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戸谷 理英子 院長の独自取材記事

戸谷内科

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2022/08/22

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岐阜駅から車で15分ほどの住宅街の一角にある「戸谷内科」。駐車場が用意され、自家用車でのアクセスも安心だ。戸谷理英子(とたに・りえこ)院長の両親が1965年に開業した同院。待合室には健康に関するシリーズものの冊子や健康診断の案内などが多く並ぶ。日本糖尿病学会糖尿病専門医の戸谷院長は、糖尿病の治療には「チーム医療」で取り組むことが大切だとの考えを持ち、糖尿病療養指導に長けた看護師2人、管理栄養士2人と協力しながら患者一人ひとりに合った診療を実践している。岐阜県医師会で地域医療の充実、糖尿病予防の啓発活動にも尽力する戸谷院長に、患者への思いや自分の健康を守ることの大切さなど、幅広く語ってもらった。

(取材日2019年1月29日/情報更新日2022年8月17日)

糖尿病内科を専門とし全身の診療ができる医師をめざす

ご両親が開業されたクリニックなのですね。

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1965年、私が小学校2年生の時に両親が開業しました。ご近所の方が体調を崩されて診てもらえないかと頼まれたのが開業のきっかけだったようです。当初は自宅の1室を改装した小さな診療所でしたので、私は医療を身近に感じながら育ちました。高校進学の際に母から「医師は尊敬される仕事。そういう仕事に就けるというのはある意味幸せなことだから、頑張れるなら頑張ってみたら」と勧められたことでめざすべき道が明確になりました。しかしながら理系科目への苦手意識がなかなか拭えなかったのも事実。高校2年生の時に予備校の理系コースの入塾試験に合格できたことをきっかけに、医学部合格をめざして勉強に打ち込めるようになりました。

糖尿病内科を専門とされたきっかけを教えてください。

教育システムが整っており、将来の糧になるさまざまな臨床経験を積めると考えて東京女子医科大学へ進学しました。内科を選んだのは、両親の後を継ぐことも考え、一生腰を据えてやっていけそうだと思ったからです。入学直後に内科系の教授たちによる医学ガイダンスがあり、糖尿病内科の教授が「糖尿病は頭の先から爪先まで全身に症状が出る病気。だから糖尿病内科を学べば全身のことを勉強できる」とおっしゃったんです。この言葉に感銘を受け、その時点で糖尿病内科に入局を決めていました。糖尿病センターとして内科・眼科部門があり、入局後には透析設備も整備されました。患者さんは内科に入院して血糖管理を受けながら眼科手術を受けることができました。専門的な治療と合併症など全身管理を学べる恵まれた環境でしたね。

どのタイミングで地元に戻られたのですか。

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糖尿病センターに入局して9年ほどたった頃、脂質の測定法を学ぶため、夏休みを利用し地元の岐阜大学の臨床検査医学教室に1週間出入りしました。偶然それを知った岐大病院にいる高校の同級生から連絡があって、近々地元に戻ってくる気があるならと医局長に紹介されました。その後、動脈硬化の勉強会では別の同級生とも再会し、岐大の情報も教えてもらいました。帰ろうか迷っていた時期にそういう偶然の機会に恵まれたんですね。また、すでに当院は改築が済み、岐大の第2内科出身の両親は研究会にもよく参加して情報交換をしていました。私は学位も取得後でしたので戻ってこようという意思が次第に固まってきたんです。

チーム医療で患者一人ひとりに合った治療を実践

地元に戻られた当初はどのように過ごされていたのですか。

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10年間母校で研鑽を積んで岐阜に戻ってからも、7年間は月に2回上京して糖尿病センターの外来を担当し、同時に岐阜大学の第1内科にも研究生としてお世話になり、糖尿病以外の分野の研究会にも積極的に参加していました。すでに両親が生活習慣病を中心にした診療体制を築いていたので、私はその中に入った形でしたが、当初は病院勤務医の時と同じ意識だったので、迷いもあり、開業医として考え方を変えなければいけないと両親からも言われていました。日々患者さんと向き合う中で、私は成長させていただいたと実感しています。多くの高校の同級生との縁、両親の縁もあって、幅広く勉強する中で交流も広がり、病態・疾患ごとに相談や患者さんをお願いできる先生たちとのつながりも徐々に広がっていったんです。今、病診連携がスムーズにできているのは、当時、顔の見える関係を多く築くことができたからだと思っています。

患者さんを病院へ紹介する際に心がけていることをお聞かせください。

紹介状を書く際には、患者さんの病歴や治療歴、現在の病状、また生活環境などのバックグラウンドがしっかり伝わるよう心がけています。だから私の紹介状は長いとよく言われますね。あとは、例えば糖尿病の患者さんにがんが見つかって入院することになったときには「この方は糖尿病があるので血糖管理も院内連携などでよろしくお願いします」と伝えて、手術だけでなく全身管理にも注意してもらえるようにします。また、患者さんに対しては「いい機会だから入院中に食事など勉強してきてくださいね」とお話しします。

普段の診療ではどのようなことを意識していますか。

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当院では糖尿病療養指導専門の看護師がおり、初診時には30分ほど時間をかけて患者さんに現在の状況をお聞きしています。その後の診察で私が患者さんにお話しした内容についても、再度スタッフが別の言葉でフォローしています。彼女たちの役割は非常に大きいですね。医師には言いにくいけれどスタッフには気軽に話せるという方は多くて、「今日は何食べてきたの?」「昨日は宴会だったんだ」などといった会話が聞こえてきます。栄養指導も管理栄養士が行いますから、いろいろな職種のスタッフと接する中で、少しでも頑張ろうかなと前向きになってもらえる部分があると思います。また、副院長は心療内科も担当します。メンタル面も含めチームで患者さんを支えることがとても重要。生活をすぐに修正するのは難しいですが、できることから取り組んでいただこうという考えでやっています。

定期的な健康チェックと正しい知識で病気を予防

今、力を入れていらっしゃるのはどのようなことですか。

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岐阜県医師会の理事として糖尿病対策を担当しています。糖尿病は自覚症状が出にくいので放置されがちですが、それを早いうちに発見して治療に持っていくことが重要です。継続的な定期健診・メタボ検診を勧めていますが、まず取り組んだのはフローチャートを作成し、健康診断で引っかかった方を必ず次の検査へつなげるという糖尿病予備軍対策です。また、人工透析になる原因の多くが糖尿病なので、合併症、特に腎臓が悪くならないようにする重症化予防事業も県とともに進めています。受診・治療が必要な人たちに必ず受診してもらえるような体制づくりが急務です。また、病診連携・行政との連携のために糖尿病連携手帳の活用をお願いしています。

糖尿病予防のためには生活のリズムを整えることも重要ですね。

規則正しい生活習慣とバランスのとれた食事が重要です。そのためにはご家族の協力も欠かせません。1日中デスクワークの方も多く何かとストレスの多い世の中ですが、その中で自分なりに運動習慣をつくり、ストレス発散することが大事ですね。正しい知識を啓発し、自分の健康を自分で守ろうと呼びかけていくのも医師の役目だと思います。夕食を1時間早くする、1日20分歩く。それだけでも随分変わります。食べる順序に注意して血糖を上げにくい食事を心がけることも大切ですね。当院でもスタッフ一同、正しい知識を身につけ、患者さんに適切なアドバイスができるよう、さらなるレベルアップをめざしています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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自分の健康は正しい知識を持って自分で守るべきもの。テレビやインターネットの情報に惑わされず、かかりつけの先生を持って、わからないことはまず相談していただきたいですね。そうすれば必要に応じて、診診連携・病診連携などでその分野に詳しい先生を紹介してもらうこともできるでしょう。あと健康診断はぜひ受けてください。結果が問題なければ安心できますし、万一大きな病気が見つかっても、早期発見できれば治療が可能です。また、現在新型コロナウイルス感染症が流行していますが、糖尿病治療は採血をしないといけないこともあり対面診療を重要視しています。糖尿病について言えば、食事制限など負のイメージが大きいと思います。でも、何のための健康かということを考えていただきたいんです。より良い人生を送るためには健康であることが前提ですよね。当院はこれからも皆さんの健康をチーム医療で支えていきたいと考えています。

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