い疾患に対応。また、往診や在宅医療に積極的に取り組み、高齢化する地域の医療ニーズに応えている。「専門用語を使わず、わかりやすい言葉で患者さんに説明するように心がけています」と語る水野院長に、勤務医時代の貴重な経験や今後の展望を聞いた。

(取材日2020年3月27日)

4代にわたり、町のかかりつけ医として地域医療に貢献

こちらの医院の歴史をお聞かせください。

水野智一院長 水野生々堂医院1

明治時代から代々この地域で町のかかりつけ医をしてきました。私で4代目になります。私が子どもの頃、地域に内科系の医院は当院のほかに一軒だけでしたから、父は内科全般からけがの手当てまで幅広く診ていました。休診日や遅い時間でも具合の悪い方がいれば対応する父の姿を見てきたので、私も自然に医師をめざすようになりました。以前の医院は住宅地から離れた所にあり、手狭だったこともあって、12年前、私が勤務医をやめて戻ってきたのを機に、この場所に移転したんです。駐車場も広くなり、来院していただきやすくなったのではないかと思います。父は一昨年他界しましたが、父の代からの患者さんが引き続き通院してくださいます。

こちらの医院に戻られるまでのキャリアをお聞かせください。

藤田保健衛生大学の医学部を卒業後、東海中央病院、国立名古屋病院、名古屋大学医学部附属病院、土岐市立総合病院に勤務しました。専門は消化器内科で、消化器がんや肝硬変の治療、内視鏡治療を数多く経験できました。名古屋大学病院では潰瘍性大腸炎やクローン病の治療と研究に従事しながら胃炎とピロリ菌の研究で博士号を取得しています。勤務医時代は終末期の方の看取りをすることも度々ありました。そうしたことが医師として貴重な経験になりました。

専門を消化器内科に決められた理由は何ですか?

水野智一院長 水野生々堂医院2

父が消化器内科の医師で、私はこの医院の後継者だという自覚がありましたから、父と同じ専門科がいいだろうと考えました。外科にも興味があったのですが、消化器内科というのは外科と内科がオーバーラップするところがあるんです。内視鏡で消化器のポリープやがんを切除しますからね。外科への関心もかなえられると思い、消化器内科を専門に決めたのですが、初期研修を受けた東海中央病院は専門科だけでなく内科全般を診るという研修方針でした。これはとても勉強になりました。消化器疾患の患者さんを循環器や呼吸器の先生とのチームで治療しましたし、肺がんや脳梗塞、糖尿病の患者さんを診ることもありました。その経験は開業してからもたいへん役に立っています。

往診、在宅医療に取り組み、地域の高齢化に対応

主な患者層や多い症状を教えてください。

水野智一院長 水野生々堂医院3

地域の高齢の方たちが中心です。また、小さいお子さんの小児感染症や予防接種から、成人の内科一般診療まで幅広く診療しています。高齢の患者さんの症状の多くは高血圧、脂質異常症、糖尿病です。これらの生活習慣病は服薬とともに食生活や運動習慣も改善していただきたいですが、私は一言か二言、注意点を言うようにして、あまり制限しないようにしています。この辺りでは90歳代の方が歩いて通院されることもあるくらい、お元気な高齢者が多いんです。そういう方たちが医師に厳しいことを言われるのが嫌で通院しなくなってしまうよりも、定期的に診せていただいて、無事に生活できるように見守りたいと思っています。また、当院は在宅医療にも取り組んでいますので「通院できなくなったら相談してね」と言っています。

漢方診療も行っているとお聞きしました。

はい、患者さんの症状や体質に合わせて行っています。西洋薬ではなかなかとれない症状も漢方だと解決が望めることもあります。総合病院に勤務していた際にOBの先輩からアドバイスをもらったことがきっかけで漢方診療に興味を持ちました。当院に来た1年くらい前から漢方の勉強会にも出席するようになり、治療の幅が増えることがやりがいにつながりました。しかし、最初からすぐに漢方を渡すというのでは心配される患者さんもいらっしゃると思いますので、まず一通り検査をして、処方しても問題ないとしっかり確認してからにしています。

高齢患者の往診や在宅医療に積極的に取り組んでおいでですね。

水野智一院長 水野生々堂医院4

基幹病院の病床数は減少傾向にありますし、国も在宅医療を積極的に推進しています。地域の高齢化も進んでいますので、今後さらに求められる分野だと考えています。当院に通院されている患者さんの中にも「自宅で最期を迎えたい」と言われる方がいらっしゃいます。父の代から長く診てきた方たちが、住み慣れた家で心穏やかに過ごせるよう支援したいと思っています。一方で、患者さん本人が在宅医療を望んでも、おうちの方は考えが異なるかも知れません。在宅医療は家族に負担がかかることでもあるからです。ご家族のお気持ちもよく伺って、不安や負担をケアするように心がけていきたいと思います。

検査や治療の機器はどんなものがありますか?

胃カメラと大腸内視鏡、また腹部・頸部・心臓のエコー検査ができます。胃カメラで疑わしい病変を認めた場合は組織を採取して詳細な検査のできる病院に送りますし、大腸内視鏡でポリープが見つかった時は切除できるものは検査時に処置します。腹部のエコー検査は私がやりますが、心臓と頸部のエコー検査は週に2回、知り合いの検査技師に来てもらっています。がんなどの病気を早く見つけ、しかるべき医療機関に紹介するのも町の医院の重要な役割です。こうした機器を導入して見逃さないように心がけていますが、まずは患者さん自身が異変や不調を相談してくれることが検査のきっかけや診断の手がかりになります。些細なことでも遠慮しないで相談していただきたいですね。

自治体や地域の医療機関と連携、高齢者の健康を見守る

スタッフに心がけてほしいとおっしゃっていることはありますか?

水野智一院長 水野生々堂医院5

看護師も事務のスタッフも各自で考えて行動してくれるので私から何か言うことはないんです。看護師は父の代から勤めてくれている人で、介助から清掃までよくやってもらっています。当院の駐車場に雑草が生えていないのはその人のおかげです。頭が上がりません(笑)。また、医師には言いそびれてしまうことでも看護師には話せるという患者さんもいらっしゃいます。そういうことを伝えてくれるのも助かります。内容は症状のことだけでなく家庭環境の悩みもあります。これが結構大事なんです。高齢の方が家族と折り合いが良くないと、通院の送り迎えを頼みづらくて思うように受診できないがことがありますから。そんな事情も察するようにして、「往診もしますよ」と提案することで安心してもらえたらと思います。

小児科も標榜されていますが、小さい子を診療する時、気をつけていることはありますか?

小さいお子さんは自分で症状や経過を説明できない場合がありますから、親御さんによくお話を伺う必要があります。親御さんとの信頼関係やコミュニケーションが大事ですね。小児の定期予防接種にも対応していますが、ゼロ歳児はそれほど嫌がらずに注射させてくれるんです。1歳を過ぎると注射されるのがわかるようになるのか、あやしながら済ませるわけですが、大泣きするお子さんがいますね。泣かれるのはつらいのですが、お子さんの健康を守るため、予防接種をしないわけにはいきません。地域のお子さんたちとはこれから長いお付き合いになりますから、少しずつ仲良くなれたらいいなという気持ちで診療しています。

今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

水野智一院長 水野生々堂医院6

父は「医者が宣伝をするな」という考えでしたので看板広告さえ出さずに診療してきました。ですが、ホームページやオンライン診療など、時代の流れに合わせて新たな取り組みも行っていきたいと思っています。また、高齢で通院できなくなった時、どんな医療を望むのか、意思表示をしていただければ方針を立てやすいです。私に話しづらい場合は看護師に言っていただいても結構です。往診、在宅医療については地域の訪問看護ステーション、市の福祉課との多職種連携で取り組んでいます。ご自宅で医療を受けたいという方の希望をできる限りかなえられるように支援していきたいと思います。

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