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熊谷 恒朗 理事長、熊谷 常康 院長の独自取材記事

熊谷医院

(土岐市/土岐市駅)

最終更新日:2019/11/06

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開院120年の歴史を持つ「医療法人慈杏会 熊谷医院」。4代目院長の熊谷常康先生は、地域のかかりつけ医として、専門とする皮膚科だけでなく内科・外科・小児科などさまざまな症状を診療している。患者は0歳から100歳を超える高齢者までと幅広く、親子3代で通う家庭も多い。診療では、代々受け継いできた「医療において、地域に貢献していく」という教えを守り、患者の言葉にしっかりと耳を傾け、その言葉を治療に生かしたいと考える熊谷院長。地域の総合病院や大学病院とも密に連携し、必要に応じて専門の医療機関を紹介している。救急救命の経験を持ち現在も月に数日、ドクターヘリに搭乗する熊谷院長と、3代目院長の熊谷恒朗理事長に、クリニックの歴史や診療方針について話を聞いた。
(取材日2019年10月4日)

何でも診療し相談に乗るオールラウンダーな医師めざす

今年、開院120周年を迎えられたそうですね。

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【熊谷理事長】当院は、現院長の曽祖父である熊谷常次郎が1899年にこの地に西洋医学専門の診療所として開院し、すでに120年が経過しています。自院を継ぐ前は東京慈恵会医科大学を卒業して、皮膚科学教室で診療と研究をし、医学博士を受領しました。父の熱傷医療に熱心な姿を見て、皮膚科学領域である熱傷を主として3代目を継承しました。現在も熱傷の患者さんは多く、地域のかかりつけ医として幅広い症状に対応してきたため、親子3代、4代で通院されるご家族も多く、過去の死亡診断書には、文久や慶応生まれの患者さんのものもありました。

具体的にはどのような患者さんがいらっしゃいますか?

【常康院長】当院では0歳から100歳超えの方まで、幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃっていて、症状では皮膚科に限らず風邪などの急性期の疾患から糖尿病、高血圧などの生活習慣病、そして外傷や熱傷など、さまざまな疾患を診療しています。近年、医療は専門分野が細分化され、病院をはしごしなければならない状態になっています。しかし、複数の病院を回ることが肉体的、環境的に難しい方もいらっしゃいますから、何でも相談できて診てもらえるクリニックの存在はとても重要だと考えています。こうした背景もあり、まず初めのプライマリケアとして、オールラウンダーでいることの必要性を感じています。患者さんは中津川をはじめ遠方から見える方も多いので、遠くから足を運ばれた方のためにも、お話をしっかりと聞いて治療していきたいです。

理事長は土岐医師会の活動にも長年携わっていらしたとお聞きしました。

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【熊谷理事長】土岐医師会の活動として看護学校長を13年務めてまいりました。医師会での主な取り組みとして、「初期救急医療体制」を確立した結果、急病人を土岐医師会管内の医療機関で24時間365日、受診できるようになりました。土岐医師会准看護学校では、校長在任中に約350人の准看護師を養成し、地域の医療現場で貢献しています。運営面・経営面など計り知れない苦労がありましたが、会員の医師たちの協力のおかげで乗り越えることができたと感謝しています。

初代の教え「医療において地域に貢献する」を継承

診療時に心がけていることがあれば教えてください。

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【常康院長】私自身、大学病院で救命救急の現場が長かったものですから、救急医療や災害医療やフライトドクターの経験を通してさまざまな命の形を見てきました。こうした経験を生かし、可能な限り患者さんの声に応えられるよう、地域に寄り添っていきたいですね。当院には「おなかが痛い、風邪をひいた、やけどをした、けがをした」など、さまざまな症状の方が飛び込みでいらっしゃいますが、中には「風邪かと思ったら肺炎だった」という方や、「胸が苦しいというので調べたら心筋梗塞だった」という方もいらっしゃるので、患者さんの言葉にしっかりと耳を傾け、その言葉を治療に生かしたいと考えています。もう一点は、当院に代々続く「医療において、地域に貢献していく」という教えを守り続けること。患者さんのみならず、そのご家族にも来て良かったと思ってもらえるような、信頼できるクリニックでありたいです。

医療設備や専門医療機関との連携にも力を入れているそうですね。

【常康院長】一つの症状に複数の病気が隠れている可能性は十分にあり、一概に一問一答で決められるものではありません。機器や採血データなどさまざまな医療の力を借りて、多角的な視野で一つの病気を診断しています。また、より良い治療をめざし、エックス線室や手術室、光線療法室などを設置し、心電図やエコーなど一通りの医療機器を取りそろえています。加えて、地域の総合病院や大学病院との連携を密にして、専門的な医療の提供にも努めています。私は救命救急科で、生き死にに関わる患者さんを診てきました。そこには、笑って病室に入ってくる患者さんは一人もおらず、私たちがその時最善と考えられる治療を施しても、もう取り返しのつかない患者さんも多かったです。だからこそ今は、患者さんのためにも「今、診ることができるものはしっかりと診ておきたい」という思いがあります。

チーム医療にも取り組んでいらっしゃいます。

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【常康院長】医師が気づかないことに看護師が気づくことは往々にしてあるので、チーム医療は大切にしています。地域の患者さんから「何でも診てもらえる」と思われる、心のよりどころになるため、医師もスタッフも日々勉強しています。何よりも熱心なスタッフが多いものですから、定期的に勉強会を開いて、医学や接遇の面でも切磋琢磨しています。実際、これまでに看護師や事務員が話す患者さんとの何げない会話から、病気が見えてきたこともありました。そうした小さい情報をしっかりと摘み取ることをスタッフ一同これからも大切にしたいですね。

相談から治療の可能性が生まれ、解決策が見えてくる

院長が医師を志したきっかけを教えてください。

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【常康院長】熊谷医院自体は120年を超えています。自宅がクリニックの隣にあったこともあり、生まれた時からクリニックの中に住んでいるようなものでした。働いている父の背中や、クリニックに来る患者さんを見て育ち、自然な流れで「何か力になれることがあればしたい」と思うようになり医師をめざしました。大学卒業後は、将来的に熊谷医院に帰ってくることを考えていましたので、いろいろなことが学べる愛知医科大学病院の皮膚科で経験を積み、その後、救命救急科で重症患者の全身管理を学び、愛知県ドクターヘリのフライトドクターや、災害派遣医療チーム(DMAT)で活動をしながら、大学院を修了し、医学博士号を取得しました。当院の院長を継承したのは2016年のこと。ただ、就任する前から毎週水曜日に、ここで診療をしていたので患者さんは皆さん、十数年以上の顔見知りです。

院長は愛知医科大学病院のドクターヘリにも搭乗されているそうですね。

【常康院長】愛知医科大学病院は2002年からドクターヘリをスタートし、私は2005年からフライトドクターとして乗っています。多いときは年間計500回ほどの出動要請がありましたが、現在も非常勤で月に数日乗っています。また、後輩の指導にも取り組んでいます。救急救命の経験の中で重症なやけどを負った患者さんを診た経験も多く、クリニックの診療へも生かすことができています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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【熊谷理事長】常康院長も大学病院から来て今年で3年。これからは診療はもちろん、医師会の活動や地域医療、地域福祉、学校医のことなど、より一層研鑽し、いろいろな知識を身につけて患者さんのためになる医療機関に育ててほしいですね。また、私の大切にしている「病気を診ずして病人を診よ」という言葉は現代にも通じ、現在の医療現場には絶対に必要でしょう。ぜひ活用してほしいものです。
【常康院長】当院の歴史の重みをしっかりと受け継いでいきたいと思っています。現在は近隣の学校医や看護学校の講師も務めており、そうした活動も含めて地域医療に貢献できればと考えています。来院された患者さんの病気や悩みをすべて診る気持ちで診療に取り組んでいきます。病気について困っていることがあれば、何でも相談していただきたいです。どんなに小さなことでも相談してもらえれば、そこから治療の可能性は広がり、見えてくる解決策は必ずあります。

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