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戸谷 理英子 院長の独自取材記事

戸谷内科

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2026/01/23

戸谷理英子院長 戸谷内科 main

岐阜駅から車で15分ほどの住宅街にある「戸谷内科」は、1965年に開業して以来、地域住民の健康を支えてきた。2代目院長であり日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を持つ戸谷理英子先生は「糖尿病治療では、患者さんが話しやすいと感じる関係づくりと、チーム医療での取り組みが大切」と語る。同院には、糖尿病療養指導に長けた看護師3人、管理栄養士2人が在籍。職種を超えて協力し、患者一人ひとりに合った対応を心がけている。岐阜県医師会の理事として地域医療の拡充にも尽力する戸谷院長に、同院が取り組むチーム医療による治療の進め方や、患者と関わる際に大切にしていることなどについて詳しく尋ねた。

(取材日2025年9月22日)

糖尿病内科を専門とし全身の診療ができる医師をめざす

糖尿病内科を専門とされた経緯をお聞かせください。

戸谷理英子院長 戸谷内科1

当院は1965年、近所の方が体調を崩されて診てもらえないかと頼まれたのをきっかけに、両親が開業したそうです。当初は自宅の一室を改装した小さな診療所でしたので、私は医療を身近に感じながら育ちました。高校進学の際に、母から勧められたことをきっかけに、医学部をめざすように。その後、教育システムが整い、さまざまな臨床経験を積める場である東京女子医科大学へ進学しました。内科を選んだのは、両親の後を継ぐことも考え、また一生腰を据えてやっていけそうだと思ったからです。さらには、入学直後の医学ガイダンスで、糖尿病内科の教授の「糖尿病は、頭の先から爪先まで全身に症状が出る病気。糖尿病内科を学べば、全身のことを勉強できる」という言葉に感銘を受け、糖尿病内科への入局を決めました。

入局後の様子と、地元に戻られたきっかけを教えてください。

東京女子医大では、入局先で半年間研修後に全内科を3ヵ月毎にローテーションします。東京女子医科大学糖尿病センターには内科と眼科部門があり、透析設備も整備されていました。糖尿病を中心に合併症など全身管理を学べる恵まれた環境でしたね。入局して9年ほどたった頃、脂質の測定法を学ぶため、岐阜大学医学部の臨床検査医学教室に1週間出入りしました。偶然それを知った同院にいる高校時代の同級生から連絡があり、第1内科学教室の医局長を紹介され、その後、動脈硬化の勉強会では別の同級生と再会し、岐阜大学の情報を教えてもらいました。地元に戻ろうかと迷っていた時期にそのような偶然が重なり、また、当院の改築も済み、私も学位を取得した後でしたので、地元で医師として貢献しようという意思が次第に固まっていきましたね。

地元に戻られた後は、どのように過ごされていましたか。

戸谷理英子院長 戸谷内科2

岐阜に戻ってからも7年間は月に2回糖尿病センターで外来を担当していました。両親は岐阜大学の第2内科出身で、その関連で循環器疾患の研究会にも参加し、私自身は同時に、岐阜大学の第1内科教室にも研究生としてお世話になり、糖尿病以外の分野について相談できる医師とのつながりを広げることができました。今、病診連携がスムーズにできているのは、多くの顔の見える関係を当時から築くことができたからだと思います。

チーム医療で患者一人ひとりに合った診療提供を重視

糖尿病透析予防について、どのように取り組まれていますか。

戸谷理英子院長 戸谷内科3

糖尿病透析予防は、糖尿病治療中で、すでに早期腎症がある方が人工透析が必要な状態にならないよう、管理目標を立て、医師・看護師・管理栄養士とチームで病状の進行抑制をめざします。普段の診療に比べ、より時間をかけ、患者さんの日常生活や考えを聞きながら、定期的に集中した療養指導を行う流れです。医師が患者さんにお話しした内容についても、状況に応じて看護師がより理解しやすいよう補ってくれます。患者さんのモチベーションを保てるように、日常生活での細かなアドバイスも行いますから、彼女たちの役割は非常に大きいですね。糖尿病治療は患者さんとともに医師・看護師・管理栄養士がチームとなって行うことがとても大切なのです。

患者さんと関わる際に大切にしていることはありますか。

糖尿病は一度発症すると、良好なコントロールを維持するという生涯管理が必要です。患者さんが病気を理解し、向き合って継続して治療を続けていただけるよう、患者さんを支援する私たちの役割はとても重要だと思います。患者さんが日常生活の中で食事や身体活動の軌道修正をどこまで取り組めるかは、ご家族の協力体制によっても大きく左右されます。自炊経験もない独居の方などお困りの方も多く、また、今は多くの薬が登場していますが、効果が期待できても費用が高く、経済的な面で治療を中断される方もいるのです。当院では、患者さんが何に一番困っていて、治療のために何ができるのかといった相談に乗り具体案を提案しています。患者さんにとっては、治療を継続していくこと自体がとても大変なことですから、声かけの仕方も工夫していますね。少しでも前向きな気持ちで自己管理に取り組んでいただけるとうれしいです。

そのほか、治療において工夫されていることがありましたらお聞かせください。

戸谷理英子院長 戸谷内科4

最近、看護師の勤務日が増え、糖尿病透析予防にもより力を入れることができるようになりました。また、今年は電子カルテを導入したので、患者さん一人ひとりの目標を明確にして、私たちがどのように関わり、現状はどうなのかなど、今まで以上に丁寧に記録できるようになりました。糖尿病は自己管理が大切なので、必要に応じて患者さん自身による記録もお願いしています。「体重ノート」は、イベントと体重の関係が理解でき、減量による血糖の良好化や血圧低下など「見える化」の効果はとても大きいと思います。自己血糖測定から持続血糖測定への切り替えも、血糖変動を、楽に点から線で見える化することで、多くの患者さんが食事や運動と血糖の関係を自らよく理解できるようになり、HbA1c値の良好化にもつながります。今後も、患者さんの負担を少しでも軽くし、治療を続けていただけるような工夫を重ねていきたいですね。

肝臓検査装置を導入し、肝臓がんの早期発見に取り組む

新たに検査装置を導入したそうですね。

戸谷理英子院長 戸谷内科5

9月から新たに超音波を用いた肝臓検査装置を導入し、肝臓の脂肪量・線維化を定量できるようになりました。検査は、食後3時間以上経過していることが必要ですが、脂肪肝の脂肪量、肝硬変へ進行する線維化の目安など、数分で測定できます。この検査を今年から保険診療で行えるようになりましたので、6ヵ月に1回くらいの頻度で受けていただくことをお勧めしています。糖尿病と脂肪肝は合併しやすいだけでなく、脂肪肝から慢性肝炎となり肝臓の線維化が進み、肝臓がんになることがあるのです。またかくれ脂肪肝を早期発見することにもつながります。減量や治療効果の判定にも役立ちますので、患者さんの治療意欲にもつながることを期待しています。

岐阜県医師会の理事として取り組まれていることについて教えてください。

岐阜県医師会の理事として、糖尿病対策を担当しています。糖尿病は自覚症状が出にくいため放置されやすい傾向があります。そのため、継続的な定期検診と、健康診断で問題のあった方を必ず次の検査へつなげることが重要です。現在は、糖尿病性腎症重症化予防事業に取り組み、行政とともに糖尿病性腎症重症化予防プログラムを作成しました。各地域の医師と保健所・行政との連携がとても重要ですね。岐阜県は特定健診受診率は高いのですが、保健指導はもっと増やすことが重要です。岐阜県の糖尿病による新規透析導入数は250人前後でしたが、2018年からこのプログラムが開始され、2023年には184人まで減少し、2032年までに180人以下にするという岐阜県の目標は達成することができそうです。診診連携のため糖尿病連携手帳の活用を強く推進しています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

戸谷理英子院長 戸谷内科6

健康診断を受けている方の中には、数値が悪くても病院に行くのを面倒に感じたり、受診する重要性を感じていない方がいらっしゃいます。不安に思われている方も、まずは来てみないとわかりませんので、堅苦しく考えずに気になることがあればご相談にいらしてください。糖尿病は万病のもとともいわれ、感染症の症状を重症化させてしまうこともあります。治療は薬のみで行うのではありません。薬の量を減らしていくために、日常生活の中で気をつけていただければと思っています。当院では、今後も糖尿病を含む生活習慣病に力を入れ、患者さんがいつまでも自分の足で歩くことができる長寿でいられるよう、健康維持のお手伝いに努めていきたいですね。

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